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レイクライシス

登録日:2011/04/07 Thu 16:31:14
更新日:2026/05/04 Mon 23:22:58
所要時間:約 10 分で読めます




もし運命が変えられるのなら過ちを犯さずに済むのだろうか?

その時が分かったとして正しい判断を下せるだろうか?

何度やり直したとしても、運命を変える事など不可能なのかもしれない…


しかし、そこに生きた証だけは違うと信じたい。







『レイクライシス』とは、タイトーが1998年に発売した縦スクロールシューティングゲームである。
レイフォース』・『レイストーム』に続くレイシリーズ3部作のトリを飾る作品であり、レイフォースのエピソード・ゼロ……つまり前日談となる作品。それ故にストーリー的に待っているのは……


<STORY>

世界中のコンピュータネットワークが連結され、人と機械の領域の境を埋める技術、ニューロネットワークシステム“Con-Human”が完成。
それによって生み出された技術との連動により、世界は資源革命を迎え、機械世紀(M.C.=Machinery Century)が始まった。
増加する人口対策として惑星間航行技術を手にした人類は、惑星開拓に希望を託し、多くの船団を宇宙へ派遣し、探索を開始した。
それから、約1世紀が経とうとしていた……。

M.C.0098
外惑星探査船団の報告により、外惑星植民計画に適合する惑星は発見されず、計画は事実上凍結せざるを得なかった。
この為、同時に並行して進んでいた衛星セシリアへの移民計画に、方針は一本化された。
この結果は“Con-Human”に新たな人類存続の方法を模索させることとなり、「永久的な人類存続」という命題とその方法の欠落というパラドックスは、やがて“Con-Human”の異常動作の引き金へとなっていく……。

M.C.0108
機械神経学者のレスリー・マクガイアは、クローンと“Con-Human”を接続し、有機体と無機体の整合性理論の実験を行っていた。
しかし、その実験の途中で突然“Con-Human”が接続を拒否、クローンの意識体はネットワーク内にとりこまれてしまう。
実験の過程で“Con-Human”は人類存続の方法として、人類と機械との「融合」に新たな可能性を見い出し、意識と機械との「融合」から発生した擬似生命を守るべき種と判断。
人類の排除(人体と意識の分離)を選択したのである。この実験の直後、“Con-Human”は世界中の軍事施設を用い、人類の大量虐殺を開始した。
暴走を食い止めるため、レスリー・マクガイアは自らも“Con-Human”に連結、ニューロネットワークとの接続媒体“Wave Rider”を使用し、ネットワーク内に侵入した。
擬似映像化されたネットワーク世界で、彼はクローンの意識体を発見する。
しかし、すでに意識体は新しい生命種として、自己保存のためにネットワークへの侵入者に対して無差別に殺戮を開始。最後の砦たる“Con-Human”の非常制御用プログラムをも侵食し始めていた。






はたして、この暴走を食い止めることができるのだろうか?
それとも……。
運命の分岐点はすぐそこまで来ている……。



<ゲームの特徴>

前作レイストームの物を踏襲しつつも、数々の実験的な要素を取り入れた意欲作である。

レイシリーズ伝統の「ロックオンレーザー」は健在。集中ロックでの「ハイパーレーザー」もばっちり受け継いでいる。
だが以前のシリーズに比べて改良されており、本作では照準を下の方まで動かす事ができるようになった
更に前作でのスペシャルアタック(要はボム)は「ラウンドディバイダー」に変更。
自機から全方向に放出される巨大なリング状のエネルギーによる画面全体攻撃に変更された。
加えてラウンドディバイダー発動用の専用ボタンが追加されて1レバー+3ボタンとなっている*1
ハイパーレーザー・ラウンドディバイダーによる攻撃にも倍率がかかり、これらによる稼ぎが熱いのは前作同様だが、本作では更に1度のハイパーレーザー・ラウンドディバイダーで獲得したスコアの合計が表示されるスコアラーの心を更に熱くさせる要素が搭載。

演出面においても従来のものとは一線を画す。スタート時に選択したステージによってBGMが決定、4面ボス撃破まで一貫して1つの曲が流れるのである。
曲の盛り上がりとボスの登場、撃破がシンクロするなど、過去と比較しても比類ない演出といって過言ではない。
2面がどのマップになるかで流れる曲が変わるのだが、特に高空マップから開始した場合に流れるBGM「生命の風が吹く場所」は、ゲーム・ミュージックの1つの到達点とさえ評されることもある。
1~4面通しで流れるため、 1曲が10分超と非常に長い。
ちなみに基板では-A、-B、-Cと3分割で入っているとのこと。
ストーム同様こちらも長らく基板版のサントラが発売されていなかったが、20周年記念BOXにて初収録。
長年サントラの音と基板の音が別物すぎるという不満は解消されたものの、今度は予約し損ねた人にとっては入手が困難という事でやっぱり解消されていない。

併せてストームで一度廃止されたステージ間のシームレス演出が復活。
1つの背景で地続きで進行したフォースと異なりステージ間はリザルトと共にステージ移動演出が挿入されるが、フォースとストームの各演出を高レベルでまとめた上で昇華したSTGにおける演出の到達点の1つといえよう。

AC版は基板(G-NETシステム。PS上位互換基板)にセーブ機能が搭載されており、イニシャルとパスワードの入力でゲームの進行度などのデータを記録できるのも大きな特徴。
ただし、登録出来るのは64人までという上限*2があり、プレイ結果を盗まれる可能性などの問題点も多い。

こうして多数の新要素を盛り込んで世に出された本作だが、前2作より評価が下に見られやすい不遇なタイトルであった。
シンプルだった前2作に比べて難易度*3やシステムに由来するパターン構築の難しさ、「インカム重視」と捉えられかねないステージ数の短さ*4から前2作ほどの評価は得られず、更に時期が対戦格闘ブームであったが故に商業的には芳しくない結果に終わった。前2作と比べて全容の掴みづらい複雑な世界設定や癖の強いBGM*5も不遇な評判を後押ししてしまった感は否めない。*6

しかし基板によるセーブ機能の搭載や、その尖った作風・BGM・世界観&演出は今なお評価できる点が多い。


<SYSTEM>

自機

今作の自機は「ウェイブ・ライダー(WaveRider:WR)」というネットワーク接続用のユニットであり、全3種類存在する。
なお、某可変MSの事ではない。

  • WR-01R



1号機。前作の「R-GRAY1」とほぼ同性能だがショットの拡散幅が若干狭くなった。最大ロック数は8。
癖が無く扱いやすいのは相変わらず。前作で不安だった火力面もハイパーレーザーの威力上昇の恩恵を受けて改善。
更にスコア倍率が最大256倍に上がったことで他の機体に負けず劣らずの稼げる機体に。

  • WR-02R



2号機。前作の「R-GRAY2」とほぼ同性能。最大ロック数は16。
よくレーザーが迷子になる為防御に難がある攻撃特化。
ハイパーレーザーは前作の大型ブラックホール展開から高威力の爆発を広範囲に複数発生へ性質が変更。
回転率を重視してあえてレーザー本数を強化しないという選択肢も。
なお、タイトル画面やメインビジュアルで描かれているのはこの機体である。
AC版ではスコア稼ぎ関連で洒落にならないバグがある不憫な機体。メインを飾ってる機体なのに…。

  • WR-03


隠し機体の3号機。データを保存して条件を満たせば使えるようになる。家庭用版ではデフォルトで使用可能。
何とレーザーを撃たないシリーズにおいて掟破りの機体。勿論ハイパーレーザーもない。
代わりとして全方位のホーミングミサイルと、この機体のレーザーに当たる「光子魚雷」を装備。最大ロック数は32。
この魚雷はロックオンレーザーボタンを押したまま敵へロックすることで自動的に発射され、更に爆風が残っている内に次弾を当てる事でヒット数が増加する、という特殊なロックオン兵装で、倍率はこのヒット数と同じ数値になる。最大255倍
他の2機と異なり長時間255倍をキープ出来るため、現在最も稼げる機体となっている。
ちなみにAC版ではホーミングミサイル、魚雷共にソフト側のボタン押しっぱによるオート連射が最速ではないようで外部連射装置をつけることで凄まじい連射が行えるようになり、火力が大幅に増す。
ラウンドディバイダーが暴発しやすくなる欠点はつくものの、連射装置付きでは火力と攻撃範囲を両立させた万能機体に変貌する。

ステージ

今作は全5面構成。
そのうち2、3、4面は下記の5つのマップの中から3つがランダムの組み合わせ(「マップセット」)で選出。
データを保存していた場合、次回プレイ時に前回と同じマップセットか未プレイのマップセットのいずれかを選ぶ事になる。
同じステージでも後半に来るほど激しい弾幕が展開されるので、苦手な面を前半、得意な面を後半へ、など戦略性も求められる。
マップセットは全42通り。ほぼ全てのマップセットをプレイ済みのアカウント、または隠しコマンド入力で任意のマップセットを選べるステージセレクトが解禁される。

なお、舞台は全て「Con-Humanの意識領域」である。
ステージ1の「自己領域(SELF PART)」を起点として、それぞれ「都市(知能領域)」「高空(記憶領域)」「砂漠(感情領域)」「水中(意識領域)」「都市・夜(思考領域)」となっており、ステージ4クリア後に「自己領域」に戻り、演出を挟んでラスボスと戦闘……という流れになる。




侵食率システム

本作の舞台となる「Con-Human」内のネットワークは、常に暴走する「Con-Human」に侵食されており、それが侵食率というパーセンテージで表示されている。
そして基本的に侵食率が低いほど敵の攻撃に殺気がみなぎる傾向にあり、高いほど攻撃は穏やかになる。

今作の敵は「Con-human」の防衛システムであり、逃がさずに破壊していれば侵食率が減少。ロックオン武装でまとめて倒すと減少量が多くなる。
また、ステージ2~4のボスを速攻撃破する事でボーナスとして撃破までの時間に応じて侵食率を最大20%減少させることが可能。
逆に敵を逃がすと侵食率が上がっていき、100%になると……

問答無用で最高難度固定のラスボスが強制乱入してくる。しかも、もし倒せてもバッドエンド直行。
何?真ボス倒しても結局バッドエンドだろうって? ……アーアキコエナーイ*11

ただ侵食率が80%を超えるとゲージ減退率の高い敵が湧いてくるので、意図的に敵を逃しまくるようなプレイをしない限り100%に達する事はまずない。
普通に遊ぶ分にはそこまで気にする必要はないだろう。

また侵食率0%に近いほど得点ボーナスが上昇し、100%に近いほど低下する。ただし、90%時は例外的にボーナスが高く設定されている
あれ?と思った方は頭の回転が早い。つまり90%を維持するチキンレースに挑めば、難度をそれとなく抑えつつ高い得点を得られるのである。
その分、しくじって100%に到達するリスクはあるが、ね?


<家庭用版について>

無論、他のレイシリーズと同様に家庭用ゲーム機(PS)にも移植されている。PS上位互換基板である「G-NET」とのスペック差によりPSにはそのまま落とし込めなかったせいか、AC版と比べてシステムや演出に改変が加えられている*12。なお同時期にPC版もあるが、これもPS版準拠の移植。

当初は外注メーカーによる移植の予定だったが、今までアーケード作品の家庭用移植を依頼した外注メーカー全てに蹴られてしまったため、タイトー自ら移植作業を行った逸話がある。

……ただ、PS版は正直評価はあまり高くはない。変更点を上げると……

ロード時間の挿入によってシームレス進行じゃなくなった&密かにボスのリング状のライフゲージも削除されている
演出面の最大の欠点であり、本作の移植でよく言われる減点要素。媒体が媒体だけに仕方ない、とはいえ……
ダライアスを彷彿とさせるボス前表記や原作と異なるCONNECT演出など、工夫している面は見られるが。
ちなみにPC版はこのロード時間が一瞬で終わる

また同じく演出面の変更点として、各エンディングが大まかな内容こそAC版と同じだが細部が修正されている(ノーマルエンドであった自機がノイズに飲まれていく演出がPS版ではバッドエンドのみに移動している等)。
さらにノーマル、バッドエンドではエンディングのラストに結末を示したメッセージが追加され、内容をある程度把握しやすくなっている。

1人専用になった
それに伴って画面レイアウトも大きく変更されている。
一番わかり易いのがスコアと侵食率の配置。侵食率が1行だったらアーケード版。スコアなどもそれぞれ左右に表記されるようになっているが、家庭版ではスコアは右側固定、侵食率は2行表記である。
さらに家庭版は自機カラーを赤、青、緑*13、黄色の4色から選択可能。

ステージセレクト方式の変更
AC版の「全42通りの組み合わせをランダムまたは任意で選択」から「一面毎にそれぞれのステージを自由に選択する」方式へとわかりやすく変更。
これにより、AC版ではできなかったステージの重複選択も可能になった。

スペシャルモードの追加
掻い摘んで言えばフルパワー&ノーコンティニューでの全ステージ通しプレイ
ステージ順が固定。条件付きだったInfinityも強制出現となる。
コンティニュー不可と一見キツイ内容に見えるが、アイテムで残機を増やしまくれるため、生存目的であればかなり遊びやすいPS版ならではのモード。
このモード専用の新曲も収録。5面+5ボス通しのメドレーということで、サントラ版は23分を誇る長編曲。
なお、このモードでは浸食率が100%になってもラスボスは乱入してこないが、スコアがマッハで減っていくペナルティ*14がある。
条件を満たすと獲得するとスコアが2倍になるアイテムが出現したりと等スコアアタックも熱いが、完走できなければ問答無用で0点(=記録が残らない)で処理される。

隠し機体の変更
上記の通り、WR-03がデフォルト機体に。代わりに前作のR-GRAYシリーズ2機が隠し機体として参戦*15
こちらはボムがスペシャルアタック、照準の下方向移動が不可とストームとほぼ同仕様だが、攻撃力が大幅に強化されている。
更にinfinity戦でスペシャルアタックを発動してもカウンター攻撃が飛んでこない強みを持つ。

infinity出現及びトゥルーエンド条件の緩和
コンティニュー5回以内で5面のdis-human撃破に変更。
早い話、道中ステージでノーコンティニューさえ出来ればまず確実に真ボスに会えるようになった。
更に残機数設定の変更は不問なので最大の9機に設定することで格段に出現させやすくなりAC版と比べると滅茶苦茶緩和されている。

条件を満たせなかった場合でもエンディング内でヒントが入る。


あと細かいところでギャラリーモードや周辺機器ポケットステーション用ミニゲーム「POCKET RAY」なども追加されている。*16
また、サウンドテストのみで聴けるレイシリーズファンに向けた新曲が収録されており必聴。

なお、SIMPLEシリーズでストームとカップリングして発売もされている。
が、こっちはこっちでBGMが2曲削除+ストームも劣化移植になっているという…


iOS/Android版は一人プレイ専用になった以外はAC版のほぼ完全移植。
ACモードに加え、PS版スペシャルモードのBGMで全ステージ通しで遊ぶ「リミックスモード」が追加。
こちらはシステムがAC版準拠になっており、終盤は上がりに上がりまくった内部ランクによる猛攻に晒されるため難易度はかなり高め。
WR-03は最初から使えるが、真ボスの出現条件はAC版準拠。またR-GRAYシリーズ2機等のPS版での一部追加要素はなし。


更に、2023年3月9日にはレイシリーズ3部作+αを収録した「レイズ アーケード クロノロジー」(Switch/PS4)が発売された。*17
これもAC版準拠の移植であり、ゲームの細かい操作要素を見れる「M2ガジェット」や高画質版モード「レイクライシスHD」が新たに搭載されていることを除けば、あくまでAC版のエミュレーション移植のため。WR-03が最初から選べない仕様である点は注意。
それでもPS版ではハードの制約上成し得なかった「AC版の完全移植」である事は間違いない。
スペシャルモードは当然未収録だが、やはりステージBGMだけは収録されておりオプションで変更する事が可能*18



追記・修正はCon-Humanにダイブして暴走を食い止めてからお願いします。
画像出典 Ray’z Arcade Chronology
©タイトー


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最終更新:2026年05月04日 23:22

*1 前作と同じくショットボタンとロックオンレーザーボタン同時押しでも発動可能

*2 これを越えた場合は古いデータから上書き消去される

*3 弾幕シューティングの影響を受けてか、これまでのシリーズと比べて弾の密度がかなり濃い。ただし自機の当たり判定も過去作と比べてやや小さく設定されている。

*4 形式上は「全5面」構成だが、ステージ1はボス不在かつ道中が短いチュートリアルステージ。ステージ5はボス戦のみなので感覚的には「全3面」構成といってよい。

*5 ミニマルテクノやブレイクビーツ等の同じフレーズを繰り返しながら少しずつ変化をつけていくクラブミュージック調であり、じっくりと聞く事が難しいアーケードゲームと食い合わせが悪く、また「分かりやすい」テクノ系ミュージックだった旧2作との曲調の違いっぷりに戸惑うプレイヤーが多かった。

*6 そして、『レイストーム』同様本作も自機のエクステンドは一切無いことも不評の一因になっている。

*7 マップのクリアは不問

*8 dis-human戦以降は侵食率が上昇しなくなる

*9 ロックオンレーザーで撃ち込むことでブラックホールの速度を落としたり消去することができるが、溜めた後は高速で突っ込んでくるため相当速い連射を叩き込めないと厳しい。

*10 と読み取れる演出だが、80年近く経っているので同遺伝子の別クローンとも考えられる。

*11 一応、PS版ではこちらのバッドは母星脱出すらできずにCon-Humanに殲滅されたワーストエンドであることが示唆されている

*12 敵配置や攻撃パターン等の攻略に関わる部分はほぼ忠実移植といってよい。

*13 『レイストーム』家庭用移植版のR-GRAY0と同じ灰色に近い緑。

*14 概ね1秒あたり6万点ずつスコアが減少していく

*15 デフォルトの3機体全てでトゥルーエンドでクリアすると解禁。

*16 これのクリアデータをロードするとオプション設定に「スペシャルアタックのゲージ増加速度を3倍にする」項目が追加される。

*17 遅れて2023年9月にはWindows(Steam)版も発売された。

*18 ステージ以外のBGMはオープニングとノーマルエンドを除きアレンジアルバム「rayons de l’Air」の曲が流れる。