リアクレイス大陸で誕生し、信仰されている神々のデータです。
リアクレイス大陸の神々は基本的に特殊神聖魔法が無く、どの神を信仰したとしても性能は変わりません。(一部の魔法で古代神/大神/小神の違いはあります)
また、神々によって教義や戒律は区別されて定められてはおらず、神殿などでも個別に祀られている事はほとんどなく、
プリーストたちの祈りの対象は特定の神を個別に信仰するのではなく「神様」や「神々」で済まされています。*1

これらの神々はラクシアの他の大陸までは名前や影響力が伝わっておらず、基本的には他の大陸で信仰されていないはずですが、
通常の「ソード・ワールド2.0」を遊ぶ時でも、GMはPCがなんらかの啓示や信仰に目覚め、これらの神々のプリースト技能を持つことを許可しても構いません。
ただし、PLの側からGMの許可を得ることなく信仰することは認められません。
リアクレイス大陸で信仰される場合と、その他の大陸で信仰される場合は、信仰の形態や考え方が全く異なる場合があります。
そのため、「他大陸で信仰する場合」の項目を適宜記載していきます。

PCは「第二の剣の神々」を信仰したり、「第二の剣の神々」からの声を聞く事はありません。



第一の剣の神々

第一の剣の神々/古代神

冒険の神ネイア

ネイアはリアクレイス大陸で初めて神の座に登った神であり、当地の人々からは大陸の神々の最も代表的な神として信仰を集めています。
その信仰の広まりは、リアクレイス大陸においては他大陸の古代神たちを凌ぐほどです。
他の神々から神の座に導かれたわけではなく“始まりの剣”ルミエルを直接手にしたことから、またリアクレイス大陸において長く深く信仰されていることから、
魔法文明時代に神の座を得た比較的若い神でありながら、その力は古代神の位に達しています。
その反面、他の大陸においては、ほとんど名を聞かれる事も無いほど影響力がありません。

ネイアの聖印は「剣と魔法」を表す、六芒星の魔法陣の上に置かれた剣を象っています。
神像は右手に魔力を帯びた剣を携え、左手は道具は何も持たずに魔術を行使する魔法印を組んでいる、髪の長い少女の姿で形作られます。
右手の剣は「剣術」「魔剣」「始まりの剣」「魔力撃」などを、左手は「魔法」「剣と魔法を同時に扱う=マルチアクション」などを象徴しています。


ネイアは魔法文明時代の冒険者の少女で、軽装の魔法剣士であったと言われています。
リアクレイス大陸の全てに冒険譚が残されるほどの活躍の末、とうとう“始まりの剣”ルミエルがネイアの前に姿を現し、
ルミエルを手に取ったネイアは自ら神の座に登りました。
(後に、この事がネイアの運命と信仰のあり方を大きく影響づけていくことになります)

人間・冒険者時代の活躍も英雄伝説として語り継がれ、人が冒険の果てに神の座にいたる物語の典型とされています。
その冒険物語は、(ネイア神への信仰とはまた別に)多くの冒険を志す少年達の憧れを集め、
冒険者ネイアは「かつて実在した先輩冒険者」「冒険者たちが目指す最終到達点」と考えられています。
こうした来歴のため、ネイアは冒険者の守護神・冒険心を司る神とされました。
冒険の際にネイアが示した様々な物事──冒険心、好奇心、探究心、克己心、技術を極める事、他者のために進んで自らの命をかける事を象徴する神であり、
ネイアが冒険の際に用いていた技能や戦闘特技──剣術、魔術、魔力撃の神であり、
人々の脅威を打ち払い、平和をもたらした事跡からは、武勇と知性、正義と平和、理性と道徳と自制心、そして秩序の神であり、
冒険に際して巻き起こした様々な逸話から、混乱と悪戯と大騒ぎの神でもあり、
そして最終的に神の座に至ることができたことからは、栄光、達成、努力の神としても信仰されています。
このように多くの要素、いくつかは互いに矛盾する事柄まで含めた事までネイアの信仰に含まれてしまっているのは、
ネイアが「最初の神」であるという事が──つまり、人々がネイアの他に物事の象徴とする神を持っていなかった──ことが理由と考えられています。

ネイアの信仰の中で、「王と神の問答」という逸話が特に有名で、その信仰の最も重要な根幹部分として語り継がれています。
信仰する者によって様々な一面を持つネイア信仰ですが、この逸話を中心にしていることは共通しています。

王と神の問答
ネイアが“始まりの剣”ルミエルを手にして神の座を得た時、当時の王は言いました。*2
「その魔剣の力を、王や、王族や、大臣たちや、騎士たちにも与えるのだ。そうすれば多くの神が生まれ、国が繁栄し、人々はより豊かに幸せに暮らせるだろう」と。
ネイアはその申し出を拒否し、手にしていた“始まりの剣”ルミエルをどこか遠くに消し去ってしまいました。*3

王はネイアに尋ねました。
「なぜ自らルミエルを手放すのか。神の力に相応しくない者に、神の力を与えてはならぬという事か」と。
ネイアは答えました。
「その裁定は、私にはできません。神の力に値するかどうか決めることを、始まりの剣に選ばれただけの者が行ってはならないのです。
神になれるのか決める権利があるのは、神ではなく始まりの剣。私はただ神であるに過ぎず、私には王を神にする権利はありません。
神の座に相応しい者が居るのなら、始まりの剣が自ら、その者の前に現れるでしょう。私が神になった時と同じように。
私がルミエルを手にし続けては、それを妨害することになります。だからルミエルは私の手にあってはならないものなのです」と。

また、王はネイアに尋ねました。
「ならば、新たなる神として、ライフォスやダルクレムに勝る加護を人々に与えてやってくれぬか。さすれば、其方の信仰は広まり、やがては偉大なる神として崇められよう」と。
ネイアは答えました。
「それはできません。人が神を信じるために、どの力を得られるからどの神に祈るという事があっていいものでしょうか。
それでは人が都合のいい神を選び、神は人気取りのために人に与えてはならぬ力まで与えねばならなくなります。
そして、結局は存在すべきで無い神しか残らなくなってしまいます。人はそんな力が当たり前のものだと思い込み、本来の力を蔑ろにするでしょう」と。

王は三度ネイアに尋ねました。
「それならば、人が神になれるようになる道を、人々がもっと幸せに生きられる道を説いて、授けて欲しい」と。
ネイアは答えました。
「それはできません。私は神になりましたが、思想家や哲学者ではありません。
ルミエルは、私が他人の生きる指針となれるような人生訓をもたらす者だとして神の座を与えてくれたのではありません。
それよりも、どの神がどう言っているのだからと、自分を正当化するために神の名を引き合いに出すだけの者がいかに多い事でしょうか。
私は、そのような者に名を利用されるために神となったのではありません。
正しいこと、行うべきことは、それぞれの人の立場や事情によって異なり、それが相反することもあるでしょう。
ふたつの善を同時に達成することができない場合はどうしたらいいか、ひとつの善を行う時にひとつの悪を伴わねばならない場合はどうしたらいいか、
それを人が考える時に、私の名や言葉を、都合のいい言い訳に使ってはならないのです」と。

この問答から、ネイア神の教義が定まりました。
それは人ではなく神への戒めとして、「神戒」と呼ばれています。

三つの神戒
  • 神は、始まりの剣を私物化し、神の座を人に与えてはならない。
  • 神は、それぞれの特別な力を人に与えてはならない。
  • 神は、人の生きる道をねじ曲げてはならない。
ネイアが王に説いた「神戒」は、その後のリアクレイス大陸の信仰のあり方に大きな影響を与えました。
なぜなら、ネイアの考えからすれば神の座に値しないとされた者とは──
始まりの剣を私物化した者──戦神ダルクレムと第二の剣の神々。
神の座を濫りに人に与えた者──始祖神ライフォスと第一の剣の神々。
特別な力を人々に授けている者──特殊神聖魔法が存在する、ネイア以外の全ての神々。
人の生きる道をねじ曲げた者──人々に「良き生きる道」を指し示している、ネイア以外の全ての神々。

他の神々の信仰全てを否定するという、リアクレイス大陸に誕生した新たな神の爆弾発言に、時の宗教界には大激震がもたらされました。
多くの大神官たちによる激論が交わされ、ネイアと他の神々の間に宗教戦争が起こる寸前まで対立が発展し、混乱を収めるために王が幾度も禁教令を出したほどです。
しかし、最終的に、リアクレイス大陸の信仰はネイアの勢力が勝っていくことになりました。
このために、リアクレイス大陸においては全ての神々が教義として人生指針を示しておらず、特殊神聖魔法を使えなくなっています。
それはネイアが他の勢力を死滅させたからではなく、リアクレイス大陸の人々が判断し、選択していった結果の積み重ねによるものです。

ネイアは人に生きる指針を与えません。
それは人々が自分の状況に合わせて自分の考えで行動することを重んじ、また、人が判断する基準を「神様がこう言ったから」と他者のせいにすることを嫌ったからです。
ネイアを信仰する者たちの信仰の形はひとつではなく、我を押し通すよりも融和を旨とする者もあり、結論が出るまで議論を重ねる者もあり、
他者に関わらない生き方を是とする者もあり、難しく考えるよりも直感的に良いと判断した感性に従う者もいます。そのどれもがネイアへの信仰の形のひとつなのです。

冒険の神
ネイアは自分が認めた者に神の座を与える事は決して行いませんが、その代わりに、全ての冒険心ある者に「超英雄」の加護を与える事にしました。
(超英雄のルールについては超英雄のページを参照)
この加護が与えられる基準はただひとつ、「冒険心を持つこと」だけです。
そのため、一切の冒険者技能を持たない子供ですら、「15レベルの域を超越する権利」は与えられています。*4

また、ネイアはルミエルを手放す前に、自らが用いるための魔剣フェニックス*5をルミエルから創り出していました。
そしてフェニックスから派生させた数多くの魔剣*6をリアクレイス大陸の全土に放ち、それぞれに魔剣の迷宮や守護者を置いて、冒険者が挑むための難題を設置しました。
これは、冒険者ネイアが神となるよりも前に大陸の全ての冒険を終わらせてしまい、もう冒険や探求の場が無くなってしまったからだと言われています。
大陸に数多くちりばめられた魔剣は、初めて冒険に向かう少年の手に与えられる軽度なものから、
やがては神に立ち向かう勇者の手にふさわしい極めて高度な力を持つものまで様々に存在しますが、
いかなる強大な魔剣であっても「持つ者を神にする力」だけは備えていません──いつか、冒険者の前に始まりの剣が姿を見せる一世一代の機会を邪魔しないために。

他大陸でネイアを信仰する場合
+ ...
ネイアは、神の座に至った経緯からすれば「第一の剣の神々」に属しています。
しかし、前述の逸話から「ライフォス陣営」と折り合いが悪く、「ダルクレム陣営」やその他の神々とも一線を画した、独立独歩の存在です。
ネイア自身はライフォスともダルクレムとも仲良くする気はありませんが*7、信者たちが他の神々の信者と協力していく事まで禁止してはいません。
それは信者たちがそれぞれの考えで判断したものであり、むしろ「神様は仲が悪くても、自分は仲良くやっていく」という判断をすることを喜んでいます。
逆に、「ネイアがこう言っているから他の神々の信者を排撃する」という者はネイアの恩寵を失い、プリースト技能を剥奪されます。

リアクレイス大陸では人に向けた格言を持たないネイアですが、他の大陸では他の神々に合わせて格言が伝えられます。
ネイアの格言は「神戒」を人向けにアレンジされたものが用いられます。
すなわち、
「人は、神の座を目指せ。冒険の果てに、始まりの剣がその前に現れよう」
「人は、その道を究めよ。正しき力を、正しく使え」
「人は、生きる道を自ら定めよ。他者にも、神にも、己を委ねてはならない」
というものです。

本来は「特殊神聖魔法を与えない」という神ですが、他大陸での信者たちにはこうした力を与えてくれます。
ネイアは本当はこうした力を授けてやりたかったのですが、他の神々との力の競い合いになる事が嫌で、
リアクレイス大陸においては「他の神々までまとめて全部禁止する」ことを選んだと言われています。

魔法 チャレンジ
性能 レベル:2 消費MP:2 対象:1体○ 射程・形状:30m(起点指定) 時間:3分(18ラウンド) 抵抗:消滅
効果 自分より2レベル以上高いキャラクターに対して、攻撃など敵対的な行為を行う時、物理/魔法ダメージを+4します。
敵対的でない行為を行う場合は、対象が2レベル以上高いキャラクターであっても変わりません。
備考

魔法 ネバーギブアップ
性能 レベル:4 消費MP:6 対象:1体○ 射程・形状:30m(起点指定) 時間:3分(18ラウンド) 抵抗:消滅
効果 対象に戦闘特技《不屈》《カウンター》のいずれかを与えます。
この魔法で習得した《カウンター》の判定は、グラップラー技能に限らず、
近接攻撃の命中力判定を行う事ができる全ての技能で判定を行うことができます。
備考 真語魔法「ウェポン・マスター」が5レベルです。同系統で、それよりも下のレベルで、少しマイナーな特技を習得します。
しかし、グラップラーが7レベルよりも前に《カウンター》を覚えたり、フェンサーが《カウンター》を使用可能になる事は利点と言えます。
高レベルの冒険において、味方全員に《不屈》を習得させるのも強力です。

魔法 ファイティングスピリッツ
性能 レベル:7 消費MP:7 対象:半径5mの空間/15 射程・形状:術者 時間:10分(60ラウンド) 抵抗:消滅
効果 睡眠、錯乱、誘惑、洗脳など、戦闘行為を阻害する効果を無効化します。
また、すでにかけられているこれらの効果を解除します。達成値の比べ合いは必要ありません。
備考 妖精魔法「ブレイブハート」が6レベルで、それよりも上のレベルで、より便利な効果です。

魔法 ベストコンディション
性能 レベル:10 消費MP:10 対象:1体○ 射程・形状:30m(起点指定) 時間:3分(18ラウンド) 抵抗:消滅
効果 対象は、あらゆる判定においてペナルティを受けなくなります。
たとえば、乱戦エリアから離脱する際の回避力判定-4、全力移動時の回避力判定-4、転倒時の判定-2、
目を閉じている時の判定-4、真語魔法「パラライズ」の効果による命中力判定か回避力判定-2などを受けません。
また、メリットとデメリットが同時に発生するものは、そのうちのメリットだけを得ます。
たとえば《全力攻撃》のダメージ+4は有効で、回避-2は無効です。操霊魔法「ファナティシズム」の命中+2は有効で、回避-2は無効です。

この例外として、装備品に伴うペナルティは解消されません。
たとえばスーツアーマーの回避力-3、器用度-6は無効になりません。
備考

魔法 ブレイブフィールド
性能 レベル:13 消費MP:24 対象:半径1kmの空間 射程・形状:術者 時間:1時間 抵抗:消滅
効果 抵抗が「必中」「半減」「短縮」「なし」などの判定を、抵抗「消滅」に変更します。
また「判定の必要なく成功/失敗する」行為を、抵抗「消滅」の判定が必要とします。
回避力/生命抵抗力/精神抵抗力など、いずれの判定を用いるかはGMが適宜裁定します。
備考 抵抗が「半減」や「短縮」の効果を大量に使われても、回避力や抵抗力が高いキャラクターは無傷で切り抜けます。
「英雄を倒せるのは英雄だけ」という、英雄のための戦場を創り出す魔法です。

また、神々が持つ「レベル**以下のキャラクターを抵抗の余地なく一掃する」能力に対抗することが可能になります。
あまりのレベル差のために6ゾロ以外では抵抗に成功することは無いでしょうが、それでも「人が神に抗い得る」ことは象徴的な意味を持ちます。


第一の剣の神々/小神

勇者の神ライザー

ネイアが“始まりの剣”ルミエルを手放した後、リアクレイス大陸では様々な英雄たちがルミエルとの邂逅を果たし、神の座に登っていきました。
その中でも代表的な神が、勇者の神ライザーです。
ライザーは魔動機文明時代の人物で、豪放磊落な銃撃手として有名な英雄でもあります。

ライザーの聖印は、二丁のライフルをXの字に交差させたものです。
神像は両手用の銃を体の左右の脇に抱え、弾帯を体に巻き付けた上半身裸の男性の姿で造られます。
さらに、背に大剣・戦斧・鎚鉾・大弓などを負い、腰には短剣と弩弓を吊したものもあり、銃撃手ばかりでなくあらゆる戦士からの信仰を集めている姿も見られます。


ライザーは、魔動機文明期に異界から押し寄せた魔神の軍団と戦った勇士です。
仕えていた国家は魔神によって滅ぼされ、友軍も全滅する中で、そのあまりの射撃の腕前のために“始まりの剣”ルミエルを引き寄せ、
小神となって戦い抜き、ついには魔神たちの中枢を撃破したと伝えられています。
ところがライザーは剣術ではなく銃撃で戦っていたため、その場で自分が用いるための魔剣スプレッドガン*8をルミエルから創り出すと、
せっかく手にした魔剣ルミエルはすぐに放棄してしまいました。「始まりの剣を最も簡単に捨てた神」と言われています。
その戦いの姿は、目撃者が誰も生き残っていないのをいいことに後世の戦士や吟遊詩人によって派手に脚色され、
「魔動バイクに乗って逃げる敵将に走って追いついた」*9
「象を投げ飛ばした」*10
「360度全方向から一斉射撃を受けたが、全部回避した」*11
「首にナイフを当てられて切り裂かれたが、それでも生きていた」*12
「ライダー技能は持っていなかったが、飛竜の翼の上を同じスピードでジャンプし続けることで竜騎士と戦った」*13
「魔界に突入して魔神の中枢を打ち破った後、魔神が用意していた攻城用の大砲の砲弾にまたがったまま次元の壁を突破して戻ってきた」*14
「これほど凄まじい戦闘能力があるのに麻酔弾一発で昏倒した」*15
などの無茶苦茶な伝説が伝わっています。

その性格は破天荒で、無茶や暴走をいとわず、魔神との戦いに勝利した理由も兵力や作戦や組織の力ではなく、圧倒的な個人戦闘力によるものでした。
「戦闘の勝利が戦術的勝利となり、戦略的勝利という事になる。戦術的勝利は戦略的敗北を覆す事ができないというのは嘘だ。
最終的に勝利すれば、後から誰かが『戦略的勝利の理由』とやらを、そいつの理屈に都合のいいようにでっちあげてくれる」
が持論です。

この性格が、銃撃戦を行う兵士ばかりでなく剣士や武闘家たちにも大受けし、豪放磊落な性質を持つ戦士たちの守護神として、
神となった当初の「銃撃の神」から「勇者の神」へと信仰の内容が移り変わっています。

小神となった当初も、人々に布教する神としての行動よりも魔神や蛮族を直接打ち破りに行く戦士としての行動が多く見られ、
象徴的な意味の「人類の守護神」ではなく、現実的な戦力としての「人類の守護神」であり続けました。
現在、地上の戦場からライザーの姿が見られないのは、神の戦闘相手としてふさわしい強敵が来るのを待っているのだとも、
他の神々から軽挙を諫められてしぶしぶ従っているとも想像されています。

物事の解決に思慮深さや慎重さが求められる場面ではしばしばその行動は迷惑となり、他者から距離を置かれてしまう事もあります。
神であるライザー自身がそうであったように、信者たちの行動も眉をひそめられる事は少なくありません。
この欠点はライザーもよく知悉しており、何度も失敗しては個人的戦力で無理矢理危機を突破し、
後で周囲に平謝りをしたり豪快に笑ってごまかすという逸話が数多く残っています。
現在伝えられているライザー神話の7割はこういった失敗談であったりもします。
自身がこのような性格であったため、信者たちには「暴走を諫めてくれる者を大切にしろ」と注意を喚起しています。
決して「暴走を控えるように」とは言わないところが困ったところなのですが……。


ライザーも小神となった後は、ネイアに倣って自らの魔剣スプレッドガンから派生した魔剣を創り出し、大陸中にばらまきました。
しかしライザーが創り出した魔剣は、どれも周囲を無差別に巻き込んだり、メリット以上のデメリットを伴うもので、
とんでもない大騒動を巻き起こしたり全く使い物にならなかったりといった伝説ばかりが残っています。
しかし、ライザーを信仰する戦士たちは、それを「魔剣に頼らず、自らの力で戦えという事なのだ」とか
「使い方が難しい魔剣を使いこなしてこそ真の戦士」とか好意的に解釈しています。

他大陸でライザーを信仰する場合
+ ...
他の大陸から見れば、ライザーは「よその大陸の英雄神」ということになります。
第一の剣の神々に属する、勇者の神として……あるいは脳筋の神として……戦士たちが信仰する可能性があるでしょう。
ライザーが創り出した魔剣がうっかり間違ってテラスティア大陸に姿を現してしまい、それを手に入れた戦士が伝道師となる……
などというきっかけがあるかもしれません。

なお、「別大陸の小神は消費MPが+2されてしまう」「ほこらを作り、信仰を広めることで消費MPの上昇が無くなる」といったルールが存在します。
(ルールブック3-168ページから)

他大陸では扱われる格言、特殊神聖魔法は以下のとおりです。
「戦士に悪人はおらん。殴り合えばきっと分かり合える!」
「自分より頭のいい奴の言う事は聞いておいた方がいい。考える必要があるのは、その事だけだ!」
「己が騙されても他者を偽らぬようにせよ。皆がそうすれば、誰も騙されることはない!」

魔法 マッスル・マインド
性能 レベル:2 消費MP:1 対象:術者 射程・形状:術者 時間:1日 抵抗:なし
効果 毒・病気・呪い・精神効果属性の効果を受けた時、本来効果が現れる時間から60ラウンド(10分)後に効果が現れます。
それまでに、かけられていた毒・病気・呪い・精神効果属性の効果が解除されていた場合、その効果は現れません。
この魔法を行使できるのは、1日1回までです。
一度効果が発動したら、かかっていた「マッスル・マインド」は効果を失います。
備考 「呪いをかけられたことを脳が認識するまで10分かかるので、その間に効果を解除すれば呪われなかったことになる」という図式です。

魔法 マッスル・マジック
性能 レベル:4 消費MP:4 対象:術者 射程・形状:術者 時間:一瞬 抵抗:なし
効果 この魔法は補助動作で使用します。
ダメージを与える魔法のダメージ、HP回復魔法の回復量を決める際に、筋力ボーナスを加えます。
ただし、魔法ダメージを与える武器を用いた攻撃には適用できません。
この魔法によって、魔法の達成値は変わりません。
備考 打撃ダメージに魔力を加算する《魔力撃》に対抗すべく編み出された、魔法に筋力ボーナスを足す「筋力魔法」です。
なお、ライザーが銃撃手であるのに、ガンのダメージはこれで上昇しません。

魔法 マッスル・ディフェンス
性能 レベル:7 消費MP:5 対象:1体○ 射程・形状:10m(起点指定) 時間:3分(18ラウンド) 抵抗:なし
効果 回避力判定もしくは精神抵抗力判定を行う際に、生命抵抗力判定によって代用することができます。
この生命抵抗力判定に成功すると、「半減」や「短縮」の効果であっても「消滅」となります。
備考 回避力を持たない後衛のキャラクターが生命抵抗力でガンに対処することが可能になります。

魔法 マッスル・ランゲージ
性能 レベル:10 消費MP:16 対象:術者 射程・形状:術者 時間:18ラウンド 抵抗:なし
効果 この魔法は補助動作で使用します。
術者は、近接攻撃の対象と意思疎通する能力を得ます。
言語が通じなかったり、思考形態が人類と著しく違っていたり、知性を持たないキャラクターとの意思疎通も可能です。
(対象がそうしたものであった場合、対象に術者と意思疎通が可能な知性と精神構造を与えます)
この魔法は交渉が可能になるだけで、交渉が必ず成功するとは限りません。
この魔法の対象は近接攻撃が可能なキャラクターでなければならず、近接攻撃の手段を持たない「壁」「洞窟」などの物体には効果がありません。
この魔法による、近接攻撃の対象への意思疎通能力の付与は、非解除です。
備考

魔法 マッスル・フラッシュ
性能 レベル:13 消費MP:10 対象:任意の地点 射程・形状:筋力×2m(貫通) 時間:一瞬 抵抗:半減
効果 「威力(筋力×4)+魔力」点の純エネルギー属性魔法ダメージを与えます。威力の最大は100です。

この魔法を受けたキャラクターが望むのであれば、ライザーを信仰するプリースト技能1レベルを得る事ができます。
ただし、その場合、この魔法に対して精神抵抗力判定を試みることはできません。
備考 希望する者がプリースト技能1レベルを得る魔法は、神聖魔法10レベルでもっと穏便なものが存在します。


救済の神ディルザール

平和が続いていたリアクレイス大陸に押し寄せた蛮族との戦いは、多くの領土と人命の損失と引き替えに、
新たな英雄、そして神の座に登る者たちを生み出しました。
彼らの存在は苦しい戦いを続ける人族にとって大いなる希望であると同時に、「人は神になることが出来る」という確かな実例でもあります。

ディルザールの聖印は、光り輝く聖なる大剣を象っています。この剣はディルザールが神となる経緯に深く関わった、一振りの魔剣です。
神像は大剣を携えた聖騎士の姿で、近年まで人として存在した神であるだけに、神となる前の姿をそのまま写し取られています。


ディルザールは第二次蛮族戦争の時代に活躍した聖戦士の一人で、
多くの蛮族達を討ち取り、また、多くの仲間達を失いつつも戦い続けていました。

ディルザールが神の座に至るきっかけとなったのは、“狂戦士の魂”と呼ばれる魔剣です。
戦場で斃れた戦士の魂が剣に宿り、愛剣を呪われた存在へと変貌させてしまった“狂戦士の魂”を発見した時、
誰もが忌避するはずの魔剣を、ディルザールは哀れに思いました。
ディルザールはあえて呪われし“狂戦士の魂”を手に取り、無念の戦死を遂げた戦士の魂に安らぎの時が来るまで共に戦うことを誓ったのです。

しかし、やはり“狂戦士の魂”は呪われた魔剣です。それを使い続ける事は、聖戦士としての行動に大きな制限がかかり、
そもそも戦闘能力が普通の剣よりも低下する*16という事態を引き起こしました。
そのため、ディルザールと共に戦う聖戦士たちは揃って“狂戦士の魂”を手放すように勧めました。
ディルザールは周囲の声をもっともだと認識しつつも、“狂戦士の魂”に宿った非業の戦士の怨念を見放すことはありませんでした。
ある時は亡き戦士の無念を晴らすかのように雄々しく戦い抜き、またある時は戦士の嘆きを自身のものとしたかのように狂乱の刃を振るううちに、
ディルザールはとうとう“狂戦士の魂”に宿った戦士の怨念と対話ができるまでに至りました。

戦場で蛮族の刃に斃れ、愛剣に狂気という形で無念を残した戦士の名はルウ。
多くの戦友たちを目の前で殺され、ルウ自身も立ち往生という壮絶な戦死を遂げた後、
人族の肉を喰らう蛮族によってルウの遺体は貪り食われてしまったのです。
蛮族を倒す事ができなかった無念、遺骸を食われるという屈辱、
そして「故郷や家族を守るために戦っていたのに、このままでは自身に化けた蛮族によって町が襲われてしまう」という危機の重大さのため、
ルウの魂は激しく憤り、均衡を失ってしまいました。そして、その場に残された愛剣に宿り、“狂戦士の魂”と化してしまったのです。*17
剣に宿ることはできたものの、その無念を誰かに伝える術も無く、故郷に迫る己の姿をした蛮族を止めることもできず、
ただひたすら自分を手に取った者を操り、目の前の何者かに斬りかかる事しかできませんでした。
しかし、多くの蛮族を倒していくうちに憤りは少しずつ収まっていき、また狂乱の魔剣を哀れんでくれる者がいた事を悟ると、
ルウの魂はついに激情を収め、平常心を取り戻したのです。

事態を知ったディルザールは、ルウが守ろうとした街に赴きました。
そこで、ルウに化けた蛮族の潜入は街の衛士や冒険者たちの活躍で無事に退けられ、ルウの名を汚す蛮族はすでに討ち取られていた事を確認すると、
“狂戦士の魂”に宿ったルウの魂は完全なる救済を得たのでした。

こうして呪われた魔剣を安らぎに導いたディルザールは、その後もルウの魂が宿った魔剣と共に戦い続け、
やがて始まりの剣ルミエルとの邂逅を果たし、神の座へと至りました。


ディルザールがルミエルに選ばれた理由は、最強の戦士であったからではなく、強大な魔物を倒したからでもなく、
一人の死者の狂える魂を救う努力を続けたためでした。

神となった者はそれぞれ、神が用いるにふさわしい強大な力を持った魔剣を持っています。
しかしディルザールは、もはや怨念が解けたために強大な破壊力も失う事になったルウの剣を神になるまで使い続けており、
神となった後でも大切にしていると言われています。
ディルザールを讃える神話の中には、彼が携えていた“狂戦士の魂”はルミエルが姿を変えたものであり、
呪われた剣を装っていたのは、神の座に相応しい人物を待つための試練であったという異説を唱えるものもあります。*18

こうした逸話から、ディルザールは「自らの身命を賭して他者を救済する」「他者を救うために自分が不利になることを覚悟して遂行する」という
救済の神と呼ばれています。

また、一部の戦士や冒険者たちの中からは、「機能的に最強の装備ではなく、自分が望んだ装備で戦うこと」という一面を敬愛されています。
これについては、ディルザール自身も聖戦士としての戦力低下により多くの仲間たちに迷惑をかけてしまった事を素直に認め、
仲間たちとの折り合いをきちんとつけること(ディルザールは自分の道を優先したために、去って行く仲間もいたのです)、
貫き通すべき信念と、自制すべき我が儘の違いをよくわきまえることを信者に説いています。


ディルザールはまだ新しい神であり、神が創り出した魔剣というものは発見されていません。
これは想像の域を出ませんが、“狂戦士の魂”や、似たような経緯を持つ「デスソード」や「カーストアーマー」のような魔剣の魔物の中には
ディルザールが創り出した魔剣が一部に存在し、邪念を清めてくれる者を見定めているとも噂されています。

他大陸でディルザールを信仰する場合
+ ...
(状況、格言など制作中です)

魔法 セーフティ
性能 レベル:2 消費MP:1 対象:1体○ 射程・形状:接触 時間:1日 抵抗:なし
効果 対象が行う行為判定、ダメージの算出、回復量の算出において、2dの出目が1ゾロだった場合、「自動失敗」にならず、
ただ出目が「2」であるとして達成値などを計算することができます。
威力表を用いている場合は、威力表の数値は「0」となります。
自動失敗による経験点50点の加算は為されません。
戦利品の獲得など、2d6の出目が1ゾロであっても自動失敗とは見なされない場合は、効果はありません。
この魔法の効果は、一度効果を発揮すると失われます。
効果時間内に1ゾロが出るたびに、効果を発揮するかどうかを対象が任意で決定できます。
この魔法は1日に1回しかかけてもらうことはできません。
備考 「ラック」より効果は劣りますが、他者にかけることができます。

魔法 レジスト・カース
性能 レベル:4 消費MP:4 対象:1体○ 射程・形状:30m 時間:18ラウンド 抵抗:なし
効果 対象が受ける呪い属性のダメージを5点軽減し、呪い属性の効果による行為判定のペナルティを4点軽減します。
備考 防ぐ手段が少ない呪い属性の効果を軽減する貴重な存在です。
しかし、あくまでも短時間の一時凌ぎにすぎず、根本的な解除は6レベルの「リムーブ・カース」を使わねばなりません。
その一方で、「リムーブ・カース」ではできない「呪い属性ダメージを軽減する」という効力があり、戦闘中に役立つことでしょう。

魔法 クエスト・サポート
性能 レベル:7 消費MP:1 対象:1体○ 射程・形状:接触 時間:特殊 抵抗:なし
効果 この魔法は、7レベルの神聖魔法「クエスト」をかけられているキャラクターにのみ効果があります。
「クエスト」をかけた術者と「クエスト・サポート」をかける術者が別のキャラクターであっても効果はあります。
「クエスト」で課せられた使命を遂行しているキャラクターの判定に+1のボーナスを与えます。
いかなる場合に「使命を遂行している」とするかは、「クエストの任務を放棄している」と裁定するのと同様に、GMが判断します。
備考 たとえば、「迷宮の中にいる魔術師を倒せ」という使命の場合、
ボーナスが与えられるタイミングは
・魔術師を倒しに向かう冒険中の全ての判定に+1
・魔術師と戦っている時の判定に+1
・魔術師を倒そうとする攻撃の命中力判定は+1、魔術師からかけられる魔法への精神抵抗力判定にはボーナス無し
など、様々な解釈が成り立ちます。
GMはどのような場合にボーナスが加わるのか、事前にPC・PLに説明しておくとセッションが円滑に進むでしょう。

魔法 アンチェイン
性能 レベル:10 消費MP:9 対象:1体○ 射程・形状:30m 時間:18ラウンド 抵抗:必中
効果 対象にかけられる「主動作を行えない」「補助動作を行えない」「魔法を行使できない」「戦闘特技の宣言ができない」
「移動力が低下する」「制限移動しかできない」などの行動の制限を課す魔法や特殊効果を無効化します。
すでにかかっている効果は、達成値の比べ合いの必要無く全て解除されます。

この魔法で無効化・解除できるのは「行動制限を課す魔法や特殊効果」であり、周囲の状況や装備状況や行動による行動制限を撤廃する事はできません。
たとえば「筋力よりも高い必要筋力の防具を装備している時、移動は制限移動に限られ、主動作を行えない」
「水中では、発声が必要な魔法や呪歌を行使できない」「鎖に繋がれているので移動できない」
「補助動作で魔法を行使したので、そのラウンドは制限移動しかできない」「通常移動をしたので、魔法を行使できない」
などの制限を撤廃する事は、この魔法ではできません。
備考

魔法 (制作中です)
性能 レベル:13 消費MP: 対象: 射程・形状: 時間: 抵抗:
効果
備考

希望の神ビット

ビットは数ある神の中でも特殊な存在です。
普通なら5レベルよりも強くなれない「種の限界」の制限があるはずのコボルドがそれを乗り越えて神の座に至ったこと、
そして魂に穢れを持つ蛮族でありながら第一の剣ルミエルによって神となったことから
本来ならば存在してはならない禁断の存在とされる事もありますが、
コボルド達からは不可能を可能にする「希望の神」と呼ばれています。

ビットの聖印は、可愛らしい犬の顔を象っています。一見すると子犬のアクセサリーのように見えたりもします。
神像は白く柔らかな毛並みを持ったコボルドの姿で形作られ、これも「神」という威厳に満ちた存在には見えないものです。


ビットは、150年前に突如リアクレイス大陸に上陸した蛮族軍の中にいたコボルドでした。
多くの蛮族たちと同じように、最初はこの地を侵略するために(あるいは、奴隷として無理矢理に連れられて)やってきたのです。

コボルドという種族は、意外なほどに真面目で勤勉な個体が存在します。
「種の限界」により5レベルまでしか強くなれないことは分かっていても、考えられるあらゆる技能を5レベルにまで鍛えようと考えるコボルドたちです。
彼らは銃撃を得意とし、魔動バイクを駆り、剣術を身に着け、探索を行い、学識を深め、神への信仰も忘れず、
さらには古代の魔術を操り、妖精たちの力を借り、他にも様々な技能を身につけて活躍する事で知られています。
他の種族は、普通はこれほどまで多種多様な技能を身につける事はありません。いくつかの技能を選んで、道を究めていくからです。
ビットも、元々はそのような志あるコボルドの一匹であったと考えられています。

しかし、リアクレイス大陸ではこのような事情が全く異なっていました。
冒険の神ネイアが「冒険心ある者」にあまねくもたらした超英雄の加護によって、コボルドたちの「種の限界」は取り除かれ、
コボルドであっても6レベル以上に強くなる事が許されていたのです。
この事に気づいたコボルドたちの中から、ダルクレムへの信仰を捨て、ネイアに帰依する者が現れるのに時間はかかりませんでした。

第二の剣の神々から、第一の剣の神々への改悛──それは、最初のうちは死を意味する裏切り行為でしたが、
他の強力な蛮族たちの中からも信仰を問わず加護を与えてくれるネイアへの恩義を感じる者が現れ、
また、いったんは窮地に陥った蛮族軍を救う原動力となった数々の魔剣がネイアが創り出したものであると分かると、
蛮族たちの意識にも少しずつ変化が現れました。
なにより、力を求める蛮族たちにとって、「神よりも強くなる事ができる」と認めてくれるネイアは心強い味方でもあったのです。

ビットはコボルドとしては異例の力を身につける事が許されたこの大陸で、ひたすらにプリースト技能を上げ続けました。
そして「種の限界」をはるかに超えて神に近づいていったとき、第一の剣の神々を信仰していたためでしょうか、
始まりの剣の中でも蛮族と敵対するはずのルミエルが現れたのです。
ビットは迷う事なく、神への道を選びました。
自分がここまで強くなる事ができた事へのお礼、また多くのコボルドたちが同じ幸せを受けている事へのお礼を、ネイアに直接会って伝えたかったのです。
こうして神となったビットは、ネイアが住まうという幻の地「シャングリラ」へと赴きました。


ネイアに会って感謝を述べる事ができたビットは、これからは神と信徒という関係だけではなく、直接の従者として仕えていきたいと願い出ました。
しかし、ネイアはその申し出は断りました。
「いまやあなたは神に仕える信徒ではなく、私と同じようにルミエルに選ばれた神なのです。
同等の者と認めるからこそ、従者とは呼べません。
あなたが神となったのは私の加護によるものではなく、あなたの努力をルミエルが認めてくれたからこそなのだから」
ネイアの言葉に、ビットはこう答えました。
「やっぱり、僕はネイア様のおかげだと思っています。
僕がここまで努力する事ができたのは、努力が報われるという希望があったからです。
もしも最初から報われない努力だと知っていたら、努力することをあきらめてしまっていたでしょう。
僕がネイア様と同じ神様になれたのなら、ネイア様のような神様になりたいです」
その言葉に、ネイアは満足した笑みを浮かべました。
神である私に異を唱え、それを貫き通す。それでこそ同等の神だと。

この会話から、「努力の神」と呼ばれると思われていたビットは、「努力をすること」そのものではなく、
「努力が認められること」「努力が報われるという希望」を象徴する神と呼ばれるようになりました。
努力が報われないと決まっていたら、努力を諦めてしまう。そうならないように、わずかでも成功する可能性を与える神に。
そして、ビットの存在によって希望を抱く事ができた多くのコボルドたちばかりでなく、
蛮族たちにも、人族たちにも、ビットは希望の象徴として信仰されているのです。


ビットはまだ新しい神であり、神が創り出した魔剣というものは発見されていません。
神の性格や経緯からの想像でしかありませんが、もともと強い種族や鍛え上げられた英雄たちのための魔剣ではなく、
他の種族に比べて戦闘能力の乏しい種族や、冒険を志したばかりの力の無い者を補助するもの、
長所を伸ばす方向性よりも欠点を補う方向性のものが創られるのではないかと考えられています。
ひょっとしたら、普通に手に入る軽易な魔剣の中に、実はビットが創り出したという魔剣が人知れずまぎれ込んでいるのかも知れません。

他大陸でビットを信仰する場合
+ ...
リアクレイス大陸から離れた土地では、「よその大陸にはコボルドから神になった者がいる」という話は、まともに取り合ってもらえないかもしれません。
もしもビットの声が届き、本当に信仰に目覚める事ができた神官によって存在が証明され、教えが流布されていったとしても、
ビットが神になった過程の物語は「15レベル以上に成長したコボルドがいる」という形ではなく、
「ルミエルの力によって、一気に16レベル以上に引き上げられた」と解釈されるか、
「神でありながらモンスターレベル5という世界最弱の神」と別の意味で珍しい存在だと認識される場合が多いです。

また、やはり「蛮族でありながら、第一の剣の力によって神の座に至った」という部分が混乱を招く事があり、
それが「蛮族すら帰依する第一の剣の偉大な力」「蛮族でも人族と融和できる」と好意的に解釈される事もあるでしょうが、
逆に「第一の剣の神々の中に存在してはならない異物」と考えられて排斥される場合もあるでしょうし、
第二の剣の神々の信者達からは「絶対に許せない裏切り者」と思われてしまうことでしょう。
しかし、コボルドが普通に暮らせるような町であるなら、ビットの信仰も問題なく受け入れられるはずです。

なお、「別大陸の小神は消費MPが+2されてしまう」「ほこらを作り、信仰を広めることで消費MPの上昇が無くなる」といったルールが存在します。
(ルールブック3-168ページから)


他大陸では扱われる格言、特殊神聖魔法は以下のとおりです。
「希望を捨てないで。頑張ればきっと上手くいくよ」
「頑張っている人が周りにいたら、助けてあげて。希望を失ったら努力もあきらめてしまうから」
「最初からできないとあきらめてしまう事が、なによりもいけない事だよ」

魔法 フェイス・ディフィカルティ
性能 レベル:2 消費MP:2 対象:1体○ 射程・形状:10m(起点指定) 時間:18ラウンド 抵抗:なし
効果 対象が何らかの判定を行う時、その基準値と目標値を比較して目標値が9以上上回る場合、
(つまり、2d6で9以上を出さないと成功しない時に)
判定に+1のボーナスを与えます。

達成値の比べ合いをする時は、比べ合いをする者たちの基準値を比較して相手が2以上上回る場合に
(つまり、2d6で相手が7を出すと仮定して、9以上を出さないと成功しない時に)
判定に+1のボーナスを与えます。
「相手が2d6で3を出したため、9以上を出さなくても成功する」という場合でも、判定に+1のボーナスを与えます。

これらの基準値の比較は、他のあらゆるボーナス・ペナルティを計算した後で行います。
たとえば「命中判定で、2d6で9を出さなければ当たらないのでフェイス・ディフィカルティの効果を足して+1。
その後で《牽制攻撃》を宣言して命中判定に+1。これで7を出せば当たる」という使い方はできません。
備考

魔法 エマンシペーション
性能 レベル:4 消費MP:30 対象:コボルド1体○ 射程・形状:接触 時間:永続 抵抗:なし
効果 この魔法をかけられたコボルドは、「種の限界」を超えて15レベルまで成長する事ができるようになります。
これは「15レベルまでという新たな制限を課す」というものではなく、
なんらかの理由により15レベル以上に成長できるのであれば、それを妨げる事はありません。
この魔法は非解除であり、いかなる理由であっても解除する事はできません。
6レベル以上になったコボルドは、「軽視」の能力を失います。

コボルド以外のキャラクターには、何の効果もありません。
備考

魔法 トランスファー・ハッピネス
性能 レベル:7 消費MP:7 対象:術者以外のキャラクター1体○ 射程・形状:接触 時間:18ラウンド 抵抗:なし
効果 術者は、対象が何らかの判定を行う時、その判定に+1のボーナスを与える事ができます。
ただし、術者が効果時間内に行う全ての判定において、
対象に与えたボーナスの累積数と同じだけのペナルティを受けるようになります。

術者は判定にボーナスを「与えない」とする事もできます。
与えるかどうかの判断をするタイミングは、対象が判定のためにサイコロを振る前でなければなりません。
「出目が1足りなかったので効果を発動して成功に変える」という使い方はできません。
備考 後衛のプリーストが前衛の戦士たちにかければ、命中も回避も抵抗も+1にできるという素晴らしい効果になります。
しかし、前衛が攻撃するたびにプリーストの受けるペナルティが大きくなっていき、
プリーストが敵の魔法をかけられた時の精神抵抗力判定のペナルティが絶望的な数値になることが予想されます。

こうしたペナルティを打ち消すネイアの特殊神聖魔法「ベストコンディション」との相性が抜群で、
同時にかけると「効果時間内の全ての判定に+1」という魔法になります。

魔法 ディスティニー・リバース
性能 レベル:10 消費MP:1 対象:術者 射程・形状:術者 時間:1日 抵抗:なし
効果 対象は[剣の加護/運命変転]を得ます。
「種族特徴の強化」の選択ルールを用いている場合、与えられる加護は1レベル相当のものです。
人間のキャラクターなど、すでに獲得しているキャラクターには効果がありません。
備考 ライフォスの特殊神聖魔法「グレイス・オブ・ルミエル」と比較すると、
「運命変転以外の加護が選べない」「術者以外にかけられない」という点で劣り、
「消費MPが少ない」「効果時間が1日続く」という点で勝ります。

魔法 クリアー・ブランデッド
性能 レベル:13 消費MP:100 対象:1体○ 射程・形状:接触 時間:永続 抵抗:なし
効果 対象が生来備えているものも含めて、穢れ点を全て消去します。

対象は「人族」となります。
そのため、人族と蛮族とで効果が変わる魔法(バニッシュ、フィアーなど)を受けた時、「人族」として処理されます。
「サーチ・バルバロス」「蛮族発見器」なども同様です。

対象は、種族が穢れによって備わった種族特徴を失います。
具体的な例は以下の通りです。
・ナイトメア:[異貌]
・ドレイク:[限定竜化]
・ダークトロール:[弱体化][トロールの体躯] ※防護点+1の強靱さが失われるだけで、体格に変化はありません。
・ラミア:[ラミアの身体][ラミアの吸血][変化] ※人族の姿になったまま、元の姿に戻れなくなります。
・ライカンスロープ:[獣人の力][獣化] ※[獣化]が失われるため、獣人の姿になる事はもはやありません。
・コボルド:[種の限界]

また、対象の外見が人族に近いものに変わります。
角や翼は無くなり、肌の色は人間と同じになり、変身能力は失われ、人間とは体格が違う程度しか変わらなくなります。
この魔法の効果によって蛮族では無くなり、人族になった事が一目で分かります。
コボルドの場合は犬人の外見は変化しませんが、毛並みが美しい白色になり、俗に「ホワイトコボルド」と呼ばれます。

この魔法は非解除であり、いかなる理由であっても解除する事はできません。
備考

その他の魔剣の神

以下の神の神聖魔法は、術者が人族であれば「第一の剣の神々の神聖魔法」に、術者が蛮族であれば「第二の剣の神々の神聖魔法」になります。

その他の魔剣の神/大神

魔術の神エルドリック

エルドリックは魔法文明時代にリアクレイス大陸を統治していた魔法王であり、自らが創り出した魔剣によって神の座に至った神です。*19
エルドリックの聖印は、魔力を込められたアミュレットの形をしています。
神像はローブを身につけた魔術師の姿で、自ら創り上げたとされる様々な魔法の品を身につけた姿で造られます。

エルドリックが信仰を集めた大きな理由は、神から位を授けられたわけでもなく、始まりの剣に出会ったわけでもなく、
自らの力で生み出した魔剣によって神格を得るまでに至った事です。
このため「人は神に至る事ができる」という実証として希望の神や奇跡の神としての信仰もあり、究極の魔剣の創造者として魔術の神として信仰され、
さらには「始まりの剣によって創られた生物の中から初めて誕生した、次の世代の者」として
ライフォスやダルクレム、ネイアたち「始まりの剣によって神となった神々」よりも上位の存在とされる事すらあります。
ただ、彼はあくまでも魔術師・魔剣製作者であり、一般市民や戦士たちからの信仰を受けることはほとんど無いため、リアクレイス大陸においても大神の座に留まっています。

エルドリックが創り出した「神となる魔剣」は、固有の名が記録されておらず、神話上はただ「エルドリックの剣」とだけ呼ばれています。
この魔剣が、持つ者を神にするという力の他にどのような効果を持っていたのか、はたまた神にするという力の他には何も力のない剣だったのかは分かっていません。
確実なのは、エルドリックにとってはこの人類究極の魔剣ですらも通過点に過ぎなかったという事です。
神となったエルドリックは、「神が扱うための魔剣」を創り出しているからです。
そのため、魔術の神エルドリックが人々に向けて創造した魔剣というものは存在せず、
現代に伝えられているエルドリック製の魔剣や魔法の品々は全て「魔法王エルドリック」であった時代の作品です。
(それでも、魔法文明時代の魔法王が製作した品々は、とてつもない魔力を秘めているものばかりですが)

エルドリックは、人に向けて魔剣を創り出すことはもはや無く、ましてや、彼ならばいくらでも作成できるはずの「神に至る魔剣」を人に授けることは決してありません。
それは人の世に関わらずに魔剣創造に没頭しているためではなく、ネイアのように禁じておきたいからでもありません。
神官からの問いに、神はこう啓示を下します。
「神から授かる神格は必要ない。人は、神に至ることができるのだから」


エルドリックという成功例を得た人族の魔術師達は、自らも第二のエルドリックたらんと研究を重ね、凄まじい力を持つ魔剣がいくつも創り出されました。
そうした研究の過程で非道な実験を強行し、人の道に外れた振る舞いを行う魔術師も少なくなかったと伝説に語られます。
もしも、この大陸に「神は人に道を指し示してはならず、人は神の言葉を自己の行動の言い訳にしてはならない」という考えが広まっていなければ
エルドリック信仰は邪悪の源として消滅していたかもしれません。
エルドリックの信奉者は、邪悪な魔術師たちの中にも、また正義の魔術師たちの中にも大勢います。
彼らは善であろうと悪であろうと、必ずひとつの規範を厳守します──人は神の言葉を自己の行動の言い訳にしてはならないという事を。
こうして、エルドリックが「邪悪な魔術師に力を貸す、平和の敵」ではなく純粋に「魔術の神」であるという立場は守られ続けてきました。
正義を重んじる魔術師たちと、そして、悪の魔術師たちによって。

他大陸でエルドリックを信仰する場合
+ ...
エルドリックの存在は魔法文明時代の偉大な魔法王として、他の大陸に伝わっているかもしれません。
その場合は、純粋に魔術師として尊敬するだけの者もいれば、魔術を司る神として信仰する者もいるでしょう。
なお、「別大陸の大神は消費MPが+1されてしまう」「ほこらを作り、信仰を広めることで消費MPの上昇が無くなる」といったルールが存在します。
(ルールブック3-168ページから)

神の言葉を教義として伝え、それに従って生きることが当然と考えられている他の大陸では、エルドリックの存在はしばしば都合良く曲解されます。
「神に従わなくても、自分が神になってしまえばいい。神が人の法に従う必要などない。将来そうなるのだから、今から大人しくしている必要は無い」と。
そうして、各国・各地方・人々の共同体の規範や理念に背く者がエルドリックを信仰している事件が多発すると、
それらの事件が起きた地方では邪悪な信仰として弾圧されるでしょう。

第一の剣でも第二の剣でもなく、自らが生み出した新しい魔剣によって誕生した神という立場上、どちらの陣営にも属しておらず、
また両陣営の神官達もどのように扱っていいのかよく分からないという微妙な立場にあります。
「よく分からないからとりあえず弾圧しよう」「味方でない以上、敵に回ったら困るので、味方だと表明しない限り弾圧する」
といった対処方法は決して過激なものとは言えず、それぞれの国の統治者としてはむしろ当然の対応です。
こうした疑念や誤解は、エルドリックの信者たちが自ら解消しなければならないものです。
リアクレイス大陸の全ての魔術師たちが善悪を超えて努力したように。


他大陸では扱われる格言、特殊神聖魔法は以下のとおりです。
「人に限界は無い。それを証明する時、人は神となれる」
「外に新しきを求めよ。内に真理を求めよ」
「己にしか通用せぬ正義とは真の正義ではない」

魔法 マナ・ビジョン
性能 レベル:2 消費MP:3 対象:術者 射程・形状:術者 時間:1時間 抵抗:なし
効果 知覚が「魔法」になります。
先天的に視力を持たないものや、器官を欠損して視力を失ったものにも、魔法による知覚を与えます。
備考 シーンの神聖魔法「ナイト・ウォーカー」が2レベルです。似たような効果で、同じレベルで存在します。

魔法 マナ・レデュース
性能 レベル:4 消費MP:2 対象:1体○ 射程・形状:30m(起点指定) 時間:1日 抵抗:消滅
効果 MPを消費する行為全てで、消費するMPを1点軽減できます。
備考 戦闘特技《MP軽減》よりも先に登場し、しかも、効果は《MP軽減》と累積します。

魔法 マナ・センセーション
性能 レベル:7 消費MP:6 対象:1体○ 射程・形状:10m(起点指定) 時間:3分(18ラウンド) 抵抗:なし
効果 対象に戦闘特技《魔力撃》《魔力撃強化》《魔力強化》《マナセーブ》《マナ耐性》のいずれかを修得させます。
前提となる戦闘特技は修得していなければなりません。
(他、細部は「ウェポン・マスター」に準ずるものとします)
なお、《魔力撃》に用いる魔力は、魔法をかけられた対象のものを用います。対象が魔力を持たない場合、効果はありません。
備考 真語魔法「ウェポン・マスター」が5レベルです。同系統で、それよりも上のレベルで便利な効果です。

魔法 マナ・サプレッション
性能 レベル:10 消費MP:7 対象:1体○ 射程・形状:30m(起点指定) 時間:30秒(3ラウンド) 抵抗:消滅
効果 対象がMPを消費する行為を行うことを禁止します。すでに発動している効果を消去することはできません。
備考 真語魔法「イレイス・マジック」が9レベル。同系統で、それよりも上のレベルで便利な効果です。
なお、この魔法封じはMPを使用しない《ワードブレイク》で効果を破られる可能性があります。

魔法 マナ・プロテクション
性能 レベル:13 消費MP:20 対象:半径6m/20 射程・形状:術者 時間:3分(18ラウンド) 抵抗:なし
効果 対象が受ける魔法ダメージを半減します。
さらに、効果が「抵抗:半減」の魔法などの抵抗に成功した場合、受けるダメージを0にできます。
備考


PCが神になった場合

15レベルに到達せんとする冒険者は、いずれ神となるべき道が見えてきます。
数々の冒険を通し、キャラクターたちは世界の趨勢に関わるような事件を乗り越えてきたはずです。
その中で、神々の意思に触れることもあったでしょう。あるいは神のごとき敵と戦ったかも知れません。
15レベルに達した冒険者は、いわゆる人族の限界に達しています。これ以上の成長は、もはや通常の手段では不可能です。
神の加護を受け、あるいは神をも殺す超英雄となることで、さらなる成長の道が開けます。
やがては伝説の始まりの剣に触れ、神となるチャンスが巡ってくるはずです。
レベル15のキャラクターとは、それほどまでに希有で、強く、世界に影響力のある存在なのです。
もちろんレベルがより低い状態でも、神々が認めた者ならば、あるいは偶然か神の気まぐれか、始まりの剣に触れることで、神格を得ることはできます。
ですがそれは与えられた神格であり、自ら神の座に昇ることができるのは、15レベルに到達した者だけなのです。
(ルールブック3-170ページ「神への道」より引用)

このように、冒険の最終到達点として「PCが始まりの剣を手にして、神になる」という終わり方を迎える場合があります。
リアクレイス大陸において神となったキャラクターは、以下の要素を免除されています。
  • 人々に与える「格言」を考えておかなくてもよい。
  • 人々に与える「人生指針」を考えておかなくてもよい。
    人から褒められるような生き方をしてこなかったキャラクターであっても、「神様」や「神々」として信仰の対象になれる。
  • 信仰するプリーストたちが使う特殊神聖魔法を考えておかなくてもよい。
    つまり、どのような効果であればゲームバランスを破綻させずに済むか、2レベルから13レベルまで全ての局面を想定して特殊神聖魔法の設定をせずともよい。
    そうした作業を行うのはゲームデザイナーやルール製作者、またGMの役割であり、PLがその負担を負う必要は無い。
  • 神となった元PCたちを信仰するプリーストたちが邪悪な行為に及んだとしても、元PCである神の責任ではない。

このように、PCを気軽に神として引退させることができます。
「神になったのはいいけれど、特殊神聖魔法が決まっていないので、元PCの神を信仰するPCを新たに作れない。
特殊神聖魔法に魅力がなければせっかく神になっても信仰してもらえないし、強すぎたらゲームが無茶苦茶になってしまう」
という心配をする必要はありません。


最終更新:2015年05月29日 09:27

*1 神格によって効果に差違があるゴッド・フィスト等は「その都度どの神に祈るかで効果を自由に変更可能」であり、コール・ゴッドはどの神を呼び出すのかを指定してから唱えます。

*2 この王の名は今も伝えられていません。王の名誉のために、歴史書でも名が伏せられていると考えられています。そのため、ネイアが魔法文明のどの時期に活躍していた冒険者なのか、今でも特定できなくなっています。

*3 伝承によっては、この時「ネイアはルミエルを粉々に打ち砕き、その破片を100本の魔剣に変えてリアクレイス大陸の各地に飛散させた」という話になっています。しかし、まだ神になったばかりのネイアにそれほどの力が存在したのかどうか、またネイアは人々が“始まりの剣”を得て新たな神になることを奨励していることから、この逸話は物語を盛り上げるための脚色であろうと考えられています。

*4 この事を最も早く体験する事ができ、ネイアの加護を実証することができる種族はコボルドです。冒険心を持つコボルドは「種の限界」を越えて6レベル以上に成長する事ができるのです。超コボルドとなった者が引退して冒険心を失ってしまうと、その実力はやはり5レベルまでの制限を受けてしまいますが、難事に際して一念発起し、再び冒険心を沸き起こす事ができれば6レベル以上になった実力を取り戻す事ができるのです。

*5 形状は片手用の剣です。穢れし魂を浄化の炎で焼き尽くし、清らかな魂を再生の炎で蘇らせる力を持つと言われています。生命を与える炎という特性から第二の剣イグニスとの類似や関連も想像されており、ルミエルとイグニス両方の力を受け継いだ魔剣という噂もあります。このフェニックスから派生した祭器が人族に与えられ、魂に穢れを帯びることなく死者を生き返らせる奇跡の秘薬「フェニックスの血」がもたらされています。

*6 フェニックスから派生しただけあって、穢れを持つ者に対して強力な攻撃力を発揮する魔剣が多くあります。蛮族の力を封じる魔剣サーディアス、蛮族に対して有効な魔剣ホーリーソードなどはフェニックスから派生した魔剣の系譜にあたります。

*7 実のところ、ネイアが最も嫌っているのは狂神ラーリスです。「望むことをせよと神が言ったからそうする」というのは、人が本当に望む事は何なのかねじ曲げているとネイアは考えています。

*8 形状は両手用のガンです。戦闘の真っ最中に即興で創り出しただけに、その能力は「とりあえず敵をやっつける」という即物的かつ異常な攻撃力を備え、あたかも「子供が悪ふざけで考えたような最強兵器」と呼ばれました。

*9 敏捷度51以上だったのだろうと考えられています。

*10 エレファントは2部位なので、戦闘特技《投げ強化》を習得していたのだろうと考えられています。なぜ銃撃手がグラップラー技能を持っていたのかという疑問があるので、正確には真偽不明の話です。

*11 360回も回避力判定やるのがめんどくさいから一括で振ったら6ゾロだったのだろうと考えられています。

*12 戦闘特技《不屈》を習得していたのだろうと考えられています。

*13 真偽不明です。

*14 真偽不明です。

*15 実話だそうです。

*16 この魔剣による攻撃しかできなくなるためプリースト技能の神聖魔法を使う事ができなくなり、補助動作ができなくなるので魔力撃を宣言できなくなったのです。

*17 このような死を遂げた聖戦士たちの中には、生前の高潔な志とは裏腹に、無念のあまりアンデッドと化してしまう者もありました。

*18 これは、“狂戦士の魂”という魔剣の存在自体が不可思議なものであるためです。世界に存在する魔剣は全て始まりの剣から生み出された系譜の中にあるはずが、“狂戦士の魂”は始まりの剣の力でもなく、何かの魔法によって創り出されたのでもなく、怨念が取り憑いたという全く別の経緯で誕生しているためです。

*19 彼が統治していた時代にはネイア信仰がすでに広まっていることが確認されているため、ネイアの神話の「王と神の問答」に登場する王とは別人であると証明されています。