嫌いになる
「嫌いになる」は主人公が好意を寄せる相手に対して、
嫌悪感を持つことで起こるイベントです。
前提として主人公は相手とは良好な関係ですが、主人公が相手に対して身の丈以上の要求をします。相手はそれを拒否して関係がこじれますが、最終的には主人公が謝ることでもとの関係に戻ります。
概要
- 前提
- 主人公と相手は良好な関係(恋人、または恋人に近い関係)です (→「好きになる」により成立した関係性)
- 主人公はもともと相手に好意を寄せています
- 主人公は周囲の影響から、本来の自分の欲求ではない「してほしいこと」を相手に求めてしまいます
- 例:友達が恋人との豪華なデートをSNSに投稿しているのを見て、自分も同じように豪華なデートをしたいと思い込むなど
- イベント作成手順
- (1). 主人公が誰を嫌いになるか決める
- (2). 主人公が「許せないこと」を考える
- 主人公が相手に求める欲求(周囲の影響によるもの)を設定する
- 相手には主人公に言えない事情や秘密があり、それが原因で主人公の欲求を叶えられない状況を設定する
物語の三幕構成
- 第一幕:「相手が思い通りにならず嫌いになる」
- 主人公と相手の良好な関係を示すシーンを描く
- 主人公は周囲の影響から、本来以上の欲求やわがままを抱くようになる
- 例:友達から「彼氏なら毎日電話して当然」と言われ、毎晩電話することを求める
- 相手は主人公への好意はあるが、秘密や事情(サプライズ準備、家庭問題、仕事・学業など)があり、主人公の願いに応えられない (→コミュニケーション不足, すれ違い)
- 例:主人公への誕生日サプライズプレゼント購入資金のため、アルバイトを増やして忙しくなり、連絡頻度が減る
- 主人公は相手が自分の要求に応えないことに不満を抱き、「許せない」と感じ始める
- ケンカが起こり、主人公だけが一方的に相手を嫌いになってしまう
- 第二幕前半:「ケンカが発展し、どんどん嫌いになってゆく」
- 主人公は相手への不満や怒りを募らせ続ける
- 相手は主人公の怒りや不満に戸惑うが、それでも主人公への好意は失わない
- 主人公は相手の態度(謝罪不足・説明不足・距離感)にますます苛立ち、嫌悪感を強める
- 例:相手が謝罪しようとしても上手く伝わらず、「本当に反省しているとは思えない」と感じてしまう
- 第二幕後半:「決定的に嫌いになり、一方的に別れる(距離を取る)」
- 主人公は「自分は大切にされていない」「愛されていない」と思い込み始める
- 主人公は他者との関係や日常生活では問題なく好調であるため、自分自身には非がないと思ってしまう
- 例:友達とは楽しく過ごせているため、「悪いのは全て相手だ」と考える
- 一方で相手側は問題や秘密などで不調となり、精神的にも追い詰められてゆく
- 例:サプライズ準備中だったプレゼント計画も上手く進まず落ち込む
- 主人公が最終的に我慢できなくなり、一方的に別れ(または距離)を切り出す。
- 相手側は慌てて引き止めようとするものの、事情説明もできず何もできないまま別れてしまう
- 第三幕:「相手の事情や考えを知り、和解する」
- 主人公側にも徐々に問題やトラブルが発生し、それまで順調だった日常生活も崩れてゆく。これによって自分自身の行動や態度について振り返る機会となる
- 例:友達とのトラブルや孤独感から、自分にも非があったかもしれないと考え始める
- 一方で相手側には抱えていた問題・秘密などが解決し、不調から脱却して好調になってゆく
- 例:サプライズプレゼント準備完了、仕事・家庭問題解決など
- 主人公は自分自身の行動や態度について後悔し始める。しかし、自責感や恥ずかしさから素直に謝れず苦悩する場面も描かれる
- 相手側の事情や苦悩(叶えられなかった理由、「許せないこと」をした理由)について知る機会が訪れる
- 例:共通の友達から真実を聞く、偶然本人の日記やメッセージを見るなど
- 最終的には主人公側から素直な謝罪と反省によって和解し、本来あるべき関係性へ戻ってゆく
具体例まとめ
欲求・許せないこと |
相手側の事情・理由 |
結末 |
毎日連絡してほしい |
サプライズ準備で忙しい |
真実を知って和解 |
豪華なデートや高価なプレゼント |
経済的事情でアルバイト増加 |
相手の苦労と愛情を知って謝罪 |
自分以外の異性との交流 |
仕事や学業上避けられない交流 |
誤解だったと気づき仲直り |
記念日や誕生日祝い重視 |
家庭内トラブル(家族病気等) |
相手への理解不足だったと気づく |
仲違いの理由の例
ヒロインが起こす「仲違い」の理由の例
- 1. 相手の時間や優先順位に関する要求
- ヒロインが「もっと自分に時間を割いてほしい」と求めるものの、相手は仕事や家庭の事情などでその要求に応えられない場合
- ヒロインは「自分より他のことを優先している」と感じ、寂しさや怒りからケンカになる
- 2. 他の異性との関係への嫉妬
- 相手が他の異性と親しくしていることに対してヒロインが不満を抱き、「自分だけを見てほしい」と要求する
- しかし、相手はその関係が仕事上の付き合いや友人関係であることを説明しても、ヒロインが納得せずケンカになる
- 3. 特別なイベントや記念日の重要性
- ヒロインが記念日や誕生日などを大切に思い、「特別な時間を過ごしたい」と期待するものの、相手がその日を忘れていたり、予定を変更せざるを得ない状況になる
- これに対しヒロインは「自分を軽視されている」と感じて許せなくなる
- 4. 愛情表現の不足
- ヒロインが「もっと愛情表現をしてほしい」と求めるものの、相手は恥ずかしさや性格的な理由でそれができない
- ヒロインは「愛されていない」と誤解し、不満を募らせてケンカになる
- 5. 夢や目標への理解不足
- ヒロインが自身の夢や目標について応援してほしいと願う一方で、相手はそれに共感できず冷淡な態度を取る
- この場合、ヒロインは「自分の価値観を否定された」と感じて衝突する
これらの例では、ヒロイン側のわがままや感情的な反応が原因となっていることもありますが、恋愛物語ではこのような衝突がキャラクター間の絆を深めたり成長につながる展開として描かれることも多いです。
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最終更新:2025年03月19日 07:43