九尾の狐
九尾の狐(きゅうびのきつね)は、物語創作において多くの文化で登場する伝説的な狐の妖怪 (
妖狐) または霊獣です。
概要
- 起源と特徴
- 九尾の狐は、中国の古代から伝わる伝説上の生物で、9本の尾を持つ狐として知られています
- 最初は神聖な霊獣として扱われていましたが、時代が進むにつれて妖怪的な存在として描かれることが多くなりました
- 中国の古文書『山海経』では、人を食べる怪物として紹介されていますが、その後は瑞獣(神聖な獣)として扱われるようになりました
- 中国における九尾の狐
- 中国では、九尾の狐はしばしば美女に化けて王を惑わし、国を滅ぼす存在として描かれます
- 特に有名なのは、殷王朝を傾けた妲己(だっき)の正体が九尾の狐であるという伝説です
- この物語は『封神演義』などで広く知られています
- 日本における九尾の狐
- 日本でも九尾の狐はさまざまな形で登場します
- 平安時代末期には、鳥羽上皇に仕えた美女・玉藻前(たまものまえ)の正体が九尾の狐であるという伝説があります
- この物語では、玉藻前が正体を見破られた後、那須野原で討たれ、その遺骸が「殺生石」と呼ばれる毒石になったとされています
- 日本では江戸時代以降、九尾の狐は歌舞伎や人形浄瑠璃などで頻繁に題材として取り上げられるようになり、その特異な容貌や能力から多くの創作作品に影響を与えています
- 朝鮮半島とベトナムにおける九尾の狐
- 朝鮮半島では、九尾狐はクミホ(구미호)と呼ばれ、美少女に化けて男性を惑わす妖怪として知られています
- クミホは人間になりたいと願い、そのために人間の心臓や肝を食べるという伝説があります
- ベトナムでも、中国から伝わった影響で九尾狐(Cửu vĩ hồ)が知られています
- ハノイのタイ湖(西湖)に住んでいたという伝説があります
- 現代文化への影響
- 現代では、九尾の狐はマンガやアニメ、ゲームなどさまざまなメディアで頻繁に登場します
- 例えば、『NARUTO』では主人公ナルトが体内に宿す強力な存在として描かれており、『ポケットモンスター』ではキュウコンというキャラクターとして登場します
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最終更新:2024年12月06日 23:45