スーパーロボット大戦K

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スーパーロボット大戦K - (2016/05/28 (土) 16:11:50) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/02/07(日) 00:53:38
更新日:2024/05/03 Fri 05:30:52NEW!
所要時間:約 8 分で読めます




スーパーロボット大戦W』に続くニンテンドーDS用スパロボ第二弾。



【概要】
前作のWが各参戦作品の要素を上手く混ぜた、クロスオーバーの手本とも言うべき秀逸なストーリーやハイクオリティな戦闘演出で非常に好評価だったのに対し、
本作は今に至っても尚、大半のスパロボファンから“スパロボ史上最低最悪の駄作”と揶揄されるほど著しく評判が悪い。


以下その理由。

◆稚拙な文章、参戦作品のぶつ切りとコピペの寄せ集めばかりな最低最悪のシナリオ。技術関係で困ったら何でもかんでもサコン博士頼み。

◆原作設定ガン無視や版権キャラの性格改悪など、壊滅的な原作再現率。

◆魅力がまるでない、というか見ていてただただ不快なだけのオリジナルキャラ達

◆新しい戦闘システムが欠点だらけ。

◆ルート分岐後の説明が不十分。

◆オリジナルBGMの一部が盗作。しかも『W』でもやらかした人を性懲りもなく起用し、今回はとうとう謝罪する羽目に。



ストーリー、オリジナルキャラ、戦闘システム、全てにおいて前作より劣化。

誉められる点はWからさらに進化した戦闘アニメと版権BGMの再現度、『ゾイド』や『ガン×ソード』、『ファフナー』などの参戦は無理だと思われていた作品の参戦だが、
戦闘アニメの方は一部では「カットが多すぎてテンポが悪い(特にオリジナル)」と言われ、期待された参戦作品のラインナップもシナリオの出来の酷さのせいで何もかもぶち壊し、という感じに評価点を自らドブに捨ててしまっている。

前述したとおりオリジナル(特に後継機)はアニメのテンポが悪いと評判な上に(同じ武器でカットインが何度も入るなど)、イベントで同じ武器を何度も見せられることも悪評の原因となっている。ちなみにKでは早送り機能はないためカットするしかない。

またイベントはオリジナル・版権共に「最強武器を使って撃破もしくは失敗」という、歴代でも非常にワンパターンな展開であり、その中でもゾイドジェネシスルートの最終決戦ではバイオティラノとのイベント戦闘を7回も見せられる。
内容もすでに倒した相手に味方が突っ込んでは撃墜されていくという、よくわからない展開になってしまっており、味方が間抜けなんじゃないかと錯覚しかねないレベル。



【参戦作品】
★は新規参戦

☆破邪大星ダンガイオー
☆OVERMAN キングゲイナー
蒼穹のファフナー
☆電脳戦機バーチャロン マーズ
機動戦士ガンダムSEED
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
★機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER
マジンガーZ
★ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU
鋼鉄神ジーグ
★ゾイドジェネシス
神魂合体ゴーダンナー!!
☆神魂合体ゴーダンナー!! SECOND SEASON
ガン×ソード GUN SWORD


ダンナーはスーパーロボット大戦Scramble Commander the 2ndで参戦済み。
SEEDは機体が全部DESTINYに出てるので、カガリを種割れさせるためだけの参戦とも。


◆各作品の扱い

◇ダンガイオー
原作終了後。宇宙人なのに同じ宇宙人のミストとは絡まない。
一方でギル・バーグはオリジナルの敵組織に所属し、オリジナル顔負けの活躍をするなど何故か優遇されている。

◇キングゲイナー
せっかく仲間になったアデット、ヤッサバ、シンシアなどが悉くウザキャラ化。
ガウリの扱いに関してはシナリオ上で「何かが違う…こんなはずでは…!」とツッコミが入るくらいのレベル。
…いや、ヤッサバが普通にキンゲ序盤で味方入りしてしまった時点であのイベントはアデットでは無理になったのだが、うん、どうしてああなった。
いやあ、オーバーデビルは強敵でしたね。

◇ファフナー
最悪の原作惨殺。
原作を何度見ても納得できない程のバッドエンド。
せっかく翔子始め原作では散っていった仲間が生き残っても全然報われない。
というか生存ルートの生きている理由すらも強引すぎるためあまり歓迎されていない(ネタにされることはある)。
助けてくれたカイジの「助かってもいいんじゃないかって思った」という発言だけはスパロボ補正を体現する名言だったのだが…

  
  
  



ちなみに細かい性格や設定のミスも多数ある(これに限った話じゃないが)。

◇バーチャロン
一番まとも。
しかしそれはセガの原作者(亙重郎)がシナリオ監修していたため。

◇SEED DESTINY
シンが「 オーブが滅ぶ所を見てみなかったな 」と原作では絶対に言わないような台詞を言うなどキャラ崩壊が多数(Kガリは人によっては高評価だが)。

◇スタゲ
何、この「死ねえ!」と言いそうなセレーネ……。
原作が短いとはいえ2話で再現終了、スウェンは機体が弱い上にエンディングでほとんど出番なし。
ただし、漫画版の台詞が随所で挿入されていたりもする。

◇マジンガー
なんでいるの? まあいるだけ参戦は別に珍しくもないけど。
アニメーションは屈指の出来(特にボスボロット)
ところで科学要塞研究所とかミケーネ帝国とか、一体何やってたんですか。

◇ガイキング
扱いはまともだが、使いやすかったのか他の作品を踏みにじりがち。
特に今回の「困ったときのサコンさん」はドラえもんもびっくりの便利さ。
隠し機体を重視すると最終決戦を見ることはない(他のルートは隠し要素があるのにガイキングルートは何もないため)。

◇ジーグ
宙さん登場の熱いシーンをフルカット。
それ以外は比較的マシな方だが、セイジュウロウに唐突に切りかかる柳生隊長などやはり改悪を受けている。
そしてきっと誰も想像できなかったキンゲのガウリに惚れこむ早乙女門子。

◇ゾイド
大幅に話をはしょられたためルージが全く成長しない。
前述通りバイオティラノと7回もイベント戦闘する。もう見たくないよ…

◇ダンナー
あれ? ずっとダンナールートだったのに三角関係らしい三角関係なかったよ?
というのも、ミスト達がゴオ達以上に三角関係を展開しているため。
エンディングでファフナー勢が大変なことになっているのにそっちのけで裸踊りをするゴウ、バカンスを満喫する葵博士…。

◇ガンソ
機体は強いが、やたら攻撃的なヴァン、復讐そっちのけでヴァンと戦いたがるレイ兄さん、見せ場もなくKYで終わったジョシュア、ヴァンに知らん顔なプリシラ……。
特にレイとジョシュアの兄弟の扱いは酷いなんてものじゃなく、ファフナーと並んで改悪例として知られている。
逆にエルドラメンバーは結構良い扱いを受けている。


全体的に作品は見た割に肝心の中身を何一つ理解してなさそうな扱いが多々(本当に全て見たかどうかすら怪しい)。
不器用というかただ短気な総士や、「その心意気に惚れたぜ!」とか江戸っ子化してるヴァンや、ゲイナーを倒してそのままはしゃいで帰るシンシアなど、キャラクターやエピソードの中身を理解してない部分が見受けられる。
キャラクター像の勘違い、シナリオ解釈の間違いを盛大にやらかして大惨事となっている。

繰り返しになるが特に酷いのがファフナーであり、スパロボ参戦に喜んだファンを激怒させた。
また、予約特典の「オフィシャルコメンタリーブック」にてファフナーの監督、羽原氏は
「ファフナーは作品的にもスパロボとは縁遠い作品だと思っていたのでビックリしました」とコメントしており、期待していたと思われ、羽原監督の期待も裏切ったと言える。

念のために言っておくと、個々で見ればちゃんと面白いシナリオやクロスオーバーも存在している。
(竜宮島の面々と交流するシンや、衛を後継者と見込み、彼の死を深く嘆き悲しんでこれからも戦い続ける覚悟を固めるエルドラメンバー等)
それがフォローにならないくらい他・・・というか全体が酷過ぎるわけだが・・・。
上記のシンの例も最早あっちの印象が強いし


【オリジナルキャラ】
本作を駄作に貶めた要因の一つ。

ミスト・レックス
20歳。通称『ミストさん』。惑星アトリーム出身
今作シナリオの最大の象徴でもある。(いろんな意味で)
詳しくは項目参照。
そのキャラクター性から、人によってはOGシリーズへの参戦を 本気 で「出すな」と言われてたり、杉田智和氏からも「敵として出てきたりして」と大いにネタにされている。


アンジェリカ・シャルティール
ヒロインその1。20歳。アトリーム人。
ミストの幼馴染みでありパートナー。
通称:姫騎士。


シェルディア・ルージュ
ヒロインその2。17歳。
惑星ベザードでミストを助けた少女。
戦闘アニメ担当が勘違いしたのか、どうみてもこんな子が女の子なわけがない凛々しい顔。
KYという設定だが、次第にまともになっていく(というかミストさんが酷すぎてry)。ぶっちゃけ味方側の良心。


《イディクス》
訪れた星を破壊しようとする精神生命体たち。仲間同士の絆は割と強い。主人公組より遥かに仲良しかも。
「怪物くん」が元ネタと噂される。

イスペイル
イディクスの幹部。
科学者と犯罪者の悪意の集合体。
幹部らしく振る舞うが、ル・コボルへの忠誠心は薄く造反を企んでいる。
しかし頭に血が上りやすいドジっ子。かわいい。
未見の人にはバーチャロイドと間違われる。初登場時にジグラットを連れてハッター軍曹をいぢめてるから余計に。
恐らく今作一の人気者。他がひどすぎると言ってはいけない
プレイヤーからの愛称は「イスペイル様」。


ヴェリニー
イディクス(ry
女性と動物の悪意の集合体の褐色猫ミミ。
残忍でヒステリックだが、ツンデレ。
修羅神に乗ってはいない。


ガズム
イデ(ry
いろんな悪意の集合体で、人に憑依する。
病弱。機体が痛々しい。


◆ル・コボル
イディクスのリーダー。愛称はコボちゃん。
かつて宇宙のどっかでなんやかんやで死んだ生物たちの悪意がなんやかんやで集合して生まれたらしい。
なんやかんやはなんやかんやですけどなにか?
設定上はDのペルフェクティオに匹敵するような存在のはずだが、プレイヤーからはそんな印象は受けられていない。



【オリジナル機体】
デザイナーはJのベルゼルートの人。
非常に高度なステルスシステムを持っているらしく、なんと林の中に隠しているだけで見つからない。
デザインは賛否が多く、レヴリアスやセリウスは評価する声も多いが、ソルブリアスは両形態ともに否の意見が多い。

◆レヴリアス
惑星アトリーム防衛隊の主力機。

◆セリウス
レヴリアスの量産型支援機。ウサミミ。

◆セリウスⅡ
セリウスのカスタム機。ただし違いは色と動力源くらいで戦闘力も大差ない。

◆セルケリウス
セリウスの後継機。
セリウスよりは使えるが合体要員なので使わない。

◆ソルブリアス・レックス
レヴとセルケが合体した最終ロボ。
近接戦闘が得意。必殺技がくそ長い。
ぶっちゃけムゲンバイン。

◆ソルブリアス・レギーナ
レックスのもう一つの形態。
支援が得意。なんと准将さし置いてフルバ撃ち放題。
ぶっちゃけムg(ry
なお二人乗りで可変式だがMXのようにパイロットが変わることはなく、両方ともミストがパイロット。


【戦闘システム】
新しい部分を記載。

《アタックコンボ》
チームを組んでいる敵機二体を同時攻撃するシステム。
チーム組んでると使えない。そしてこれがないと二体一組の敵機を一体ずつチマチマ倒さなければならない。


《パートナーバトルシステム》
二体一組で戦うシステム。

◆利点
◇足の遅いユニットを速いユニットと組ませれば移動力をカバーできる。
◇合体する機体などを組ませておくと便利。
◇援護を受けられる。
◇出撃枠の節約。

◆欠点
◇援護がチーム以外だと使えない。いざというとき庇えないし、弱機体に強機体の援護攻撃をつけて敵機撃破とか出来ない。なので機体配置にほとんど意味がなくなった。
◇〈アタックコンボ〉が使えない。
◇敵にアタックコンボを使われると後衛の機体は防御も回避も出来ない。敵も味方もコンボ無双。
◇気力が上がりにくい(合体攻撃のために組んでもこれじゃ……)。
◇経験値少ない。
◇前後の交代は出来るが、戦闘中に別れたり他の機体と新たにチームを組んだり出来ない(後衛だけ撤退可能。なぜ?)。

メリットを圧して余りあるデメリット。
正直組まなくていいです。

新システムということもあり明らかに調整不足な感が目立っており、次作「L」ではPUが強化された一方で大幅にSUが弱体化してしまった。
次々作「UX」でようやくSUと差別化できるくらいにはなった。


《連続ターゲット補正》
一回回避するごとに敵の命中率が必ず10%ずつ上がり、ユニットの回避率が下がっていく。
…つまり敵の命中率が最初は0%でも10回回避すれば100%になってしまう。
なので機動力の高いユニットを突っ込ませて無双しようとするとタコ殴りにされるスーパー系万歳仕様。

AP、Zでもあるシステムだが、敵の数が多いので正直苛つく。
特に作中、これの仕様を理解していないような会話シーンやステージがいくつか存在している。
(無改造のムラサメで「高機動だから囮になる」と言い出す(実際やると補正であっさり撃墜される)、高機動で装甲紙なキングゲイナー(事前に改造は可能)が大量の敵に囲まれた状態で始まるなど)


ちなみに、本作では地形適性のAとBで性能に極端な差が出るのでBの機体を宇宙で使う時はオプションパーツが必須になる。
なのにダンナー、ガンソ、キンゲ、ゾイド、マジンガーはほとんどの機体がBであるにも関わらず最終面は宇宙……
据え置き前作のZでも宇宙Bが多くラストも宇宙ステージだが、あちらはバザーで強化パーツを購入できるという救済措置が1周目からある(Kでは2周目から解禁)。


さらに本作では普通にプレイしている限り、ほとんどのキャラは最後の精神コマンドを覚えるレベルに到達しない。PUでもそうだが、SUメインでアタックコンボを使って殲滅しても最終的に経験値が偏ってなかなかレベルが上がらないためである。
クリアには問題ないし、任天堂携帯機スパロボの伝統である、レベルの高い味方キャラの上位x名の平均で敵のレベルも設定されることを理解していればレベル自体は問題無く上げられるものの、テストプレイ中に問題視されなかったのだろうか。

以上のように酷い箇所ばかりの本作だが、なんとこんな出来で発売日を二週間ほど前倒ししている。
別のソフトの発売の影響で生産ラインが空いたからという説もある。
前倒しするくらいならシナリオ直せと言われる本作だが、短期間でのシナリオ修正はまず不可能といってもいいだろう…。

【余談アレコレ】


  • 2ちゃんねる等の匿名掲示板ではネガキャンの一つとして「スパロボKレベル(のシナリオ)」という言葉がまかり通っており、また「シナリオ:KMN」が新作スパロボの嘘バレやネタとして使われている。それだけスパロボユーザーに与えた衝撃が悪い意味で大きかったということである。

  • 特典の小冊子ではそれぞれのアニメのスタッフや監督へのインタビューが掲載されており、スパロボ参戦したことへのメッセージや原作の見所なども載っている。しかし出来がアレだったため見ていていたたまれなくなる。さらに見所に至っては半数以上が本作で全く再現されていないという有様。。

  • 今作のシナリオ評価の反省から、次回作『L』ではシナリオライターが実に七人という大所帯となった。その内の一人である岸本みゆきはクビにされた小峰に代わり『ルミナスアーク3 アイズ』を手掛けた経験があり、後に『UX』のメインライターを務める事にもなる。

  • 後にファフナーは『UX』で劇場版と同時に参戦を果たし、シナリオ面でも大いに優遇された。そのせいか「ファフナーの初参戦はUXだろ?」と揶揄されるようになった。たまに「いや、スパロボ学園だろ?」とフォローされることも。

  • ガイキングLODもLで大幅に扱いが向上したとはいえ、原作中盤からの再現だったので序盤からの再現をするスパロボの登場が期待されている。同じく期待されているのは本作初参戦だったガン×ソードとゾイドジェネシスだが、後にゾイドジェネシスは『OE』で初代ゾイドと共演することになる。

  • ファフナー関連が大いに批判された本作ではあるが、本作発売から6年後に放送された『蒼穹のファフナー』の続編『蒼穹のファフナーEXODUS』では、ファフナーという作品の性質といってしまえばそれまでだが 本作において描かれた悲劇と寸分違わぬ事態が起きてしまい、結果的に小峰の先見性を示してしまった というトンでもない事態となってしまった…。



いやあ、追記・修正は強敵でしたね。

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