キングダム・オウ禍武斗

登録日:2023/06/28 Wed 18:20:25
更新日:2023/06/30 Fri 21:58:01
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オウ禍武斗の九本の角にはそれぞれ物語があるという。

*1


キングダム・オウ禍武斗(カブト)》とは、TCGデュエル・マスターズ」のカードである。
DMSD-05「オウ禍武斗・マッハ炸裂・スタートデッキ」で登場した自然文明グランセクト
双極篇背景ストーリーにおける自然文明の精鋭の戦士集団『ガイアハザード』の一員でもあり、DMSD-05におけるオウ禍武斗はプレビュー版的存在でもある(後述)。


【解説】

キングダム・オウ禍武斗 P 自然文明 (9)
クリーチャー:グランセクト 14000
マッハファイター
T・ブレイカー
破天九語:このクリーチャーがバトルに勝った時、相手のシールドを9つブレイクする。

マッハファイターを持つ重量級のグランセクトであり、パワー14000もあるので大抵のクリーチャーは攻撃で除去できる。
一番特徴的なのは「破天九語(はてんここのつがたり)」という能力で、これはバトルに勝った際に強制で相手のシールドをその名の通り9枚ブレイクするというブレイク効果を与える。
DMのゲーム開始時点のシールド枚数は5枚であり、シールド追加をしても9枚以上になる状況はあまりないので、事実上のシールド全ブレイクと解釈しても問題はない。

要は想定した運用は「マッハファイターでバトルに勝ってシールドを全てブレイク、その後に他のクリーチャーでダイレクトアタック」だと思われる。
実際に流れさえよければこの展開に持ち込める可能性は決して低くなく、9コスト設定に見合ったフィニッシャー能力はある。
基本的には初心者向けのスタートデッキのフィニッシャーとしては一定のラインは超えた合格点の性能とは言えるかもしれない。

しかし、初心者向けのカードの割には破天九語という能力は運用に工夫が必要で癖が強い。
まずシールドを全てブレイクすれば当然S・トリガーやS・バックを誘発する可能性が高く、相手に反撃の隙を与えることが欠点だろう。
特に事実上のシールドの全ブレイクはスーパー・S・トリガーに対しては逆利用されてしまう可能性が高い。

破天九語が強制効果であるため、シールドに触れたくない状況でもブレイクしてしまう部分も扱いにくい。
高いパワーを活かせるマッハファイターを状況次第では使いたくなくなるという、ある意味本末転倒な事態が発生することもある。
そのためこのクリーチャーを十分に活かすならば、相手のカウンター手段を減らすか封じるようなサポートが欲しいところ。

そもそもこのカードは《キングダム・オウ禍武斗》としての本当の姿ではない
マスターカードの「マスター・ロゴ」が未完成のようなマークがあることもそれを分かりやすく示している。
一般的に語られるキングダム・オウ禍武斗という存在は、下記のツインパクトカードとしてである。
じゃあDMSD-05版は事実上の下位互換じゃんとか思ってはいけない。まあこちらの方が入手難易度は低いし…。
こうした理由もあり、スタートデッキのフィニッシャーとしては同日発売のDMSD-04「ジョーカーズ・弾銃炸裂・スタートデッキ」における《ガンバトラーG7》とは違って環境で成果を残すことはなかった。


【ツインパクト版】

現時点で2種類存在しており、異なるツインパクト版がある珍しいカードとなっている。
ルール上はそれぞれ別のカードとして扱えるので、実用性はほぼ無いが同デッキ内での12枚体制が可能である。一応マナゾーンに存在する時に墳墓避けになるくらいだろうか。

《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語(ごうはてんつくもがたり)

キングダム・オウ禍武斗 MAS 自然文明 (9)
クリーチャー:グランセクト 14000
マッハファイター(このクリーチャーは、出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる)
T・ブレイカー
破天九語:このクリーチャーがバトルに勝った時、相手のシールドを9つブレイクする。
轟破天九十九語 MAS 自然文明 (10)
呪文
各プレイヤーは、すべてのクリーチャーを自身のマナゾーンから出す。これらのクリーチャーが出ることによって起こる効果はすべて無視する。(マッハファイターなどの、そのターンの間働く能力は無視されない)

DMRP-05「双極篇 第1弾 轟快!! ジョラゴンGo Fight!!」に目玉のマスターカードとして収録されたキングダム・オウ禍武斗。
DMSD-05版はこのカードの先行体験版的な扱いであり、こちらが一番知名度が高いキングダム・オウ禍武斗と考えても良いだろう。

クリーチャー面はレアリティ設定以外は特に性能は変わっていない。
呪文面は各プレイヤーがマナゾーンからcip効果などを無効化して出すという、互いに強烈なメリットとデメリットを得る踏み倒しを行わせる豪快な重量級呪文となっている。
呪文発動時点でマナゾーンにおいてあるカードの種類にも左右されるが、基本的にはマナを大きく減らすことになると思われるので《エクス・リボルバー・ドラゴン》的なリセット的要素を持つ。
一方で踏み倒したクリーチャーは「cipは失われても常在型能力やpigは失われない」という側面もあり、この性質をどう利用するかという部分も呪文を唱える際の重要な戦略となる。

色々とコンボが考えられる踏み倒し呪文があることからこのカードを利用した環境デッキやファンデッキは多く、専用デッキも存在する。
ところが踏み倒し能力の弱点の多さや要求されるマナの重さからインフレの高速化には付いていけず、現在はファンデッキで見る機会の方が多い。

《キングダム・オウ禍武斗/チャージ3回、フリーエントリー!》

キングダム・オウ禍武斗 P 自然文明 (9)
クリーチャー:グランセクト 14000
マッハファイター
T・ブレイカー
破天九語:このクリーチャーがバトルに勝った時、相手のシールドを9つブレイクする。
チャージ3回、フリーエントリー! P 自然文明 (10)
呪文
各プレイヤーは、自身の山札の上から3枚をマナゾーンに置く。
クリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。その後、相手はクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。

DMEX-08「謎のブラックボックスパック」にて収録された、当時としては異例の呪文面が変わった2枚目のツインパクト版。
人造昆虫カブトボーグVxV』及びその主人公の天野河リュウセイとのコラボカードとして登場した。
呪文面の名前はボーグバトルのルールが元ネタになっている。

轟破天九十九語と異なる呪文面は、各プレイヤーにマナブーストとクリーチャー1体の踏み倒しを行わせる内容。
マナからの踏み倒しという要素だけは轟破天九十九語に通じているが、「クリーチャーを1体しか踏み倒せない代わりにcipが失われない」「マナブーストをするのでマナの減少が起きないどころかむしろプラスになる」という点で大きく性質が違う呪文と言える。
10コスト費やしてクリーチャー1体の踏み倒しと考えると、相手にもメリットを与えることもあって踏み倒し手段としては他の手段が優先されやすいか。少なくとも轟破天九十九語よりは使われていない。


【派生カード】

ハザード・オウ禍武斗 SR 自然文明 (9)
クリーチャー:グランセクト 14000
マッハファイター
T・ブレイカー
禍武斗の轟印 SR 自然文明 (7)
呪文
このターン、自分のクリーチャーすべてのパワーを+12000し、「T・ブレイカー」を与える。

月刊コロコロコミックのプロモとして登場した、「コロコロ版キングダム・オウ禍武斗」とでも呼ぶべき存在。
クリーチャー面は事実上のキングダム・オウ禍武斗の下位互換に近く、呪文面は1ターン限定で自軍に強烈なパンプアップとT・ブレイカー付与を行う。
付録カードに高性能を要求するのも酷かもしれないが、コストが重い割にはマッハファイターしか持たないクリーチャー面はあまり使い道がない。
呪文面は《インビンシブル・パワー》の上位互換だが、あちらよりは使いやすいとはいえ実用性の面では微妙。

オウ禍武斗・ライジング P 自然文明 (6)
クリーチャー:グランセクト 6000
マッハファイター
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルに勝った時、相手のシールドを1つブレイクする。

月刊コロコロコミックの『デュエマWデッキ40枚』において登場したクリーチャー。
全体的にキングダム・オウ禍武斗の小型版とも呼ぶべきスペックであり、バトル勝利時のシールドブレイク枚数は1枚でキーワード能力にはなっていない。
派手さはないが、本家よりもコストが下がったのとバトル勝利時のブレイク枚数が減ったことで逆に安易にバトルがしやすくはなったので使えなくもない。

スターダム・オウ禍武斗 VR 自然文明 (4)
クリーチャー:グランセクト/レクスターズ 5000
マッハファイター(このクリーチャーは、出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる)
このクリーチャーが出た時、自分の山札から1枚目をマナゾーンに置く。それがレクスターズなら、手札に加えてもよい。
シンカパワー:このクリーチャーが進化する時、次の自分のターンのはじめまで、相手クリーチャーが攻撃する時、可能ならこのクリーチャーを攻撃する。

レクスターズに覚醒したオウ禍武斗。本家及び今までの派生カードとは異なり、中型クリーチャーと化した。
マッハファイターを所持し、cipでのマナブーストと手札補充やシンカパワーによる進化先への相手の強制攻撃誘導を行える。
レクスターズの回収効果やマッハファイターなどから自然のレクスターズデッキでは採用候補となり、同弾収録の《オウ禍武斗 <サンマ.Star>》とはデザイナーズコンボとなっている。

オウ禍武斗 <サンマ.Star> SR 自然文明 (6)
スター進化クリーチャー:グランセクト/ゲリラ・コマンド/レクスターズ 1000+
スター進化:レクスターズまたは自然のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
侵略:自然のコスト4以上のレクスターズ(自分の自然のコスト4以上のレクスターズが攻撃する時、自分の手札にあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい)
パワード・ブレイカー(このクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする)
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から3枚をマナゾーンに置いてもよい。
このクリーチャーのパワーを、自分のマナゾーンにあるカード1枚につき+1000する。

《S級原始 サンマッド》と共鳴したスターダム・オウ禍武斗のパワーアップ版。「サンマ」となっているが決して魚の方とは何の関係もない。
スター進化だけではなく侵略による進化手段を持ち、素のパワーが低い代わりに任意のマナブーストとマナの数だけパンプアップするパワードブレイカーである。
3枚のマナブーストがあるため、実質的に出した瞬間にパワー4000は最低ラインとして確保される。

侵略で出せれば中盤で既に大量のマナを得て大型クリーチャーに繋げられることやある程度の攻撃性能を持ったアタッカーを確保できる点が非常に強い。
一方で素のコスト設定やパワー設定は高くないので、侵略を使わずに出した場合は一応マナブーストはすると言っても微妙な性能になる部分が難点。
とはいえ、手札1枚かつ6コストで3ブースト自体は悪い性能ではなく、リソースゲームに持ち込みたい場合は手打ちも視野に入るだろう。


【背景ストーリー】

自然文明の4人の戦士による集団「ガイアハザード」の一人。「最も猛きガイアハザード」と評される。
オウ禍武斗の9本の角にはそれぞれ物語があり、その中の話には《業王ディガロ》との激戦がある。
そういった過去の実績を全てぶつけた衝撃によって天をも破る必殺技「破天九語」を使う。

自然文明の女王を守ることやドラゴンを倒すことを目的として活動している。

新章開始前

闇文明の支配者である『闇の七王』がまだ八王だった時代、その筆頭だった業王ディガロと激突する。
九日間にも及んで続いた激闘は、最終的にオウ禍武斗の角によってディガロの肉体を貫かれてその魂を討ち滅ぼしたことによって、オウ禍武斗の勝利に終わった。
闇文明は戦力低下を強いられることになり、後に語られるオウ禍武斗の天下無双を示す9つの物語の一つ目のお話となった。
一方で撃破されたディガロは消滅の寸前に呪いを施していたのだが、それはまた別のお話である…。

双極篇

自然文明に侵入してきた《“罰怒”ブランド》を破天九語によって返り討ちにする。
その後自然文明に入り込んできたジョーカーズが引き起こす迷惑行為に激怒、《ジョット・ガン・ジョラゴン》との命を賭けた戦闘に突入。
破天九語でジョラゴンの撃破を狙うが《ワイルド・シールド・クライマックス》によって猛攻を耐えられてしまい、逆に敗北に追い込まれた。

敗北時に折れた角はジョーカーズのマスターに回収され、その折れた角からデッキーへとパワーが注ぎ込まれたことで自然文明のジョーカーズの誕生の原因になった。

十王篇

ガイアハザードの一員として自然文明に乗り込んできた《鬼ヶ覇王 ジャオウガ》を相手に戦うが、全く良いところがなく敗れ去る。

王来篇

ジャオウガへの敗北から立ち直ったらしく、《零獄接続王 ロマノグリラ0世》とレクスターズとの戦いに加勢する。
戦いによってしか理解し合えないものがあるということを知っていたガイアハザードの思考はロマノグリラの撃破に貢献する。

王来MAX

ジョーカーズとジャオウガの最終決戦の最中、ガイアハザードとして光文明の女王の呼びかけに応えて集結する。


【余談】

  • モチーフは疑うまでもなくカブトムシであり、オウ禍武斗の紋章のデザインにも取り入れられている。
    また、この紋章は他の一部グランセクトも掲げており、オウ禍武斗の派閥であることを匂わせている。


Wiki篭りの十本の指にはそれぞれ情報があるという。
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最終更新:2023年06月30日 21:58
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*1 画像出典:Twitter イラストレーター増田幹生氏 @_masudamikio 2022年6月28日掲載より https://twitter.com/_masudamikio/status/1541731443998457857?s=20 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids