昭和・平成オカルト研究読本

 『昭和・平成オカルト研究読本』は、2019年にサイゾーから刊行されたASIOSの著書(Amazonでの発売日は6月29日、ほかは7月2日。奥付の上での刊行日は7月15日)。
 執筆を担当をした20人(インタビューを含めれば21人)のうちおよそ半分が外部参加者である。平成から令和への転換期にあたり、昭和・平成のオカルト(通俗的な意味での広義のオカルト)を幅広く回顧・検証している。

 2020年11月に増刷された。


【画像】カバー表紙

構成

  • 第1章 後世に影響を与えたオカルトの源流
    • 竹内文書、日猶同祖論、日本ピラミッド、宇宙友好協会(CBA)、M資金が扱われている。
  • 第2章 昭和・平成のオカルトブームを振り返る
    • UMA、失われた大陸、スプーン曲げ、水子供養、ノストラダムス、心霊写真、UFO、六星占術の各ブームが扱われている。
  • 第3章 昭和・平成のオカルト事件
    • 大本事件、戦前戦中のニセ科学事件、天津教弾圧事件、CBA事件、オウム真理教事件、法の華三法行、ライフスペース事件、パナウェーブ研究所が扱われている。
  • 第4章 昭和・平成のオカルトを検証し、論じる
    • 超能力捜査番組、富加町のポルターガイスト騒動、幸福の科学の霊言、コンタクティームーブメントなどを検証しているほか、ニセ科学や民俗学との関連を考察している。
  • 第5章 昭和・平成のオカルトを彩ったテレビ番組、漫画・雑誌、出版社、オカルト研究会・人物伝
    • 題名の通り、多彩なトピックをあつかっている。なお、横山茂雄(奈良女子大学教授)のインタビューも収録されており、井村宏次の思い出を語っている。

ノストラダムス関連


 ほか、オカルト人物伝のうち山津が担当する

  • 超常現象や超古代文明を人気にした黒沼健
  • 『1999年人類滅亡』説を日本に定着させた五島勉氏

は、いずれも4ページ程度の簡潔な評伝ではあるが、ノストラダムス関連の言及もある。
 なお、本書では、存命人物には敬称をつけ、亡くなっている人物には敬称を付けないスタイルに従っているので、上記の項目名にもそれが反映されている(増刷に際しても、初版のままで統一)。

 また、
  • 「昭和・平成の日本オカルト年表」(本城達也)
をはじめ、他の執筆担当者の項目でもノストラダムスに言及されている箇所はある。

反響

 ダヴィンチニュースの書評(評者:清水銀嶺)で取り上げられた。
 そこにおいては、コンセプトや構成について説明がなされた後、「テレビでは芸人が「信じるか信じないかはあなた次第です」などと無責任なことを云っているが、現実の危険を回避するためにも、本書が広く読まれることを乞い願う次第である」と結ばれている。

 『ムー』2019年10月号のブックレビューのコーナーでも紹介された。
 そこでは「日本近代オカルト市の百科全書と言っても過言ではない」、「記述は客観的で、出典も明記され、資料的価値も高い」*1等と評されている。

【画像】『ムー』2019年10月号


 また、宗教学者らによる宗教学の入門的書物である『知っておきたい日本の宗教』(岩田文昭・碧海寿広 編著、ミネルヴァ書房、2020年)では、第21章「なぜオカルトブームが起こるのか」の章末の読書案内のうち、「まずはここから読んでみよう」3冊のうちの1冊として、『昭和・平成オカルト研究読本』が挙げられている。

【画像】『知っておきたい日本の宗教』カバー表紙

外部リンク

初版について

増刷について


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最終更新:2020年11月26日 01:27

*1 同誌、p.131