殺生石

殺生石

殺生石(せっしょうせき)は、栃木県那須町にある伝説的な史跡で、平安時代末期の妖怪「九尾の狐」にまつわる物語に関連しています。
その正体を暴かれた九尾の狐が討伐された後、その怨念が石となり、毒気を放ち続けたとされています。この石は「殺生石」と呼ばれ、人や動物を害する存在として恐れられてきました。


概要

九尾の狐玉藻前
  • 九尾の狐は、インド、中国、日本を渡り歩き、悪事を働いてきた妖怪です
  • 日本では平安時代末期、鳥羽上皇の寵姫「玉藻前」に化けて宮廷に入り込みましたが、陰陽師によって正体を見破られ、那須野原で討伐されました
石化と毒気
  • 討伐された九尾の狐は巨大な石に姿を変え「殺生石」となり毒気を放出し、人々や動物に害を与え続けたと伝えられています
怨念の鎮め
  • 室町時代に僧侶・源翁和尚が訪れ、一喝して殺生石を三つに割り、その霊を鎮めたとされています
地理的・文化的背景
  • 殺生石は那須岳山麓、那須温泉神社近くに位置し、現在も硫黄ガスが漂う荒涼とした景観が広がっています
  • この自然現象が伝説の背景となった可能性があります
  • 松尾芭蕉もこの地を訪れ「奥の細道」で殺生石について記述し「石の香や 夏草赤く 露あつし」という句を詠みました
文化財としての価値
  • 殺生石は国指定名勝となっており、「奥の細道の風景地」の一部としても評価されています
  • 九尾の狐伝説は能や歌舞伎などでも取り上げられ、日本文化に深く根付いています
現代の観光地として
  • 現在、殺生石周辺は観光地として整備されており、散策路や案内施設があります
  • また、毎年5月には「御神火祭」という祭りが行われ、九尾の狐伝説をしのぶ行事が催されています
  • 殺生石は歴史的・文化的な魅力とともに、不思議な雰囲気を持つスポットとして多くの人々に親しまれています

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最終更新:2024年12月06日 23:59