BLAME!

登録日:2009/11/30(月) 09:04:30
更新日:2025/04/21 Mon 22:38:58
所要時間:約 4 分で読めます




Adventure-seeker killy in the Cyber Dungeon Quest!


概要
BLAME!とは月刊アフタヌーンに1997年から2003年にかけて連載されていた弐瓶勉によるSF漫画である。
単行本は全10巻+外伝作品Noise全1巻。また、弐瓶勉の作品集ブラム学園!アンドソーオンにも後日談的な外伝や本編とはテンションが違いすぎる異なる世界線での物語が収録されている。

物語の舞台は果てしなく連なる超巨大都市構造物に覆われた遠い未来の地球、主人公の霧亥が敵対勢力と戦いつつあるものを探し続ける旅を延々と続けると言う物語。

とにかく文字情報が少ないことに定評がある。作中にナレーションや解説の類いはほとんど入らず、主人公は回を重ねるごとに無口っぷりに磨きがかかる。
その分絵による描写は緻密で、アフタヌーン本誌では印刷の質が悪いのも相まって雑誌を閉じていてもBLAME!のページは黒いので掲載位置がすぐ見つかるなどと言われた。

アニメ化の話も度々出ていたが立ち消えとなっており、正式な映像作品化は見送られていた。
後年、同作者の『シドニアの騎士』がアニメ化された際、作中で本作の登場人物がカメオ出演を果たし、単行本の新装版化発売が為される。
そして2017年5月、遂に単体の劇場版作品としてアニメ化された。
劇場版は原作前半のエピソードから、1本の映画で完結するように再構成されたものであり、原作とは設定が異なる部分が複数存在する。また、劇場版を元にしたコミカライズ「BLAME! 電基漁師危険階層脱出作戦」(漫画:関根光太郎)が発表されている。


登場人物
(一部のwiki製作者の推測・ネタバレ・wikiからの転写あり)



BLAME!の主人公。
不老不死のサイボーグと目される存在で、途方もない年月をネット端末遺伝子を探して都市内を放浪している。
物語序盤は口数の少ない少年のように描かれていたが、物語が進むに連れどんどん無口になっていき、終盤では一度もセリフが無い回も少なくない。
高威力のピストル型兵器「重力子放射線射出装置」を持っている。
都市内の人間には協力的で、時には義憤のような感情を見せるシーンもあったが、一方で、相手が珪素生物だと分かればたとえ無害でも警告なく即射殺するなど一切許容することはない。

「塊都」に存在する企業である「生電社」に所属していた科学者。実験の失敗の責任を問われ、地下の下水道のような場所に幽閉されていた。
彼女もまたサイボーグで人格はデータ化されていて、霧亥と出会ったときは腐りかけのガイコツのような状態だったが、情報提供と引き換えに霧亥に開放されてからは長身の美女のボディに人格を移し替え、その後もサナカンや「並行世界のシボ」など何度も体を乗り換えることになる。
霧亥に生電社社員の遺伝子情報データベースを提供することを引き換えに*1幽閉から開放され、協力して生電社の頭取を倒してからは彼と行動を共にする。
+ 終盤ネタバレ
東亜重工でネットスフィアに仮接続ができる遺伝子サンプルを手に入れるも珪素生物にサンプルを奪われてしまう。このサンプルを用いて珪素生物のダフィネがネットスフィアにアクセスする際にシボも便乗してネットスフィアを覗き込もうとするが、ダフィネが盗んだ最上位セーフガードのデータがシボに転写され、レベル9セーフガードへと変貌してしまう。
この時点でシボの人格の大半は失われ、特異な存在として複数の勢力に追われながら都市を当てもなく彷徨うことになる。

ネットスフィアから派遣されるセーフガードの上位個体。黒いショートヘアの女性型で、霧亥・シボの前に何度も立ちはだかることになる。
右前腕が霧亥のものよりも大型の重力子放射線射出装置に置換され、左手の機構では射出装置の重力放射線を弾く事ができる。その他にもハッキングナノマシンなどを搭載しており戦闘力は非常に高い。
+ 終盤ネタバレ
レベル9に変貌したシボの護衛として、今度はセーフガードではなく統治局の使者として基底現実に転送される*2。このときの姿はより人間的で大人の女性のような姿になっている。



用語
  • ネットスフィア
①霧亥の旅する巨大都市構造体。(基底現実とも)
内部はメガストラクチャーという通常火器じゃ傷つかない剛体によって区切られ、外部は海に覆われている。
「厄災」と同時に建設者という作業機械達が暴走を始め、無秩序な増改築が繰り返されている。

②極端なまでに発展・拡大したネット上の仮想現実。仮想現実の事象を基底現実にダウンロードできる。
端末遺伝子保有者はネットスフィアのサービスを利用できるが、作中 正規のアクセス利用者は一人もいない。

ネットの基盤はメガストラクチャー(超構造体)にフィラメント上に埋設され、無謀な増改築が新たな基盤との連結を不安定にさせカオスを加速させている。

  • ネット端末遺伝子
ネットスフィアへの接続に必要な通行手形。遺伝子に刻まれている。かつてはほとんどの人が持っていたが、「厄災」によってほとんどの人がネット端末遺伝子を変異の跡を残し消失してしまった。
このため、現在の人間は「ネットスフィアに登録する権利がないのに、ネットスフィアに住んでいる不法居住者」扱いになっており、セーフガードに排除=抹殺される危険にさらされ続けている。
時代が古い遺伝子サンプルは変異が少なくネットスフィアへの仮接続が可能であったり、生電社がネットスフィアにアクセスするためにそれらしきものを合成したりするなど、ネット端末遺伝子に準ずるものもあるようだ。


  • 重力子放射線射出装置
絶大な貫通力を持った武装。その名前の通り重力子を利用した銃で、作中では殆どの構造物を貫通できた。
また威力を調節する事ができる。威力が低いほど連射ができるが、威力が高いと反動が大きく、腕が折れたこともあった。
霧亥、サナカン、霧亥クローンは銃型。巨大セーフガード大嚢王は口にあたる部分にこれまた大出力の大砲型を装備していた。




  • 東亜重工
霧亥のシボが旅の途中で立ち寄る巨大建造物。
円筒状で外観に東亜重工の文字が書かれていたのでこう呼ばれる。

元来、他の星々への植民船だったが、何らかの理由にて都市構造体に捕われてしまったもの。


〈ネットスフィアの勢力〉

  • 統治局  +|+
ネットスフィアの管理プログラム。しかし都市が暴走し、なおかつネットにアクセスしてくる者がいない現在は正常に機能していない。
霧亥に接触しネットの正常化の望みを託す。
プログラムの割に融通が聞く性質なので、限られた権限の中で都市を救う探索者のサポートに奔走する。
下層階層では統治局とセーフガードが混同されている場所もあり、統治局が人間を排除していると思っている人もいる。


  • セーフガード  -|-
ネットスフィアの独立プログラム。ネット端末遺伝子を持たない人間や不正アクセスする者を駆逐するウイルスチェッカー。人間の天敵。
様々な固体がいてレベルを定められている。多くは珪素基系の固い外皮を持ち、人間達の武器では歯が立たないことが多い。
強力な個体を上位セーフガードと呼ばれ、意思を持った者は駆除系を統率したりもする。偽装セーフガードという変装形態は大体人間の子供である。




 駆除系
最も多く出現するSG。数を活かした物量作戦で人間の集落を壊滅する。
珪素生物相手には少々力不足感が否めない。
そのデザイン性が評価され、ウィル・スミス主演「アイ・ロボット」にほぼ主役で出演した。多分許可はとってない。

本編で主人公に敵対する生物、主人公に先代からの積年の恨みがある。
厄災に何らかの関わりがあり元々は人間だったらしい(外伝Noiseに珪素生物の生まれたことについて書かれている)




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最終更新:2025年04月21日 22:38

*1 実は、この時点で彼女はデータベース内にネット端末遺伝子が無いことはわかっていて、事実上霧亥を利用したことになる

*2 ただし、この女性がサナカンであることが明言されるのは最終盤になってから