疑心暗鬼(ぎしんあんき)
疑心暗鬼(ぎしんあんき)とは、登場人物の心理状態が不安定になり、些細な出来事も大きな意味を持つように感じてしまう様子が描かれます。
語源
「疑心暗鬼」の語源は、古代中国の書物『列子』の注釈書に由来します。
その逸話によると:
- ある男が鉞(まさかり)を紛失しました
- 男は隣人の息子が盗んだのではないかと疑い始めました
- すると、隣人の息子のあらゆる言動が怪しく思えるようになりました
- 後に鉞が谷底で見つかり、自分が置き忘れただけだと分かりました
- その途端、隣人の息子の言動が怪しく感じなくなりました
この話から「疑心、暗鬼を生ず」(疑いの心は暗闇に鬼を生む)という言葉が生まれ、それが略されて「疑心暗鬼」になったとされています。
物語における典型的なシチュエーション
物語の中で「疑心暗鬼」が描かれる典型的なシチュエーションには以下のようなものがあります:
- 1. 恋愛関係での疑念
- 恋人の些細な行動を過剰に疑う
- 浮気を疑い、相手の行動を詮索する
- 2. ミステリーやサスペンスでの疑惑
- 犯人捜しの過程で、無実の人物を疑う
- 陰謀論に取り憑かれ、周囲の全てを疑う
- 3. 職場や学校での人間関係
- 同僚や同級生の言動を誤解し、悪意を感じる
- いじめや排斥を恐れ、他人の行動を過度に警戒する
- 4. 戦時や緊張状態
- スパイや裏切り者の存在を疑い、仲間を信じられなくなる
- 敵の襲撃を恐れ、些細な物音にも過剰反応する
- 5. 超自然現象や怪奇現象
- 幽霊や怪物の存在を疑い、日常の出来事に恐怖を感じる
- 呪いや超能力の影響を疑い、偶然の出来事を関連付ける
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最終更新:2025年01月26日 14:16