『ミシェル・
ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集』(Les Vraies Centuries et Prophéties de Maistre Michel Nostradamus)は、1668年にパリの
ジャン・リブー(未作成)によっても出版された。
【画像】1668年パリ版の口絵と扉
正式名
- LES VRAYES CENTVRIES ET PROPHETIES DE MAISTRE MICHEL NOSTRADAMVS.
- Où se void representé tout ce qui s'est passé, tant en France, Espagne, Italie, Allemagne, Angleterre, qu'autres parties du monde.
- Reveües & corrigées suivant les premieres Editions imprimées en Avignon en l'an 1558. & à Lyon en l'an 1558. & autres
- Avec la Vie de l'Autheur.
- Iouxte la Copie d'Amsterdam.
- A PARIS
- Chez JEAN RIBOU, vis à vis la Sainte Chapelle à l'Image S. Louys.
- M. D. C. LXVIII.
- ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集と予言集
- そこにはフランス、スペイン、イタリア、ドイツ、イギリス、および世界の他の地域で起こったことが全て描かれている。
- 1558年にアヴィニョンで、1558年にリヨンで出された初期の版やその他の版に従い、改訂・校正された。
- 著者の伝記とともに。
- アムステルダム版に従った。
- パリ。
- サント・シャペルと差し向かいの、聖王ルイの旗を掲げるジャン・リブーの工房にて。
- 1668年。
題名は先行した
1668年アムステルダム版をほぼそのまま踏襲している。
重要な違いは
アヴィニョン版の刊行年である。それが「1556年」でなく「1558年」となっている版はこれが初めてで、これをもとに1558年アヴィニョン版を想定する見解すら確かにあった。しかし、「アムステルダム版に基づく」ともあるので、これは単なる写し間違いと見るべきだろう。
内容
コメント
収録詩篇などは確かにアムステルダム版と同じだが、誤植はアムステルダム版よりもずっと多い。また、アムステルダム版は各百詩篇冒頭が飾り文字などで装飾されているのだが、このパリ版では装飾箇所は減らされている。
同じ年のアムステルダム版がかなり売れたと考えられるため、その売れ行きに便乗しようとして急いで作成されたものだったのかもしれない。
ただ、そうした可能性に疑問を突きつけるのが、異文の系統である。
ベルナール・シュヴィニャールによる
予兆詩集の校訂の結果、このパリ版は1668年アムステルダム版よりも
1667年アムステルダム版に近いことが明らかになっている。
形式上の特色は全て1668年アムステルダム版を踏襲しているというのに、異文の系統が1667年版に近いのは、不可解としか言いようがない。
1668年アムステルダム版はかなり多くの版が刷られたらしいので、当初刷られた版は1667年版に近い異文を含んでいたが、増刷の中で本来の系統から乖離していったという可能性を想定することもできないわけではない。ただし、それを証明できる「初期の1668年アムステルダム版」なるものが実在するかは不明である。
所蔵先
- フランス国立図書館、オセール市立図書館、シャロン=アン=シャンパーニュ市立図書館、ヴェルダン市立図書館、ヴェルサイユ市立図書館、リヨン市立図書館、リヨン市立図書館ミシェル・ショマラ文庫、マルセイユ市立図書館、ナント市立図書館、トゥルーズ市立図書館、マザラン図書館
- ベルギー王立総合古文書館、カザナテンセ図書館、ポーランド国立図書館、ノースカロライナ大学、カーネル大学、ヒスパニック協会図書館(NY)
復刻
最終更新:2010年10月29日 22:02