原文
De la Champaigne à Rome grand règner
Et les obstacles du millan
1 tous
tollus2
Avand grand monde de toutes parts singler
Hais de Vénus
3 de tous biens ( ... )
異文
(1) millan : mittan (Ruzo 1975)
(2) tollus : tottus (Ruzo 1975)
(3) Vénus : venus (Ruzo)
日本語訳
カンパーニアから
ローマまで貴人が君臨し、
ミラノによる障害物がことごとく取り除かれる。
あらゆる方向からの多くの人々を導く前に、
すべての物財のせいで
ウェヌスに嫌われ〔・・・〕。
訳について
1行目 Champaigne は素直に解釈すればフランスのシャンパーニュ地方 (Champagne) となるだろう。しかし、ノストラダムスは同じ綴りをイタリアのカンパーニア地方にも使っていた。『
1562、1563、1564年向けの暦書の予言』では、「イタリアとフランスの Champaigne」 と両方を併記したことすらある。ローマや(おそらく)ミラノ、ヴェネツィアとともに登場していることを考えれば、この場合はフランス北東部のシャンパーニュよりもイタリアのカンパーニア (ナポリ周辺) の方が適切だろう。
2行目 millan はミラノと訳したが、一般名詞なら「鳶」の意味になる。
3行目 singler は「航海する、導く」 ないし 「雨風が打つ」 の意味である。
解説
最終更新:2013年01月31日 19:15