メアリー・スー(創作)

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メアリー・スー(創作) - (2018/12/19 (水) 00:20:23) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/09/06(日) 17:44:44
更新日:2024/02/22 Thu 22:45:40
所要時間:約 10 分で読めます




二次創作用語の一種。

定義は無限に存在する(後述)が、主に「原作ファンによる二次創作の中に登場する、原作の主要キャラクターよりも格段に優秀な、作者の分身であるオリジナルキャラクター」などを指す。
そこから転じて、一次二次問わず 気に入らないキャラクターに対する蔑称 として使われることが多い。
更に転じて「メアリー・スーに自己投影している作者や読者は幼稚」などとして 気に入らない作品の作者とファンに対する罵倒 として使用されることも。

語源は1973年に出版された同人誌「Menagerie」2号に掲載された、
『スタートレック』の二次創作小説『A Trekkie's Tale』(和訳するならスタトレオタが書いたよくある話)に登場するオリジナルヒロイン「メアリー・スー大尉」
このメアリー・スー大尉、15歳と艦の中では最年少かつ最優秀、原作に登場するクルーらから尊敬や愛をよせられ、
死ぬときは劇的に死んで全員が悲しみに包まれるという、とんでもないチートキャラである。

ちなみにこの作品、当時のファンジンに氾濫していた「ぼくのかんがえたりそうのオリジナルキャラクター」に対する皮肉であり、
総ページ数なんと 半ページ 「『この手の主人公』の登場する作品は往々にして語るべき内容がない」という所まで含めてのネタでありブラックジョークである。


メアリー・スーといえば、このメアリー・スー大尉のようなキャラクターを指す。
例えば、作者の「目立ちたい、ちやほやされたい」という願望が露骨に反映された、
原作のストーリー・世界観・キャラクターなどの設定を根本的に破綻させてしまうオリジナルキャラクター
原作のキャラクター、あるいは他のオリジナルキャラクターよりも強く、
優秀で英雄的な活躍をし、自分ひとりであらゆることをやってのけ、なんでも解決し、原作の主要キャラから慕われ、異性と恋愛関係になる
ようなキャラが言われることが多い。

他にも世界観を破綻させずとも、「そのキャラクターの都合のみで世界が回っているようにすら見える状態に陥ったキャラクター」や
「自己愛的で作品を破綻させているオリジナルキャラクター」を揶揄する意味で使うこともあり、
究極的にはメアリー・スーの定義や本質などというものは存在せず、呼ぶ方が好き勝手に言ってるだけといえる。
なので当然「ある読者にとってはメアリー・スーに見えるが、ある読者にとってはそうではない」ということもありえる。

このようにメアリー・スーは負の意味合いが強いので、なんでもかんでもメアリー・スーとして叩くという風潮にはなってはならない……のだが
実際は「メアリー・スーに見える」というのが 読者の主観でしかない ため、メアリー・スーを行う作者と同じレベルで、
キャラ叩きや、前述のように「メアリーを書いているのでこの作者やこの作品を好む読者の人格は未熟」といった作者叩き・読者叩きの口実に使いたがる
悪質な読者(あるいは読者ですらない人間)が多いのが現状である。

また、「言葉の定義は時代によって変わるのだから、今ではあらゆるものに対してメアリー・スーと呼ぶのは正しい」などとして
メアリー・スー認定の正当性を主張する人間もいるが、これは論点がズレている。
例えば他人を「デブ」とか「厨房」呼ばわりしている人がいるとしよう。定義はそれぞれの項目を呼んでほしいが
それらを侮蔑を込めて勝手に認定すれば、定義が正しかろうが周囲からの「他人を蔑称で呼ぶ人」というそしりは免れないだろう。
本当に正当でありたいなら、安易なメアリー・スー呼ばわりはかえって発言の信頼を失うことになるので、
「言葉は乱暴だが真意をくみ取ってほしい」と他人に甘えるのではなく、最初から言葉を選んで発言した方がいいだろう。



■主なメアリー・スー


▽メアリー・スー

二次作品に登場する、作者自身を都合よく理想化させたかのような「ぼくのかんがえたりそうのオリジナルキャラクター」
原作のどのキャラより強くて優秀、原作主人公の活躍を殆ど奪って人気のヒロインとカップリング・ハーレムさせる…という、見る人によっては非常にアイタタなキャラ。
これが登場する場合原作主人公はオリキャラの引きたて役になる事が殆どであり、場合によっては小悪党めいたライバル、酷い場合は登場すらしない事も少なくない。
二次小説投稿所で「オリキャラ最強系」といった説明がなされている作品はこれが登場することが多い。

これが『A Trekkie's Tale』にて書かれたメアリー・スー大尉に近いものだが、何をもって「メアリー・スーっぽい」とするかは解釈が分かれ、
「一次創作のキャラクターはメアリー・スーではないのでは?」「自己投影キャラでも、原作キャラを引き立てる控えめなキャラならセーフ?」
「メアリー・スーでも面白ければいいんじゃないの?」「面白くないキャラだけをメアリー・スーと呼ぶのでは?」などと議論の的になり、明確な定義は存在しない

▽原作改変メアリー

オリキャラではないものの、原作の登場人物の人物像が作者に都合よく改変されるタイプ。
原作の好きなキャラを上記の「メアリースー」化させ、自己理想投影を満たしつつ「オリキャラじゃないよ!」という言い訳に使われる。
また「メアリー化」させたキャラの都合のいいように他のキャラをも改変する事も少なくない。
原作の世界とは別の異世界で活躍したり、黒化・ヤンデレ化のように原作と違う性格になったり、生活環境や人間関係が原作と違う状況に置かれたりする。
改変されたキャラを原作と比較すると「同じ姿をしているだけの別人」な状態になっていることが多い。

また、作者及びメアリー・スーの恋愛対象として既存の登場人物が理想化される場合もある。
改変されたキャラの原作設定を考えると明らかに好みじゃない相手に惚れることも。

▽作者登場

作者本人が作品に登場するパターン。推理小説系作品などに多い。
ギャグ系の版権作品でたまに見られる「ナレーションと登場人物の掛け合い」を模倣したパターンもあるが、
形式を猿真似しただけだと作品のテンポを悪くするだけで終わる。
メアリー・スーの極端で露骨な例。

▽アンチ・メアリー

本来のメアリー・スー(という言い方も変だが)とは逆に、醜かったり原作の主人公達から嫌われていたりするパターン。
つまりギャグの一種だが、やはり原作の世界観や雰囲気を壊している場合も少なくない。
虐げられるアンチ・メアリーに作者が自分を投影する、「私ってなんて可哀想!」な自己憐憫タイプの場合もある。

後述の「メアリー・スーパロディの敵キャラ」もメアリー・スーへのアンチという意味でアンチ・メアリーと呼ぶことがある。

▽原作メアリー

「メアリー・スー」という語句は二次創作において使われることが多いが、以下のようなパターンで使用されることがある。
  • 原作者のお気に入りが行き過ぎた、あるいは原作者の価値観に基づいて「このキャラ(性別・年齢世代等々)はこうあるべき」というフォーマットを押し付けるキャラ。
    要は「舞台裏の作者の意図として規範を示しているキャラ」のこと。特にメアリー・スーで指す場合元ネタのメアリー・スーの設定から「(大人側の考える大人に都合の良い)理想のティーン世代のステロタイプキャラ」を指している場合が多い。
  • 公式作品において登場するキャラに、「作者の思想を代弁している」「スタッフのお気に入りで展開上贔屓されている」「新作から出た新キャラなのに活躍しすぎ」など
    なんらかの理由をつけて使う。発言者によって意味合いが千差万別であるため特定の定義はない。


その他、ただ単純に気に入らないキャラを叩く口実の為、便利な言葉としてメアリー・スーと呼ぶ人の存在のせいで、無限に「これがメアリーっぽい」という定義がある。
メアリー・スーに含まれる要素というのは創作物においてはある程度混じらざるをえないので、なんでもメアリーと呼ばれる可能性がある。

上で挙げたほかに「メアリー・スーである事そのものをギャグ要素や物語の前提条件として扱う」ケースもあるが、ストーリー上の必要性があるため、含めるかは疑問が残る。



■読み手の皆様へ

決して特定のキャラ名は書き込まないでください。批判的・感情的な書き込みは荒れる原因になります。


最後に……


■書き手の皆様へ

どんなに有能・万能・美形な完璧キャラであっても、面白い話にすることは可能である。
「最強オリキャラであること」がメアリー・スーの定義とされることが多いが、実際にはメアリー・スー的要素のあるキャラクターが悪という訳ではない。
作品の世界観とのバランス感覚の問題であり、「作品が面白くない」、それだけが一番にして唯一の問題点なのである。

創作活動にアイデアと推敲が必要なのは当然だが、自分のキャラクターをメアリー・スー呼ばわりされないためには、
自分がなぜ創作に励んでいるかを把握していることが必要である。

純粋に創作活動をやりたいという熱意があったとしても、他人に自分の作品を見てもらう必要はあるし、見てもらいたい気持ちは生じるだろう。
だが、作品に「チヤホヤされたい」「周りの連中よりも凄い存在になりたい」という欲求が投影されているのなら、
それは作品の読者・視聴者・プレイヤーに対して遠回しに不満をぶつけているだけで、ただの八つ当たりに過ぎない。


重ねて書くが、必要なのはバランス感覚である。
「キャラクターに弱点が複数あり、能力にも大きな欠点があればメアリー・スーでない」
「能力に慢心し強敵に敗北して反省する展開があればメアリー・スーではない」「原作キャラと恋愛関係にならなければメアリー・スーではない」などと
減点方式で「メアリー・スーの条件に合致しないからセーフ」などと見るのは大きな間違いである。

能力が弱かろうが、顔や心が醜くて他人に嫌われてようが、メアリー・スーはメアリー・スーである。
「原作改変メアリー」という言葉があることでわかるように、オリキャラすら出てなくてもメアリー・スーは成立させられる。
単に要素を外しただけでは、投影されるのが「メアリー・スーを避けてチヤホヤされたい、メアリー・スーより凄い存在になりたい」という欲求になるだけである。

そもそも、そのように表面的に取り繕っても作品が面白くなるわけではない。
逆に避けることを意識するあまり「メアリー・スーでないだけのただの駄作」にすらなりかねない。
何度でも書くが、有能・万能・美形な完璧キャラでもいいのである。大切なのは個々の要素ではなくそれに対するバランス、つまり総合的な面白さである。



ここまでの例を総括すると、メアリー・スーとは、作者が満たされない自分を幸せにするための道具、という見方もできる。
もちろん作品の中ならすべては自由である。オリキャラに究極の力を持たせ、細かい設定を満足するまで書き連ね、ほかのキャラすべてに愛してもらう、どれにも咎められる要素はない。
ただ、その物語は他人の目にはつまらなく映る。ただそれだけの話である。

自分のキャラが「メアリー・スー」扱いされていて、それが嫌だ、というのなら、まず作者であるあなた自身が人として幸せになることをお勧めしたい。
少なくとも、「自分を満たすための物語」と、「誰かのための物語」を分けるだけでも、作品の印象は変わる。


……とはいえ、メアリー・スーという用語が広まってしまった結果、最近は やたらとなんにでもメアリー・スーという言葉を使いたがる読者が多い
自己投影や願望といった意味合いのために「メアリー・スーを書く人間は幼稚」として、一種のマウンティングや印象論に便利な言葉として濫用されやすい。
上述のように「メアリー・スーに含まれる要素というのは創作物においてはある程度混じらざるをえない」ので、その気になればなんでもメアリーと呼べるのだ。

創作論というのは 作者が 創作に役立てるためのものであり、 読者が すでにある創作およびその作者を攻撃するための理論武装ではない。

作者からすれば、「駄作や自己投影だと思った作品をメアリー・スーだと決め付けて作者の上に立ちたい」という 欲求・願望 を持っている読者や
「自分が気に入らないんだから原作者や他のファンも気に入らないはずだ」といった 自己投影 をしている読者に対しては説得力が通じないため、いくら気をつけていても最終的には無駄である。

作者に感想を送る方法が限られており距離も近かった1973年ならともかく、誰が誰にでもいつでも好きな感想を飛ばせる現代においては、
「これはメアリー・スーなんじゃ……」と無用に恐怖して創作意欲を萎縮させるより、作りたいものをさっさと作った方がいい。
あまり気にして書けなくなってしまうのは、「最初から実力以上の作品を作りたい」という欲求を投影しているだけである。
たとえメアリー・スーを産もうが、駄作が出来上がろうが、誰もが最初は素人で、書かないと絶対に上達しないのだから。


ちなみにMary Sueテストという、物語の登場キャラクターに関する質問に答えることで、そのキャラクターのメアリー度を判定してくれるとされるサイトが存在するが、
作られたのが大昔であること、「テスト製作者の個人的な好み」が多く含まれていることから、現代ではほぼ役に立たないだろう。*1
逆に「テストで点数が低かったから大丈夫だ」という思い込みで判断基準を麻痺させてしまわないように気を付けた方がいい。

このように「何がメアリー・スーか」は主観でしかなく、「○○厨」のような蔑称として受け取る人(あるいは蔑称として使う人)も多いため、メアリー・スーという言葉は基本的には使わない方が無難だろう。


メアリー・スーは本当に問題?


メアリー・スーについて、「はるか昔から二次創作において存在する問題」や「最強キャラそのものではなく、原作の世界観をぶち壊しているのが問題」と解釈する人がいる。
オリキャラによる原作キャラ無双など、それを不快に思う人がいるのはわかるだろう。

だが、「原作世界観を改変するジャンル」なら、オリキャラ以外にもはるか昔からもっと大々的に流行っているものがあるはずではないだろうか?
そう、男性キャラを同性愛者にして楽しむやおいである。

しかし実際にはメアリー・スーやその仲間だと言われるのはオリキャラのみで、原作改変メアリーだと言われるのは「男性向け二次創作のキャラ」が主である。(kanonのU-1など)
一番大々的に改造しているはずのやおいが「勝手に同性愛者にしたり現代パロするな! 原作の世界観を守れよ!」などと批判されることはほとんどない。それはなぜか。

理由の一つとしては、メアリー・スーとは主に「腐女子の過激派」が「それ以外」を叩くために使ってきた言葉だから、というのが考えられる。

「原作キャラによる同性恋愛=やおい」を好む腐女子と、「オリキャラによる原作キャラに対する恋愛=夢」を好む夢女子は、はるか昔からずっと派閥争いを繰り広げてきた。
(なぜ争いが起きるのかは、単なるパイの取り合い、ゾーニングの不十分、「同担拒否」に代表される女性的な感性など、様々な理由が考えられる)
腐女子と夢女子を兼任する人は少なくないものの、全体としては腐女子が優勢であり、更に腐女子の中の過激派は、あの手この手で夢を攻撃してきた。

『A Trekkie's Tale』の作者の意向は別として、「メアリー・スー」およびそのチェックリストという「叩いても良いキャラ」の概念は、過激派にとって実に好都合だったと思われる。
なにせ作品にテストの項目を当てはめるだけで、本人やファンの人格まで批判できるとしているのである。ジャンル叩きの凶器として、これ以上のものはない。
夢は「そんなに無条件でチヤホヤされたいのか」など言われる一方で、やおいは「あくまで嗜好、ファンタジーである」「壁になって眺めるだけ」ということを強調されやすく、嗜好を人格評価に直結させるイメージ戦略が伺える。(当然、実際には夢もただのファンタジーである)

この夢vs腐から出た「自己投影vs客観」は根深く、近年でも「最近のラノベの読者は~」「なろうの読者は~」などと様々なジャンル叩きに派生している。
どれも「自分は客観的な視点で物語を楽しんでいるので成熟しているが、〇〇ジャンルの住人は自己投影で話を作ったり読んでるので未熟である」という主張である。

もちろん、真に客観的な視点を持てば夢も腐も自己投影も客観も五十歩百歩、「単なるジャンルの違い」以上の意味はない。

「昔から海外でも使われている言葉だから」と無条件で受け入れるのではなく、メアリー・スーなんて概念は正しかったのか?というところからよく考えなければならないだろう。


メアリー・スーを題材にしたキャラクター


メアリー・スーは知名度が高くインパクトもあるため、一次二次問わず物語の題材にされることが多くある。
特に、「メアリー・スーをイメージした敵キャラ」は悪役として一定の類型がある。

小説家になろうおよびウェブ小説全般では、二次創作の「アンチ・ヘイトもの」の流れから、
「よくあるメアリー・スー」を出して、それにヘイト(読者の憎しみ)を集めて倒すことが慣例・テンプレとなっている。
このキャラは俗に「かませ勇者」「踏み台転生者」などと呼ばれ、ヘイトキャラが惨めに負けるパターンは「ざまあ展開」などと呼称される。
かませ犬の項目も参照。

同様に投稿サイトであるSCP Foundationでは多数のメアリー・スー的オブジェクトが投稿されることから
そういったキャラをあの手この手で終了(抹殺)することが慣習となっている。
現実改変(SCP Foundation)の項目も参照。

こうした「メアリー・スーパロディの敵キャラ」の特徴は、以下のようなものが挙げられる。
  • 神に与えられたチート、たまたま発現した超能力など、「自分のものではない凄い力」を持っている。
    年齢は若者。「1000歳以上」などの設定でも、外見と思考は若者。
  • 主人公を見下したりヒロインにちょっかいを出す、レベル上げと称して無害な魔物を虐殺する、
    正義の名の元に味方や非武装の市民を殺す、異能を犯罪に悪用するなど、読者のヘイトや嘲笑を集める行動をする。
  • とてつもないマヌケで、思考が幼稚。特に、「チートを持つ自分は神に選ばれた主人公だ」などの根拠のない万能感に満ちている。
    力に精神を汚染されていたり、黒幕に洗脳されていいように利用されていることも。
  • 行動が極端。感情的で行き当たりばったりか、柔軟性がない教条主義者。深く考えることをせず、説得は通じないが挑発や策には簡単に乗る。
  • こんな愚物なのに社会からは力だけで「選ばれし存在」とされ、周囲に称えられたり異性にモテる。
  • 作中で精神的に成長せず、いいところのないまま最後は無残に死ぬ。読者に「ざまあ」される
簡潔にまとめると「運よくパワーを得ただけで知能も経験も何もかも足りてない子供」である。

こうしたパロディキャラの属性が「普通の敵キャラでもよくある属性」と被る部分が多いのは、メアリー・スーの属性とされるものが通常の主人公の属性とも類似していることと同様である。

また、実際のオリキャラ(メアリー・スー)としては「パワーは弱いが観察眼のある策士」「古武術などを極めた実戦経験豊富な大人」
「高い組織力を持つオリジナル大組織の一員や長」「社会的には評価されていないが格上食いの力を秘めている人間」など、
チートを派手に振り回す子供とは真逆の、いわゆる異能者と戦える一般人的なものも厚い人気があるが、
これらはメアリー・スーパロディの敵キャラの属性としては付加されず、「メアリー・スーを倒す側」の属性として採用されることが多い。

このようにメアリー・スーを敵としてヘイトを集めて攻撃する内容こそ、
「メアリー・スーだらけの創作界隈」を皮肉りたい、批判して称賛を浴びたい作者の願望が強く現れたキャラクターが、
都合のいい悪役として歪められたメアリー・スーをやっつけて周囲から称えられる物語…すなわち“メアリー・スーそのもの”になる危険性を孕んでいるのは、なんとも皮肉なことではある。
もちろんメアリー・スーがそうであるように、メアリー・スーのパロディも要素そのものや作者の願望などは重要ではなく、面白くなるかは物語次第ではあるのだが。


■メアリー・スーを題材にしたキャラクター(個別)


  • 世界の中心 メアリー・スー
サイズ:2 / 打撃力:2 / 攻撃力:4000 / 防御力:3000
クラン:マジックW 属性:魔術師
■【コールコスト】ゲージ2を払う。
■“無敵の奇跡”このカードが登場した時、君のデッキから魔法1枚までを手札に加え、デッキをシャッフルする。
【何でもできると皆は言うけど、恋は一人じゃできないわ。】

フューチャーカード バディファイト』に登場するカード。
ゲージ2と引き換えにデッキから好きな魔法カードを1枚サーチできるという、元ネタに即したチートじみた能力を持つ。

マジックWにはゲージ1でカードを2枚ドローするナイスワン!(最高だぜ!)やノーコストでゲージを2枚増やせるソロモンの書 上巻、
次の相手ターンをスキップするというチート魔法、
大魔法グランドファーザーズ・クロックなどの優秀な魔法カードが存在するためマジックWを組むなら是非4枚投入しておきたい優秀なユニットであるが、
その分レアリティも価格もお高めで、どこの店でも平均1枚2000円前後はする模様。
同じくほぼ必須カードでありながらレアリティが高くほとんどのカードショップで1枚2000円を越える魔王アスモダイと合わせて、
『マジックWは拝金クラン』と呼ばれる原因となっている。

ちなみに魔法カードであればクランがジェネリックでもサーチできる。
こちらも条件はあるがほぼノーコストでゲージを2枚増やせるバディチャージや、
ゲージ3とコストは重いもののカードを2枚ドローできるバディヘルプなどの優秀なカードが存在するため、
ジェネリックとの混色デッキにするならば有用な働きをしてくれるだろう。

色々と曰くのあるこの名前を商業、それも子供向けコンテンツで使ったことについてはそれなりに反響があったらしく、
当時原作者だったコマンダーIは
「意外とみんな知ってるなー。つまり黒歴史を持つ者が多いという事か…安心しろ。物語を作った事がある人は、多分誰しも心あたりがある。」と意味深なコメントを残している。

メアリー・スーの怪物
自分がメアリー・スーになれるように世界や人の精神を作り変える。
詳しくは項目参照。


  • メアリー・スー
幼女戦記のキャラクター。
いわゆる「かませ勇者」の系譜である。詳しくは当該項目を参照。


■類語、関連用語

▼デウス・エクス・マキナ
古来より演劇で用いられてきた、物語を強制終了させる「機械仕掛けの神」
(なお、味方側・ハッピーエンド型だと「デウス」だが、悪役側・バッドエンド側だと「ディアボルス・エクス・マキナ」とも言う)
「全能のチートキャラに全ての解決を委ねる」という意味ではメアリー・スーの一種と言える。

主人公補正、俺TUEEEE
一次創作において「主人公が強い、活躍する」ことを揶揄する用語。

▼最低SS
二次創作用語の一種。最低系とも。
厳密な定義は難しいのだが、「メアリー・スーが出てくるSS」は最低SSの一種とされることが多い。

チートキャラ
当wikiの定義においては公式設定の時点で人智を超えたスペックを持つキャラのこと。詳しくは項目を参照。

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