局地調査の依頼によって、あるいは後述の『遺物集め』解禁後にはマップのそこかしこを探索することで、シンデュアリティの世界観を垣間見ることができる物品の『アーティファクト』と『ジャンク』を入手できます(これらはゲーム内において、まとめて『遺物』と呼ばれます)。集めた物品はガレージメニューのコレクションで確認可能になる他、アーティファクトを入手すると『アメイジアタイムライン』というシンデュアリティ世界の年表が更新され、コレクション内で確認できるようになります。
アメイジア東地方・夜
に出撃可能になるタイミングで、リペアキット等での回復速度を上昇させるシステム『遺物集め』が解禁されます。東地方に出撃すると一定の場所から遺物を獲得できるようになり、遺物の収集数に応じて回復速度が上昇します。具体的な遺物の集め方などは夜マップのページをご覧ください。ゲーム内の表記ではメイガス回復アイテム使用速度アップと書かれていますが、局地調査中やメイガス非設定での出撃時など、メイガスが載っていないときの回復速度も上昇しているようです。

【修正履歴】
- 2025/12/18:コレクション1種類あたりの回復アイテム使用速度の増加量を低下(以前はコレクション1種類につき使用速度が0.1%増加していたが、1種類につき0.05%増加になった)
- 2026/05/14:シーズン4中間アップデートにより、サービス開始時点でシルエット表示されていた全ての遺物が実装された。遺物は全86個で、全て集めた場合の回復アイテム使用速度アップは4.3%になる(各陣営の依頼限定の遺物が存在するので、コンプリートするには両陣営のクリアが必要)。
ここから下の項目では、収集した遺物によってコレクション内で閲覧できる内容を掲載しています。シンデュアリティ世界観の確認や考察などに役立ててください。
どのようなものが手に入るか、どのような世界観であるかのネタバレになるため、自分で依頼を進めて確認したい人は注意。
現状、協会員や賞金首でしか入手できない物品も存在するため、別陣営のネタバレも一部含まれています。
どのようなものが手に入るか、どのような世界観であるかのネタバレになるため、自分で依頼を進めて確認したい人は注意。
現状、協会員や賞金首でしか入手できない物品も存在するため、別陣営のネタバレも一部含まれています。
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スマホ版ページで画像が小さい場合はPC版のサイトを表示してみてください。
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【最終更新日】2026/04/01:シーズン4アップデート後の遺物を掲載
アメイジアタイムライン
| + | ネタバレ注意! |
2099 <新月の涙>発生![]()
2099年、新月の夜――地中海を中心とした広い範囲に、突如、激しい雨が降り始めた。それまでほとんど雨の降らなかった、いずれアメイジアが作られる内陸部の地にも。
二日後、雨はますます広く激しく降り続けて、不安を感じた人々は天をあおぎ、あるいは雨に手をかざした。雨はいつのまにか青くなっていた。青い雨に触れた人間はたちまち絶命。そのニュースが流れるまえに、世界中で大洪水が発生して、全人口の92%を最初の一週間で飲み込んだという。――この世界の終焉期についてはほとんど情報が残っていない。 2099 地下施設への避難開始![]()
新月の涙以来の大洪水とモザイク病を避け、奇跡的に生き残った人々は、次第に各地の施設に集まっていった。しかしほとんどの場合、備蓄は非常に限られており、水と食料を奪い合う中で、悲惨な事態が数多く発生することとなった。一方で、ほんの一部の幸運な集団はかろうじて稼働可能な植物生産工場にたどりつき、自給自足を始めることができたのだった。
2099 人々が各所で結集し始める![]()
青い雨による大洪水と降雨――多くの命が失われながら、人々は必死に高地を目指して避難を続けた。その過程において様々な出会いがあり、衝突しながらも、人々は互いに手を取り合う道を選択する。地球上にわずかに生き残った生命体として、もはや協力し合わなければ生きていけなかったから。
そうして同時多発的に生まれた集団のひとつは、のちのアメイジア市民となっていくのだった。 2099 外界探査開始![]()
避難場所と降雨場所に恵まれた場合でも、水や食料の備蓄は少なく――わずかな湧き水以外はロにできす、雨は決して飲めなかったから――人々は青い雨を恐れながらも、食料を求めて外界に向かわなければならなかった。屋内から見る限り、人間には圧倒的な強毒性をもつ青い雨は、動植物に対しては無毒であるようだった。
天気予報システムは喪失したうえに、突然の豪雨は激増という危機的状況の中、比較的余裕のあった避難集団は、青い雨との接触を防ぐために完全密閉された外界探査用車輌を製作する。 2100 <エンダーズ>発見![]()
この時期には、青い雨はどうやら人間にしか作用しないらしいと、人々は気づいていた。動物も植物も、地上で青い雨に打たれながら、これまで以上に――人間がいなくなった地上で――活発に生きていたからだ。
よく晴れた昼下がり、森で食料採集をしていた人々がいきなり巨大な何かに襲われた。恐怖にかられて駆け出しながら、一人がその何かの姿をはっきりと見た。鋭い爪と牙、青黒い体駆のそれは、世界を終わらせる者、世界に終わりを告げる者――<エンダーズ>といつしか呼ばれるようになった。地上はもはや晴れていても安全ではなくなったのだ。 2100 水とブルーシストの分離に成功![]()
青い雨は融れただけでモザイク病を発症してしまう。しかし青く変色してしまった雨水や地下水から飲料水を獲得することは、文字通り、死活問題だった。多大な犠牲を経て、人類は――限られた物資を駆使して――無色化に成功する。
なお研究過程で、ブルーシストは人間以外の生物に影響を与えないことが判明。地上での農業畜産業が可能であることが確認され、生存の安定にもつながっていった。 2101 エンダーズ初撃退![]()
大きすぎる犠牲の末、小型工ンダーズ一体を初めて撃退。コアが弱点であることが判明する。これ以降、エンダーズに有効な武装を持つクレイドルが開発されるようになり、エンダーズによる被害は急速に減少、外界探査領域はゆっくりと広がっていく。それゆえにさらに強大なエンダーズにも遭遇することになるのだが、それでもなお、人類にとって重要な一歩ではあった。
2102 AO結晶の発見![]()
この年の暮れ、冷たい沼のほとりで、外界捜索隊は強く蛍光する物質を発見する。そのあざやかなオレンジ色と、結晶と非晶質の中間的特徴から、アモルファス・オレンジ・クリスタル――<AO結晶>と呼称されることになる。
2104 ドリフターの成立![]()
エンダーズに対処しつつ外界探査をする者たちは、周囲の物資や情報を集めてくる重要な役目を担っており、複数の避難地域で重宝されるようになった。人々はいつしか、遠距離まで探索する者たちのことを敬意をこめて、放浪者<ドリフター>と呼び始めたのだった。
初期のドリフターは――装甲が薄くメイガスによる支援もないクレイドルに搭乗していたため――圧倒的に危険で、生還率は常に70%を下回っていた。 2110 地上生活者が増加![]()
クレイドルを用いた外界調査によって、ブルーシストやエンダーズに関する知見が蓄積し、人類の生存圏が拡大。狭小な地下施設から、降雨を避けられる残存地上施設へと移り住む、地上生活者が増えていった。人々はゆっくりと合流し、千人を超える規模の集落を形作るとともに、小規模ながら、農業や畜産そして工業生産を始めるようになる。それは十年ぶりの地上活動であり、アメイジアにも続いていく第一歩であった。
2112 AO結晶のエネルギー転用、可能に![]()
エンダーズがAO結晶に周密する様子はドリフターがしばしば観察しており、エンダーズがAO結晶から発せられる何らかのエネルギーを吸収していることが判明。それに伴い、AO結晶のエネルギー源としての活用研究が開始された。
さらに数年――ついにAO結晶から放射される<AO波>を電力に変換する機構が完成する。ただちにエネルギー源として周囲のAO結晶の採集が本格始動する。この採集は周囲のAO結晶の巨大化を防ぐことになり、結果として、巨大AO結晶を中心に育つ<巨大構造体>の発生をも防ぐこととなった。 2115 地下巨大AO結晶と巨大構造体の発見![]()
地上進出によって探査可能な領域が広がり、遠征隊が結成されるようになる。陸部の平野に向かったチームが、かつてレアメタルが掘られていた巨大な掘削跡を覆う<巨大構造体>を発見。その地下深くからは強烈なAO波が発せられており、<巨大AO結晶>の存在が示唆された。しかしその直後、大量のエンダーズが襲来、遠征隊は命からがら帰還することになった。
2116 AO結晶、エネルギー転用へ![]()
かねてより研究されていた<AO理論>が――研究特化型AIのサポートによって――ついに完成。AO結晶から放出される<AO波>をエネルギーとして回収蓄積、さらにそれを電力に変換して利用できるようになる。
AO波は――人間に利用されるのを避けるかのように――蓄積周波数をつねに変動させるため、回収するには周波数の予測計算をしなければならない。その複雑な計算を高速でこなすには、巨大な量子コンピュータが不可欠であり、地上でAO結晶から直接回収するまでには、まだいくつもの技術革新が必要だった。 2118 ブルーシストシールド技術が完成![]()
AO結晶が放つ<AO波>は――ほとんどの物質を突き抜けて――エンダーズを呼び寄せてしまうため、AO波を遮断する技術はかなり早期から研究されていた。
この年、固化するとAO波の99.997%をはじく<リフレクト光学塗料>がついに完成。これによって屋内でのAO貯蔵が容易になり、クレイドル内にAO機関を配置することも可能になっていく。 2118 地下統一都市<アメイジア>構想宣言![]()
ある中規模集落のリーダーによって、統一地下都市<アメイジア>構想が宣言される。
候補地はレアメタル採掘跡――直径2km深さ2kmの円筒状の縦穴だ。その底には巨大AO結晶が眠っており、都市の安定的なエネルギー源として半永久的に使うことができる。 しかし、穴は<巨大構造体>が覆い隠し、複数の<エンダーズ>が巣食っている。さらに、仮にそれらを撃破したとしても、縦穴には巨大な屋根<天蓋>を建造しなければ、都市としては機能しない。 多くの集落で、この宣言は一笑に付されたが、若者を中心に、次第に志願者が増えていった。それでもなお、3つの<巨大な難問>が解ける気配はなかったけれど。 2120 暫定政権の樹立、アメイジア建設開始![]()
この時期になると、多くの集落はゆるやかに連携し、各集落の代表からなる連絡の場も定期的に開かれていた。そうした中、最大規模を誇る集落の代表が主導して、集落を統合する暫定政府の成立が合意される。この統一は、生き延びた人々にとって、これまでの過酷な生存闘争にも匹敵する一大事業<巨大地下都市アメイジア>の建設を実現するためのものだった。
2120 <感情サプリ>開発![]()
この時期の科学技術は――幸い小型計算機は多くの場所に残されていて――世界崩壊前の技術水準には未だ遠く及ばないものの、自ら進歩していこうとしていた。
その成果のうちのひとつ――研究特化型AIはこの年、<感情サプリ>の薬学的設計図を出力する。アメイジア完成までの厳しい時間を耐え抜くためだという。試験的に、志願した研究者や囚人に投薬がおこなわれ、重篤な副作用がないことが確認され、主に建築従事者に配布されていった。 2120 クレイドル量産化![]()
クレイドルを建築重機として活用するための量産化計画が進む。アメイジア建設予定地の内奥には超巨大AO結晶があり、複数のS級エンダーズを初めとして、大量のエンダーズが集まっていた。建設のために、エンダーズに対応しながらの建築拠点を確立しなければならなかったのだ。量産化は順調に進み、アメイジア完成直前には1日にクレイドル10機が生産可能になっていた。
2121 アメイジア建設に伴う労働運動、勃発![]()
アメイジア建設が始まってまもなく、最前線の現場作業員がその過重労働に不満をつのらせて、自然発生的に労働運動組織が形成された。
技術者や医療従事者は、アメイジアの初期移住権が約束されていたが、度重なるエンダーズの襲来に次々と命を失っていたのだ。対エンダーズ特化型ドリフターが防衛のために雇われてもいたが、地下に超巨大AO結晶があるがゆえにエンダーズは常に押し寄せてくる。都市完成前に死んでしまっては、移住権も何もあったものではない。その危険性の大きさから、更なる権利の拡大を求めたのだ。ここで立ち上がった労働運動がのちに激化、反アメイジア組織の母体となっていく。 2123 アメイジア建国後の施政方針の発表![]()
縦穴に巣食うエンダーズを撃破し、巨大防護天蓋の建設が始まった時点で、アメイジア建国後の施政方針が発表されることとなった。
都市と人類の発展を希求する一方で、都市住民には厳しい規制が求められる宣言になっており、これまで建築計画に参加していた地上民のごく一部が強く反発。 特に反発をまねいた項目は
反発した参加者のほとんどは計画を離脱して元の集落に戻ったが、労働運動の激化とともに、極一部の反発者の暴徒化さらにはゲリラ化をまねく事態となった。アメイジア工期が大きく遅れた主因と考えられている。
2130 <防護天蓋>完成![]()
2128年完成予定だったが、エンダーズの大侵攻と建設従事者の退避および労働運動のため、工期は2年遅れ、この年ついにアメイジアの防護天蓋が完成した。AOリフレクト塗料が塗られた天蓋によって、上からの雨と地下からのAO波を完全遮断、ついにアメイジア建設予定地に平穏がおとずれ、以降は地下都市構造部の建設が急速に進むことになった。
なお、天蓋建築のために8,281人の命が失われた。死亡した最後の一人は建設責任者である。 2133 アメイジアへの移民、本格化![]()
防護天蓋の完成によって、アメイジア縦穴内にドリフターの拠点も整備され、周辺領域が一気に安全化。建設要員用の寮も縦穴内に作られて、作業が加速、アメイジア住居区画が8割完成した段階で、本格的な移民が始まる。
2135 アメイジア建国![]()
この年の初めに地下都市アメイジアの全区画の建設がほぼ完了。最後の工程として首相官邸が完成し、暫定政府首相が仮住居から転居した当日、アメイジア都市完成とアメイジア建国が内外に向けて発表された。
さらに同日、都市建設開始前に作られた暫定政府はアメイジア政府として成立。 建国式典は以後しばらくのアメイジアの繁栄を示すかのように極めて華やかにおこなわれた。 2138 半導体の生産、再開![]()
世界崩壊以来、人々は残された施設と物資を使いながら、21世紀末に人類が到達していた科学技術の水準を求めて、各種技術の復旧を進めていた。
衣食住に関する技術はほとんど古代の水準から積み上げていく中、人々が強く望んだのは――2099年時点から慎重に理論が伝えられていた、この状況を知的にも物質的にも打破するであろう――半導体の製造技術だった。半導体があれば各種センサーもコンピュータも新たに作ることができるからだ。試験的に作られたICチップは、携帯型ゲーム機に組み込まれ、アメイジアのこどもたちに配布されることになった。 2140 アンドロイドと人格形成型AI、研究開始![]()
建国から5年――この時期のアメイジア市民は創造性にあふれ、21世紀末には存在しなかったような様々な技術や製品を開発している。あるいは人々はさびしかったのかもしれない――清掃や調理のための自動機械を人型機械<アンドロイド>に作り変えるようになったのはこの時期からだった。アンドロイドの内部に搭載されるAIも、外装の有機素材も、あたかも〝人類の隣人〟を求めるかのように、急速に人間に近づいていった。
2149 AO結晶採集計画スタート![]()
都市中央にそびえる超巨大AO結晶はアメイジアでの生活に欠かせないエネルギー源として、強烈なAO波を放ち続けていたが、この年の夏、数秒間にわたって、その輝きを完全に失ってしまう。政府上層部は大混乱におちいりながらも、その〝消失〟の事実を完全隠蔽し、特別研究チームを設立する。
超巨大AO結晶はほとんど神格化されていた一方で――だからこそ――このような危機はずっと恐れられていた。それゆえ、ドリフターによる地上AO結晶回収はアメイジア政府直轄事業として細々と継続されてはいたのだ。しかし事ここに至り予算上限が撤廃。〝消失〟の数日後にはドリフタ一数は数倍にもなり、アメイジアは建国から15年目にして、地上活動を本格化させていくことになった。 2149 地上住民との交流![]()
アメイジア建国前から、近隣の地上には多くの人々が集まっていた。アメイジア市民になろうとする者もいれば、地上に残りつつアメイジア暫定政府とビジネスをおこなう者もいた。そしてもちろんアメイジアに反対する者たちも――。
アメイジア建国後も、穏健派の地上住民とは提携が続き、遠方の集落とも本格的な交易が始まった。扱われる物資は、農作物がほとんどだったが、中には地上の工房で作られた工業製品も含まれていた。 2150 新施政方針の厳格化![]()
使用可能なAOエネルギーを制限しなければならない可能性から、アメイジア政府は新施政方針を打ち出す。
職域区分性の厳格化、配給物資の一部制限、人口管理の制限強化など政府の権限を一層強化した。 厳格な制度下でもドロップアウトする人々は少なからずおり、そういった市民たちは下層区の一部でスラムを形成。人によっては地上生活に戻ることを選ぶものもいた。 2150 第一次構造体調査![]()
面積的にも高度的にも大規模に広がる<巨大構造体>の存在は、世界崩壊から数年後には確認されていた。それは巨大な建築物あるいは山のようにそびえていたからだ。
アメイジア政府がAO結晶を地上に求める方針を本格化して一年、第一次構造体探査がおこなわれた。構造体は強いAO波を発しており、潤沢なAO結晶が期待されていた。しかし――当時最高のドリフターたちを結集した探査部隊であったにもかかわらず、構造体に侵入して数時間のうちにチームは全滅してしまう。世界はいまだ人類のものではなかった――。 2161 第二次巨大構造体探査![]()
ドリフター全滅という大失敗に終わった前回の巨大構造体探査――しかし得られた事実もあった。構造体の内部にはAO波が乱反射し、立体的にエンダーズが襲いかかってくる。
第二次探査では、その対策として、三六〇度全天対応するオペレーター機能<人格付帯ソフトウェア>が実戦投入された。このときの人格は擬似的なものであったが、戦闘中のパイロットの思考を補助するインターフェイスとしては最適解だった。会話しながらの戦闘はパイロットを集中させ、適度に緊張をほぐすからだ。 その恩恵もあり、第二次巨大構造体探査は成功。危険な構造体中心部はもちろん、外縁部にも高純度AO結晶があることが判明し、アメイジアはー時的にエネルギー危機を脱する。 そして研究者は人格型AIの有用性に気付く。疑似ではない、真に人格と呼びうるものを持つAIであれば、戦闘のみならず、アメイジアそのもの――さらには人類全体を導くことができるのではないか? しかしその野望/希望は、量子コンピュータの再開発まで待たれることになる。 2185 人形劇「吉雄」放送開始![]()
アメイジア国営放送において、人形劇「吉雄」の放送が開始される。その見た目のサイコ感から多くの市民が開始すぐに放送を切ってしまった。市民の不人気もあり、政府上層部からも不評で、予定の半分の回数で打ち切られてしまった。
2191 レインタイトに関する論文発表![]()
ブルーシストに耐性を持つ、人の血中物質<レインタイト>の存在を予想する論文が、アメイジア研究情報ネットワークに投稿される。投稿者はドーサン、当時弱冠16歳。
科学界からは、予言めいた夢物語と嘲笑の的となり、論文は黙殺された。ドーサンはこのときから激しくこじらせていくことになる。 2192 スシ、スキヤキの流行![]()
都市が安定期に入り、アメイジアは<超長距離外界調査>を開始した。順次、遠征部隊が結成され、補給基地が各地につくられていく。それまで既知であった数百キロ圏を超えて、千キロニ千キロとアメイジアを離れて、遠征部隊が発見したのは、徹底的に崩壊した世界と、それでもなお各地で生き延びていた人類の存在だった。
最も遠方までたどりついた東方遠征部隊が、旧アジア圏のものと思われる遺失文化の持ち帰りに成功。アメイジア内においてスシ、スキヤキが流行し始める。 2192 新月の涙100周年式典![]()
新月の涙から100年が経過し、慰霊とさらなる発展を祈念する、大規模な式典がアメイジアで開催された。<新月の涙>を実際に体験した人々はすでになく、しかしすべての市民は過酷な地上生活を生き延びており、式典では全参加者が万感の思いをもって涙を流したのだった。
2200 シェルタリング・クライシス![]()
22世紀最後の年のある日、アメイジアを青い雨から守る天蓋の上で、少数のドリフターたちが圧倒的多数のエンダーズと死闘を繰り広げていた。その戦いはほとんどのアメイジア市民に知られることなく続き、夜明け直前に終わった。全貌は今も不明のままだが、勝者は明らかだった。朝の光に照らされた天蓋には傷ひとつついていなかったから。
2201 量子コンピュータ、再開発![]()
新月の涙で失われた無数の科学技術――その再開発/再発見は生き延びた人類の悲願であった。半導体を用いた古典コンピュータは、残された物資も比較的多かったため復旧は早期に達成できたものの、大規模かつ高度な施設を必要とする<量子コンピュータ>はなかなか再開発できなかった。そのうちに量子力学の知見までも散逸する危機もあったという。
そして世界崩壊から百年超、ついに量子コンピュータがアメイジア研究所内に再現される。21世紀初頭の、小型古典コンピュータにも劣る演算能力ではあったけれど、研究者たちはその成功を深く喜んだ。 この直後には量子コンピュータ上で走る量子AIが完成し、のちのメイガスおよびメイガスAIにつながっていく。 2204 ヨシヲブーム![]()
数年前、打ち切り同然で放送終了した教育番組「吉雄」。そのぬいぐるみが在庫過剰のため児童施設・スラム街などに無償譲渡された。やんちゃな子供たちの荒っぽい扱いでボロボロになったぬいぐるみを漸次補修され、ツギハギだらけになったぬいぐるみ。下級市民区の指導施設でそれを発見したデザイナーがイラスト化して、アメイジアのローカルネット上に投稿。その、気持ち悪い見た目ではあるが、同時にどことなくかわいらしさも感じられるさまから、グッズが無許可販売されるや一部女子界隈にヒット。新たに「ヨシヲ」と名付けられたそのキャラクターは、どこか精神的に不安定で、悲哀をまとっており、痛々しげである女性のアイコンとなった。
2207 メイガスのプロトタイプ、完成![]()
この数年前から研究論文の発表や新規技術の開発があきらかに激減しており、アメイジア政府は人的環境の抜本的改善策を打ち出した。都市内の観葉植物の存在はこのときの名残りである。
そして人的環境改善の本命として提起された存在が、〝人類の隣人〟たる<メイガス>の開発計画だった。この年、プロトタイプが完成し、メイガスの行動規範たる<メイガス三原則>も同時期に制定される。 メイガス三原則とは、 ①<契約律>メイガスは、人ひとりと契約を結ぶ。メイガスの側から契約を解除することはできない。 ②<隣人律>メイガスは、人類の良き隣人として契約者に寄り添う。 ③<成長律>メイガスは、①②に反さないかぎり、契約者と自らを成長させなければならない。ただし成長の定義は契約者との関係性のなかで常に更新する。 ――のこと。 2210 メイガス初期ロット、完成![]()
初期ロットとしてメイガス2体が完成し、試験運用が始まる。同時に進められていたクレイドルコフィンも完成し、人間とメイガス――人機一体の操縦訓練が始まった。このとき完成したメイガスは2体。クレイドルコフィンも2機。
本ロットのメイガスは、プロトタイプから人間的情動がはるかに充実し、<人類の隣人>たる存在として大いに期待され、実際短期間ではあったものの――戦闘訓練以外の日常生活でも――複数の人間と深い交流をすることができた。しかしその心は量子演算によって出力されたものに過ぎない。初期ロットでは強引に光量子コンピュータを小型化したため、メイガスの機体全体に多大な負荷がかかり、極めて短期間のうちに失調。修復不能として保管されることになった。 2213 メイガス2次ロット、出荷![]()
試作機であるプロトタイプと、検証機である1次ロットを経て、ついに実戦投入機体であるメイガス2次ロットが完成する。生産数は3体。合わせて同数のクレイドルコフィンも完成する。これに対して、ドリフターのなかでも特に操縦技能に優れた3人が選ばれ、クレイドルコフィン実地試験が始まる。
メイガスによる操縦補助のあるクレイドルコフィンは、これまでのクレイドルが苦戦していた小型エンダーズを圧倒し、即日メイガス研究の継続が決定された。 2217 エルネスト、アメイジア首相に![]()
エルネストがアメイジアの首相に選出される。アメイジア市民は上級中級下級を問わず基本的に政治への関心は極めて希薄ではあったものの、それでも首相には多くの権限を有している。
エルネストは反アメイジア組織との対決を全面に打ち出す。と同時にその組織への資金提供も倍増し、対立を煽っていく。すべてはエルネストの唯ーの目的のために――。 2217 メイガス3次ロット![]()
2次ロットの成功をうけて、3次ロットのメイガス5体がより高い精度で完成する。エルネスト首相は、メイガスとそれが操縦するクレイドルコフィンをアメイジア市民に公開。AOエネルギー回収が飛躍的に増えると喧伝する。
この前年より、地下巨大AO結晶の輝きに陰りが見えることに不安を覚えていたアメイジア市民は、首相のこの発表に歓喜することになる。同年にはメイガス計画亜種となるパスカル計画の稼働が承認。次ロットからはパスカル計画用のメイガスも生産されることとなる。 2219 エルネスト、反アメイジア組織の最高指導者に![]()
反アメイジア組織は「アメイジア建国施政方針」の策定とほぼ同時に自然発生した。しかしアメイジアは長く、都市内の巨大AO結晶にエネルギーを頼っており、それに陰りが見えるまでは、両者の諍いは単なる地上でのシマ争いでしかなかった。
エルネストは反アメイジア組織を利用することを思いつき、大胆にも反アメイジア組織のトップに立つ戦略を採用した。アメイジアから予算を提供し、名実ともに実権を握ったのだ。 2220 メイガス4次ロット![]()
3次ロットに対する市民の高評価をうけて予算が倍増したため、メイガス4次ロットではこれまで以上の20体が作られることとなった。増産分には、パスカル計画のためのメイガスが割り当てられ、ここからパスカル計画が本格始動する。このときに作られたメイガスの1体の名はミステル。彼女はパスカルと同行することになる。
2222 メイガス5次ロット完成![]()
4次ロットで完成をみたメイガスはほぼ同仕様で5次ロットの生産が開始。名前付きの5体と量産型48体が順次アメイジア内に展開された。名前付きの1体が、のちにアルバと契約を結ぶことになるエイダであった。また量産型はアメイジア防衛のための軍事利用されることになり、主にクレイドルコフィンの操縦支援を担当するように配属されていった。
2222 アメイジア崩壊![]()
<新月の涙>から123年――アメイジア最下層部で突発的にブルーシスト濃度が急上昇、その直後にアメイジア都市基盤ならびに天蓋が完全崩壊する。大混乱の中、多くの人々はブルーシストからなる何かに飲み込まれて、脱出できたのは市民の半数以下だった。
この崩壊によってアメイジア政府上層部はほぼ全滅したため、以降の救助作業やさらに後日の真相究明は、困難を極めることになった。 2222 地上難民拠点の整備![]()
アメイジア崩壊はほんの数時間の出来事だったため、幸運にも脱出できたアメイジア市民は――機動性のあるドリフターを含めて――物資を持ち出すような余裕はまったくなかった。
地上民のまったくの善意からの協力はあったものの、避難してきたアメイジア市民は膨大で、そのうちの多くは負傷しており、早期に救援施設が必要だった。このとき、エルネスト直下だった政府関係者によって、これまで秘密裏に配備されていた巨大コンテナがすべて開封される。エルネストが地上進出用に準備していたもので、結果的に地上に進出したアメイジア市民を救うことになったのは皮肉と言うべきだろう。 2222 地上破棄都市の再活用の検討開始![]()
生活の場を失ったアメイジア市民は少なくとも十万人以上。地上民と交流がありクレイドルコフィンを操れるドリフターたちは地上民の集落で歓迎されることになったが、ほとんどのアメイジア市民は難民化したのだった。
上層部が壊滅したアメイジア政府は、地上民と協力しながら、エルネストの残した物資と機材を活用し、居住拠点の開発を速やかに実施。それと同時に機材の移譲、施術の開示を促進することで、難民の漸次移住を促進させる。地上民の生活拠点に技術と科学の恩恵をもたらすことで、都市(ネスト)の原型を次々と形作っていくこととなる。 2222 レインタイト血清が完成![]()
アメイジア崩壊直後、ドーサンが率いていた医療研究チームが完成させていたレインタイト血清が政府上層部から提供され、ただちに地上の元アメイジア研究施設で増産が始まる。複数地点で投与が始まり、各所で早期の接種を求める人々の行列ができた。なお、レインタイト提供者の氏名などの個人データは、知られていない。
2224 パスカル死亡、ミステル停止![]()
パスカル主任研究員のメイガスであるミステルから、メイガス管理機構に契約停止信号が届く。それは使用者の死を意味していた。
パスカルの指示か、ミステルが気を利かせたのか、発信地情報は削除されていた。孤高の天才研究者パスカルにはファンも多く、捜索隊が結成されたものの、アメイジア崩壊からの激務のため、捜索は短期間で終わってしまった。ファンの一人は述懐する「探されることも見つけられないこともパスカルは予想していたに違いない。パスカルは自らの夢のとおり、真の自由を獲得したのだ」と。 2224 汎用型メイガスの量産化![]()
一部の新規地上拠点は工業化が進み、汎用型メイガスの量産化に成功。
汎用型メイガスでは、それまでのメイガスに発現していた<心理的特異点>など、人間的な要素についての追求がほとんどなされていない。またメンテナンス回数を減らすため、機体の内部も外装も耐久性が重視されており、心身ともに人間とはかけ離れた存在となっている。そのため、汎用メイガスは初期からのメイガスが目指した<人類の隣人>ではなくなっているという批判は根強い。とはいえ、人間との差異ゆえに隣人たりうるのだと絶賛する向きもあり、評価は未だ定まっていない。 2224 AO結晶融解炉の実験炉が完成![]()
地上民と元アメイジア研究者の共同研究から、破砕したAO結晶を高温高圧環境で融解してエネルギーを抽出する技術が開発される。これによってアメイジア産の高性能メイガスがいない場合でも、AO結晶の利用が可能になる。ただし、AO結晶融解炉は巨大かつ複雑な機構であるため、一定以上の規模の地上集落<ネスト>でなければ運用はできない。
2225 ドリフター一攫千金時代到来![]()
アメイジア崩壊をきっかけに物資と技術が流出し、元アメイジア市民も地上民もクレイドル、クレイドルコフィンを比較的容易に入手できるようになった。エンダーズと戦いながらAO結晶からエネルギーを回収する、ドリフターになれる時代が来たのだ。一攫千金を求める者、自らの腕を試そうという者、未知の冒険を目指す者――ドリフターになればすべてが手に入る――
2226 ネスト拡大![]()
この時期、中規模以上の地上集落<ネスト>を広域基盤に、新たなネストが次々と作られ、アメイジア崩壊後には元アメイジア市民が移り住むことで、これまでのネストも大いに発展していった。
時を同じくして、危険地域である旧アメイジア領域は、アメイジア管理機構の直轄化に置かれ、許可を得た職員とドリフター、そしてならず者以外は近づくこともなくなった。 2232 歴史編纂チーム発足![]()
アメイジア崩壊から10年――旧アメイジア市民の地上移住が完了し、余力ができた各ネストには自分たちの過去をふりかえろうという機運が生じていた。アメイジアネスト政府が主導するかたちで、<歴史編纂チーム>が発足する。崩壊後のアメイジアにわずかに残る監視カメラ映像や各種資料を回収するミッションは、その歴史的遺産が葬られないよう、既往歴・犯罪歴問わず各ネストや団体を通じてすべてのドリフターが受注することができ、その対価は高額なものだった。回収物は編纂チーム本部に集約され、真実を明らかにするために精査分析されることになる。
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アーティファクト
| + | ネタバレ注意! |
植物工場の収穫用ロボットアーム![]()
完全自動化された植物工場で野菜を収穫していたロボットアーム。21世紀後半に作られたもので、新月の涙以降の混乱期には、ここから必要な電子素子を入手できる貴重な物だった。その後も人類は長きにわたり、このような過去の遺物から、過去の科学技術を学んでいくことになる。中には23世紀のアメイジア最盛期においても再現できない、高度な技術が用いられたパーツも。
戦車部品![]()
実際に外界探査に用いられていたパーツで、元々は21世紀末時点の最先端戦車の一部だったもの。メタマテリアル電池が動力源で、太陽光発電によって充電することで比較的長期間、人々の物資調達に寄与することになった。戦車や農耕機具を強引に組み合わせたそれに乗って、人々は地上に向かった。それはのちに乗ったまま作業のできる移動外骨格<クレイドル>に進化していく。
錆びた浄水装置パーツ![]()
発見された<多重トポロジカル膜>は、新月の涙以前の建築物で広く使われていた、ナノサイズのウイルスを吸着することのできる高性能濾過膜だった。各地の生存者たちは––奇跡のような幸運として雨水や地下水から人体に有害な要素を除去することができたのだ。
AO結晶の標本![]()
すでに輝きを失い、ばらばらの薄片と化した小さなAO結晶が、保管用光固化樹脂によって包まれている。AO結晶が再起動しないように、樹脂は光を吸収するものが選ばれており、内部のAO結晶にはほとんど光が届かない。――だが、深夜の資料室でこの標本がオレンジ色にかすかに輝くのを見たと、複数の研究者が証言している。
初期クレイドル部品![]()
開発最初期のクレイドルに使われていたと思われる、手部または脚部の部品。このころは過去の遺産から物資を採集することがほとんどであったが、この部品はクレイドル用に生産された、非常に珍しいもの。曲面は、小型の関数電卓で算出されたデータを用いて、金属加工職人の手によって鍛造されている。金槌の痕跡――鎚目は美しく、職人の技の確かさを示す。このクレイドルがどれだけの世界を見て回り、どれだけの人々を救ったのか、今は想像するほかない。
蹄鉄![]()
U字あるいは途切れた円形をした馬用の蹄鉄。金属製。<青き洪水>に際して、当然のように、人よりも馬のほうが速く遠くまで避難することができた。生き延びた人々が――ほとんどは馬とまったく接したこともない人々が――野生化した馬とともに生活できるようになるまでは多くの時間と試行錯誤が必要だった。しかしようやくその背に乗せてくれるようになった馬たちは、以後長きにわたって、人類の生存を確かに支えてくれたのだった。
AO機関原型![]()
クレイドルおよびクレイドルコフィンの動力源である<AO機関>。その実験段階に作られた模型。破断箇所や焦げ付きが見えるので、意図的な実験か失敗したのか、オーバーヒートして爆発したものと思われる。AO機関は、AO結晶を内部で融解して、結晶格子からエネルギーを奪い取るもので、<AO波>を吸収するエンダーズとはまったく違う仕組みなのだけれど、世界崩壊から十三年のこの時点では、これが技術的限界であった。ただしこのAO機関は、AO結晶を直接加工できるため、以後百年以上も基本原理は変わらず、各種動力源に用いられることになる。
巨大構造体の一部標本![]()
エンダーズにも似た組織標本。完全に機能停止しているため、樹脂コーティングなどはされていない。巨大構造体は<ブルーシスト進化樹>の先端のひとつであり、数十キロ四方の広範囲にたまった高濃度のブルーシストが急速に構造化することで、一晩で形成される。それはあたかも寝ている巨人あるいは神が起き上がる様に似ているという。
掘削機の原型![]()
ドリフターは、エンダーズが襲来する危険の中で、AO結晶を集めなければならない。そのためクレイドルコフィンには、速やかにAO結晶を破砕できる掘削機が求められていた。これはその開発初期のプロトタイプ第一号機である。さらなる出力強化と小型化がおこなわれ、最終的には腕部マニピュレータに組み込まれた一体型が採用されることとなった。
シールドペンキ缶![]()
抗ブルーシスト塗料が入っていた缶。わずかに残っていた中のペンキはすでに固化している。開発初期のものは粘度が高く、塗布作業には多大な苦労がともなったという。
とはいえブルーシストシールド技術は完成し、アメイジアの空を守る防護天蓋にも、外部探査用外骨格にもすぐさま応用され、事の重大性からアメイジア以外の集落にも広く技術公開された。22世紀の人類の安全に最も寄与した技術とされる。 アメイジア国章![]()
アメイジア建設宣言式典用に作られたアメイジア国章ピンバッジ。逆三角形のモチーフは、建設予定地である採掘跡地の縦穴とも、アルフアベットのAを反転したものとも伝わっているが、真偽を決定するだけの歴史的証拠は――アメイジア完成前は情報管理も不十分で――もはや得ることはできない。メイガスの首元にある承認用パネル<▽ナブラ>は国章をイメージソースとしている。
集落名のプレート![]()
入手したプレートには――かすれているものの――多くの集落の名称が刻まれていると、画像推測AIが結論づけた。アメイジア周辺には元々大きな集落が存在しており、そこを中心に、アメイジア建築のための人々がさらに集まり、集落は最終的に5万人を超える規模となった。このプレートは、各集落の記録/記念のために作られたものだろう。
金属製サプリケース![]()
感情サプリを入れるための金属ケース。表面には釘のようなもので「1日1錠まで!!」と力強く刻み込まれている。中は2つに分かれており、異なる種類のサプリを入れていたのだろう。サプリは市民ひとりひとりを管理する医療AIによって処方されるものであったが、非常に容易に製造できたため、市民間で公然と交換されており、その他の闇取引の通貨として使われることもあったという。
建設用マニピュレータ部品![]()
建築用機械に改造したクレイドルの腕パーツ。本来のクレイドルは、銃器をあつかえるように人間同様のマニピュレータとなっていたが、アメイジア建設のために溶接機能などが加えられた。<抗ブルーシスト塗料>が塗られており、長時間の建築作業にも耐えられる機体になっている。とはいえ、それによって作業時間も延長されることになり、建設作業員の不満がたまっていくことになったのだった。
労働運動の旗![]()
アメイジア建設に従事する作業員たちの労働時間が短縮できなかったのは――青い雨とエンダーズを避けながら荒野に新しい都市をつくることが困難なのはあきらかだとして――建設用無人機械を製作する環境がほとんど完全に失われたからだ。世界崩壊から22年––作業員たちの半数は無人機械を知らない若い世代だった。しかしもう半分の人々は無人機械による<自動建築>の利便性を確信しており、先に機械生産工場を建てるべきだと思っていたのだが、残念ながら統御のための電子素子をつくることができず、結局は人力に頼らざるをえなかった。ただ、無人機械は不可能でも、機械小銃は生産可能で、不満を溜め続けた労働者たちが実在する手段を選ぶまでに、そう時間はかからなかった。
合同終末行列予定図![]()
合同終末とは、市民の寿命の上限を定めて、上限に至った市民の人生を――定期的に毎月一回集めて――安楽に終わらせる制度だった。しかし、このときまでに生き延びていた人々にとって、死を誰かに合法的に与えられることは極めて不愉快なことで、のちに反アメイジア組織に入る者以外にも、大多数の関係者が反対したのだった。とはいえ合同終末が適用される年齢は、過酷な地上生活を続けていた人々の平均寿命よりもはるかに長いものに設定されており、アメイジア建国後には<感情サプリ>が配布され、すべてはあやふやのまま遂行されることになった。
電子ゲーム機![]()
人類がその科学技術を喪失してから39年––ついに光量子デバイスエ場を復活することができたアメイジア政府は、稼働記念に電子ゲーム機器を配布する。表面には<スワンクリスタル>とペイントされており、機器の名称と推察される。背部のスロットには、電子基板入りのカセット『グンペイ』が挿入されている。どのような技術が用いられているのか調べるためと称して、技術者たちは業務時間外に修理を進めている。
ドリフター免許証![]()
ドリフターであることを示すカード。本来は個人用端末にデータとしてのみ存在するもので、このカードは特例で発行されたものと考えられる。カードには、電子版同様、ドリフターの氏名と顔写真、そして戦歴が刻印されている。なお、この時期のドリフターの1年間生存率は――いまだメイガスもクレイドルコフィンもないため――50%を切っており、地下都市で安全に暮らすアメイジア市民にとっては、まったく信じられないならず者たちであった。
地上製のラムネ瓶![]()
ガラスは古代から存在した技術で、<新月の涙>から数年後には、地上でも技術が復旧、残存施設においてこのようなガラス瓶が製造可能になっていた。一方で、中に詰めるものは水以外になく――そもそも余分な水などなく――人々は長きにわたって炭酸飲料に恋い焦がれることとなる。ガラス窓の製造もされたが、ブルーシスト浸透速度が大きく、地上部分に使うことができなかった。
爆発痕のあるクレイドル部品![]()
構造体の最外縁部まで退却できた――しかしそこで力尽きてしまった――当時最高のドリフターのクレイドル部品。救援部隊が発見回収できた唯一の機体で、発見直後に大爆発。救援隊員は決死の覚悟でブラックボックスを回収した。「……入って1時間で僚機とも通信不能だ。索敵もうまくない。AO波が乱反射してるらしい。やれやれ。S級エンダーズ、それもご丁寧に2体ご登場だ」
ブルーシスト汚染された人骨![]()
青い雨にふくまれるブルーシストは――環境負荷となって植物を紅葉させる以外に動植物に影響をあたえることはなく――人体のみに浸透し、モザイク病を発症させる。皮膚に付着したブルーシストは、短時間のうちに筋組織や神経組織にまで侵入して、致命的な障害を人体に引き起こす。これはブルーシストが骨まで達した症例サンプルである。
関係者配布用番宣ピンバッジ![]()
アメイジア国営放送制作の幼児向け人形劇「吉雄」が放送を開始した際、関係者に配布された記念品のピンバッジ。作品の主人公「吉雄」の顔があしらわれている。「吉雄」自体は市民からの人気を得られず、予定の半分の回数で打ち切られてしまったが、放送終了から数年後、下層市民区を中心に「吉雄」をツギハギにした二次創作キャラ「ヨシヲ」が若い女性の間で流行し始めた。一説によると、売れ残っていた「吉雄」のぬいぐるみが児童施設・スラム街などに無償譲渡された際に、ほつれたぬいぐるみが幾度も修繕された末路として「ヨシヲ」が誕生。それを無名のデザイナーがイラスト化したことが、起源と言われている。「ヨシヲ」がカルト的な人気を博したことにより、このピンバッジも幻の逸品として、コレクターやマニアの間で高値で取引されるようになったという。
紙の論文集![]()
アメイジアの研究者が個人的にプリントアウトしたと思われる紙の論文集。紙は貴重であったものの、ひらめきを誘発する効果がある可能性は否定しきれず、上級研究員は枚数制限つきで――データを印字する筆記具として――紙の使用が許可されていた。ここにある論文集はすべて十代のドーサンが書いたもので、1ページ目には『ドーサン様の初期論文集』とある。ドーサンの熱心なファンが研究員にいたようだ。
箸![]()
端に行くにつれて細くなる木製の2本組の棒状食器<箸>。ウルシという植物由来の樹脂でコーティングされており、長期的な使用が可能。ペンの握り方にも似た独特の持ち方で太い端を持ち、2つの先端で食物を挟んで口に運ぶように使ったと推察されている。料理用により長いものもあるらしく、超長距離遠征隊が東方から持ち帰ったスシやスキヤキのレシピにも<菜箸>という記載がある。
記念コイン![]()
新月の涙から100年の記念式典用に作られた記念コイン。オモテには晴れた空の下のアメイジア。防護天蓋が美しく彫り込まれている。ウラにはアメイジア国章と共に100Mとある。通常、アメイジアでは電子マネーのみが流通していたが、記念コインについては例外的にマネーとして承認した。公認されていることも相まって、コレクターズアイテムと化して、より高額で取引されていたという。なお、1000Mや1000000Mと刻まれたコインもあったとまことしやかにウワサされている。
オルガノイドインテリジェンス基盤![]()
本戦闘にはドリフターとともに、アメイジアの研究者が加わっていた。これはその研究者が独自に開発していた人工知能の一種<OI/オルガノイドインテリジェンス>、その根幹部分である。オルガノイド――生体組織は、研究者自らの脳細胞を培養したと推測されているが、どのような知性だったのか、戦闘時にどのような役割を担ったのかなど、詳細はわかっていない。
量子コンピュータ部品![]()
古典コンピュータにおけるビットに相当する、量子コンピュータ内の情報単位<量子ビット>。回収できたのは――人類がおよそ100年ぶりに改めて作ることができた――量子コンピュータの心臓部である量子チップであり、情報量としてはたった1量子ビットであったが、人類にとっては大きな再生であった。量子状態は外部ノイズによってすぐ壊れてしまうため、ナノテクノロジー以外にも低音技術や電磁遮蔽技術、制振技術など、多くの技術の復活が必要だったのだ。
ぬいぐるみ![]()
ヨシヲに改造されてしまった、元々は公式ぬいぐるみだったもの。公式ぬいぐるみは19年前当時は不人気だったため、ほとんどは廃棄されてしまったという。オリジナル「吉雄」ぬいぐるみは、「ヨシヲ」ブームと共に、市民間の交換レートはたちまち跳ね上がり、最高級スキヤキを追い抜くまでに至った。
プロトタイプメイガスの眼球![]()
メイガス用に開発された眼球パーツ。メイガスの機体はすべて<生体-機体融合素材>で構成されており、この眼球も例外ではない。外部に露出する――つまり契約者に見える――部分は、まさにアメイジア生物技術の粋を集めたもので、人間と変わらない、人間よりも美しく澄んだ瞳を表現する。その内奥には各種センサー類があり、メイガスならではの高度な計算を送受信できるようになっている。経年劣化防止処理がほどこされており、腐食等はまったく見られない。
クレイドルコフィン接合部品![]()
ドリフターとメイガスが駆る汎天候巡航二脚<クレイドルコフィン>。クレイドルがコフィンを背負うその設計思想は、両者を物理的にも情報的にも緊密に連携するこの接合機構なしには達成しえなかった。これはその連携を支える根幹<疑似双対神経回路>を内蔵する接合パーツである。パイロットの口頭指示はもちろん、脳波および眼球や四肢の微細動から、メイガスはパイロットの意図を正確に把握する。
就任記念エルネスト像![]()
エルネスト新首相の胸像。回収されたものは全長20センチの金属製だが、首相等身大のものから最小では2センチのフィギュアまで、様々なサイズが作られたとされる。像は空洞で、台座の蓋を外すと、内部に小さなものを隠し入れることができるようになっている。――この胸像の中には、この持ち主が入れたのだろう、アメイジアでは非常に貴重な紙のメモが入っていた。おそらく上級市民のものだと推察される。メモには「外面は固まった笑顔。だがその内面には何が詰まっているのか?」と書かれていた。
記念オブジェ![]()
アメイジアの象徴たる三角形をモチーフとして、樹脂製の正三角錐を逆さにして磁石で浮かせたオブジェ。指でそっと押すと、浮いたまま、ゆっくり回転する。
ホログラムが刻印されており、<アメイジア国章><メイガス><工ルネスト首相><2217年>がそれぞれの面に浮かび上がる。政府が強カにメイガス生産を推し進めていたことが推察される。 燃やされた写真の断片![]()
わずかに焼け残った写真の断片には、反アメイジア組織の幹部とされる人物ともう一人が向き合っている様子が小さく見える。かなりの遠方から撮影したものだ。
アメイジアには政府内に広報部門はあっても、市民のあいだに報道機関などはなかった。この写真の撮影者は誰なのか。そして写っているのは誰なのか。仮にエルネスト首相だとすれば、反アメイジア組織との癒着の決定的な証拠であり、首相を失脚させることすら可能だっただろう。 パスカル手記![]()
メイガス計画から派生したパスカル計画。この手記はパスカル本人が書いたものと考えられている。オリジナルの筆記体や鏡文字が用いられており、解読は今も終わっていない。とはいえ内容は機密事項ではなく、個人的な思いがほとんどだ。「ずっとわたしひとりで地上を闊歩したいと思っていたのがウソみたいに、ミステルが生まれて以来、いっしょに旅立ちの日を迎えるのが楽しみでたまらなかった。この隣人がいてくれれば、ひとりよりももっと遠くに、ひとりよりももっと速く行けるに違いない」
Vtuberメイガスグッズ![]()
四次ロットではこれまで以上にメイガスの内的自由度が――つまりは心が――大きく拡張されることになり、契約する人間や環境あるいは運や偶然によって、メイガスの個体差が生じるようになった。アメイジア研究者たちは、人工的に心を生み出すことで、自分たちの心についても再考を迫られることになった。5次ロットはその研究用素体としての意味合いが強くあり、4次ロットからの仕様変更は最小限にとどまることとなった。
発見された謎のグッズは、アメイジアネットワークで配信をしていたという、極めて特異なメイガスに関連したものと推察されている。 地上物資のコンテナ部品![]()
エルネストの指示で地上、アメイジア周辺に設置されたコンテナの外装パーツ。アメイジア研究部門の最先端の技術がふんだんに用いられており、地上民のクレイドルではもちろん、通常のクレイドルコフィンでも破壊することはできない。
中にはアメイジア市民が地上進出時に使えるような各種物資が入っており、アメイジア崩壊を生き延びた政府幹部が開封コードを知っていて、元市民たちはすべてを利用することができた。 地上再建計画地図![]()
地下都市アメイジアを失った人々の移転先として上がった、既知の集落や廃棄都市を含む広域地図。アメイジアと地上民がこれまでに見つけてきた、地上の情報が多く書き込まれている。
地図にはアメイジア文字以外にもアルファベット、漢字、ひらがな、カタカナなど、様々な言語で、エンダーズ出現地帯が描き込まれており、人々が<新月の涙>以来ふたたび協力し合ったことを象徴し、人類を指し示す地図であるとも言える。 注射シール![]()
レインタイト因子から作られた血清を血中投与するための注射シール。貼り付けて数分のうちに、血清が全量、シールから接種者体内に移行する。針は細く鋭い樹脂で形づくられており、刺されても痛みはまったくない。血清物質は針中央に閉じ込められており、針が皮膚の隙間に侵入する際に、針先端に亀裂が入り、血清が体内に広がっていく。
汎用メイガス設計図データメディア![]()
汎用メイガスの設計図が入った、アメイジアオリジナルのデータメディア。AO波読み取り技術を応用している。汎用メイガスは、限られたメンテナンスでも活動できるよう――高性能メイガスに比べて、むしろ高性能の――自己修復機構を有している。
このデータはアメイジア崩壊後、復興の助力となるよう暫定政府が開示を行い、多くの研究者が汎用メイガスの開発に乗り出すきっかけとなった。 パスカル手記断章![]()
パスカル主任研究員が遺した紙の手記。流麗な筆記体で書かれており、発見時には何語かも不明だった。
直近に開発された最新型メイガスの一体が高度な推理力という<心理的特異点>を発現、特徴的な一節から全文を解読する。 書かれていたのはパスカルが――おそらくは読まれないために作り出した――変形フランス語だった。メイガスが最初に気づいたフレーズは「L'homme n'est qu'un roseau, le plus faible de la nature; mais c'est un roseau pensant.」。メイガスはそれを「人間は考える葦である」と翻訳した。 融解炉設計模型![]()
AO結晶破砕機構と結晶片排出口に挟まれるようにして球形のAO融解炉が配置されている。高圧高温環境の炉内で結晶が壊れる際に放出される格子エネルギーを強引に獲得する。
これは試作炉の模型であり、実際に各ネストに建造されたものは、中央の融解炉がリング2つからなるダブルトーラス型の炉になっている。 アメイジア職員制服![]()
突如として起きたアメイジア崩壊は多大な犠牲を出すこととなった。かろうじて脱出することができた人々は自らアメイジア暫定政府を立ち上げていく。
これは体制が整いはじめた時期にようやく作られた、暫定政府職員用の制服である。暫定政府は、旧アメイジア市民の保護とともに、旧アメイジア都市施設の維持管理を使命とする。 腕時計型の個人用端末![]()
編纂チーム結成直前に完成した腕時計型の個人用端末。メンバー全員に配布され、任務中は身につけることが義務づけられている。あくまで貸与されたもので、チームを離れるときは返却しなければならない。
なおチーム結成前にメンバーを公募したところ、予定人数をはるかに超える応募者が殺到。アメイジア崩壊時に一体何が起きたのか――多くの元アメイジア市民にとって最も知りたい謎だったのだ。 |
ジャンク
| + | ネタバレ注意! |
記念式典プレート![]()
特殊な金属で作られたプレート。表には雨を喜ぶ人々の図像が、裏面には記念式典式次第が、それぞれ刻印されている。<2099/新月>は読み取れるが、百年の年月によってか、その他の文字はかすれ、何の式典だったのかは不明である。
記念式典プレート青汚染![]()
特殊な金属で作られたプレートに、ブルーシストが深く侵食している。そのためほとんど読み取ることはできない。偶然だろう、<2099/新月>という刻印にブルーシストが染み込んで、それだけは不気味にはっきりと見える。
水没地点標点杭![]()
<青き洪水、この地点まで至る:2100年>と刻まれた石の杭。発見地は標高1,000メートルを超えた内陸部で、洪水が広範囲かつ高度まで押し寄せたことがわかる。
点滴器具![]()
モザイク病の治療に使用された点滴器具。
青い雨にふくまれる<ブルーシスト>に人間が触れると、その一点から、皮膚がモザイクのように病変していく。その変異は皮膚から体内に至り、重要器官にまで広がって、死に至る。人類はいつモザイク病を克服できるのか―― 天幕![]()
アメイジア建設候補地はすり鉢状の炭鉱跡であり、青い雨を防ぐために、巨大な屋根<天蓋>が必要不可欠だった。
この天幕は、天蓋構築中に建設機械を守るために開発されたもの。対ブルーシスト塗料が開発される前に開発されており、ブルーシストが浸透しない植物繊維が人の手によって織られて完成した。 アメイジア巨大天蓋用マテリアル![]()
アメイジアの天蓋建造時に使用された巨大天蓋用マテリアル。
アメイジア建設候補地には――縦穴ゆえに雨は大量に底に溜まり、それが超巨大AO結晶を生み出すことになるのだけれど――雨よりもさらに恐ろしいS級エンダーズがいることこそが問題だった。しかも複数だ。 当時のドリフターたちがいかにして戦ったのか、多大な犠牲が出たことは想像に難くないが、最後に勝利したその過程については――極めて残念なことに――ほとんど何もわかっていない。 レインコート![]()
新月の涙以来、人類はブルーシストをふくむ青い雨を避けるため、各種雨具を改良しつづけていた。
これはその到達点とも言える、アメイジア崩壊直前に完成したレインコートの試作品で、表面には耐ブルーシスト塗料があらかじめコーティングされている。3Dプリンターによって瞬時に生成され、急な青い雨にも安全に対応できる。 パラボラアンテナ![]()
気象予報士日誌1「夏も最高気温は20℃に届かなかった。私の幼少期には連日50℃を超えていたというのに。<新月の涙>の直後から、急速に寒冷化と湿潤化が進んでいる。気候が書き換えられたのか?」
気象用レーダー![]()
気象観測用の発振器。当時の気象予報士の日誌には、「青い雨に触れると不治の病〈モザイク病〉に罹患する。ゲリラ豪雨も増えており、昨日も一人やられてしまった。精度の高い天気予報が今こそ必要だ。」と記されており、発振器は必需品だったことがうかがえる。
プロペラ式風速計![]()
気象予報士は安全な生活を維持するため、日々努力を重ねていた。とある気象予報士は、「エンダーズは晴天にこそ活性化する。日光を工ネルギーとしているのか? ともかく今の我々にとって、降雨予報よりも、エンダーズ予報こそが重要だ。そしてエンダーズ出現は、ブルーシスト濃度の変化に大きく関係している。ブルーシスト濃度を正確に定義しなければ。明日仲間に話そう。」と日誌に記している。
関数電卓![]()
新月の涙以降、わずかに残ったコンピュータを駆使して、AI研究は継続された。
これは中でも小型の<関数電卓/高機能電卓>と呼ばれるもので、プログラミングも可能。PythonやLua以外に、MAGUSというプログラミング言語もインストールされている。 AI搭載ドローン![]()
発見されたドローンにはAIが搭載されていた。アメイジアでは政策決定にも行動効率化にも、AIが徹底的に用いられたことが判明している。
破壊されたクレイドル![]()
エンダーズによって破壊されたクレイドル。エンダーズによって失われた人命は数え切れない。初めての小型エンダーズ討伐作戦では、400人以上が命を落とすこととなった。
系統樹画像![]()
ブルーシストの系統樹が描かれている画像。<ブルーシスト系統樹>の研究は、ブルーシストの青い沼からエンダーズが生まれる瞬間にひとりのドリフターが偶然居合わせたことから始まる。
その後、AO結晶もブルーシストからできていることが判明。大気中のブルーシストが――何かをきっかけに――平地の<群青領域>や上空の<スモッグ>、さらには<巨大構造体>に進化していくことが示唆されている。 構造体標本![]()
巨大構造体の一部を採取した標本。研究者が残したログには、「巨大構造体は、数キロにおよぶブルーシスト構造体であり、その内奥には巨大AO結晶の存在が示唆されている。」と記されている。
ゾンビ化ブルーシスト標本![]()
シャーレに入ったゾンビ化ブルーシストの標本。「青がくすんでしまったブルーシスト。ブルーシストにも寿命があるのだろうか――エンダーズにもAO結晶にもなれなくなったブルーシストは通常、ただの粉塵となって土に還る。しかし稀に、あたかもゾンビのように、ほとんど機能を失いながらも低速移動しながら集団化、領域化して、<群青領域>を形成する。」(エンダーズ研究者のログより)
指出しグローブ![]()
アメイジアにおいて衣料品は基本的に配給制がとられている。この指出しグローブは主にドリフターたちに与えられていたもの。アメイジアでも地上でも、一部には絶大な人気だったという。
フードプリンター![]()
アメイジアでは人工光による野菜の自動生産がおこなわれており、生産物をペースト化したフードインクを印刷する3Dフードプリンターが全市民に支給されている。野菜はもちろん、肉や穀物、そして嗜好品や調味料も印刷可能。
量子液晶窓![]()
アメイジア都市内部において、窓は非常に重要な存在である。24時間のサイクルを視覚的に描写すると共に、都市内のみの移動に制限されている市民に、架空の移動感を与えるもので、極々小さなエネルギーで発色する量子液晶が用いられている。
観葉植物![]()
小さな鉢植え。アメイジアのような閉鎖環境において植物の存在は非常に重要であるという研究成果が首相に報告され、上級市民区画では早期から観葉植物が多く配置された。それゆえ発見例は多い。
すき焼き鍋![]()
中級市民は、上級市民ほどではないものの、潤沢な物資が与えられている。このすき焼き鍋は本格的なもので、個人用というよりは、アメイジア内にあったすき焼き店のものであろう。
感情サプリ![]()
サプリ表面には<ストレス緩和>と刻印されている。下級市民区画は、住居区画の中で最も地上に近い内壁内に構築されていた。一人に割り当てられたスペースは非常に小さく、ストレスは大きかったに違いない。
ビールジョッキ![]()
分厚いガラス製のビールジョッキ。下級市民区のなかのスラム地域で発見。衣食住を統制するアメイジアにおいて、バーは違法ではあった。しかしドリフターたちが出入りするバーについては黙殺されていた。アメイジア政府にとってAO結晶を集めてくるドリフターは最優遇の対象だったのだ。
ヨシヲグッズ![]()
ヨシラブームの最盛期に登場したハイブランド製ヨシラぬいぐるみ型バックパックの限定生産別注品。現在その価値は計り知れない。
メーカー特設サイトによると、「“ショコラ·ノワール”。今日のわたしは甘くないのよ?――ビターチョコレートに着想を得た闇カワイイ限定カラーが今冬登場。深く、ミステリアスな黒が見る者をあなたに惹きつける。」らしい。 書見台![]()
本を置いて読むための台。わずかに残された紙の本を読むとき以外にも、端末等を置くこともあり、比較的新しい遺物である。同時に発見されたある利用者の閲覧履歴の多くは<創元SF文庫>であり、『星を継ぐもの』、『ホロニック:ガール』、『シンギュラリティ·ゼロ』など、古今東西のSFの傑作を日々読んでいたことが判明している。
スパナ![]()
クレイドルコフィンの整備士が使用していたと思われるスパナ。当時の整備士が書いたノートには「ドリフターたちが今のクレイドルコフィンは遅いなんて言うから、整備班がーケ月かかりっきりになって、誰も操縦できないんじゃないかってほど速くしてやった。初めのうちは本当にどのドリフターもコケていたが、メイガスが操縦サポートを進化させて、ドリフターのほうもなんとか追いついて、あっという間にみんな乗りこなすようになるとはな。面白くない気もするが、これでエンダーズに壊されなくなって、俺たちの仕事が減るなら悪い話じゃない。」といった記述が残されている。
破壊実験痕つきのクレイドルコフィン外装![]()
破壊実験に使用されたと思われるクレイドルコフィンの外装。「今日は防御機構実験だった。エンダーズによる遠距離攻撃は強力で、まだまだ充分とは言えないのだ。とはいえ、そんな強力な攻撃は、そもそも再現実験が難しく、今日は初めての試射がおこなわれた。結果はある意味では成功で、たった一発で見事にクレイドルコフィンの外装に大穴を開けてしまった。これを武器にしたほうが対エンダーズには有効だろうという意見まで出る始末だったが、ともかくこれが第一歩だ。」(当時の整備士のノートより)
AO波吸収機構パーツ![]()
AO結晶から放出される<AO波>を青色非結晶膜によって吸収。AOエネルギーを膜間結晶構造の振動に〝翻訳〟して、直接に電気エネルギーを得る。
吸収機構は次第に小型化されていった。AO波周波数に吸収周波数をリアルタイムで合わせるための、メイガスによる演算機構が付属している。 クレイドルコフィン用ギヤ![]()
ドリフター個人のために作られた、特注のクレイドルコフィン用ギヤ。整備班に特別にマネーを払ったものと考えられる。
ドリフターの収入は、基本的に採集したAOエネルギーの量によって決まるが、探索中に得た物資はしばしばドリフターたちの臨時収入となった。たとえば整備班スタッフに頼まれて地上で物資を獲得して、代わりに特殊なパーツを作ってもらうこともあったという。 木彫りの熊![]()
《地上進出計画に関するレポート前編》木彫りの熊。鮭部分に内蔵されていたレコーダーから音声記録の回収に成功した。なお地上進出計画の首謀者は丁寧に隠されているが、各種傍証によって、初期段階からエルネスト首相本人が主導していたと考えられる。
復元された地上民の肉声「最近、謎のコンテナがあちこちに置かれてる。仲間と開けようとしたんだけど、あたしたちのクレイドルじゃあ傷ひとつ付けられなくて。アメイジアの秘匿技術か何か? 中には絶対お宝が入ってるよね!」 まねきねこ![]()
《地上進出計画に関するレポート後編》多くの調理器具と共に発見された猫型の置物。アメイジアでは多彩な食文化が花開いていたことは明らかである。
計画担当官日誌「アメイジア市民がスムーズに地上に進出するためには、あらかじめ地上民との友好関係を築いておく必要があるだろう。反アメイジアの中でも特に過激な集団については、特殊チームの独断で「交渉」したほうがいいかもしれない。……それにしても今日のランチはひどかった。3Dフードプリンターが壊れてたんじゃないか? 先週食べた本物のスキヤキが恋しい。ドーサン所長、今度はいつおごってくれるかな。」 硬化した有機ゴム![]() ![]()
【メイガス研究Xファイル1】メイガス外装用有機ゴム。すでに硬化しているため――現在のメイガスの外皮はメンテナンスなしで長期に瑞々しいから――開発段階のものだと考えられる。
あえて人とは違うテクスチャーの皮膚も提案されたものの、〝人類の隣人〟として、侃々諤々の議論の末、人にかぎりなく近づける方針が選択された。なお人類の隣人というフレーズが初めて用いられたのは<メイガス三原則>においてである。 メイガス三原則は以下の通り。 ①<契約律>メイガスは、人ひとりと契約を結ぶ。メイガスの側から契約を解除することはできない。 ②<隣人律>メイガスは、人類の良き隣人として契約者に寄り添う。 ③<成長律>メイガスは、①②に反さないかぎり、契約者と自らを成長させなければならない。ただし成長の定義は契約者との関係性のなかで常に更新する。 なお誰が策定したものかは情報が残っていない。 光量子ケーブル![]()
【メイガス研究Xファイル2】<心理的特異点>は、メイガスの知性を強制成長させる研究過程で、偶然に発見された。最初期のロットでは兆候すら見当たらなかったが、中期以降は高い確率で発現するようになった。光量子ケーブルについての<拡張結び目理論>の成立にもつながり、巨大な研究分野になりつつある。
付けひげ![]()
【メイガス研究Xファイル3】仮装用の付けひげ。そばにはメイガス用スーツもあったことから、メイガスが使用していたものだと思われる。契約者が与えたものか、メイガス自身が入手したものかはわかっていないが、一部のメイガスには、人問の想定/想像を大きく超え出る<心理的特異点>を獲得する個体もある。メイガスがこの付けひげをして踊っていた可能性については算定不能ではあるものの、見せてもらいたいと思うのは筆者だけではないだろう。
練り香水![]()
慢性的な水不足のため、地上民は長きにわたって、においに悩まされた。練り香水は喫緊の課題だったのである。近年ようやく各種工場が建設され、状況は改善しつつある。
馬鋤![]()
土地をかきならすため牛や馬にひかせて用いられたと考えられる農具。地上では比較的早い時期から、エンダーズを避けながらの農耕や牧畜がおこなわれてきた。地上で得られる自然のものは、アメイジアではほとんど得られないもので、食のために地上民になるアメイジア市民は少なくなかったという。
マンホール![]()
地下水道施設の出入り口の蓋。マンホールと呼称されていたようだ。<青き洪水>から逃れて高台に避難していた人々だったが、洪水がひいたあとは、徐々に低地に残った建築物に移住するようになった。雨をしのげれば、エンダーズは建物内部に入ってくることはほとんどなく、人口はゆっくりと増加していった。金属製のこの蓋は、人々を長いあいだ守ってきたと言えよう。
ワイン樽![]()
内部に紫色の着色がある、ワインが入っていたと思われる大きな樽。地上民は、アメイジア市民とかなり初期から物々交換を続けていた。
銃![]()
アメイジア製と思われる銃。しかし制式の銃にあるはずのアメイジア国章がどこにも刻まれていないため、違法に持ち出されたものだと考えられる。反アメイジア組織が使っていたものか。アメイジア製品の地上への横流しは、アメイジア建国以来の課題であった。
ピペット![]()
モザイク病の研究に使用されたと思われるピペット。新月の涙からしばらく、モザイク病は存在しなかった。あるいは病気ではなかった。青い雨に触れた人間はたちまち死んでしまったからだ。当初からブルーシストが原因物質であることは明らかだったものの、ただ流水で落とすだけでは不十分で、ブルーシストは体内に深く浸透してしまう。
ブルーシストを強い電磁波で破壊しなければならないと判明して以来、肌がモザイク状になることから<モザイク病>と命名された。そのときすでに<新月の涙>から100年以上が経過していた。 エレベーター操作盤![]()
アメイジアに設置されていたエレベータの部品。ボタンの背面には複数のセンサーが組み込まれており、生体認証や非接触感知機能があったと思われる。アメイジアには大小様々なエレベーターが存在したが、各層間の移動は厳しく制限されており、エレベーターに自由に乗ることができたのは上級市民の一部で、それ以外の唯一の例外はドリフターだけだった。
合同終末用仮面![]() ![]()
アメイジアで行なわれていた儀式用祭具の1つ。
アメイジアは出生や死についても徹底的に管理·運営が行われる。 無論、ドリフターの地上での不慮の死や想定しえない死についてはその分、ある程度の統計的な「あそび」が与えられているものの、基本的に自然死、突然死は秩序を乱すものと位置づけられた。 市民はこの世に生を受けると同時に明確にその役割と命の期限が設定されており、死亡予定日になると該当者(予定寿命到達者)は、自ら棺の中に入り死を迎えることとなる。 死亡予定日は奇数月月初と決まっており、それに伴うこの集団葬儀は「合同終末(ターミナルユニオン)」と呼称された。 平穏かつ安定した生活の元、所与のものとして決められた死は、感情サプリの効果も相まって、突発的なものでは無い故に恐怖の対象として認識されることなく、総じて受け入れられるものとなった。 合同終末用棺掛け![]() ![]()
アメイジアで行なわれていた儀式用祭具の1つ。
「合同終末(ターミナルユニオン)」は予定寿命到達者とそれを弔う人々がそれぞれに「喜び」「怒り」「哀しみ」「楽しみ」の4種類のお面を被り、参加する。予定寿命到達者は紅白の棺に自ら入り、眠る。参列者はその棺を運びながら、自らのお面に描かれた感情を大々的に表現しながら、墓場となる都市中央(ターミナル)までパレードを行う。 この祭事は古来東南アジアやヨーロッパ、中東などで散見される習俗「泣き屋」が由来とされている。 泣き屋は葬儀の時に、遺族の代わりに故人を悼み、「悲しい」「辛い」「寂しい」などを表現するために大々的に、一斉に延々と泣きじゃくる役目のものであった。 しかしアメイジアでは「死」は哀しみを遺族に伴うものであると同時に、安定した社会の達成のために必要なものであることから喜ばしいものでもあると捉えられた。 そういった相反する感情を伴う「死」は、人間の感情すべてを顕すものとして捉えられ、アメイジアの合同終末は、人間の感情の基本とされる喜怒哀楽4つの感情の発露の場として設けられた。 すべての感情を解き放たれることが赦されるその場でも、その仮面の感情の役割を演じることでしか感情を表現できないアメイジア市民は、その実、制度や感情サプリで見事に抑制された市民像を表している。 |













































































































































