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投稿日:2010/01/01(金) 02:37:56 「澪ーみかんとって」 「お前の方が近いだろ、ったく」 なーんて言いつつも、ちゃんと渡してくれるあたりが、澪らしい。 受け取ったみかんを剥いて。ひとつ、口に放り込む。 …すっげー甘くて、美味しい。 「澪、このみかんすっげー甘いぞ」 「そう?・・よかったな」 甘そうなの選んで渡してくれたんだと思ってみる。 …自惚れかな。 「ほんとに甘いぞ、ひとつ食う?」 「うん、もらう」 澪がこっちを向いてきたので、その口にみかんを放り込む。 「どーだ?」 「ん。・・あ、ほんとに甘い」 「だろー!さっすが私!」 「選んだのは、私だぞ」 まったくもって、そのとおり。 ・・だけど。 「澪が私のためにって選んでくれたやつが甘かったんだから、私が凄いんだぞ!」 「んなっ!・・・い、意味がわからん」 否定をしてこないってことは、自惚れじゃなかったってことだよな? そう思ったら、たまらなく嬉しくなった。へへっ。 だから、顔を赤らめて視線をそらす澪に近づいて、抱きついてみる。 * 「・・ん、どしたの?」 「んー、なんとなく」 「そっか」 くっついてみたら、澪は落ち着いた声で問いかけてきて。 …ついさっきまで、恥ずかしがってた癖に。 「澪」 「ん?」 「これからも、よろしくな」 「・・こっちこそ、これからもよろしくね」 …なんだか変な感じ。 澪もそう思ったらしく、二人して笑いあう。 「澪」 「今度はなんだ?」 みかんを食べて、くっついて、笑い合って。 こんなふうに過ごす時間が、なんだかあったかくて。 「私、いますっげー幸せ」 澪も、澪もそう思って、くれるかな。 「・・・律」 私を呼ぶ声と共に、頬に添えられる手。 そして。 「私も」 私が望んでいた声と共に、唇に柔らかい感触が、した。 おわる。
投稿日:2010/01/01(金) 02:37:56 「澪ーみかんとって」 「お前の方が近いだろ、ったく」 なーんて言いつつも、ちゃんと渡してくれるあたりが、澪らしい。 受け取ったみかんを剥いて。ひとつ、口に放り込む。 …すっげー甘くて、美味しい。 「澪、このみかんすっげー甘いぞ」 「そう?・・よかったな」 甘そうなの選んで渡してくれたんだと思ってみる。 …自惚れかな。 「ほんとに甘いぞ、ひとつ食う?」 「うん、もらう」 澪がこっちを向いてきたので、その口にみかんを放り込む。 「どーだ?」 「ん。・・あ、ほんとに甘い」 「だろー!さっすが私!」 「選んだのは、私だぞ」 まったくもって、そのとおり。 …だけど。 「澪が私のためにって選んでくれたやつが甘かったんだから、私が凄いんだぞ!」 「んなっ!・・・い、意味がわからん」 否定をしてこないってことは、自惚れじゃなかったってことだよな? そう思ったら、たまらなく嬉しくなった。へへっ。 だから、顔を赤らめて視線をそらす澪に近づいて、抱きついてみる。 「・・ん、どしたの?」 「んー、なんとなく」 「そっか」 くっついてみたら、澪は落ち着いた声で問いかけてきて。 …ついさっきまで、恥ずかしがってた癖に。 「澪」 「ん?」 「これからも、よろしくな」 「・・こっちこそ、これからもよろしくね」 …なんだか変な感じ。 澪もそう思ったらしく、二人して笑いあう。 「澪」 「今度はなんだ?」 みかんを食べて、くっついて、笑い合って。 こんなふうに過ごす時間が、なんだかあったかくて。 「私、いますっげー幸せ」 澪も、澪もそう思って、くれるかな。 「・・・律」 私を呼ぶ声と共に、頬に添えられる手。 そして。 「私も」 私が望んでいた声と共に、唇に柔らかい感触が、した。 おわる。 #comment

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