raffe ne riffe は、
詩百篇第6巻49番に登場する、読み方に関する定説が存在しない句。
エドガー・レオニはプロヴァンス語の de rifla ou de raffa のことで、by hook or by crook(是が非でも、何が何でも)の意味だとしている。
ピーター・ラメジャラーもこれを踏襲し、coûte que coûte(是が非でも)という現代フランス語訳まで添えている。訳し方の点では
リチャード・スモーレー(未作成)も同じである。
マリニー・ローズは、raffe はrafle(ブドウの空房、穀物の空穂)、riffe は rif(火)の綴り上の揺れという、現代フランス語辞典にも載っている通りの用法も載せているが、raffe ne riffe はむしろ通俗的な表現で「掠奪すべきものも掻っ払うべきものも何もない」ことを意味していると推測している。ローズの読み方は比較的文脈に当てはまりうるように思う。百詩篇第6巻49番のこの句の直前は十字架(キリスト教)が追い払われる話、句の後は捕虜や財宝などの奪い去られた(?)項目が並んでいるからである。
正確な語義が何であれ、日本語でしばしば見られるような「カギ形に曲がった」といった訳は難しそうだという点を、とりあえずは確認しておきたい。riffe は griffe(カギ爪)の語頭音消失と見ることができるかもしれないが、直前に ne をとって否定してしまっているのは、「カギ形に曲がった」の支持者にとっては都合が悪いだろう。
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最終更新:2009年01月12日 14:40