ロックマンワールド5

登録日:2014/08/22 Fri 16:40:48
更新日:2025/04/15 Tue 14:05:55
所要時間:約 12 分で読めます





1994年7月22日に、ゲームボーイ用ソフトとしてカプコンより発売された横スクロールアクションゲーム。
携帯用ロックマンシリーズの第5作目にして、ワールドシリーズ最終作。
かつてはバーチャルコンソール(3DS)にて配信されていた。
2024年にはNintendo Switchの「ゲームボーイ Nintendo Classics」で本作を含むワールドシリーズ全5作品が配信された。
またスーパーゲームボーイにも対応している。

今回はなんとベースとなる作品がない。そのためボスキャラクターやBGMなど、あらゆる要素が全て本作のオリジナルとなっている。
これに関して稲船敬二氏は、
「(ワールドシリーズは)ファミコン版のシリーズ2作をベースにしていたが、
(本作の時点で)残りが『6』しかなかったから、完全新作にした。」と語っている。
ガッツ、ボンバー、5の残り4体、6の8ボス 「解せぬ」

そのためワールド2同様全体的に異色な作りとなっているが、基本システムは前作のものを踏襲しているため、完成度は非常に高い。
特にボスセレクトや特殊武器ゲットの演出はファミコン版を遥かに凌ぐと言っても良いほど格好いい。異常に細い右腕については触れないでおこう
新アイテムやギミック、ボスの追加やこれまでのロックマンキラーが最終ステージで中ボスとして再登場するなど、
大幅なボリュームアップを果たしており、まさしくワールドシリーズの集大成と言える出来に仕上がっている。
よって今作もしくは前作をワールドシリーズ最高傑作と推すファンも多い。



【今作の特徴】
  • チャージショット
本作の敵には「ロックバスターが効かない」ノーマルショットは効くが…という設定から、ハードナックルロケットパンチの「ロックンアーム」が装備された。
今までのチャージショットに比べて射程は短くなり(とは言ってもGBの画面の関係もあり、致命的に射程が短いというわけではない)、
アームが戻ってくるまでは攻撃できない(その最中にも攻撃判定はある)。
しかし強化パーツ(後述)を装備することで、アームに能力を追加する事が可能。これにより総合的にバスターの扱い方が多様化した。
今作のみ中チャージで2ダメージ与えられる他、前2作では可能だったエリア切り替え時のチャージができなくなった。

また今回もバスターを強化することが可能。条件は同じステージで4回コンティニューすること。
さらに今作ではもう1段階強化することができる。これにより飛行・チャージ速度が格段に上昇する。
そして2段階に強化した状態で上記のパーツを装備すると、正に「もう全部アーム1つでいいんじゃないかな」状態となる。
ただし、前作同様この状態はパスワードでは保存されない。


  • クリスタル
遠い昔に4つの惑星の文明で作られた、エネルギーの集合体。
後半ステージに1つずつ用意されている。それらを4つ全て集めると、パワージェネレーター(後述)を開発してもらえる。
その配置上特殊武器などを使用しなければならないため、後半4ステージを1周しただけですべて集めるのは不可能。



【購入アイテム一覧】
前作にも登場したアイテムについては、説明は割愛する。

  • 1UP

  • E缶

  • W缶

  • S缶

  • エネルギーバランサー

  • 全エネルギー回復

  • マジックハンド
ロックンアームの強化パーツ。
装備すると、地形の中や遠くにあるアイテムを回収する機能が付く。
性能は前作のリングブーメランとほぼ同等。

  • ロックンクロー
ロックンアームの強化パーツ。
相手を掴んで連続でダメージを与える機能を持たせる。
特に敵に接近した状態で効果を発揮する。

  • パワージェネレーター
エネルギー増幅器。
装備すると、特殊武器の消費エネルギー量を通常と比べて半分に抑えられる。
前述のクリスタルを4つ全て集めると、無料で入手できる。



【ストーリー】
4度目のDr.ワイリー世界征服計画も、ロックマン達の活躍により阻止された。
その一件以降ワイリーは消息を絶ち、人々は次第に彼の存在を忘れていった…
しかし、それから数ヵ月後、ロックマンは散歩中に謎の戦闘用ロボット「アース」と遭遇し、応戦するも倒されてしまう。
ライト研究所に運び込まれ一命を取り留めたロックマンは、新兵器「ロックンアーム」を装備して、
世界中で破壊活動を行っている「スペースルーラーズ」との戦いに向かう。



【登場人物】
心優しき主人公。今作でのチャージショットはロケットパンチのロックンアームとなっている。
未知のロボット・アースに一度は敗れるも、復活。彼が率いるスペースルーラーズに立ち向かう。

前作での一件以降、姿を消していたが…まあお前だろうな。

ロックマン達を製作した科学者。
ロックマンがアースに敗れた際は、修理すると同時に彼にロックンアームを装備させた。
今作でも研究所にてアイテムを作成してロックマンをサポートする。

ライト博士が製作したお手伝いロボット。今作ではオープニングの1シーンのみに登場。
ロックと一緒に散歩しているときに、アースの襲撃を受ける。
ロックの指示で逃げることとなったが…そこからは出番なし

型サポートロボ。
ジャンプ台の「ラッシュコイル」、飛行形態の「ラッシュジェット」、宇宙船の「ラッシュスペース」
の3形態に変形してロックマンの行く手を切り開く。

なお今回ラッシュスペースはシューティングステージにて操作することができる。バスターとチャージショットで攻撃する。
今作ではチャージショットがロックンアームであるため、いつものチャージショットを使える唯一の機会だったりする。
十字キーを押しながらAボタンを入力することで、緊急回避することも可能。

  • エディー
アイテム運搬用サポートロボ。
前作ではたった1ステージしか登場しなかったが、今作では今まで通り至るところに現れる。

  • タンゴ
型サポートロボ。本家のラッシュコイルと同じく初期装備である。
体を丸めて体当たり攻撃する。ただビートと違って攻撃精度は今ひとつ。
攻撃力も高くない上に発動中はエネルギーを消耗し続けるので燃費も悪い。
さらにチラつきや処理落ちもひどくなる素晴らしいおまけつき。
まぁ、ぬこは気まぐれなので仕方ないのかもしれないが。

その後長らく日の目を見なかったが(一応バンダイ発注の『ロックマン&フォルテ 未来からの挑戦者』には登場したが)、
ロックマン10で店番として再登場する。

ロックマンの兄である風来坊。
ロックマンはラッシュスペースで宇宙に来ているのに身一つで宇宙までやってくる苦労人。
今回は隠し部屋だけではなく、一部のステージにも顔を出す。
隠し部屋に篭もるのに飽きてしまったからだろうか?
役割は前作と同じ。

  • アース
スペースルーラーズのリーダー。
他のルーラーズに先んじて単独でロックマンの前に現れ、スーパーロックバスターを軽々弾き返し、ロックマンに一撃で致命傷を与えてみせた。
その後も行く先々でロックマンの進路を妨害する。
登場はオープニングデモからとかなり早いが、実際に戦うのは8体のルーラーズを倒してから。



スペースルーラーズ
ワイリーが発見し、復活させた地球外文明製の戦闘ロボット軍団。
それぞれが太陽系の惑星の名を冠している。
ボスと特殊武器の詳細は項目を参照。



ロックマンキラー
本作では最終ステージで彼らの複製ロボットが立ちはだかる(クイントも含む)が、
一部の特殊武器が弱点、隙が大きくなる、攻撃や移動モーションが遅いなどと大きく弱体化している。
また、撃破しても彼らから特殊武器を入手することはできない。
詳細は項目を参照。

  • RKN.001 エンカー
今回は避けづらかったジャンプからダッシュのパターンが廃止されている。
加えてスライディングも導入されているため、攻撃を回避しやすい。
弱点は無く、バスター(アームも含む)のみが通用する。


体力ゲージが表示されたことにより、ワールド2の時よりも体力が相対的に減少している。
後は特に変更点はない。つまりワールド2と同じく弱いまま何をしに来たんだ
複製品なので、クイント本人ではない。
弱点はフォトンミサイル。


  • RKN.002 パンク
スクリュークラッシャーや突進などの攻撃のスピードが遅くなっている。
被ダメージも大幅に抑えられている。
弱点はバブルボムとソルトウォーター。


  • RKN.003 バラード
基本的には第2形態と同じパターンだが、姿は第1形態時のまま。
また、第2段階への変形はない。
弱点はバブルボムとフォトンミサイル



【その他のボス】
  • スカル・ブレーザー
ワイリースターに設置された大型イオン砲台。そのパワーは時空にまで影響を及ぼす。
イオン砲を中心に上側・下側と交互に攻撃してくるが、同時に砲台が弱点となる。
シューティングステージのボスとして登場。


  • エル・ナックル & アール・ナックル
ワイリースター内に配備された大型マニピュレーター。
その名の通り左腕と右腕の両腕を模している。
エルはただ単に殴りつけるだけだが、アールは追尾弾とわしづかみも用いてくる。
当初はワイリースターを格闘戦に対応させるために開発されていたが、予想よりも早くロックマンが進入したため、
やむなくナックルそのものに人工知能と戦闘能力を持たせた。

弱点はソルトウォーター
パンチ攻撃の後に出現する目玉を攻撃しよう。


  • ブレーン・クラッシャー
ワイリースターの制御装置。
3連発の追尾ミサイルを発射したり、
内部で反重力を発生させる「ピカシュー」や歩く時限爆弾の「アラベル」を生成・射出してくる。
また分厚い装甲を持ち、こちらの攻撃を一切受け付けないが、アラベルの自爆に巻き込めればダメージを与えられる。
後に似たような倒し方のできるワイリーマシーンが登場する。
ちなみに天井のトゲは当たってもダメージを受けるだけで、即ミスはしない。

撃破すると、第2段階に移行。極端に狭い空間での戦いとなる。
地形に沿うエネルギー弾を発射してくる。
この時コックピット(ワイリーのUFO)部分が露出しているが、そこが弱点となる。

有効な武器は、第1段階はブレイクダッシュをうまく使えば、敵をアラベルの爆風に巻き込みやすい
(ブレイクダッシュには無敵時間が存在するので、ロックマンは爆風に巻き込まれても平気な事を利用する)。
第2段階はスパークチェイサー、スナッチバスター、フォトンミサイルなど。


ワイリーによって封印を解かれた古代の最終兵器。ルーラーズのプロトタイプにあたる。
ロックマンシリーズ初となるワイリー以外のラスボス天体戦士ではない。
詳細は項目を参照。



サンゴッドは目覚めるとワイリーの命令を無視して彼のUFOを破壊する。
そして目の前にいたロックマンに宣戦布告した後、彼に襲い掛かる。

戦闘後ロックマンにロボットのあり方を諭され、改心。
割とあっさり改心したのは、「破壊あるのみ」という一点しかプログラムされていないが故に、ある意味純粋だったからか。
償いとして自身諸共ワイリースターを爆破する道を選ぶ(彼には、惑星破壊規模の強力な爆弾が内蔵されている)。
彼から脱出を促されたロックマンはラッシュスペースでワイリースターから脱出する。前作のバラードと微妙に展開が被ってるが気にしない
ロックマンが後ろを振り向くと、ワイリースターは大爆発と共に巨大な閃光に包まれ、やがて消滅していった…


地球に帰還後、ロックマンはこれまでの激闘を振り返っていた。
スペースルーラーズ、サンゴッド、そして人間とロボットのあり方…
しばらくするとロックマンは立ち上がって、走り始めた。するとどこからか一発の光線が飛んできて、

ロックマン「ワ、ワイリー!!生きていたのか?」

ワイリー「ええーいっ!!ロックマン!ここで最後の決着をつけてやるっ!!」

そこにはボロボロのUFOに乗りながらも、ロックマンに最後の勝負を挑むワイリーの姿があった。
うん…何で生きてるんだお前つーか、よくボロボロのUFOで大気圏に突入できたな
まぁ以前にも似たことがあったし、ワイリーにとっては大したことないのだろう。多分。

しかし、さすがにガタが来ていたのか、UFOは次第に壊れ始め、そして大破。
脱出したワイリーはロックマンの前でいつもの土下座を行い、許しを請おうとする。
が、案の定許してもらえるわけがなく、恐れを抱いたワイリーは逃走、ロックマンもその後を追う
という、いつものラストで本作(並びにワールドシリーズ)は終わりを迎えるのだった。



【余談】
ロックマン&フォルテのCDデータベースによると、7に登場するスラッシュマンはプルートをベースに製作されたらしい。
そのため本作は時系列で言うと、7の前に起こった出来事であると推測される。

また本作に登場したロックンアームは、スーパーロックマン時のチャージショット「ロケットバスター」として、
7に逆輸入されている。



サンゴッド「分かったよ。wiki篭もりがいるなら、私が生まれた文明では考えることすらできなかった、
項目というものを追記・修正することができるかもしれないな。」



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