テラソルカトル王政連合 > エルドラーム創約星教ブルシェク派


概要

 エルドラーム創約星教ブルシェク派は、イドゥニア星域を代表する世界宗教の一つ。古典古代から続く多神教の要として活動し、現在は、その聖地(ブルセカ地峡)を含むブルシェンドルーク地方(旧ブルシェンドルーク王国:現ユミル・イドゥアム連合帝国直轄領)の奪還を目指して軍備を増強している。信仰のスタイルとしては保守派に分類される教義を保っており、世俗社会との連携に積極的なルドラス派とは一定の対立姿勢を示した。しかし、それ以上の問題としてロフィルナ王国に存在するティラスト派と一定の共闘関係を締結。時に教義の在り方を巡る紛争を繰り返しながらも、共通の敵とされる星間勢力をイドゥニア星内から駆逐することに主力の大部分を注いだ。そのため、国際通念上はティラスト派に続く過激派としてのイメージ(ステレオタイプ)が定着して久しい。それでもなお多くの信者を抱えており、一定の政治的影響力を持つことから文明共立機構とのコネクションも保つ複雑怪奇な相関図を描いた。一部技術者組合としての側面も有し、かの悪名高き星間文明統一機構の圧政から、後のイェルサー・アン・フエーレ(現オクシレイン大衆自由国の派生に繋がった説が濃厚とされる。(直接的な繋がりは全くない)

系統性

 ブルシェク派はエルドラーム創約星教の一派であるという自己規定を行う際に、その歴史的経緯を参照する。信仰の系統性において、ブルシェク派が歴史的に残してきたものの中には「法学者」という存在があるように解釈の余地や検討の必要性、また場合によって使い分ける判断が必要な箇所がある。すなわち、人間としての限界の中に派閥の教義が制限されていると解釈するのである。
 このために、ブルシェク派は自らの教義解釈や宗教的社会構造を肯定的に捉えると共に歴史的背景によって派生したルドラス派やティラスト派の中に教義的な真理やその形跡が残されていると考える。この考えが生じるのは同系統かつ同宗教であるという自認によるものであり、明確に教義や神の共通性なども見られることからブルシェク派はエルドラーム創約星教の一派として自認しているのである。

教義


典礼言語

 古ロフィルナ語の影響を受けた古典ツォルマ語の方言であるナシーシャク語(Našišak)を用いる。
歴史的経緯として、星間文明統一機構からの侵略を受けた際に生存戦略として経典を古典ツォルマ語に訳したことに始まり、これは後に同化・定着するツォルマリア人への理解の促進と同胞感を涵養させた。

歴史

屈辱の中近代

 新秩序世界大戦においては、定着移民(ツォルマリア人)への政策を巡るユミル・イドゥアム連合帝国との激しい総力戦を繰り広げた。宇宙新暦1575年。軍事的庇護対象として共闘路線を取っていたジェルビア連合諸国が未曾有の敗北を喫し、その際に最大の聖地(ブルセカ地峡)を含む旧ブルシェンドルーク王国領の明け渡しを余儀なくされた歴史を持つ。時のインスニア公王の戦意は大きく衰え、一定の殲滅武力を残しつつも以後2300年以上もの長きにわたる忍耐を強いられた。そうした屈辱から、同3952年。セトルラーム共立連邦による反攻作戦が本格化すると、必然的に連合国陣営としての復帰を果たし、再び大規模な軍事行動へと踏み切った。王政連合単独では決して勝ち目などなく、時の公王としては勝ち馬の勢いに乗じて動いた説が濃厚とされる。

聖地の領有権を巡る紛争

 先の敗戦以来となる二度目の宣戦布告とともに多くのブルシェク戦士が立ち上がり、同3965年、増強に増強を重ねた宇宙艦隊をもって同イドゥニア星系における第3惑星レキノラを奪い取った。王政連合最大の悲願とされる聖地ブルセカの奪還も進められ、同4055年、ついに星教騎士団による再統合を果たしたとされる。しかし、同4400年代に再び帝国本隊が襲来すると、地上世界の戦況も悪化し、同4488年、またしても聖地を奪い取られる悲惨な経過を辿った。急遽防衛ラインを引き直した連合諸勢力の奮戦もあって惑星レキノラの死守には成功するものの、世界的な反戦運動が頻発。同4500年。時の星間列強による思惑のもと、全ての交戦勢力が停戦を余儀なくされる最悪の流れに屈した。そうした経緯から、共立公暦1000年・今日でも強烈な怨嗟が燻っており、この執念深さは問題の蒸し返し(領土紛争の再燃=共立機構管理下の三度目の宣戦布告)を恐れるイドゥニア星系連合をして仲裁に努めざるをえない情勢へと推移しつつある。

その他の関連資料


組織構成

 テラソルカトル王政連合の国教として明確に定められている関係上、政治・経済を問わず当該領域においては相当の影響力を誇る。また、同連合加盟国に星教騎士団を駐留させ、国軍への宗教指導に努めるなど年々肥大化の一途を辿ってきた。陣営外の他国においては基本、その領域の法律に従いつつの布教を継続。自由主義の総本山たるオクシレイン大衆自由国でも一定数の信徒を獲得した。本来のナーシャク(信仰)を強調する立場上、他の教派勢力以上に多神教の体制を補強し、地域ごとの様々な文化を内包する。一方、その教義解釈を巡っては聖エルトレーナ自治領に本部を構える聖大主教が最高責任を担って久しく、これは「特定地域内の紛争を収めるための非常権限である」と説明されるが、一部の信者にとっては事実上、一極体制とも取られかねない微妙なコミュニティを形成した。地域によっては、非常に繊細な信仰コミュニティが形成されており、このような政治的問題は大局のものと市民的領域では無視される場合も多い。

国際関係

 王政連合代表は、ブルシェンドルーク地方(特にブルセカ地峡)における星教騎士団の転覆工作を否定している。一方、ユミル・イドゥアム連合帝国への制裁を支持している現状、来たるべき奪還作戦の準備を加速させているのが実態と報じられた。
近い将来に起こるであろう、ロフィルナ王国の崩壊に乗じて武力解放の申請に踏み切る構えを示唆している。
セ連.ヴァンス・フリートン大統領は、共立公暦1000年、過去長きにわたるイドゥニア星内の紛争に終止符を打つためのプランを提示。しかし、その具体的中身については触れておらず、連合帝国との調整を続けている説が濃厚とされた。

聖地巡礼

 ブルセカ地峡への聖地巡礼は、対立の激化を防ぐために許可されているが、連合帝国政府による監視の下行われているのが現状であり、不満が無いわけではない。

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宗教
最終更新:2024年10月04日 22:50