infecteur は
詩百篇第9巻14番に一度だけ登場するが、このような語は現代語にも古語にもない。
もっとも、「(病気などを)伝染させる、汚染する、堕落させる」といった意味の infecter という動詞は当時からあったので、それに「~する者」を意味する接尾辞 -eur が付いたと類推することは容易にできる (フランス語には donner / donneur, acheter / acheteur など、同種の変形は枚挙に暇がない)。
それでいけば、infecteur は 「病気などをうつす人」 や 「悪い思想などを広める人」といった意味であろうことは見当がつく。
ジャン=ポール・クレベールはそうした読み方である。
フランス語の infecter も元をただせばラテン語 infector と同語源なので、どちらもありうる読み方だろうが、文脈からすると、「異端思想を広める人」の意味に解釈するのが最も自然なように思われる。
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最終更新:2013年01月07日 22:05