主題別索引:驚異




 ここでは「驚異」(prodige)を描写している予言をまとめる。
 「驚異」は、現代風に言えば超常現象ということになるが、現代とは違って奇形の誕生なども「驚異」に含まれる。この索引は時代的背景を尊重してそうした分類を踏襲するが、当「大事典」として奇形児などを差別する意図は一切ない。

天からの異常降下物

 雨の代わりに、乳、血、石、蛙などが降る現象、いわゆる怪雨あるいはファフロツキーズ。

  • 第1巻46番(三夜に渡って天から大火が降るだろう)
  • 第2巻18番(石と空と火が石だらけの海を作り出す)
  • 第2巻32番(乳と血と蛙が振り撒かれる)
  • 第2巻46番(雨、血、乳、飢餓、鉄、悪疫)
  • 第2巻47番(未作成)(石つぶてが雨下する)
  • 第2巻81番(天からの火によって都市のほとんどが焼かれる)
  • 第3巻18番(かなり長引く乳の雨の後に)
  • 第3巻19番(ルッカで血と乳が雨下するようになるだろう)
  • 第3巻42番(トゥスキアでは石つぶてが雨の代わりに降るだろう)
  • 第4巻100番(天の火が王家の建物へと)
  • 第5巻62番(岩々の上に血が雨下するのが見られるだろう)
  • 第8巻2番(コンドンとオーシュとミランド周辺、私はそれらを取り囲む天からの火を見る)
  • 予兆詩第31番(旧28番)(天が火を雨のように降らせ、燃やすだろう)

天体現象

 彗星、流星、日蝕など。「天の火」は空で見られるもののみ(地上に降るものは「天からの異常降下物」の節に)。


空の幻像・怪音

 ありえないものが目撃されたり、姿は見えないのに音だけ聞こえる現象。16世紀の瓦版には、そうした例がしばしば記録されていた。
 実際に起こったかどうかはともかく、当時は起こりうる現象と認識する人々が一定数存在したのである。

  • 第1巻64番(夜に太陽を見たと思うだろう)
  • 第2巻41番(雲が太陽を二つ出現させるだろう)
  • 第2巻85番(未作成)(空では武器の音が)
  • 第3巻11番(武器が長期にわたり空で音を立てる)
  • 第3巻34番(白昼に怪異が目撃されるだろう)
  • 第4巻43番(空で武器の打ち合う音が聞かれるだろう)
  • 第5巻8番(球形の中におぞましく恐るべきもの)
  • 第5巻16番(その時ロードスでは苛烈な亡霊が現われるだろう)
  • 第6巻44番(ナントのために、夜にイリスが現れるだろう)
  • 第6巻100番(驚異が見られ、汝の災いが切迫して近づいている)
  • 予兆詩第18番(旧16番)(今月に結びつく急報が空に現れ、受理され、放置される)
  • 予兆詩第94番(旧84番)(大地が震える。殺された者、驚異、怪異)

聖エルモの火

 聖エルモの火は、船乗りによく知られていた放電現象の一種。


怪物

 ありえない怪物の誕生のほか、当時の認識では、奇形の誕生もここに含まれる。念押しになるが、当「大事典」として何らかの差別を肯定する意図は一切ない。



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最終更新:2020年02月11日 02:36