登録日:2013/3/20 (日) 08:15:00
更新日:2024/01/21 Sun 15:31:42
所要時間:約 5 分で読めます
『宇宙戦艦ヤマト 完結編』とは、1983年に公開されたアニメーション映画。
映画
宇宙戦艦ヤマトシリーズの第六作目にあたり、制作当時は明確に『2』から繋がる『正史』ヤマトシリーズでの
ヤマトの最期とされていた。
【概要】
当時、10年の長きにわたった宇宙戦艦ヤマトシリーズの真の最終作として制作された。
今作は
『さらば』のように後でアナザーエンドを用意したりすること無く、ヤマトが水惑星の
海に沈むことで明確にシリーズを完結させた。
が、作品自体には賛否両論あり、特にシナリオに関しては西暦2205年のⅢの続編なのに2203年が舞台になっている等の設定の齟齬の他、
安易なご都合主義的としか思えない沖田艦長の復活には多大な批判が集中した。
中にはヤマトシリーズの凋落と準えるファンもいるほどで、その後のアニメに『設定は安易に弄くるな』という教訓を遺したとも謂われる。
また、当時の思惑とは裏腹に、25年越しとはいえ
『復活編』という直接の続編が作られているため、結局はさらば同様の「終わる終わる詐欺」に終わってしまった。
…と、ここまでは悪評を連ねたが、駄作かと言われれば全くそんな事はない。
シナリオに難色を示すファンがいる一方、作画と音楽の演出に関しては極めて高く評価するファンも多く、それゆえの賛否両論なのである。
ヤマトシリーズの映像美は(ある意味当たり前ではあるのだが)作品を経る毎に大幅に向上しており、『ヤマトよ永遠に』から様々なエフェクトが美麗にパワーアップ。
全体的な質の向上に加え、特に作画に関しては当時だけでなく現在の基準で観ても非常に高い品質を誇っている。
中でも作中中盤のヤマト発進シーンは、手描きアニメ史上でも最高水準のシーンの一つ。
その後のアクエリアスの海への着水シーンも力が入っていて、とても美しい。
他にも戦闘シーンのエフェクト、シリーズでは珍しい艦隊戦など見所は多い。
というか静止してる戦艦に対しカメラが動くことでぬるぬる動かしたり、立っているだけの人間に対して同じようにぬるぬる動かしたり、喋ってるだけなのに手がぬるぬる動いたりと、やり過ぎなレベルで良く動く。
敵勢力の
ディンギル帝国のキャラクターが特に顕著。
そして音楽に関しては宮川泰氏だけでなく、これまでピアニストとしてシリーズを支えてきた羽田健太郎氏も作曲に参加。
ポップスを得意とする宮川氏とクラシック畑の羽田氏のコンペ形式で音楽作りが進められ、2人の良いところを抽出した楽曲の数々は出色の出来と言っても過言ではない。
そもそもストーリーに関しても、沖田艦長の件以外が大きく批判されることは少なく、完成度で言えばヤマトの最終作として十分な作品である。
(まあゲストキャラの唐突な自己犠牲やニュートリノビーム防御幕関連のご都合展開など、いろいろ細かい不評点はあるがそこら辺はヤマトならよくあることなのだ!)
【ストーリー】
西暦2203年(後にⅢとの兼ね合いで2205年に修正)
突如銀河系付近にワープアウトした赤色銀河。
天の川銀河と赤色銀河との大衝突は、銀河系の至る所に未曽有の大災害を引き起こしていた。
そしてそれにより、
ガルマン・ガミラス帝国及び
ボラー連邦は壊滅的な被害を受けることとなる。
地球連邦はガルマン・ガミラス本星調査の為にヤマトを派遣したが、そこにあるのは崩壊した無人のガルマン星だけであった。
古代とヤマトクルーはデスラーパレスに花を手向け、ガミラス星を後にする。
途中、大洪水により水没していく惑星に残された異星人を発見、救助し地球へと進路をとるが、突如謎の艦隊による襲撃を受け、撃沈されてしまう。
惑星への墜落の衝撃で自動航行装置が作動し、何とか地球へと帰還するヤマトだったが、多数の死傷者を出し、
古代は自責の念から艦長を辞職する。
そんな中、大災害により現れた水の惑星アクエリアスが地球へと近づきつつあり、このままでは遠くない内に地球は水没してしまうという。
時を同じくして、先程の艦隊と水没した惑星の主である「ディンギル帝国」が地球への侵略を開始する。
【登場人物】
生き返っちゃったヤマト初代艦長。
第一作での死は佐渡先生の誤診だった。(オイw佐渡先生!俺たちのあの感動を返せ!)
少なくともきちんとコスモタイガーの事を知っている事から、『死後』の地球防衛軍についての情報を得ていたようだ。
当時は一スタッフであり、後に
宇宙戦艦ヤマト2199の総監督になる出渕裕によれば、
沖田を出演させる口実として、『銀河系と平行時空の銀河系が重なりあって、その銀河には第一作が
バッドエンドとなり、
ヤマトが旅立てなかった赤い地球がある。そこには発進できなかった平行時空のヤマトが眠っていて、そのヤマトの艦長室に沖田艦長がいる。
それだったら登場しても可笑しくない』と西崎Pなどに進言したが、没になったと語っている。
ぶっちゃけ、そのほうが面白そうだが、どう考えても設定の説明に尺を取られすぎてしまうので没もやむなしか
ディンギル帝国の大神官大総統。
もう役職から
ラスボスオーラ出まくりである。
惑星に惑星ぶつけて水没させようとしたり、自ら
馬に乗ってヤマトに白兵戦を挑んで単機無双したりと、やることがダイナミック。
古代「貴様それでも人間か!!!」
旧シリーズ最後の敵だが、クライマックスでヤマト最初の敵であるデスラー総統に敗れ去る。
【余談】
実はこのアニメ、ほんの少しだけCGが使われていたりする。
ヤマト発進の際、真田さんが見ているモニターの図形を描画する際等に用いており、言われても気づかないレベルの違和感のなさである。本作品の公開から2年後となる1985年にタイトーから本作品や「
さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」、「ヤマトよ永遠に」の映像を使用したLDゲームが発売されているが、『
タイムギャル』とは違って、家庭用ゲーム機への移植はない幻の作品と化している。
艦長!!アニヲタwiki項目追記修正案決定稿、完成しました!!
真田さんプレビューは!?
そんな暇あるか!!
- 大神官大総統って事は、二世が大総統を継ぐまで大神官の親父が兼務していたんかな? -- 松永さん (2013-03-20 12:12:23)
- この作品のデスラーの登場シーンは笑ったw -- 名無しさん (2013-08-14 23:46:34)
- ↑いやいや。デスラーならあんなことやっても許されると思うよ。BGM(デスラー襲撃)が流れたときは「生きてたのか!」ってうれしくなった -- ??艦長 (2014-09-21 06:57:47)
- 平行時空でのヤマトの案だけども、古代たちが尊敬しているのは、ガミラス戦役で一緒に戦ったほうの沖田艦長だから、別次元の沖田艦長が艦長になっても、彼らが認められるか、という問題はあるよね。そこまでの筋書きを書くのもまたドラマになるかもしれんけど。 -- 名無しさん (2014-09-21 07:00:56)
- あとは、単純に観客への説明が面倒くさそうってのもあるかも。紙媒体とかなら面白くなりそうではあるけど。 -- 名無しさん (2014-11-09 15:24:39)
- ディンギルの犯した最大の過ち!それは、奴を敵に回したことだ! -- 銀河万丈 (2014-11-09 20:31:03)
- そういえば復活編でヤマトを修復するとき、沖田艦長の亡骸はどうなってたんだろう?まさか、はっこ(波動砲で消し飛ばされました -- 名無しさん (2017-02-14 18:21:26)
- メタ的に言うと、ディンギル帝国は所詮一地方勢力に過ぎず、本星が滅亡したこともあってヤマト史上最弱の敵だったりする。単純な戦力比だと、下手すりゃ地球艦隊より弱い。 -- 名無しさん (2020-05-10 17:06:29)
- ↑ただ切り札のハイパー放射ミサイルと地球人の相性は最悪だから、あそこまで戦えたんだろうか -- 名無しさん (2020-09-25 03:51:18)
- Zガンダムで、アムロとシャアをわき役(アムロに至っては地上編のみ)にしたのは、やはりこの完結編の教訓を受けてのものだろうか? -- 名無しさん (2021-07-08 12:40:08)
- あと、自分としては、復活編は、そのまま完結編の続編じゃなく、完結編で一度終わった後の、新しい物語、新しいヤマトだと思ってる。 -- 名無しさん (2021-07-08 12:51:07)
- 復活篇は完結編の続きと言うより、見事にコケた2520を再始動させる思惑で作られた節があるからな -- 名無しさん (2021-07-08 13:32:38)
- 一人ヤマトに残る沖田に対し「お父さん」と誇大がつぶやくシーンでご都合主義だの何だのどうでもいい程感動したじゃないか! -- 名無しさん (2021-10-03 21:26:02)
- ×誇大 〇古代 -- 名無しさん (2021-12-04 02:48:26)