ヨトゥンヘイム
ヨトゥンヘイム(Jötunheimr)は、
北欧神話に登場する九つの世界の一つであり、巨人族(ヨトゥン)が住む国です。
この領域は、神々や人間にとって脅威となる存在であり、
北欧神話の物語において重要な役割を果たしています。
概要
ヨトゥンヘイムは北欧神話において巨人族が住む領域であり、
アースガルズや
ミズガルズと対立する存在として重要な役割を果たします。
その地理的特徴や物語上の役割から、多くの神話エピソードに登場し、北欧宇宙観における欠かせない要素となっています。また、その荒涼とした厳しい環境は、巨人族の強大さや恐ろしさを象徴しています。
ヨトゥンヘイムの特徴
- 1. 居住者
- ヨトゥンヘイムには、霜の巨人(フロストジャイアント)や丘の巨人が住んでいます
- これらの巨人族は、北欧神話ではアース神族やヴァン神族と対立する存在として描かれることが多いです
- 巨人族はしばしば力強く、荒々しい性格を持つ一方で、知恵や魔法の能力を持つ者もいます
- 例として、ミーミル(知恵の泉を守る巨人)やウートガルザ・ロキ(狡猾な巨人)が挙げられます
- 2. 地理と位置
- ヨトゥンヘイムは、ミズガルズ(人間界)の北東または東に位置しているとされています
- アースガルズ(神々の国)とは「イヴィング川」という川で隔てられており、この川は決して凍ることがないと言われています
- 南方には毒の川「エーリヴァーガル」が流れ、東方には「イアールンヴィズ」という森が広がっています
- この森には狼の姿をした巨人やそれを産んだ老婆が住んでいるとされています
- 3. 主な場所
- ウートガルズ: 狡猾な巨人ウートガルザ・ロキが治める都市。ここではトールやロキが試練を受ける物語が有名です
- スリュムヘイム: 巨人スリュムが住む場所。彼は『スリュムの歌』でトールのハンマー「ミョルニル」を盗むエピソードで知られています
- ミーミルの泉: 知恵と予言の泉であり、ユグドラシル(世界樹)の根がこの泉に伸びています
- 4. 神話上の役割
- ヨトゥンヘイムは、アース神族やミズガルズに対する脅威として描かれます
- 例えば、『古エッダ』ではヨトゥンヘイムから「忌まわしき3人の巨人の娘」が現れたことで、神々の黄金時代が終わったという記述があります
- ラグナロク(終末の日)では、ヨトゥンヘイムから巨人族が大挙して押し寄せ、神々との最終的な戦いに参加します
- 5. 現実世界との関連
- ヨトゥンヘイムという名前は、現代ではノルウェーにある「ヨートゥンハイメン山地」にも使われています
- この地域はスカンディナヴィア半島で最も高い山々を含む美しい自然地帯です
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最終更新:2025年01月12日 15:40