太陽系(天体)

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太陽系(天体) - (2020/02/06 (木) 13:37:45) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/01/24 Tue 03:37:43
更新日:2024/01/14 Sun 16:11:52
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■太陽系(Solar system)■

「太陽系」は「天の川銀河」の辺境に位置する、黄色恒星「太陽」を中心とした天体集団である。
近年「はやぶさ君」やら「宇宙キター」やら「お父さん」やらで宇宙が身近になった気がするのでザックリ説明してみたい。


我々の住む第3惑星「地球」が所属しており、誕生から約50億年が経過。
直径は約1光年とされ、人類はいまだにその全貌を見ることが叶っていないのが現実である。
銀河系の回転に伴い、秒速約217kmの速度で移動し、2億5千万年で銀河を一周すると予測されている。

以前は、06年に準(矮)惑星指定され太陽系の恒星天体から外されてしまった冥王星軌道が太陽系の「果て」とされていたのだが、
現在はさらに外側に「太陽系外縁天体」が発見されたことにより、太陽から発生する太陽風が星間物質とぶつかる境界面「ヘリオポーズ」が太陽系の限界点だと考えられている。
※境界内を「ヘリオスフィア」とも呼ぶ。
冥王星軌道に近い位置にあるとされるのが「エッジワース・カイパーベルト」と呼ばれる空間で、太陽からの距離は30~50天文単位。
ヘリオポーズは、50~160天文単位が限界と考えられており、前述の通りこれが太陽系の限界となる。
……そして、現在ではさらに1万~10万天文単位の位置に太陽系を包み込む「オールトの雲」と呼ばれる、
原始状態の天体群(水、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン)の存在が予測されており、
かの「ハレー彗星」を始めとする彗星は、この空間からやって来たと考えられているようである。



【構成天体】

続いて「太陽系」の恒星天体の基本データを簡単に説明して行く。
いまさらと思われる方もいるだろうが、新たな発見があるかも……しれないですよ。

太陽(Sun)
※その名の通り、太陽系の中心となる黄色恒星で、寿命は約109億年。
現在は誕生から約46億年が経過した若い恒星で、太陽系の全質量の99.9%を占める。
体積は地球の約130万倍。
質量は地球の約33万倍にも達する。
すべての生命活動の源であり、多くの宗教でも主神とされている。
恒星としては小さく、内部の水素を燃焼し尽くしたあと、
ヘリウムの比率が多くなったあとには最大で200倍ほどの大きさの「赤色巨星」となり「白色矮星」の状態を経て、
最後は冷たい死んだ星になると考えられている。
※この過程で地球も飲み込まれるとされていたが、近年の研究では軌道の変化により地球は無事であるとの推測も出されている。
なお、太陽より8倍ほど重い恒星が最後に起こすのが「超新星爆発」で、あとには中性子星が残る。
これが太陽より40倍ほど重い恒星となると、重力崩壊を引き起こしブラックホールが誕生する。
余談となるが、太陽系の所属する天の川銀河の中心部も超巨大ブラックホールであると予測されており、これが銀河が渦を巻いている理由である。

●水星(Mercury)
※最も太陽に近い位置を回る天体で、質量は地球の約3分の1程度で大気がほとんど存在しない。
これにより日中の最大気温は430℃。
反面、大気が存在しないために夜間は−180℃にまで下がるという、寒暖差が極端な星でもある。
1日の長さは地球の176日に相当(公転を2回する間に自転を3回する関係で、太陽に向く面が88日でようやく入れ替わる)。
つまりは、約88日間ずつの周期で灼熱と極寒地獄を繰り返している計算となる。

●金星(Venus)
※惑星の組成、大きさ共に地球と良く似た「双子星」とも呼ばれる惑星。
しかし、大気の主成分は二酸化炭素で、その温室効果により地表の温度は470℃にも達するという灼熱の星である。
大気圧が非常に高く、気圧は地球の約90倍。
熱対流により時速350qの強風が吹き荒れ、二酸化硫黄の雲が硫酸の雨を降らせるという、美の女神の名を冠した美しい見た目とは裏腹の地獄のような環境にある。
ちなみに、地軸の傾斜角は178°……つまり、パッと見では気付かないが、ほぼ真っ逆様に自転している星である。
ついでに、金星の1年は地球で言えば225日だが、金星の1日は地球で言う243日。つまり、1年より1日の方が長い。 
3日で滅ぼした誰かさんの面目丸つぶれである。

地球(Earth)
※我々の住む「奇跡の星」であり、太陽との微妙な距離により海が形成されたことで複雑な生態系を持つようになった。
海が形成されなければ、金星のような環境であったと想像されている。
衛星として「」を持つ。この月の誕生過程は「親子説」「捕獲説」「兄弟説」などが唱えられて来たが、
現在は形成途上の地球に火星規模の原始惑星が衝突、地球と破壊された天体の物質が混ざり合って誕生した「ジャイアントインパクト説」が最も有力視されている。

●火星(Mars)
※地球の10分の1ほどの質量の岩石惑星で、鉄酸化物を多く含む岩石と砂により赤く見える。
水星と共に、地球と金星を生んだ物質の残りカスから生まれたと考えられている。
かつては、地球と同様に潤沢な環境が存在していたと考えられており、SFなどでも生物の存在が描かれたり、人類の移民先の舞台とされることが多い星でもある。
二酸化炭素中心の大気があるため、植物を先に移し、温室効果ガスを出させて温めテラフォーミング…なんてことも研究されている。
とはいえ重力3分の1なので地球人が住むに向くかと言うと…

●木星(Jupiter)
※太陽系最大の巨大ガス惑星で、主成分は水素とヘリウム。
つまり、地表?なにそれの風船状態。
体積は地球の約1千300倍。
質量は地球の約300倍。
組成が太陽と同じことから「太陽になれなかった星」と呼ばれ、SFでも木星を太陽化するエピソードが作られたりしているが、
実際には木星は太陽の0.1%程度の質量しか無いため、恒星となるにはあと80倍は重くないと核融合反応は起きないらしい。
もっとも、木星が今の80倍デカくて、本当に太陽になっても地球の環境にはなんら影響は無いそうである。…間違ってもゲッター炉心をここに捨てないでください。
ただし、地球に隕石がめったに落ちてこないのは木星が吸ってくれているからとも言われている。

●土星(Saturn)
※美しいリングを持つ、最も特徴的な姿の星。
木星に次ぐ規模を持つ巨大ガス惑星で、比重(0.69)が最も軽いために、なんと水にも浮かぶ計算となる。

●天王星(Uranus)
※地球の63倍ほどの大きさのやっぱりガス惑星だが、大気組成が木星や土星とは違い、
アンモニアやメタンで出来ているために「天王星型惑星」として区別する場合もあるとのこと。
しかし、最大の特徴は地軸が横倒しになっていること(傾斜角98゚)で、ほぼ横向きに自転している奇妙な星である。

●海王星(Neptune)
冥王星の追放により、再び太陽系最遠の惑星となった「天王星型」のガス惑星。
大きさは地球の約58倍。
実際見えないが、土星と同様にリングがあるようである。
天王星の軌道が予想よりも遠くに発見されたことから、その存在が仮定されたという、やや変則的な経緯により導き出された歴史を持つ。

●冥王星(Pluto)
06年に、惑星とよぶにはあまりに小さいために準惑星へと降格しました。……だって、月より小さいんですもの。
楕円軌道を描くため、海王星より近い星とされていたこともある。



【太陽系がモチーフの作品、キャラ等】


【余談】

各惑星の英語名はギリシャ・ローマ神話の神々に由来する。
漢字名は中国の五行説に基づくが、土星でネタ切れしたためにそこから先は英語名の中国語訳(天王星、海王星)になる。

……あっ!冥王星は日本人の発案(「星の文学者」と呼ばれた野尻抱影氏による)である……やったね!!






追記・修正は太陽系を覚えてからお願いします。



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