ホブゴブリン
ホブゴブリン(Hobgoblin)は、ヨーロッパの民間伝承に登場する
妖精で、
ゴブリンの一種とされていますが、性格や役割には違いがあります。
概要
ホブゴブリンは元々は善良で親切な家付き
妖精として伝承されていましたが、時代や文化によってそのイメージは変化しました。
彼らは人間との関わり方によって善意ある助っ人にもなり得ますが、その気まぐれさから時には
トラブルメーカーにもなる存在です。現代ではファンタジー作品で多様な解釈が加えられ、その魅力的なキャラクター性が広く親しまれています。
特徴
- 1. 外見
- ホブゴブリンはゴブリンと似た小柄な体型を持つ妖精ですが、より人間に近い姿で描かれることが多いです
- 醜い外見をしている場合もありますが、必ずしも恐ろしい姿ではなく、親しみやすいイメージで描かれることもあります
- 2. 性格
- 基本的には善良で親切な性格を持ち、人間に対して友好的です
- ただし、いたずら好きな一面もあり、気まぐれで悪戯をすることがありますが、それには悪意はありません
- 機嫌を損ねると危険な存在になるとも言われています
- 3. 役割
- ホブゴブリンは家事や農作業を手伝う妖精として知られています
- 夜中にこっそりと働き、人間の生活を助ける存在です
- そのため、ブラウニー(スコットランドの家付き妖精)と似た性質を持っています
- 4. 報酬
- ホブゴブリンは報酬として食べ物(特にミルクやパン)を好みますが、贈り物として衣服を与えると姿を消してしまうという伝承もあります
- この点もブラウニーと共通しています
伝承と物語
- 1. 名前の由来
- 「ホブ(Hob)」は親しみを込めた田舎者の呼び名や「素朴な者」を意味し、「ゴブリン」と組み合わさって「人間に近い善良な妖精」という意味合いを持つようになりました
- 2. 家事の手助け
- イングランドでは、ホブゴブリンが密かに家事を手伝う妖精として語られています
- 家族がよく世話をすると、その家に幸運をもたらす存在として知られています
- 3. いたずら好き
- 一方で、気まぐれな性格から家具を動かしたり、台所を散らかしたりするなどの悪戯も行います
- ただし、それは人間との関係性が悪化した場合や報酬が怠られた場合によるものです
- 4. 悪化したイメージ
- 後世になると、キリスト教の影響でホブゴブリンは悪魔的な存在として扱われることもありました
- また、ファンタジー作品では「ゴブリンの上位種」や「戦闘的な存在」として描かれることが増えています
現代文化への影響
- 1. ファンタジー作品
- 現代のファンタジー作品では、ホブゴブリンはしばしば「ゴブリンの大型種」や「知能が高く戦闘能力に優れる種族」として描かれます
- TRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』では統率力や戦闘能力が高い種族として設定されています
- 2. 文学・ゲーム
- シェイクスピアの『夏の夜の夢』では、「ロビン・グッドフェロー」という名前でホブゴブリンが登場し、人々にいたずらを仕掛けたり助けたりする役割を担っています
- ゲームやRPGでも頻繁に登場し「善良な妖精」から「戦闘的なモンスター」まで幅広くアレンジされています
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最終更新:2025年01月08日 21:23