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SS65 - (2010/11/18 (木) 10:26:53) のソース
投稿日:2010/02/09(火) 02:49:48 <律視点> 今日は土曜日。 そんで、今はお昼すぎ。 何の用事もないんだけど。 っていうか、用事がない時ほど行ってしまう。 そんで、澪に煩くするなら帰れって怒られる。 それでも本気で追い出さないもんだから、ついつい甘えてしまうわけで。 「み~お~?」 一応、ドアの前で声を掛ける。 反応はなし。 まーたヘッドホン付けて作詞中でもしてんのかな。 ま、それならそれで驚かしてやろ。 そう思って中に入ったら、澪はベッドでお休み中。 「お、めっずらしーの」 澪が昼過ぎにベッドで爆睡、なんて中々ないぞ。 そろりとベッドに近寄ってみる。 近寄った瞬間、澪が寝返りをうってこっちを向いた。 やばっ、起こしちゃったかな。 「み、澪?」 「・・・」 返事なし。 はぁ、吃驚させんなよな。 それにしても、本当によく寝てる。 どんな夢、みてんだろ。 「ん・・・?」 「あ、澪。起きたか~?」 しばらく観察していたら。 澪が目をうっすらと開けた。 寝ぼけた目のまま、私の姿を見つけたらしい澪は。 ふにゃりと笑って。 「りっちゃん、おやすみ」 そう呟いて、私の腕を捕まえて。 また眠りに落ちていった。 …こいつ、今なんて言った? り、りりりり、りっちゃんって言った、よな。 体中が熱い、あぁもう、[[不意打ち]]にしたって、これは。 なんだっていま、そんな・・あぁ、落ち着け私! って、落ち着いていられるかあああああ! 「・・ばか、みお」 頭の中で繰り返される澪の一言で、思考が上手く回らない。 なんとか搾り出せたのは、そんな一言だけだった。 <澪視点> 「ん・・・あれ、私」 だいぶ良く寝た、感じがする。 凄い、良い夢をみた、覚えもある。 何故か、隣に律が寝ている。 …え? 「り、りりり、律ぅ!?」 「んー・・なんだよ、澪ぉ」 「な、なんでお前、ここに」 なんだよじゃない、なんで? いつ来た、何しに来た、なんで一緒に寝てるんだ! 「なんでって・・澪が腕、離してくんないから・・」 え。 言われて自分の手を見ると、しっかり律の腕を抱えていた。 「あ、えっと・・ご、ごめん」 そういって、律の腕を開放したら。 今度はその腕に抱きしめられた。 「え、おい。律?」 「澪さ、どんな夢みたか覚えてる?」 何を唐突に。 でも、夢・・か。 たしか、あれは。 「律が、私の家に初めてきたときの、夢、かな」 「あー・・聡が入院しちゃったときの」 「そうそう」 律と初めて一緒に晩ご飯を食べて、一緒にお風呂に入って、一緒に寝た日のこと。 とっても懐かしくて、暖かくなる夢だった。 「でも、夢がどうかしたのか?」 「んーん、なんでもないっ」 そう言って笑う律。 その笑顔は、夢でみた、あの時の笑い方にとても良く似ていた。 おわる #comment