内部論理
シナリオ技法における「内部論理」とは、物語内で設定されたルールや
因果関係が一貫性を持ち、矛盾なく展開されることを指します。
この概念は、観客や読者が物語世界を信じ、没入するための基盤として重要です。
概要
「内部論理」は
シナリオ技法において物語世界の整合性と説得力を保つための重要な概念です。
一貫したルールと
因果関係によって観客は物語への没入感を維持し、不信感なく非現実的な要素も受け入れることができます。
内部論理の役割
- 1. 物語世界の整合性を保つ
- 内部論理は、物語内で提示される出来事やキャラクターの行動が、その世界観や設定に基づいて説明可能であることを保証します
- これにより、観客は物語の非現実的な要素を受け入れやすくなります
- 2. 不信の停止(Suspension of Disbelief)の維持
- 観客が物語の虚構性を一時的に受け入れる「不信の停止」を成立させるためには、物語内で矛盾が生じないことが不可欠です
- 内部論理が破綻すると、不信の停止が失われ、観客は物語への没入感を失います
- 3. 因果関係の明確化
- 内部論理は、物語の出来事同士が因果関係によって結びついていることを示します
- これにより、ストーリー展開が自然で説得力のあるものとなります
内部論理を構築する要素
- 1. 設定されたルール
- 物語世界には独自のルール(例: 魔法や科学技術の仕組み)が存在し、それが一貫して適用される必要があります
- 例: ファンタジー作品では「魔法には代償が伴う」などのルールが設定され、それに従ってキャラクターが行動します
- 2. キャラクターの行動原理
- キャラクターの行動や選択は、その性格や背景に基づいて説明可能でなければなりません
- 矛盾する行動は内部論理を損ないます
- 3. 因果関係とストーリー展開
- 出来事が互いに関連し合い、一つの出来事が次の出来事を引き起こす形で展開される必要があります
- これにより、ストーリー全体が自然に進行します
- 内部論理の破綻例
- キャラクターが設定された性格や能力に反する行動を取る
- 物語内で提示されたルールが途中で無視される
- 因果関係が曖昧で、出来事同士につながりが感じられない
シナリオ技法では、内部論理を維持するために以下のような工夫が行われます:
- プロット設計
- 出来事同士の因果関係を明確化し、一貫した流れを作る
- キャラクター設計
- キャラクターの背景や目的を詳細に設定し、それに基づく行動原理を明確化する
- ルール設定
- 物語世界独自のルール(例: 魔法や科学技術)を最初に提示し、それを徹底して守る
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最終更新:2025年01月31日 00:33