トラブルメイカー
トラブルメイカーの物語創作における役割
トラブルメーカーは、物語において単なる「厄介者」ではなく、ストーリーを活性化させる重要なキャラクターです。
彼らの予測不能な行動や巻き込まれ体質によって物語が進展し、他のキャラクターとの対比や成長にも寄与します。
- 1. 無計画で突発的な行動
- トラブルメーカーは、計画性がなく、突発的な行動を取ることが多いです
- このため、予測不能な展開を引き起こし、物語に波乱をもたらします
- 彼らの行動はしばしば他のキャラクターを巻き込み、物語全体に影響を与えます。
- 2. 緊張感とユーモアの提供
- トラブルメーカーは、物語に緊張感やユーモアを加える役割も担っています
- 彼らの無鉄砲さや失敗がコメディ要素となり、読者や視聴者に笑いや驚きを提供します
- また、その行動が他のキャラクターとの対立や誤解を生み、さらに物語が進展することもあります
- 3. 巻き込まれ型のトラブルメーカー
- 一部のトラブルメーカーは、自分から積極的に問題を起こすわけではなく、不運や偶然によって次々とトラブルに巻き込まれる「巻き込まれ体質 (≒不幸体質)」のキャラクターとして描かれます
- このタイプのキャラクターは、意図せず事件の中心に立たされることが多く、その結果として物語が展開します。
- 4. 根拠のない自信と突飛な行動
- 多くのトラブルメーカーは、自分に対して根拠のない自信を持ち、それが突飛な行動につながります
- 彼らは常識的な判断ができず、その結果として周囲に混乱や問題を引き起こすことが多いです
- しかし、その無邪気さやエネルギーが作品全体に活気をもたらすこともあります
- 5. 憎めない存在
- トラブルメーカーは、一見すると厄介者ですが、その行動が最終的には良い結果につながることもあり、「憎めない存在」として描かれることが多いです
- 彼らが引き起こした問題が、別の問題解決につながるという展開もよく見られます
作品例
アクア『この素晴らしい世界に祝福を!』
『この素晴らしい世界に祝福を!』に登場するアクアは、物語の主要キャラクターの一人であり、典型的な「トラブルメーカー」として描かれています。彼女は水を司る
女神でありながら、その性格や行動が原因で数々の問題を引き起こします。
- アクアの性格と行動
- アクアは、外見こそ美しく神々しいものの、その性格は非常に問題が多いです。彼女はお調子者で能天気な性格を持ち、自己中心的で空気を読めないことが多々あります。また、打たれ弱く泣き虫な一面もあり、威勢が良い反面、困難な状況に直面するとすぐに泣き出したりします。これらの性格が原因で、彼女はしばしばパーティーメンバーや周囲の人々に迷惑をかけることになります。
- トラブルメーカーとしての特徴
- アクアは「トラブルメーカー」として知られており、彼女の行動や言動が原因で様々なトラブルが発生します。例えば、彼女が善かれと思って行った行動が裏目に出てしまい、結果的に問題を引き起こすことが多いです。また、彼女の運の悪さも相まって、思わぬ災難に巻き込まれることも少なくありません。
- さらに、アクアは自分の失敗を認めず、他人に責任転嫁することも多く、そのためカズマや他の仲間たちとの衝突が絶えません。しかし、その一方で、彼女は時折見せる女神らしい力や行動によってパーティーを助けることもあり、そのギャップが彼女の魅力でもあります。
- パーティー内での役割と関係性
- アクアはパーティー内では回復役として重要な役割を担っていますが、その能力を発揮する場面よりも、自分勝手な行動や失敗によって仲間たちを振り回すことが多いです。特にカズマとはしばしば衝突しますが、それでも二人は共に困難を乗り越えていく関係性を築いています。
総じて、アクアは「
駄女神」として描かれ、人間味あふれる欠点だらけのキャラクターです。しかし、その欠点こそが彼女の魅力でもあり、「うざかわいい」存在としてファンから愛されています。彼女のトラブルメーカーとしての振る舞いは物語全体にユーモアと波乱をもたらし、『このすば』という作品のコメディ要素を強調しています。
太宰治『文豪ストレイドッグス』
『文豪ストレイドッグス』に登場する太宰治は、典型的な「トラブルメーカー」として描かれています。彼のトラブルメーカーとしての特徴は、以下の要素に集約されます。
- 1. 自殺願望と奇行
- 太宰治は自殺愛好家として知られ、常に死に場所を探しています。作中では、しばしば自殺を試みるシーンが描かれますが、その度に周囲を巻き込んで混乱を引き起こします。例えば、川で入水自殺を試みていたところを中島敦に発見されるなど、自殺未遂が原因で物語の展開が動くことも多いです。
- 2. いたずら好きで無責任な性格
- 太宰は非常にいたずら好きで、他人をからかったり騙したりすることを楽しんでいます。特に同僚の国木田独歩とは頻繁に衝突しており、国木田の真面目な性格と太宰の自由奔放な行動が対立することで、しばしばトラブルが発生します。また、彼は自分の行動に対して責任を取ろうとせず、他人任せにすることもしばしばです。
- 3. 異能「人間失格」による無効化能力
- 太宰の異能「人間失格」は、触れた異能力を無効化する力です。この能力は非常に強力ですが、その使い方がしばしばトラブルの元となります。彼はこの能力を駆使して敵や仲間を翻弄することが多く、その結果として予期せぬ事態が発生することもあります。
- 4. 過去のポートマフィア時代とその影響
- 太宰はかつてポートマフィアの幹部として活動しており、その過去が現在でも影響を及ぼしています。彼の元部下である芥川龍之介との関係や、マフィア時代の知識と経験が原因で、武装探偵社内外で複雑な問題や対立を引き起こすことがあります。
- 5. 天才的な頭脳と計算高さ
- 太宰は非常に頭脳明晰であり、常に数手先を読んだ行動を取ります。しかし、その計算高さゆえに周囲には理解されないことも多く、結果的にトラブルメーカーとして認識される要因となっています。彼の策士的な一面は敵味方問わず振り回すことが多く、それが物語の緊張感や混乱を生む要素になっています。
太宰治は、自殺願望や奇行、
無責任な行動によって周囲を振り回すトラブルメーカーです。しかし、その天才的な頭脳と異能「人間失格」によって物語全体の鍵となる存在でもあり、その複雑なキャラクター性が作品に深みとユーモアを与えています。
花畑よしこ『アホガール』
『アホガール』の主人公である花畑よしこは、典型的なトラブルメーカーキャラクターとして物語に大きな影響を与える存在です。彼女の行動や性格は、周囲にさまざまなトラブルを引き起こし、物語を盛り上げる重要な役割を果たしています。以下に、よしこのトラブルメイカーとしての特徴をまとめます。
- 圧倒的な「アホさ」
- よしこは、どんなテストでも0点を取るほどの「アホ」であり、そのアホさが原因で周囲に常にトラブルを巻き起こします
- 彼女の行動は予測不能で、常識的な判断ができないため、他のキャラクターたちを振り回すことが多いです
- 例えば、幼馴染の阿久津明(あっくん)に対して無茶なアプローチを繰り返したり、学校生活でも突拍子もない行動で周囲を困惑させます
- 根拠のない自信と突飛な行動
- よしこは、自分に対する根拠のない自信を持っており、それが突飛な行動につながります
- たとえば、「自分が可愛い」と思い込んでいるため、パンツを見せたりするなど、自信満々に振る舞う場面が多々あります
- また、「将来は人の上に立つ」という夢を持っているものの、その具体的な方法はまったく考えられておらず、ただ勢いだけで突き進む姿が描かれています
- 身体能力の高さと無駄な女子力
- よしこはアホである一方で、身体能力が異常に高く、数十キロ走り続けたり、野生動物を素手で狩ることができるなど、人間離れした力を持っています
- この能力もまた、彼女が引き起こすトラブルをさらに大きくする要因となります
- また、無駄に女子力が高く、料理や裁縫も得意ですが、そのスキルも使いどころがズレているため、周囲には迷惑になることが多いです
- 他者への影響力
- よしこは、そのアホさと勢いによって周囲の人々を巻き込みやすく、人を乗せたり扇動する力が高いです
- しかし、その結果として過剰な暴走やトラブルにつながることがほとんどです
- 特に阿久津明(あっくん)は幼馴染としてよしこの行動に常に振り回されており、彼女によって日常生活がハチャメチャになっています
- 無意識の反面教師
- よしこのアホさは時折周囲に良い影響も与えます
- 例えば、小学生たちから説教されるシーンでは、その反面教師的存在として子供たちに自立心を促すという結果につながっています
- こうした予期せぬ形で周囲に影響を与える点も、トラブルメーカーとしての特徴です
花畑よしこは、その圧倒的な「アホさ」と予測不能な行動によって物語全体に絶えずトラブルを巻き起こすキャラクターです。彼女の無鉄砲さや根拠のない自信、高い身体能力などが組み合わさり、周囲のキャラクターたちとの関係性やストーリー展開に大きく影響しています。彼女は典型的なトラブルメーカーとして物語の推進力となりつつも、その
無邪気さとエネルギーで作品全体にユーモアと活気をもたらしています。
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最終更新:2025年01月04日 09:29