heur は「幸運」を意味する古語。DFEにも「幸運」(hap, lucke, fortune, chance)とある。
もともとこの語は後期ラテン語で「運命、運勢」を意味する agurium を語源とし、中世には eür と aür などと綴られた。これは heure の古形 eure と区別するために語頭に h- を付加するようになったものだという。
この語から派生したのが bonheur(幸運、幸福)、malheur(不幸)である。
ノストラダムス関連
詩百篇集ではいずれも幸運の意味でつかわれている。bon heurは初出では2語の形でしか出てこない。malheurはその形容詞形も含めて1語で頻出する。
登場箇所
このほか、
フランス革命期の偽の百詩篇のニセ第8巻68番にも登場しているが、文脈にそぐわないので、当「大事典」では heurt (衝突)の誤記の可能性を疑っている。
最終更新:2019年11月05日 00:09