空間把握能力

登録日:2010/11/28(日) 10:51:48
更新日:2025/04/25 Fri 12:44:10
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「空間把握能力」とは、文字通り空間(三次元)を把握する能力のこと。
少し具体的に言うと、その空間の中にある物体の形や大きさ、位置関係や方向を把握する能力のこと。
例えば地図を使って目的地に行く際、現在地と目的地の位置関係を把握したり、目的地へのルートを決めたりする時にこの能力が使われる。
英語で言うと「ability of spatial perception」となる他、「空間認識能力」と呼ばれることもある。

一般的には、この能力は女性よりも男性の方が優れているとされる。
一説には、原始の時代において男性は狩猟、女性は果実の採集などの役割分担がなされており、
男性は狩猟の際、逃げ惑う獣を追い立てたり、隠れている獣を見つけたりする能力が必須となったことと、
狩猟のために遠くまで出て行っても、狩りが終われば元の住処に戻る必要があったためとされる。
その他、繁殖のために場合によっては遠くまで旅をし、繁殖相手となる女性を見つけなければならなかったためとも。
一方の女性は、大木などを目印にしての採集が主で、男性のように狩猟を行うことが少なかったこと、
そもそもとして女性が移動する範囲そのものが広くなかったことから、男性ほどは空間把握能力が必要なかったと考えられる。

また、空間把握能力が高い男性ほど狩りへの貢献度が高くなり、必然的に原始社会において一目置かれる存在となったため、
そういう男性ほど女性からも熱い視線を向けられ、より多くの子孫をこしらえることが出来たと推測される。
現代において空間把握能力は一般的に男性の方が高いと言われるのも、
原始の時代、空間把握能力が高かった男性の子孫が多く生き残っているから…なのかもしれない。

その他、現代社会においては男性のほうが幼少期に空間的な遊びにふける可能性が高いということもある。
つまり、男子は狩りをまねたような鬼ごっこやパズル的な要素を含む積み木遊びなどを好む者が多く、
一方の女子はあまり身体を動かす遊びを好まず、ままごと等を好む者が多いというような感じである。
折り紙やあやとりは両方やってね?という気もしないでもないが。

こうした能力の形成には、いわゆる男性ホルモンも関わっているため、
特定のホルモンの注入によって女性(ないし雌個体)が空間把握能力を向上させることも可能である。

もちろん個人差はあるし、ジェンダーバイアスそのものが個人の能力行使に対し抑圧となることも考えられるので、
一概に性別で決められることでないのは留意しよう。


地図を読んだり、立体の展開図や軌跡を頭に浮かべる時に必要になる力で、
それを苦手とする人が俗にいう方向オンチである場合が多い。


そしてこの力をフルに活用しなくてはならない身近な作業といえば、
三次元を二次元に変換(二次→三次)、つまり絵を書く時である。

空間を意識しないで絵を書くと、配置や縮尺が不自然であったり、見る側に違和感を与えるものになってしまう。
立体錯視などはこれを意図的に利用し、表現したとも言える

逆にこの力が優れている人なら、写真一枚からその全体像を把握し、
写っていない部分も違和感なく書き起こせるというのだから驚きである。


空間把握能力を鍛えてみたいなら、いくつかの方法がある。

  • 空間的なパズルやブロック遊びをやってみる。Minecraftを始めとする電子ゲームでも可。
  • サイズや形についてなどの空間言語を使う、使わせる
  • 位置を示すジェスチャーを使う、使わせる
  • 地図で遊ぶ
  • カメラで遊ぶ

その他、視覚や聴覚が不自由な方の中にも、それらの能力を補うため、空間把握能力が鋭敏になっている人が見られる。
特に視覚が不自由な方の中には、音の様相で周囲を正確に把握できる人もいる。いわゆるエコーロケーションである。
嗅覚や触覚がうまく働けば分子レベルで何があるかというのが距離感ごと掴めたりもするだろう。


SFアニメとして有名な『ガンダムシリーズ』においても、この空間把握能力が必要と思われる兵装が多く登場する。
ビットファンネルドラグーンGNファングといったオールレンジ攻撃が出来る兵装がそれだ。
端的に言うと、これは自身の脳波で操ることが出来る小型のビーム兵装等を射出し、目標(敵機)を四方八方から狙うというものだが、
自機と敵機との位置関係や、どこから狙えば敵機のどこに命中させられるかなどの把握には、高い空間把握能力が必須となるだろうし、
これらの兵装を上手く扱える「ニュータイプ」という者たちも、必然として優れた空間把握能力を持つと推測される。
ちなみに、このうち「ドラグーン」が登場する『ガンダムSEED』シリーズでは、劇中等でも「空間認識能力」等の単語が登場しているが、
『SEED』の劇中では(外伝作品を除いて)「ドラグーン」とその前身である「ガンバレル」を上手く扱えた者は二人しかいなかった*1ため、
十全にこれらの兵装を扱うには、非常に優れた空間認識能力(空間把握能力)が必要となることが窺える。




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最終更新:2025年04月25日 12:44

*1 物語開始前には「ガンバレル」の操縦適性を持つ者たちが集められた部隊があったが、ある作戦で一人を除いて全滅している。