投稿日:2010/05/10(月) 02:57:28
私はベッドの上にいて、澪はベッドに寄りかかって雑誌を見ている。いつもの光景。
ふと目の前にある、艶やかな黒髪に手を伸ばす。
触れてみるとサラサラとした感触が気持ちいい。
何度も撫でたり梳いてみたりを繰り返しながら、やぱ黒髪ロングは美人の特権だよなぁ…なんて考える。
ふいに、触れていた髪が指から離れ、黒髪の張本人が私のほうを向いた。
「なんだよさっきから」
澪は笑いながら肩にかかった髪をかきあげる。
その姿を見て、あらためて澪は綺麗なんだなと感じた。
「いやー澪の髪ってホントに綺麗だよなぁ」
ベッドに横になったまま、今度は至近距離にある澪の前髪を触った。
「ありがと。でもなんで急にそんなこと言いだすんだ?」
「んーなんとなく?私はロングヘアーとか似合わないし」
人は自分にないものを持ってる人に惹かれるって言うじゃん。
と言おうとしたけど恥ずかしくなって止めた。
「でも律、前に一回肩にかかるぐらいまで伸ばしたことあっただろ」
そう、一度だけ髪を伸ばしたことがあった。
たしか…中3の頃だったかな。
長くて綺麗な澪の髪を見てたら、なんとなく自分も伸ばしてみたくなった。
結局、首にかかる髪が暑くって夏休みの終わりに切っちゃったんだけどさ。
今思い出してみても、あれは似合ってなかったなと苦笑する。
「だからアレ、似合ってなかったじゃん」
澪は昔の私の姿を思い出しながら「んんー?」と唸ったあと、ぽつり言った。
「たしかに律っぽくはなかったな」
「だろー?」
「でも、可愛かったよ」
そう言って今度は澪が私の髪に触れた。
その仕草と、いきなりの一言にドキッとして顔が熱くなる。
ごまかすように可愛くねーよと言ってぐしゃぐしゃと髪をかき乱した。
赤くなった顔が見られたくなくてサイドの髪で顔を隠す。
それを見ていた澪は呆れたような、それでいて優しい声で言った。
「なにやってんだよ。ほら、ボサボサになってるぞ」
澪が手櫛で私の髪を梳く。
後ろ頭を撫でられるとなんだか気持ち良かった。
サイドの髪まで梳かされて、隠していた顔が露になる。
霞んでいた視界が徐々に明るくなって、一番に澪の顔が目に入った。
澪はやっぱり綺麗な顔をしていて、私を見ながら笑っている。
「な、なんだよぅ」
それがなんだか恥ずかしくて、できるだけ突っぱねた言い方をした。
「いや、可愛いなーって」
澪は満面の笑みでまた言った。
絶対私の反応を見て楽しんでるな。
もう居た堪れなくなって、くるりと澪に背を向けた。
後ろからふふっと嬉しそうに息の漏れる音がして、直後ギシとベッドが軋むと、背中にぎゅうと柔らかい重さを感じた。
私の腕に澪の腕が重なって、身体が密着する。
「髪の長い律好きだったよ。もちろん今の律も好きだけど」
抱きしめたまま澪がささやく。
その心底優しい声音に、もう恥ずかしいとか、嬉しいとか愛しいとか
自分でもよくわからなくなるぐらいの澪への感情が胸の中を埋めていく。
おかげで顔は真っ赤でいまさら振り向けないし、髪が短いからむき出しの首が熱い。
だから、もう少しこのままでいよう。
またぎゅうっと身体を引き寄せられて、澪の体温を感じながらもう絶対髪は伸ばさないと心に誓った。
ふと目の前にある、艶やかな黒髪に手を伸ばす。
触れてみるとサラサラとした感触が気持ちいい。
何度も撫でたり梳いてみたりを繰り返しながら、やぱ黒髪ロングは美人の特権だよなぁ…なんて考える。
ふいに、触れていた髪が指から離れ、黒髪の張本人が私のほうを向いた。
「なんだよさっきから」
澪は笑いながら肩にかかった髪をかきあげる。
その姿を見て、あらためて澪は綺麗なんだなと感じた。
「いやー澪の髪ってホントに綺麗だよなぁ」
ベッドに横になったまま、今度は至近距離にある澪の前髪を触った。
「ありがと。でもなんで急にそんなこと言いだすんだ?」
「んーなんとなく?私はロングヘアーとか似合わないし」
人は自分にないものを持ってる人に惹かれるって言うじゃん。
と言おうとしたけど恥ずかしくなって止めた。
「でも律、前に一回肩にかかるぐらいまで伸ばしたことあっただろ」
そう、一度だけ髪を伸ばしたことがあった。
たしか…中3の頃だったかな。
長くて綺麗な澪の髪を見てたら、なんとなく自分も伸ばしてみたくなった。
結局、首にかかる髪が暑くって夏休みの終わりに切っちゃったんだけどさ。
今思い出してみても、あれは似合ってなかったなと苦笑する。
「だからアレ、似合ってなかったじゃん」
澪は昔の私の姿を思い出しながら「んんー?」と唸ったあと、ぽつり言った。
「たしかに律っぽくはなかったな」
「だろー?」
「でも、可愛かったよ」
そう言って今度は澪が私の髪に触れた。
その仕草と、いきなりの一言にドキッとして顔が熱くなる。
ごまかすように可愛くねーよと言ってぐしゃぐしゃと髪をかき乱した。
赤くなった顔が見られたくなくてサイドの髪で顔を隠す。
それを見ていた澪は呆れたような、それでいて優しい声で言った。
「なにやってんだよ。ほら、ボサボサになってるぞ」
澪が手櫛で私の髪を梳く。
後ろ頭を撫でられるとなんだか気持ち良かった。
サイドの髪まで梳かされて、隠していた顔が露になる。
霞んでいた視界が徐々に明るくなって、一番に澪の顔が目に入った。
澪はやっぱり綺麗な顔をしていて、私を見ながら笑っている。
「な、なんだよぅ」
それがなんだか恥ずかしくて、できるだけ突っぱねた言い方をした。
「いや、可愛いなーって」
澪は満面の笑みでまた言った。
絶対私の反応を見て楽しんでるな。
もう居た堪れなくなって、くるりと澪に背を向けた。
後ろからふふっと嬉しそうに息の漏れる音がして、直後ギシとベッドが軋むと、背中にぎゅうと柔らかい重さを感じた。
私の腕に澪の腕が重なって、身体が密着する。
「髪の長い律好きだったよ。もちろん今の律も好きだけど」
抱きしめたまま澪がささやく。
その心底優しい声音に、もう恥ずかしいとか、嬉しいとか愛しいとか
自分でもよくわからなくなるぐらいの澪への感情が胸の中を埋めていく。
おかげで顔は真っ赤でいまさら振り向けないし、髪が短いからむき出しの首が熱い。
だから、もう少しこのままでいよう。
またぎゅうっと身体を引き寄せられて、澪の体温を感じながらもう絶対髪は伸ばさないと心に誓った。
- 海腹川背 -- あきえりあ (2010-11-27 15:43:37)
- こんないい話なのに澪はタイトルみたいなこと考えてんのかwww -- 名無しさん (2010-11-28 21:25:23)
- 内容いいのにタイトルがwww -- 名無しさん (2011-12-06 20:15:51)