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投稿日:2010/03/16(火) 03:43:06 今日の予定、澪の家でDVDをみる。 勿論まだ澪には確認とってない。 とりあえず今日は暇だって言ってたし、大丈夫だろ。 さてっと……DVDもったし、澪んち突撃! 「みーお!DVDみよーぜ!」 「嫌だ!……どうせまた、怖いやつなんだろ?」 流石に慣れているだけあって、唐突に現れたことには何も言ってこない。 ま、ホラー物には何時まで経っても慣れてくれないけどな。 「んにゃ、なんと今回は恋愛ものだ」 「え。……り、律?」 毎回毎回ホラー物っていうのも、流石にな。 そう考えた優しい優しいりっちゃんは、なんと。 澪の大っ好きな、超絶甘甘で目眩を起こしそうな恋愛ものを選んであげたわけだ。 「なに」 「熱でも、あるのか?」 澪は本気で心配そうな眼差しで、そう言った。 ほほう、そういうこといっちゃうかね。 「せーっかく、澪が見たがってたの借りてきたのに……なあ?」 そう言いつつ、持ってきた袋からDVDのタイトルだけちょっと見えるようにする。 そしたら澪のヤツ、予想通り表情がみるみる変わるでやんの。 「それっ!」 「澪が見たくないっていうなら、仕方ないなあ」 「見る!見よう!今すぐ!」 「いやー。私、熱あるかもしんないしなあ」 「あ、えっと……ご、ごめん」 俯いてしょんぼりしてる澪が、可愛くて可愛くて仕方ない。 ま、でもそろそろやめといてやるか。 「じゃ、プリン1個な」 「う……わかった」 「よっしゃ!じゃ、先準備しとくぞ~」 「うん」 しぶしぶながらも了承したあたり、本当に見たかったんだな。 さて、澪が飲み物とプリンを持ってくる前にちゃっちゃと準備しとくかね。 「律~飲み物、麦茶しかなかったけど、いい?」 「ぜんぜんおっけー、準備できたよ」 前までDVDを見る時は、横に並んで見てた。 でも、今は澪が足を広げて座って、その足の間に私が収まるのが定位置。 ホラーばっか見せてたせいで、こーやって私にくっつくようになっちゃったんだよなあ。 それがまた可愛いのと嬉しいのとで、ついついホラー物を借りてきちゃうんだけど。 「よっし、それじゃ再生っと」 * ……内容はある程度知ってたけど、さ。 コレは流石に、色々きつい。 澪の方をちらりとみたら、思いっきり見入ってるし。 何が良いんだ、こんなん。 澪を見ながらそんな事を考えてたら、お腹のあたりに回された澪の腕に力がこもる。 「どした?」 「こっちの台詞。……律、テレビじゃなくて私の方ずっと見てるんだもん」 拗ねたような、恥ずかしがってるような口調の澪。 ……そりゃあ。あーんな激甘なのより、澪の百面相のほうが面白いから仕方がない。 そう言いかけて、飲み込む。 言っちゃったらもう見られなくなっちゃうかもしんないからな。 「いやー。相変わらずだなあ、と」 「い、いいだろ。……す、好きなんだから」 『好きなんだから』というのは私に向けてじゃないって分かってたけど、ちょっぴりドキッとしてしまった。 いやいやいやいや、テレビの中でラブコメ演じてるヒロインじゃないんだから。 そう考えつつ、小さく深呼吸。 「律、眠いの?」 どうやらあくびと間違えられたらしい。 こっちにとっちゃ、好都合かも。 「ん、ちょっと」 「終わったら起こしてあげるから、寝てて良いよ」 澪の声が、何時もより優しい。 ……見たかったDVD見て、機嫌がいいからか。 そんなら、ちょっとだけ甘えてみてもいい、かな。 澪の腕を解いて、澪の方を向く。 「え、律?」 困惑気味の澪をそのままにして、澪のお腹あたりを抱きしめるようにして寝そべる。 「お、おい律?」 「んー、寝る」 「なっ!律ってば」 あー、なんか。 いい匂いがして、暖かくて、気持ちよくて。 本当に眠くなってきた。 よし、寝ちゃおう。 「おやすみ」 「……おやすみ」 意識を手放す直前に聞こえた澪の声は。 諦めたように溜息を尽きつつも、やっぱり何時もより優しかった。 おわる。
投稿日:2010/03/16(火) 03:43:06 今日の予定、澪の家でDVDをみる。 勿論まだ澪には確認とってない。 とりあえず今日は暇だって言ってたし、大丈夫だろ。 さてっと……DVDもったし、澪んち突撃! 「みーお!DVDみよーぜ!」 「嫌だ!……どうせまた、怖いやつなんだろ?」 流石に慣れているだけあって、唐突に現れたことには何も言ってこない。 ま、ホラー物には何時まで経っても慣れてくれないけどな。 「んにゃ、なんと今回は恋愛ものだ」 「え。……り、律?」 毎回毎回ホラー物っていうのも、流石にな。 そう考えた優しい優しいりっちゃんは、なんと。 澪の大っ好きな、超絶甘甘で目眩を起こしそうな恋愛ものを選んであげたわけだ。 「なに」 「熱でも、あるのか?」 澪は本気で心配そうな眼差しで、そう言った。 ほほう、そういうこといっちゃうかね。 「せーっかく、澪が見たがってたの借りてきたのに……なあ?」 そう言いつつ、持ってきた袋からDVDのタイトルだけちょっと見えるようにする。 そしたら澪のヤツ、予想通り表情がみるみる変わるでやんの。 「それっ!」 「澪が見たくないっていうなら、仕方ないなあ」 「見る!見よう!今すぐ!」 「いやー。私、熱あるかもしんないしなあ」 「あ、えっと……ご、ごめん」 俯いてしょんぼりしてる澪が、可愛くて可愛くて仕方ない。 ま、でもそろそろやめといてやるか。 「じゃ、プリン1個な」 「う……わかった」 「よっしゃ!じゃ、先準備しとくぞ~」 「うん」 しぶしぶながらも了承したあたり、本当に見たかったんだな。 さて、澪が飲み物とプリンを持ってくる前にちゃっちゃと準備しとくかね。 「律~飲み物、麦茶しかなかったけど、いい?」 「ぜんぜんおっけー、準備できたよ」 前までDVDを見る時は、横に並んで見てた。 でも、今は澪が足を広げて座って、その足の間に私が収まるのが定位置。 ホラーばっか見せてたせいで、こーやって私にくっつくようになっちゃったんだよなあ。 それがまた可愛いのと嬉しいのとで、ついついホラー物を借りてきちゃうんだけど。 「よっし、それじゃ再生っと」 ……内容はある程度知ってたけど、さ。 コレは流石に、色々きつい。 澪の方をちらりとみたら、思いっきり見入ってるし。 何が良いんだ、こんなん。 澪を見ながらそんな事を考えてたら、お腹のあたりに回された澪の腕に力がこもる。 「どした?」 「こっちの台詞。……律、テレビじゃなくて私の方ずっと見てるんだもん」 拗ねたような、恥ずかしがってるような口調の澪。 ……そりゃあ。あーんな激甘なのより、澪の百面相のほうが面白いから仕方がない。 そう言いかけて、飲み込む。 言っちゃったらもう見られなくなっちゃうかもしんないからな。 「いやー。相変わらずだなあ、と」 「い、いいだろ。……す、好きなんだから」 『好きなんだから』というのは私に向けてじゃないって分かってたけど、ちょっぴりドキッとしてしまった。 いやいやいやいや、テレビの中でラブコメ演じてるヒロインじゃないんだから。 そう考えつつ、小さく深呼吸。 「律、眠いの?」 どうやらあくびと間違えられたらしい。 こっちにとっちゃ、好都合かも。 「ん、ちょっと」 「終わったら起こしてあげるから、寝てて良いよ」 澪の声が、何時もより優しい。 ……見たかったDVD見て、機嫌がいいからか。 そんなら、ちょっとだけ甘えてみてもいい、かな。 澪の腕を解いて、澪の方を向く。 「え、律?」 困惑気味の澪をそのままにして、澪のお腹あたりを抱きしめるようにして寝そべる。 「お、おい律?」 「んー、寝る」 「なっ!律ってば」 あー、なんか。 いい匂いがして、暖かくて、気持ちよくて。 本当に眠くなってきた。 よし、寝ちゃおう。 「おやすみ」 「……おやすみ」 意識を手放す直前に聞こえた澪の声は。 諦めたように溜息を尽きつつも、やっぱり何時もより優しかった。 おわる。 #comment

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