レイフォース

登録日:2010/03/03 Wed 18:46:11
更新日:2024/03/13 Wed 11:33:56
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運命にあらがう人類は、その答えを一つの作戦に託す

―――――"OPERATION RAYFORCE"。


STORY

時は未来、革新的な物質生成技術によってエネルギー問題を完全に解決した人類は年号をMC(機械世紀)に改定。
このシテムを統括し、世界中の主要コンピューターを結ぶニューロネットワークシステム「Con-Human」は、人類が常に頭を抱えてきた社会問題のほとんどを解決し、人類は100年近くの平和な時を過ごしてきた。
しかし、「Con-Human」はある日突然、惑星上のあらゆる生命に対して大量虐殺を開始した。
永きに渡る稼動の末、「Con-Human」は人類の存続よりも、己の進化を選び取ったのだ。「Con-Human」は惑星そのものを己の肉体として機械化し、気象までをも操作し始める。ささやかな抵抗を続けていた人類は、もはやこの母なる惑星が元に戻らぬことを悟り、宇宙へと逃げ延びる。

しかし、「Con-Human」の攻撃は宇宙にまで及び、ついに人類は己の生まれ育った惑星の完全破壊を選択するが、想定以上の「Con-Human」の戦力に、第一次攻略戦は人類側の惨敗に終わる。

そして3年後、試験中の事故によって開発が中断していた試作戦闘機「RVA-818 X-LAY」を投入し、人類は最後の戦いを開始する。
「Con-Human」を…己の母星を破壊するために。


概要

『レイフォース』は1994年にタイトーが制作したシューティングゲーム。
1994年当時のSTGとしてはボムが無くショットも一種類のみなど、一見して時代を逆行するようなデザインのゲームであった。
しかし、逆にそのルールの分かりやすさとゲーム性の高さから、初心者から上級者まで楽しめる出来に仕上がっており、今なお名作として名高いゲームである。

このレイフォースにおいてもっとも特徴的なのは自機『X-LAY』に搭載された「ロックオンレーザー」の存在である。
作中には高度差の概念が存在し、自機よりも低い高度の敵に対してサイトを合わせることで、最大8つの敵機へ必中のレーザーを放つことができる。
また同時にロックオンして破壊した敵には得点に倍率がかかっていき(×2、×4、×8…)、最大で128倍もの倍率にまで発展する。
初心者は得点にこだわらすどんどん敵機を破壊することで、相対的に難易度を低下させることもできるほか、
スコアラーは「どうやって一番スコアの高い敵を最後にロックして破壊するか?」というパターン構築に邁進する事になる。
そしてそうした場合、最初に自爆してレーザーアイテムを回収するのはお約束

ドット絵は細部までとても緻密に描かれていて、今なお見劣りしない。最早「異常」の域に片足を突っ込んでいる。
どう見ても3Dにしか見えないシーンもちらほらあるが、全てドットの2Dイラスト。一度動画サイトで覗いてみるといいかもしれない。
ゲームの分かりやすさ、馴染み易さに加えて、演出面の出来も全STGトップクラス。
敵母星をバックに推力を上げる場面、艦隊戦、ワイヤーフレームで現れる敵衛星、シャッターをかいくぐり中枢へと侵入する場面…等々。
特に最終ステージは鳥肌レベルの背景。これ全部ドットなんだぜ……?

何よりステージ移行がシームレス*1という気合の入れようで、それだけでも賞賛できるにもかかわらず上記のようなドットの作りこみもあって、演出のみでバックストーリーを表現する「演出STG」の概念を完成させ、
「敵母星に潜入し中枢を破壊、これを壊滅させる」という展開に緊迫感をもって感じることが出来る。

ZUNTATAのTAMAYO氏が手掛けた音楽もどれも秀逸。特に1面「PENETRATION」は人気が高い。
「曲聴くためにやってた」という方もやはり多い。というか筆者が(ry
最初は熱のある曲だが敵中枢に近づいていくにつれて抑揚のない冷めた曲へと変化していくのも特徴である。
当時サントラも発売されていたがAC版のものは存在しなかった、2005年にAC版の音源を収録したレイシリーズのサントラが発売された、が一部の曲のテンポがおかしかったりと不備があり、2017年に全てのレイシリーズのAC版音源を収録した11枚組サントラが発売された。

しかし、稼働当時の90年代のゲーセンは対戦格闘が主流で、名作でありながら基盤の出回りがあまり良くなかった。
ゲーム雑誌ゲーメストにおいても、「もう少し出回っていれば…」とコメントされている。
またシリーズ続編はゲーメストムック本に敵ボスの詳細などが記載され敵の掘り下げも深くなっているだけにそういった本が存在しないことも悔やまれる。

後続の作品にも大きな影響を与えており、ノンストップの演出はスクウェア製STG「アインハンダー」などにも受け継がれた。
ロックオンレーザーも同人STG「神威」「GENETOS」「CrimsonClover」など様々な作品にアレンジされ受け継がれている。


ステージ構成

@AREA1『敵本星リング状小惑星帯』
敵本星リング内の建設中の基地を襲撃・突破する。名曲「PENETRATION」はこのステージの曲である。
ボスは『デュアル・ランス』。基地内で建造中の小型戦艦。
2本の長砲身のランチャーが槍のように見える事からその名が付けられた。
…でもレーザーを撃ってくるのは本体の方だったりするのは内緒。

@AREA2『敵本星衛星軌道』
味方艦隊の陽動と同時に敵本星の衛星を突破する。ボス前の味方艦隊が沈んでいく演出に涙。地味に通信も……
ボスは『ギラソル』。本星衛星軌道上を浮遊する防御衛星。半径40km以内なら何処からでも空間転移してくるヤバイ奴。
初心者キラーだが、本体中心部をレーザーで攻撃してるとワープ機構が誤作動を起こして弱点を露出するおちゃめさん
割と他の作品の方が有名になった「へにょりレーザー」の原点はこいつ。


@AREA3『敵本星上空』
大気圏突入して敵本星へ潜入。浮遊大陸を抜けて雲海へ。よく見るとギラソルが堕ちた跡が……
ボスは『ギガ』。本星大気圏内を飛行する大型航空機動兵器。
シャフトに搭載されている武装によって様々なタイプがあるというが、
X-LAYが相手をするのは未確認のタイプで、先端部には謎の発光体を搭載している。
「ストーム」のヴェルギンゲトリクスはこいつのオマージュ。

@AREA4『敵本星地表付近』
雲海を抜けて地表へ。大地の割れ目より地下へと進攻する。
ボスは『G.P.M.S.-2』。「地表を暴れ狂うカニ」というぼやきがそのままコードネームになった奴。
倒すだけなら片側2本の足をもぐと、そのまま落下して終了するおちゃめさんパートⅡ。
だが、やたら追尾性の高いレーザーなど、正面から戦うと中々苦しめられる。

@AREA5『敵本星地下都市』
地下都市のビルの合間と高速道路を疾走、終点のシャッターから更に深部へ。
ボスは『オーディン』。深部への移動チューブ内で発見された人型機動兵器。
黄金色の装甲と重武装を持ち、苛烈な攻撃で幾多のX-LAYを沈めた。
なお設定資料集によると、推定ではあるが全高は130m。実はイデオンよりでかい。

@AREA6『敵本星地下奥深部』
地下の水が枯渇した巨大な排水溝を進む。この辺から本当に地獄が待っている。
スマートボムを連射する巨大戦車と何度壊しても復活する謎のパイプ地帯が難所。
ちなみにこのパイプ、正体は開発者にも謎らしい…。
ボスは『ダイナモ』。中心部へ向かう通路を守る防衛システム。
核融合炉ではないか、と言われており、事実レーザー系の兵装が非常に充実している。地味に曲がるレーザーに注意。
「ストーム」のスパルタカスはこいつがモチーフ。


@AREA7『敵本星中心核』
敵本星中心部に到達。巨大な地下都市上空から中央の塔へ。そして、待つのは……
ボスは『Con-Human』。全ての元凶であり、機械生命体とも言える存在となったモノ。
「クライシス」の表ボスであるdis-humanはこいつのプロトデータで、両方やってるとニヤリと出来るかも。
最終形態のナタデココ食い放題で稼ぐのはスコアラーの宿命



移植作品

SSとPC版は「レイヤーセクション」の名で移植されている。
当時同じ名前の会社があった為の処置であったが、実はこの名前は開発時の仮タイトルでもある。
それ以外には「タイトーメモリーズ上巻」収録作品としてのPS2版、スマートフォン版もある。

SS版はかなり優秀な出来。音源にやや違和感があったり、敵配置が変更されている点もあるが、
敵配置に関してはアーケード準拠モードがある。縦置きモニターが必須だが。
2022年にはこのSS版をベースとした移植版「レイヤーセクション&ギャラクティックアタック Sトリビュート」がNSW/PS4/Xone/Steamのマルチタイトルとして発売。*2

更に、2023年にはレイシリーズ3部作+αを収録した「レイズ アーケード クロノロジー」の発売が決定している。




外部出演

●ダライアスバースト クロニクルセイバーズ
タイトーコラボDLCとして、インターグレイブラックフライと共に参戦。

メインショットは射程制限(最大強化で画面の4/5ほど)があるが連射力、威力共に高い。パワーアップで原作通り青→緑→赤と色が変化するが、緑にはウェーブ属性、赤にはミサイル属性がつく。アイテムは緑のみ出現せず、赤については見た目が赤い正四面体になり動きが原作のものになる。(緑色の敵を倒すと緑玉の代わりに得点アイテムである銀玉が出て来る)
自機前方のロックオンマーカーに敵をロックしてからバーストボタンを押すことでロックした最大16体の敵を攻撃する「ロックオンレーザー」を発射する。(なおロックオンマーカーは原作より大きく更に自機が左端にいるときに左に動かすとマーカーも左に行くレイクライシス仕様なので原作よりロックしやすくなってる)
ボタンを短く押すとロックオンした敵に高威力・倍率有り(ロックオン数÷2(小数点切り上げ)で2倍~8倍、本体倍率と合わせるとカウンター以外の手段では全機体最高となる最大128倍)の赤レーザーを一斉発射する。押しっぱなしでロックオンマーカーが大きくなるが低威力・倍率なしの連射レーザーになり、多数の敵を一気になぎ払う事ができる。

本体のショットの性能の高さもあって単体の敵に対する殲滅力は非常に高くオリジン、セカンド以上だが大量のザコ敵に対する制圧力が低く(連射レーザーが1発ずつ発射のうえ着弾するまで次のレーザーが出ないのが原因)、スコア稼ぎの手段が赤レーザーしか無いため稼ぎを考え出すと道中の編隊最大ロックはもちろんのこと、中型以上を最大ロックでとどめを刺すためのダメージ調整まで始まるが敵が少ないと倍率が伸びず、多過ぎるとロックしきれず逃してしまうためスコア稼ぎには熟練が必要。



余談

@海外AC版は「Gunlock」の名で稼働している。日本版と異なるのは1面冒頭に登場する戦艦の色が青くなっている点(日本版は銀色)。
@本作のヒットを受け、続編として「R-GEAR」という作品が開発されていた。
基板の強化や新しいロックオンレーザーを搭載した機体などの要素が組み込まれていたが、開発が「レイストーム」に移行する形でお蔵入りする結果に…
この時の新自機がストームの「R-GRAY2」であり、この経緯から「R-GEAR」は「レイフォース1.5」と称される事も。
そして、この闇に葬られた名は後に「レイストームHD」で日の目を見る事になる。

ちなみにこの「R-GEAR」の予告映像では「PENETRATION」のアレンジ曲が流れており後にZUNTATA NIGHTにて「NEO PENETRATION」として放送され、上記の11枚サウンドトラックにもプロト版レイストームの楽曲として収録されている。


@本作のOPデモで登場する女性パイロットは、後の「レイクライシス」のEDである意味Con-Human暴走の元凶となったクローン体の少女である事が示唆されている

@本作の舞台となる星は地球にそっくりな見た目をしているが、一貫して「敵本星」という表現が使われており「地球」と表現した事は公式年表にも存在しない
またレイクライシスで追加された設定に「衛星セシリアへの移住計画に計画は一本化された」という一文があるほか、明確に地球から出発するレイストームではR-GRAYは「異なる星系でサルベージされた機体」を元にしているので、フォースの舞台は明らかに地球ではないと言える。





追記・修正はC.L.S.で機械と接続した方にお願いします。

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最終更新:2024年03月13日 11:33

*1 フェードアウトや暗転など操作不能時間がない

*2 発売はシティコネクション。セガサターンの移植タイトルを再移植する「サターントリビュート」シリーズの第2弾として発売された。ちなみに、「ギャラクティックアタック(Galactic Attack)」とは、海外版のレイヤーセクションのタイトルである。