リアクレイス大陸の歴史です。
神紀文明時代
神紀文明シュネルアの時代、リアクレイス大陸がどのような状態であったのかはほとんど分かっていません。
わずかに遺跡が発見されることがあるので、無人の大陸ではなかったのだろうと推測されています。
この大陸を出身とする神や有名な魔剣の存在が確認されておらず、
未知なる時代であると同時に、研究対象として大きな魅力が感じられていない時代でもあります。
魔法文明時代
魔法文明デュランディルの時代、リアクレイス大陸はファルザラシア王国というひとつの国にまとまっていました。
この時代に冒険の神ネイア、魔術の神エルドリックら、大陸出身の神々が現れます。
「地元の神々」の登場のため、大陸に生きる人々の宗教観は大きく変化していきました。
詳しくは
神のページを参照して下さい。
魔動機文明時代
魔動機文明アル・メナスの時代、リアクレイス大陸はリーフォンツヴァイ王国という国が治めていました。
首都リーフォンを中心とした12の地域に分かれ、首都以外の11地域はそれぞれ公爵領となり、大きな権力を持つ地方自治が確立していきました。
また、前時代の生き残りとも言える魔術師たちはフィレーンの町に集められ、
エルドリックが残したとされる大陸最大の魔剣の迷宮「メガタワー」の調査と攻略に従事することになりました。
彼らは操霊魔法のうち穢れに関わる技術を排除し、真語魔法の中に取り入れることで、魔法文明時代の魔法を「
古代語魔法」として体系の一本化を行い、
同時に「
魔動機術」からの技術的な独立を保ち続けました。
魔神襲来と英雄の神ライザー
この王国の創成期に、いずこからか現れた魔神たちの軍団が大陸を襲い、公爵領のひとつが攻め滅ぼされるという事件が起こりました。
しかし、全滅したと思われていた公爵領の生存者のうち、勇士ライザーが“始まりの剣”を得て小神となり、
魔神たちを討ち滅ぼし、他地域への侵攻を押しとどめたのです。
ライザーの戦いぶりは、出来上がったばかりのリーフォンツヴァイ王国においておおいに歓迎されました。
魔法文明における冒険の神ネイアのように、魔動機文明でもやはり冒険の果てに神を得る事は可能なのだと。
そしてライザー信仰が王国全体の国教とされることまで検討されたものの、神の性格が武に偏りすぎていたため一般的な支持を得られず
結局多くの神々の中の一柱となるに留まっています。
また、魔法文明時代の魔剣の失敗作が「強大すぎる力によって多くの犠牲と災厄を振りまく邪剣」であるのに対して、
魔動機文明時代の魔剣の失敗作が「意味不明な設計思想、実現性の極端な低さ、毎回暴走する人工知能、なぜか必ず搭載される自爆装置」といった
使用者にまで迷惑なものが多く作られたのは、明らかにライザーの悪影響であろうと考えられています。
この、王国創成期における魔神襲来事件の後、リーフォンツヴァイ王国は平和に発展を続けました。
王位を巡る王位継承者たちの争いや、公爵領同士の紛争などは存在したものの、大陸全体が危機に陥る事態は起こらずに時が流れました。
大断絶
300年ほど前、突如として他の大陸との連絡が全く取れなくなりました。この事件は「大断絶」と呼ばれています。
この時リアクレイス大陸に何が起きたのか、他の大陸はどうなってしまったのか、いかなる手段をもってしても状況が掴めず、
「リアクレイス大陸だけが世界から切り離された」とも、「他の大陸全てが何らかの原因で消滅した」とも推測されましたが、
当時も今も事件の真相を知る術はありません。
この「大断絶」から、時代の区分を「現代」とする考え方が一般的です。
魔動機文明が滅亡してはいないことに注意して下さい。
また、エルフの中には大断絶の前から存命の人物がおり、彼らは他大陸と交流があった時代のことを覚えています。
現代
第一次蛮族戦争
リアクレイス大陸に住む人々たちが「この大陸だけが世界の全てになってしまった」と認識してから150年の月日が流れました。
そこに、突如として大陸の外から蛮族が侵攻してきたのです。
それはリーフォンツヴァイ王国の人々にとって青天の霹靂と言える事件でした。
長らく平和と孤立が続いていたリーフォンツヴァイ王国は、大陸の外側に対して、また蛮族に対して、ほとんど無防備の状態であったのです。
ここから、人族と蛮族の長く苦しい戦い──蛮族戦争が幕を開けました。
初代蛮族王「語られざる者」ボルダン
この大陸に足を踏み入れた蛮族を率いていた最初の者は、名をボルダンと言います。その事跡についてはほとんど何も分かっていません。
なぜなら、蛮族の軍団を率いてリアクレイス大陸に現れた初代蛮族王は、上陸を果たすやいなや、主立った部下の反乱に遭って命を落としたのです。
人族にとって苦難の始まりであった蛮族戦争の始まりは、蛮族たちにとっても準備万端の奇襲ではなかったのです。
長命な蛮族は数百年の時を生きる者もおり、彼らは初代蛮族王ボルダンに付き従って大陸を侵略し、その人物について知っていたはずなのですが、
戦いの末に人族の捕虜となった蛮族たちは一様にボルダンについて口を閉ざします。
それも、「戦略上の理由で人族に機密を漏らさない」といった態度ではなく、明らかに「彼について言及したくない」というそぶりを見せるのです。
いかなる種族の蛮族に問い質しても、同族であるという事は認めようとはしません。
このため、ボルダンがドレイクであったのかダークトロールであったのかバジリスクであったかさえも、人族はいまだ把握していないのです。
しかし、蛮族戦争の大きな焦点は、このボルダンの消息そのものではありません。
戦士たちにとっても歴史家にとっても重要な存在とは見なされず、そのために「語られざる者」と称されています。
二代目蛮族王「蛮族英雄」ザナドゥ
初代蛮族王の死とともに始まった蛮族たちの侵略を率いたのは、その後の蛮族内部の混乱をまとめ上げたザナドゥというドレイクでした。
来襲した蛮族軍が突然仲間割れで指導者を失ったことでリーフォンツヴァイ王国の各地方領主たちは緊張感を欠き、
最後まで有効的な手立てを取ることなく各個撃破されていきました。
この最初の襲撃の際に、リーフォンツヴァイ王国が総力を挙げて軍事行為ができていれば蛮族軍を水際で防ぐことは可能だったと考えられています。
しかし、ザナドゥにとってもこの戦いは苦難の連続でした。
もはや帰る場所が無いという状況、開戦当初からの内部の混乱、
そして信仰していたダルクレムら第二の剣の神々がもたらす奇跡の力がこの大陸では完全に封印されていたことで、
蛮族軍の士気は絶望的なまでに阻喪していたのです。
この苦難を救うきっかけとなったのは、この大陸に残されていた、冒険の神が与えた様々な試練と魔剣──ネイアが制作した魔剣の数々であったのです。
ザナドゥは、平和が続いたリーフォンツヴァイ王国では観光資源のように扱われていた魔剣の迷宮に挑み、いまだ人族が手にしていなかった様々な魔剣を手にしていきました。
その際に、彼ら冒険心ある蛮族たちにもまた「
超英雄」の加護が与えられていることを知り、
蛮族の中からも第二の剣の神々への信仰を捨て、この大陸に生まれた神々に帰依する者が多く現れました。
しかし、それは戦火をさらに拡大させる事にしか繋がりませんでした。
同じ神を信仰するもの同士の戦いは、この戦いを「第一の剣の神々が生み出した勢力と、第二の剣の神々が生み出した勢力による、神々の代理戦争」から
神々の戦いとは何の関係も無い、
純粋な異種族間絶滅戦争に変貌させたのです。
ザナドゥは12地域に分かれていたリーフォンツヴァイ王国の領土のうち、首都リーフォンを含むほとんどの地域を制圧し、
人族に残されていた地域は大陸北方の3区域のみにまで追い詰められました。
最も頑強な抵抗を見せたガルド公爵領の陥落により、人族の最終防衛ラインが突破されたかと思われました。
ここで、蛮族の英雄ザナドゥは配下によって暗殺されるのです。
魔剣サーディアスの災い
人族で最大の抵抗を行ったガルド公爵が有していた魔剣サーディアスは、周囲の蛮族全ての力を強制的に押さえ込むという力を持っていました。
この魔剣がある限り、戦局は押されてはいるものの、人族に決定的な敗北はありえない──そう信じられていたサーディアスを持つガルド公爵が討たれ、
魔剣が蛮族の手に渡ってしまった瞬間に、蛮族戦争の決着は付いたと誰もが確信しました。
それは、蛮族たちの間でも同様でした。
「ザナドゥがサーディアスを持っている限り、他の蛮族は誰も彼に立ち向かうことができなくなる」という事実。
現地の神々の祝福を受け、多くの蛮族からの信頼を勝ち得てきた英雄王──あとは大陸を完全に征服し、蛮族の統一政権を確立することが目前になっていたザナドゥは、
完全勝利に半ばまで手をかけながら部下の凶刃に斃れました。
そして持ち去られた魔剣サーディアスは「誰がこの剣を手にして、他の蛮族全てを屈服させるのか」という蛮族内乱の火種となり、
蛮族は滅亡寸前にまで追い込んだ人族を打ち棄て、蛮族軍同士で勢力を潰し合う愚行を犯していったのです。
「全ての蛮族に災いあれ」という目的で作られた魔剣サーディアスは、持ち主が敗れ、蛮族の手に渡ってなお、蛮族たちに災いを与え続けました。
この魔剣がこの世に存在するから蛮族が意志統一できない。そう気づいて魔剣を破壊ないし封印しようと志す蛮族も皆無ではありません。
しかし、そうした慧眼ある蛮族ですら、魔剣を実際に手に入れた時……
他者の全てを自らの足下に屈服させることができるという誘惑に抗い得ず、もしくは魔剣を狙った部下に裏切られ、
いまだにサーディアスの破壊は実現できていないのです。
100年の睨み合い
ガルド公爵が敗れたことでほとんどの戦力を喪失した人族は、絶滅寸前に敵将が暗殺され、敵軍が互いに内乱を始めるという奇跡的な事態で窮地を脱しました。
しかし、もはや人族の方から逆襲をかけるだけの力は残されていませんでした。
かつてのガルド公爵領は「ダーク・ガルド地方」と呼ばれるようになり、
平和だった土地が蛮族同士の内乱で見る影も無く荒れ果てていくのを見つめていることしかできませんでした。
人族は最後に残されたリルヴァン、アルテルの二国を中心に国力の増強を図りました。
さらに散発的な蛮族の攻撃もあり、リルヴァン南方のクロケット山脈が人族と蛮族の攻防の地として、長く戦いの舞台となりました。
しかし、現れる蛮族の勢力も、かつてザナドゥが率いていた大勢力とは程遠く、
蛮族同士の内乱に破れた敗残兵がさらに弱い勢力である人族を狙ってくる程度になっていたのです。
こうして、人族と蛮族の双方が決戦に踏み切るだけの戦力を喪失し、戦争は長い停滞期を迎えます。この時期を指して「100年の睨み合い」と呼びます。
第二次蛮族戦争
現在から10年前。蛮族戦争が始まってから140年の歳月を経て、ついに国力を回復させた人族の反撃が始まりました。
リルヴァンを中心とした、人族の領域に残された国々の連合軍が、
ガルド公爵の子孫であるロアース公爵を名目上の盟主に押し立て、故地奪還を旗印に立ち上がったのです。
(この第二次蛮族戦争はシナリオ開始から10年前の出来事です。
そのため、15歳~20歳くらいの年齢のキャラクターは幼少期に第二次蛮族戦争の戦果を伝え聞きながら育っており、
25歳以上のキャラクターであれば何らかの形で戦争に寄与していたり、実際に従軍している可能性があります)
それに対する蛮族側は長年の内乱で反目し合い、互いに隙を窺うばかりで、ダーク・ガルドを支配する蛮族の城主ジャニアのもとに集う援軍どころか、
人族の勢力の隙を突いて後背を狙う者すら現れませんでした。
蛮族の領主たちには、もはや「蛮族」として団結して戦う意志は消え失せており、ただ他の領主の危機を嘲っているだけでした。
こうして、大陸の三分の二を占めているはずの蛮族軍はただの小勢力に成り下がり、
大陸の隅に追い詰められた人族が必死でかき集めただけの軍勢にすら届かない程度の兵力しか動員できなかったのです。
しかも数の劣勢が知れ渡ると、蛮族軍からは逃亡兵が続出し、野戦はほとんど行われないままダーク・ガルド城攻略戦に至ったのです。
攻城戦は一ヶ月に渡って続きました。
寄せ手の人族軍は夜営の拠点となる場所も無く、兵糧の輸送も苦しくなってきました。
長年に渡って蛮族の占領下にあったガルド公爵領は完全に荒れ果てており、現地で食料の調達ができるほどの物産を持っていなかったのです。
また、戦況が有利になるにつれて各国連合軍は自勢力の温存を図るようになり、開戦当初の士気も次第に衰えていきました。
しかし、籠城する蛮族軍の士気の阻喪はさらに酷い有様で、ジャニアの首級を手土産に降伏を図ろうとする者が後を絶たず、
疑心暗鬼に陥ったジャニアは側近を手当たり次第に殺して回り、最後の決戦が行われた時には
15名いたはずの蛮族軍の将軍たちがわずか2名しか戦場で確認されなかったという記録が残っています。
一月あまり続いたダーク・ガルド攻防戦の末、人族軍はついに城門を破壊、城内に突入して大激戦を繰り広げます。
敵勢力の掃討──それは城内に住まう蛮族全ての抹殺。血で血を洗う凄惨な殺戮劇の末、ジャニアをはじめとした全ての蛮族の掃滅を完遂した人族軍は、
100年以上に渡って得られなかった勝利の一歩をついに獲得したのです。
なお、この一ヶ月続いた攻城戦の間、他の蛮族領主たちはついに一歩も動くことはありませんでした。
戦後処理
戦勝の歓喜に沸く人族軍でしたが、戦いの中で重大な問題が起きていました。
城を落とし、蛮族は掃討したものの、物資の枯渇と輸送の困難のため、領地の統治や維持どころかダークガルド城を占領し続ける事すら不可能であること。
城内の乱戦の中で、連合軍結成の名目であったロアース公爵が戦死してしまっていたこと。
ほとんどの国がロアース公爵を傀儡として自領の拡大を考えていた事は明らかですが、
そのきっかけを失ったばかりか、どの国もガルド公爵領を自領に組み入れる大義名分を失うという形で牽制し合う構図が形成されてしまったこと。
そして、ガルド公爵領継承の証と考えられていた魔剣サーディアスが発見されなかったことです。
まず現実問題として、食料が残っているうちに人族の領域への撤兵が決定されました。
そしてダークガルド城を去る前に、徹底的な破壊と略奪が行われたのです。
連合軍が撤兵・解散した後、人族の各国は次の手を考える必要に迫られました。
「今のままの国力では、戦争に勝っても新領地を維持できない」という課題に対処すべく、
農業生産の拡大や人口増加政策など、地道で先の長い国家戦略の立て直しです。
それと同時に、いまや空白地と成り果ててしまったガルド公爵領に少しでも食い込むために、
リルヴァン、アルテル、ナルドールの三国がそれぞれ貴族たちを送り込み、「辺境伯」として人族の勢力圏の確保を図ったのです。
この三
辺境伯領が、現在の対蛮族戦争の最前線となっています。
冒険者の時代
第二次蛮族戦争から10年の月日が流れ、人族各国は次第に勢力を回復させてきました。
蛮族各国はかつての戦いでは無傷であり、空白地となったガルド公爵領で小競り合いを繰り返しています。
そんな情勢下で、とある事件が起きました──人跡未踏の地と思われていた極北の高山、「天から降る滝」と称されるヘブンズフォール山脈の高地に
魔動機文明の存在を知らずに生活していたエルフの村が発見されたのです。
高度千メートルの高地に住み続けていたスカイレイクの村のエルフたちは、いまだに魔法文明の時代が続いていると思っており、
地上で起きていた蛮族戦争も全く知らずにいた様子でした。
その発見を人族にもたらしたのは、長きに渡る苦難と戦争の時代で忘れ去られていた存在、冒険者と呼ばれる者たちでした。
国軍が大規模な行動に出られない状態でも、ごくわずかな人数で、衆を越えた働きを見せてくれる英雄たち。
彼らの存在が、疲れ果てていた人族に突然の希望と認識されるようになったのです。
まだ、この大陸には、未発見の謎が残されている。彼らはそれを手にしてくれるかもしれない。
あるいは、冒険の神ネイアが創造し、蛮族の英雄ザナドゥが手にしたような強大無比な魔剣を。
あるいは、ネイアやライザーのように“始まりの剣”を手にして、新たなる神の座を。
あるいは、魔術の神エルドリックがこの地に残した最大の迷宮メガタワーの攻略を。
あるいは、この大陸から蛮族の軍勢を打ち払う切り札となるであろう、魔剣サーディアスの奪還を。
人々は苦しい暮らしと、遠い彼方の第三次蛮族戦争に思いを馳せながら……
今、冒険者の時代を迎えることになったのです。
最終更新:2014年08月15日 07:48