投稿日:2010/09/19(日) 05:21:44
全部、終わってしまった
卒業式・・・高校生にとっては、人生の分かれ目に位置する、とても大切な行事。
だけど、やっぱり私にとってはちょっと気だるかった。ぶっちゃけてしまえば眠気を催してしまうほど
ずっと座って話を聞くって言うのは性に合わないんだな
それでも澪からの伝言を回したり、和の答辞を聞いたり、転任してしまった先生から届いた祝辞が読み上げられて
ちょっと盛り上がったり、始業式・終業式よりは退屈さは感じなかった
だけど、やっぱり私にとってはちょっと気だるかった。ぶっちゃけてしまえば眠気を催してしまうほど
ずっと座って話を聞くって言うのは性に合わないんだな
それでも澪からの伝言を回したり、和の答辞を聞いたり、転任してしまった先生から届いた祝辞が読み上げられて
ちょっと盛り上がったり、始業式・終業式よりは退屈さは感じなかった
だけど、あっという間・・・時間はいつもと同じリズムで流れ、
気がつけば私はいつもの帰り道を、お茶とお菓子による満腹感を引っさげながら、澪と一緒に歩いていた
気がつけば私はいつもの帰り道を、お茶とお菓子による満腹感を引っさげながら、澪と一緒に歩いていた
いつもと同じ日々・・・明日もまた今日と同じように、みんなで部室でワイワイおしゃべりして
お茶飲んで、お菓子食べて、澪と梓に怒られて、仕方なく練習して、
外が暗くなってるのに気づいて、みんなで食器洗って、トンちゃんに挨拶して、部室の鍵閉めて
この帰り道を歩いていることだろう。そう思っていた
なのに・・・
お茶飲んで、お菓子食べて、澪と梓に怒られて、仕方なく練習して、
外が暗くなってるのに気づいて、みんなで食器洗って、トンちゃんに挨拶して、部室の鍵閉めて
この帰り道を歩いていることだろう。そう思っていた
なのに・・・
「律?どうしたんだよ」
歩きながら考え事するべきじゃないな・・・澪に顔を覗き込まれる
無表情を極めたようなのっぺり顔を晒していたようで、少し心配された
無表情を極めたようなのっぺり顔を晒していたようで、少し心配された
「いやー、今日でもう・・・全部終わりなんだなって思ってさ」
「へぇ。律がそんなノスタルジーになるなんて・・・風邪でも引いた?」
「へぇ。律がそんなノスタルジーになるなんて・・・風邪でも引いた?」
今になれば、こんな憎まれ口さえも愛しい思い出の一ページに思えてしまい、目の奥がツンとした。年はとりたくないね
たまらず私は、道端であるにも関わらず澪に抱きつく。コート着てるからフカフカしてて気持ちいい・・・
いつもならここで何すんだ!と突き飛ばされるんだけど、今日だけは違う・・・澪は、優しく私の頭を撫でてくれた
たまらず私は、道端であるにも関わらず澪に抱きつく。コート着てるからフカフカしてて気持ちいい・・・
いつもならここで何すんだ!と突き飛ばされるんだけど、今日だけは違う・・・澪は、優しく私の頭を撫でてくれた
「・・・寂しくなっちゃった?」
「うん、ちょっと」
「うん、ちょっと」
私の頭を撫でてくれる大きな手・・・その手も、少し震えていて
次の瞬間、私の頭に・・・冷たい何かがぽとんと落ちた
雨かな?雨じゃないかな・・・
次の瞬間、私の頭に・・・冷たい何かがぽとんと落ちた
雨かな?雨じゃないかな・・・
澪も・・・きっと同じだよね。
いつもは真っ先に泣いちゃう泣き虫なのに、今日はちゃんと我慢したんだな。偉いぞ、澪
でも結局先に泣いちゃったな・・・澪はまだまだ澪だ。
いつもは真っ先に泣いちゃう泣き虫なのに、今日はちゃんと我慢したんだな。偉いぞ、澪
でも結局先に泣いちゃったな・・・澪はまだまだ澪だ。
「だめだ律・・・まともにしゃべれるうちに、一つだけ」
「んくっ、なに?」
「んくっ、なに?」
私が無責任に名乗り出て部長の立場になったはいいけど、
みんなにはいっぱい迷惑かけた・・・特に和かなあ。
梓にとっても、こんな部長にゃなりたくない!みたいなお手本だったかもしれない。
澪にだって、いっぱい迷惑かけたし怒られた・・・
でも、澪はためらいなく・・・その言葉を私にかけてくれた
みんなにはいっぱい迷惑かけた・・・特に和かなあ。
梓にとっても、こんな部長にゃなりたくない!みたいなお手本だったかもしれない。
澪にだって、いっぱい迷惑かけたし怒られた・・・
でも、澪はためらいなく・・・その言葉を私にかけてくれた
「3年間部長として、本当・・・よく頑張っ・・・て・・・・・・」
あーもう、途中で決壊しちゃったみたい。でも、ちゃんと伝わった
もう少し、私が素直だったら・・・笑顔でその言葉に返事してやりたいのに、どうにもそれができないんだなあ。
それにもうまともに喋れないや私・・・学園祭ライブのときより辛いかも、あのときはまだ喋れてたもん
だから、悪いけど・・・返事は頭の中で
もう少し、私が素直だったら・・・笑顔でその言葉に返事してやりたいのに、どうにもそれができないんだなあ。
それにもうまともに喋れないや私・・・学園祭ライブのときより辛いかも、あのときはまだ喋れてたもん
だから、悪いけど・・・返事は頭の中で
(澪と一緒だから、私はずっと頑張れたんだよ。本当に・・・ありがとな!)