的場直樹(野球選手)

登録日:2012/04/12(木) 21:45:24
更新日:2018/04/27 Fri 20:46:55
所要時間:約 5 分で読めます




的場直樹は福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)、千葉ロッテマリーンズに所属していた元プロ野球選手。
現在は千葉ロッテマリーンズ1軍戦略兼バッテリーコーチを務める。
大阪府出身。

2000年に福岡ダイエーホークスに入団、1年目に当時の正捕手・城島健司が故障で離脱すると一軍に上がったがその後しばらくは二軍暮らしが続いた。
田口の引退以降は城島に次ぐ二番手捕手という地位にあった。

そんな彼であったが、もう一つの顔を持っていた。愛すべきムードメーカーとしての一面である。

特にキャンプにおける朝の声だしはまさに的場の独壇場で朝から参加選手を爆笑させ良い空気を作り出していた。
時には自らの前年の打率の低さをネタに用いる事もあった。

昨年はガソリンスタンドに行くのが辛い位高騰しました!
ガソリンリッター147円
僕の昨年の打率、1割4分6厘!
しかし、それも過去の話!

そんな中、2005年に大仕事が回ってくる。千葉ロッテとの熾烈な優勝争いの終盤に城島が骨折で戦線離脱。優勝を決するプレーオフでマスクを被る事になったのだ。
しかし、死闘の末に惜しくも敗れベンチで人目をはばからずに悔し涙を流す。
その時、欠場中ながらベンチに入っていた城島に「この悔しさを忘れないように(胴上げの光景を)目に焼き付けておけ」と声を掛けられ、
泣きながら真っ直ぐロッテの選手達に目を向けた。

しかしこの光景の数年後に的場に思いもよらぬドラマが待っているとは誰も知る由もなかった…。


その翌年より城島がメジャー挑戦の為チームを退団し、的場は正捕手候補一番手と目されていた。
開幕からしばらくはレギュラーとして出場していたものの、打撃の面で他にかなり後れをとり、後に成長してきた山崎勝己にマスクを譲ることが多くなった。
ただし斉藤和巳との相性は抜群であったため、斉藤が先発の時は大抵的場が捕手を務めていた。
更に翌年には打撃力に評価の高い田上秀則が台頭。更にこの頃から抜群の相性を誇っていた斉藤和巳が怪我により離脱し出場機会が激減していった。
そんな状態が続いた2009年秋、とうとう球団から戦力外を通告されてしまった。
当時、的場にはあと数ヶ月で生まれる予定の子供がおり、家族の事、自分の事、これからの事で悩み考え、そして一縷の希望を信じトライアウトに参加した。
そしてその希望を信じた甲斐あってとある球団が獲得に名乗りを上げた。

その球団こそ、4年前自らが敗れ悔し涙を流した球団、千葉ロッテマリーンズだった。

当時千葉ロッテは正捕手の里崎智也以外の捕手が伸び悩んでおり、正に的場の経験とトライアウトで見せたリードが評価されたのだった。

そして迎えた2010年、的場は飛躍的な活躍を見せた。
序盤から所々で気合いのこもったプレーを見せ、的場が打てばベンチが盛り上がるような雰囲気になっていた。
野球が出来る事を喜ぶようなその姿勢は今までの経過を知っているファンの心もガッチリ掴んだ。

そして何よりシーズン途中で里崎が怪我で長期離脱を余儀なくされた後正捕手としてマスクを被り、立派にその役割を果たし続け、
チームは猛追してきた日本ハムを振り切りついに10月1日CS出場を決める。
おりしもその日は的場がホークスから戦力外通告を受けた日から丁度一年の節目の日だった。
的場はこの日のブログで戦力外からの一年についての気持ちを語り、万感の思いを語った。
一方でロッテファンからは、「的場がいなければ里崎が居なくなった時点でアウトだった」と的場に感謝するコメントが多く寄せられた。

CSに突入したチームは西武に奇跡的な粘りで打ち勝ち、
そしてホークスにも追いつめられてからの3連勝で見事日本シリーズ出場を決め、的場は歓喜の輪の中で喜びの涙を流した。
それは以前同じヤフードームで悔し涙を流した日から5年と2日後の事だった。

以上のように、正にドラマのような経歴を辿ってきた的場だが、その根底にあるのは間違いなく野球へと注いできた努力と諦めない気持ちだった。
千葉ロッテのみならず、古巣のホークスファンにも的場を応援していた人が多い事からもその真摯な姿勢が分かると言えるだろう。
2012年は試合に出場することなく、引退。ホークスのスコアラーとして1年間活動した後、2014年からは北海道日本ハムファイターズの二軍バッテリーコーチに就任。
2017年限りでファイターズを退団し、元チームメイトの井口監督の要請を受けマリーンズの1軍戦略兼バッテリーコーチに就任した。


○余談

  • 千葉ロッテに移籍後、打席に入る時の入場曲がDJ OZMAの物から同僚の福浦和也のイタズラで突然AKB48に変えられた。
    本人も全く知らず「何でやねんと思った」そうだが、その打席でヒットを放ち結局そのまま使用を続けた。ちなみに本人はAKB48のファンではないとの事。

  • 上記の延長線上で応援歌もAKB48の「みなさんもご一緒に」になった。しかもかなり盛り上がるらしい。

  • QVCマリンの巨人相手の交流戦で雨天ノーゲームになった際、恒例となったダイヤモンド一周ヘッドスライディングにファンからの指名に応える形で登場、
    この試合解説を務めていた黒木知宏は先にこれを行っていた千葉ロッテ・神戸と巨人・太田に対し、
    「的場のを見てパフォーマンスとはこうするんだと勉強した方がいい」と話し、的場のパフォーマンスを絶賛していた。
    ちなみにその時的場はバットを持ち打席に入り、ソフトバンクから巨人に移籍し引退した大道典嘉の構えを真似するという、
    馴染みのファンからは拍手喝采、ライトなファンからは意味が分からない深いパフォーマンスを行った。


戦力外からの復活を期する人は追記・修正お願いします。

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