七大陸最高峰の無酸素単独登頂について

かつて「世界初、前人未踏、世界7大陸最高峰の単独無酸素登頂を目指す」や「日本人初、世界7大陸最高峰の単独無酸素登頂を目指す」という文言をマスコミ等向けに使用していた。

七大陸最高峰の「単独」登頂について


七大陸最高峰の「無酸素」登頂について

  • 七大陸最高峰のうち酸素ボンベが必要なのはエベレストだけである。
  • エベレスト以外の最高峰には、そもそも「酸素ボンベを使って登る」という概念が存在しない。
  • ゆえに、エベレスト以外での「無酸素登頂」という主張は、意味をなさない。
    • 2016年9月現在、エベレストには登れていない。過去5回アタックし、いずれも敗退(一度は遭難)している。

(過去の新聞記事の例)

『登山:栗城史多さん、単独での七大陸最高峰制覇へ』 毎日新聞 2009年8月14日
日本人初の単独・無酸素での世界七大陸最高峰制覇を目指す登山家、
栗城史多(くりき・のぶかず)さん(27)が13日、東京都内で会見し、
世界最高峰エベレスト(8848メートル)の単独・無酸素登頂に挑戦すると発表した。
16日にカトマンズに向け出発し、9月29日に登頂を予定している。
http://yomi.mobi/read.cgi/gimpo/gimpo_wildplus_1250171499/1 (オリジナルサイトはリンク切れ)

『7大陸最高峰制覇に向け出発 栗城さん、単独無酸素で』 共同通信 2010年8月10日
日本人初となる世界7大陸最高峰の単独無酸素登頂に挑戦している登山家栗城史多さん(28)=札幌市=が
17日、残るエベレスト(8848メートル)登頂に向け、北海道・新千歳空港で取材に応じ
「自信はある。たくさんの人に夢を与えたい」と意気込みを語った。
人の手助けや酸素ボンベなしの過酷な登山方法で、これまで6大陸の最高峰登頂に成功。
昨年9月、エベレスト登頂に挑戦し約8千メートルまで登ったが、天候や体調などから断念した。


「僕はそんなこと言ってない」発言

  • 2011年8月14日 twitterでの発言
栗城史多 @kurikiyama
新聞もたまに危険だなと思うのは記事をチェックさせてくれないこと。
それは記者からすると理解できるが間違ったことが書かれるのは良くない。
例えば、7大陸最高峰無酸素単独を目指すみたいな表現をされるけど、
僕は一度もそんなことは言ってない。→続く

でも、知らない人からすると6大陸もエベレストも同じように感じてしまうのかもしれない。
今はきちんと細かく説明するけど、それでもまたに間違った表記が出てくる。
そして、それがWikipediaに載り、正しい情報と見られる。取材する側はしっかり調べて、
受け人は丁寧に細かく説明が必要。

しかし検索すると…

  • 本人のブログ 『ソロアルピニスト 栗城史多』
プロフィール
今年の5月には、世界第6位の高峰チョ・オユー(8,201m)の単独無酸素登頂に成功し、前人未到の世界7大陸単独無酸素登頂まで、南極最高峰のビンソンマシフと世界最高峰のエベレストを残すのみに迫った。
あっけらかんとした性格と小柄な体で、世界の高峰を目指す若き登山家。札幌市在住の25歳。
http://web.archive.org/web/20071228041455/http://www.plus-blog.sportsnavi.com/bt_nobukazu/ (削除済み、ウェブアーカイブのサイト)


検索すると他にもたくさん出てくる

  • 栗城史多オフィシャルブログ
プンタ・アレナスに着いて2日目、ようやく落ち着いたところで、自己紹介をしたいと思います。
改めまして、皆さんナマステ(こんにちは)! なんちゃって登山家の栗城史多(クリキ ノブカズ)と申します。
なかなか読めない名前でしょう?「なんちゃって」と自分では言っていますが、実は僕には大きな夢があって、
それは世界7大陸の最高峰を単独でしかも無酸素で登ろうとしております。

7大陸最高峰の単独無酸素登頂への挑戦に加え、
父親とのエピソードも紹介予定です

世界初となる世界7大陸最高峰の単独無酸素登頂まで、
あのエベレストを残すのみとなりました。

  • 栗城のチョ・オユー登山のDVD 『栗城史多 PEAK「夢」へ登る』
製造・販売 TAO (栗城が社長を務める会社、社員は2人)
http://www44.atwiki.jp/kuriki_fan?cmd=upload&act=open&pageid=19&file=peak.jpg
(パッケージ裏の一番下の文)
現在、前人未到の7大陸無酸素単独登頂をめざして挑戦中

「世界7大陸最高峰の単独無酸素登頂に挑戦」
記者と違ってスポンサーとはキャッチコピーについて十分話し合う時間があるのでは…

  • AERA記事
栗城は、「7大陸最高峰・無酸素単独登頂ですね」と言い放っていた。
栗城は昨年までに、南米のアコンカグア、欧州のエルブルース、アフリカのキリマンジャロ、
オセアニアのカルステンツ・ピラミッドに無酸素単独で登頂。残すは南極のビンソンマシフと、
世界最高峰のエベレストのみとなった。最近まで競い合っていた米国人は、
エベレストで酸素を使って脱落。残ったライバルは、エクアドル人登山家1人しかいない、という。
米国人とエクアドル人登山家の存在は「世界初の七大陸最高峰・無酸素単独登頂」の話の中で
出てくるわけで、記者が「間違った(捏造した)」とはとても思えません…


その後栗城はブログでも同様の発言を繰り返す。
「ウィキペディアに事実と全く違う事が書かれている」と不満を言うが、
具体的に指摘できるのは「7大陸単独無酸素を目指す」という記述のみ。

栗城史多オフィシャルブログ
2011-08-24 23:45:35
http://ameblo.jp/kurikiyama/entry-10996699606.html
 それはウィキペディアで僕が「7大陸最高峰単独無酸素」を売りにしていると書いているのですが、その事実は全くないです。まず7大陸最高峰は、エベレスト以外は酸素ボンベなしで登れるのは誰もがわかっていることです。僕がそのようなことを言っていたら、僕がお世話になっている山の先輩方々に注意されます。でも、言ってもいないので注意もなにもないです。
 なぜ、そのようなことが広がったかというと、昔、取材で「6大陸を登ったら次はエベレストの単独・無酸素登山です」と答えたら記事に「7大陸単独無酸素を目指す」と書かれたのです。きちんとおつきあいをさせて頂いているメディアの方はそのような表現は決してしません。今は自分で栗城事務局のスタッフがメディアの管理をしてくれていますが、昔は一人で全てをやっていたので記事のチェックなどさせてもらえませんでした。今でも新聞やニュース、一部の雑誌などでは記事のチェックはさせてくれません。
 確かに登山を始めた学生の頃は、5大陸最高峰で地球を感じながら山を登ってみたいという夢がありました。しかし、今は全くの別の目標です。
 秋のエベレストは今の僕にとって最大の目標ですが、それは「終わり」ではなく、「始まり」です。8000mのバリエーションをソロで登るという究極の目標があります。(次に行く山は秘密です。)



参考

2009年頃に「世界初」から「日本人初」にトーンダウン

  • 過去には公式サイトでも「世界初の七大陸最高峰の単独登頂を目指す」という文言を表記していた。
単独では世界初となる世界7大陸最高峰の登頂を目指して奮闘中。
http://web.archive.org/web/20071018013227/http://kurikiyama.jp/history.html#.html (2007年10月栗城公式サイトのキャッシュ)
  • その後は「日本人初の世界7大陸最高峰の単独登頂を目指す」とトーンダウン(2009年以降と思われる)し、現在ではこの文言を使用していない。なお、エベレストにおいてシェルパのサポートを受けない個人隊が無酸素登頂に成功した例は2005年*1、2006年*2があり、後者は七大陸最高峰を登っているため、3年間は誇大宣伝を行っていたことになる。
最終更新:2016年09月26日 17:35
添付ファイル