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(フェイ・重要設定(本気のネタバレになりました。軽くお話ですので。)
お気をつけて。
魔法大陸東の沖にぽつんと存在しているにもかかわらず特殊迷彩を張られ存在を知らされない実験島、其の中の《箱庭》にて生み出された、
TOT計画№Ⅵ・"恋人"。
の、失敗作。
魔海にて捕獲された金の体毛を持つ名の知られた
ウルフと、黒の髪を持つ超魔力保有者の
エルフ、其の二人を強制的に交配させ、変異体として生み出された《両極の忌み后》。
出産直後から多重の強化魔法及び秘術を施され、最高クラスのウルフの身体能力と、はたまた最高クラスのエルフの魔力を身に着けた《両極》の力を身につけさせようというコンセプトを元に作り出された。
が、それは計画通りには行かなかった。
獣人と亜人という異なる境界、本来魔法を扱えないウルフとあまり身体能力を強化できないエルフ、相反する二つの属性を無理に結びつける事は困難であり、またほぼ不可能とも言われた。
そして結果としては、其の予想が正しかった。
成長した子供は確かに両方の面で中々に高い素質を秘める事になったが、『最高』には程遠い。研究者達の思惑とは裏腹に、酷く『中途半端』な『化け物』となった。
本来発現するはずだった《両極》の姿も、発動できないであろうと。
その研究過程で、ある一人の女性研究者が、一つの《枷》を施していたことに気づいた者は、《狭間の観測者》のみ。
そのまま二人の親が収容されている牢屋の中に入れられ、親子はほぼ用済みと化した。
利用価値が存在しなくなり、あとどれほどの時も置かず、自分たちは処分されるであろう。
そう、親は確信した。
其の上で思った事は、不本意であっても、強制的にであっても、自分たちの血を分けた唯一の子。
何とかして逃がしてあげたい。
自由にしてあげたい。
其の願いは、このときから3日後にかなえられる。
Ⅵ:"恋人"(The Lovers)―――両極の忌み后
限定解除:《忌みの刻》~カーズ・オブ・パラレル~
分類:変異型・具現系統(微弱ながら)
概要(1):通常状態は武・魔両系統。変異後、①武力超特化又は②魔力超特化
概要(2):虚無の剣《ジェネシス》に無の『消滅』を宿す
実験体:フェイ=ゼフィランサス:20歳:女:ハーフエルフ※:
※武勇に優れたウルフと黒髪のエルフのハーフ。変異体。
補則:
①時はエルフとウルフの混合型。身体能力に加えて五感の異常強化。
②時は黒色エルフ。体には禍々しい紋様。白目部分が赤色に。魔力の総開放。
いずれの形態も過度の身体・精神負担がかかるので、もって数分。過ぎると強制解除+意識の断絶。
変身法は、①⇒剣の刀身に自らの血を吸わせる。
②⇒①の手順中に詠唱の途中介入。詠唱は当人が忘れているが、何かがきっかけで思い出すかも。
①武力開放型変化体系:《惨后》
②魔力開放型変化体系:《殲后》
詠唱
『鏡合わせの境界面、交じわらざりし平行世界。
共にありて互いを知らず、共に生きて互いを殺す。
我この場に惨状を望まず、殲滅の狼煙を挙げる。
苦痛も叫びも最早無し。
これより尽くは殲(ほろぼ)されん。
一綱の呪詛を紡ぎて、《殲后》の名により瞬滅する。
我が名は滅び、我が威は喪失。
聖邪の境も獲り払い、極点に座して今こそ宣す―――
我、《忌みの刻》を開始する』
彼女の愛用の小剣。彼女が孤児院に入る以前…
魔法都市で保護されたときに一緒に持っていた、唯一の彼女の持ち物。鞘に銘が彫られていたのでそれと分かった。
変身中は、刃が黒い光を纏う。鼓動のように光は明滅し、効果が切れると同時に光も消える。フェイの変身と深い関わりがあるようだが…。
最終更新:2008年05月12日 08:12