かつて栗城はメディアに対し七大陸最高峰の単独・無酸素登頂をアピールしていたが、のちにそれは勝手に書き立てられたことだと主張。しかし過去に自身のブログなどで七大陸最高峰の単独・無酸素登頂に関し幾度となく触れている。
七大陸最高峰の単独・無酸素登頂について
- 七大陸最高峰は人気があって登山者が多く、登山シーズンのノーマルルートで単独は成立しない。また、キリマンジャロとビンソンマシフではそもそも単独で登ることが禁止されている。(→個々の山の問題点)
- 七大陸最高峰のうち登頂に酸素ボンベが必要なのはエベレストだけであり、それ以外の最高峰登頂に酸素ボンベは不要である。ゆえに、エベレスト以外で無酸素登頂を果たしたという主張は、何ら価値を持たない。
メディア記事における七大陸最高峰の単独・無酸素登頂アピール
栗城は、
「7大陸最高峰・無酸素単独登頂ですね」と言い放っていた。
栗城は昨年までに、南米のアコンカグア、欧州のエルブルース、アフリカのキリマンジャロ、
オセアニアの
カルステンツ・ピラミッドに無酸素単独で登頂。残すは南極の
ビンソンマシフと、
世界最高峰のエベレストのみとなった。最近まで競い合っていた米国人は、
エベレストで酸素を使って脱落。残ったライバルは、エクアドル人登山家1人しかいない、という。
『登山:栗城史多さん、単独での七大陸最高峰制覇へ』 毎日新聞 2009年8月14日
日本人初の単独・無酸素での世界七大陸最高峰制覇を目指す登山家、
栗城史多(くりき・のぶかず)さん(27)が13日、東京都内で会見し、
世界最高峰エベレスト(8848メートル)の単独・無酸素登頂に挑戦すると発表した。
16日にカトマンズに向け出発し、9月29日に登頂を予定している。
『7大陸最高峰制覇に向け出発 栗城さん、単独無酸素で』 共同通信 2010年8月10日
日本人初となる世界7大陸最高峰の単独無酸素登頂に挑戦している登山家栗城史多さん(28)=札幌市=が
17日、残るエベレスト(8848メートル)登頂に向け、北海道・新千歳空港で取材に応じ
「自信はある。たくさんの人に夢を与えたい」と意気込みを語った。
人の手助けや酸素ボンベなしの過酷な登山方法で、これまで6大陸の最高峰登頂に成功。
昨年9月、エベレスト登頂に挑戦し約8千メートルまで登ったが、天候や体調などから断念した。
メディア記事を否定
ところが栗城は、7大陸最高峰の単独無酸素登頂は自身の口から出たことではなく、メディアが勝手に書き立てたことだと主張した。
2011年8月14日 twitterでの発言
栗城史多 @kurikiyama
新聞もたまに危険だなと思うのは記事をチェックさせてくれないこと。
それは記者からすると理解できるが間違ったことが書かれるのは良くない。
例えば、7大陸最高峰無酸素単独を目指すみたいな表現をされるけど、
僕は一度もそんなことは言ってない。→続く
でも、知らない人からすると6大陸もエベレストも同じように感じてしまうのかもしれない。
今はきちんと細かく説明するけど、それでもまたに間違った表記が出てくる。
そして、それがWikipediaに載り、正しい情報と見られる。取材する側はしっかり調べて、
受け人は丁寧に細かく説明が必要。
その後栗城はブログでも同様の主張を繰り返した。Wikipediaの内容は事実と異なると不満を漏らすが、具体的に指摘できるのは「7大陸単独無酸素を目指す」という記述のみ。
それはウィキペディアで僕が「7大陸最高峰単独無酸素」を売りにしていると書いているのですが、その事実は全くないです。まず7大陸最高峰は、エベレスト以外は酸素ボンベなしで登れるのは誰もがわかっていることです。僕がそのようなことを言っていたら、僕がお世話になっている山の先輩方々に注意されます。でも、言ってもいないので注意もなにもないです。
なぜ、そのようなことが広がったかというと、昔、取材で「6大陸を登ったら次はエベレストの単独・無酸素登山です」と答えたら記事に「7大陸単独無酸素を目指す」と書かれたのです。きちんとおつきあいをさせて頂いているメディアの方はそのような表現は決してしません。今は自分で栗城事務局のスタッフがメディアの管理をしてくれていますが、昔は一人で全てをやっていたので記事のチェックなどさせてもらえませんでした。今でも新聞やニュース、一部の雑誌などでは記事のチェックはさせてくれません。
確かに登山を始めた学生の頃は、5大陸最高峰で地球を感じながら山を登ってみたいという夢がありました。しかし、今は全くの別の目標です。
秋のエベレストは今の僕にとって最大の目標ですが、それは「終わり」ではなく、「始まり」です。8000mのバリエーションをソロで登るという究極の目標があります。(次に行く山は秘密です。)
検証
だが、過去に自身のブログなどで七大陸最高峰の単独・無酸素登頂に関し幾度となく触れているのである。
自身のブログ
本人のブログ 『ソロアルピニスト 栗城史多』
プロフィール
今年の5月には、世界第6位の高峰チョ・オユー(8,201m)の単独無酸素登頂に成功し、前人未到の世界7大陸単独無酸素登頂まで、南極最高峰のビンソンマシフと世界最高峰のエベレストを残すのみに迫った。
あっけらかんとした性格と小柄な体で、世界の高峰を目指す若き登山家。札幌市在住の25歳。
プンタ・アレナスに着いて2日目、ようやく落ち着いたところで、自己紹介をしたいと思います。
改めまして、皆さんナマステ(こんにちは)! なんちゃって登山家の栗城史多(クリキ ノブカズ)と申します。
なかなか読めない名前でしょう?「なんちゃって」と自分では言っていますが、実は僕には大きな夢があって、
それは世界7大陸の最高峰を単独でしかも無酸素で登ろうとしております。
7大陸最高峰の単独無酸素登頂への挑戦に加え、
父親とのエピソードも紹介予定です
世界初となる世界7大陸最高峰の単独無酸素登頂まで、
あのエベレストを残すのみとなりました。
DVD
(パッケージ裏の一番下の文)
現在、前人未到の7大陸無酸素単独登頂をめざして挑戦中
スポンサーのキャッチコピー
「世界7大陸最高峰の単独無酸素登頂に挑戦」
新聞記事と違ってスポンサーとはキャッチコピーについて十分話し合う機会があるのでは…
参考
「世界初」→「日本人初」に
過去には公式サイトでも「世界初の七大陸最高峰の単独登頂を目指す」としていた。
単独では世界初となる世界7大陸最高峰の登頂を目指して奮闘中。
2009年ごろ?に「日本人初の世界7大陸最高峰の単独登頂を目指す」とトーンダウンし、その後この文言が削除された。なお、エベレストにおいてシェルパのサポートを受けない個人隊が無酸素登頂に成功した例は、最近では2005年のMarcin Miock(ポーランド)がある。また、Patricio Tisarema(エクアドル)は2006年にこれを達成したほか七大陸最高峰登頂も果たしている。つまり、少なくとも3年間は誇大宣伝を行っていたことになる。
最終更新:2022年10月15日 09:52