玉藻前

玉藻前(たまものまえ)


玉藻前(たまものまえ)は、平安時代末期の伝説に登場する絶世の美女で、その正体は九尾の狐という妖怪です。


概要

美貌と博識
  • 玉藻前は鳥羽上皇に仕える女官で、驚くほどの美貌と知識を持ち、上皇から深い寵愛を受けました
正体の発覚
  • 上皇が原因不明の病に倒れた際、陰陽師・安倍泰成(晴明の子孫)が調査し、玉藻前が九尾の狐であることを見破ります
  • 彼女は正体を現し、宮廷から逃亡しました
討伐と殺生石
  • 逃亡した九尾の狐は栃木県那須野で発見され、三浦介や上総介ら東国武士によって討伐されます
  • その後、怨念が「殺生石」となり、人々を恐れさせました
  • この石は触れる者を死に至らしめるとされます
各地での悪行
  • 玉藻前は日本だけでなく、中国では妲己(だっき)、インドでは塚の神として現れ、権力者を惑わせて国を滅ぼしてきたと伝えられています
歴史的背景とモデル
  • 一説には、玉藻前のモデルは鳥羽上皇の側室、美福門院(藤原得子)とされています
  • 彼女は政治的に強い影響力を持ち、敵対者から妖怪視された可能性があります
文化的影響
  • 玉藻前は中世以降、多くの文学や絵巻物で語られ、日本三大妖怪の一つとして知られています
  • また「殺生石」の伝承は現在も那須地方に残り、観光地としても注目されています

このように玉藻前は、美しさと恐ろしさを併せ持つ存在として、日本だけでなく東アジア全体で語り継がれる妖怪です。

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最終更新:2025年01月18日 13:07