ユーディーのアトリエ グラムナートの錬金術士

登録日:2011/09/22(木) 15:44:52
更新日:2025/01/04 Sat 20:53:58
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ユーディーのアトリエ グラムナートの錬金術士とは、2002年6月27日にガストより発売されたPS2用ソフト。
2010年4月8日にはプレイステーション・ポータブルに「ユーディーのアトリエ グラムナートの錬金術士 囚われの守人」が発売された。

ストーリー

錬金術が栄えた村があった。
その村では村人一人一人が自分が得意とする調合アイテムを持ち村人はその依頼をこなして日々の生活を送っていた。
ユーディットもその村の村人でした。
ある日彼女が得意とする「竜の砂時計」を大量に欲しがる冒険者から依頼を受け早速ユーディットは竜の砂時計の調合を始めます。
そして調合の最終段階にさしかかり液体を錬金釜に入れる作業中に自分の髪の毛1本を誤って釜に入れてしまいそれに気づかずに液体を入れた釜は爆発!
竜の砂時計の調合は失敗してしまい次にユーディットが気づいた時にはなんとそこは200年後の世界だった。
偶然知り合ったヴィトスのおかげで町の宿屋の一室を借りて住むことができましたが200年前に帰る方法は全くわかりません。
果たしてユーディットは200年前に帰れるのでしょうか…


概要

アトリエシリーズでの4作目でA4の通し番号を与えられている。
従来のアトリエシリーズと違いEDはマルチEDではない、錬金術というよりも冒険がメイン、年数による期限がないなどの理由からファンからは賛否両論
しかし大事な場面では錬金術が必須だったり、装備品を強化したり、イベントでの一枚絵の収集、PSP版からは新ダンジョンの追加などやりこみプレイも豊富にある。
何より今作からの新要素アイテムの劣化、充填は後のアトリエシリーズにも影響を及ぼすなど秀逸。
期限切れを気にせずのんびりプレイしたい方にもオススメできる良作である。


システム

概要で触れたとおり様々な新要素が登場しており、後のシリーズの基礎となっている部分も多い。
完成度も今作の時点でもわりと高いのだが、各種システムについてゲーム中でほとんど解説がないのが難点。
攻略の導線についても当時基準でも親切とはいいがたく、攻略情報なしでのクリアは相当に難易度が高い。*1
さすがにまずかったのか、次作ではチュートリアルがちょくちょく挟まれるようになっている。

調合(基礎)

ザールブルグシリーズでは基本的に調合レシピは固定だったが、今作よりいわゆる「カテゴリ」の概念が登場。
例えばフラムのレシピはフロジストン×2、中和剤に【爆弾材料】となっているが、この【爆弾材料】はその属性を持つ物であればなんでも投入可能。
また、アイテムにはそれぞれのカテゴリの属性値が設定されており、品質とは別に投入した材料の属性値によって調合したアイテムの効果が変化するようになった。
先ほどのフラムだと【爆弾材料】の属性値が低ければ「炎ダメージ・弱」、高ければ「炎ダメージ・超」といった感じ。
カテゴリ及び属性値自体はアイテムごとに固定だが、品質や従属特性によっても増減するので目的によってはひたすら採取に励むことになる。
ちなみにアイテム名が指定されている場合、その属性値は50固定。
そのためアイテム名指定かつ高(低)属性値が必要な効果を発現させるのには非常に苦労する。「街道ひとっとび」の空飛ぶホウキとか。

様々なアイテムを材料に使用できて材料次第で調合品の特性も変わると、後のシリーズにもつながる画期的なシステムなのだが、調合システムについて一切説明がないのが困りもの。
ついでに言うと属性値については表記がなく実質隠しパラメータである。
ゲームクリアにはそれぞれ異なる効果を持つ2本の「空飛ぶホウキ」が必要なのだが、自力でたどり着けた人はどれだけいるのだろうか……*2

調合(従属特性)

それまでのザールブルグシリーズでは採取品の品質や特性は固定であったが、今作より同じアイテムでもそれぞれ品質や従属特性がそれぞれ異なるように変更された。
そして調合品にも使用した材料の従属特性が最大4つ受け継がれる。*3
従属特性は破壊力増加、範囲増加、劣化抑制などのプラス効果と破壊力減少や劣化促進といったマイナス効果、そして「かわいい」「クサイ」といった実質ほぼ無意味な効果が存在。
大体レア度の高い特性ほど優先度が低いので、いかに必要な特性だけ集められるか腕の見せ所となる。
なお、各従属特性についての効果説明は一切ない。
もっとも大体文字通りの効果なので必要ないといえばないのだが、「基本性能+」と「威力+」と「潜在能力+」の効果の区別がつくかというと……*4

品質の劣化

ある意味今作を象徴するともいえる要素。
一部のアイテムには劣化係数が定められており、時間経過とともにその分品質が低下、最終的に「壊れたアイテム」となり使えなくなってしまう。
逆に時間と共に品質が上昇していく「充填アイテム」もあり、こちらは酷使して壊さない限り無限に使用することが可能。
ちなみに本来劣化しないアイテムでも「腐りやすい」が付くと劣化するようになるので注意。

全体的に劣化速度がかなり早く、せっかく入手したアイテムがすぐに使い物にならなくなることから槍玉にあげられることが多い。

+ 実際のところどうなの?
実はシステムさえ理解していれば普通にプレイする分には問題なかったりする。
良い特性のアイテムを手に入れたら中和剤に変換すれば腐らなくなるのでそのまま特性を保管可能。
鮮度が気になる場合は畑に埋めれば新鮮な植物アイテムに変換されるのでそこから中和剤に変えればよい。これは壊れたアイテムでも可能。
大体のアイテムは中和剤もしくはそれをもとに作ったアイテムから派生可能なので、通常プレイで使うアイテムにおいて困ることはほとんどないといえる。

もっともこれはあくまでシステムを理解していた場合の話。
何もわからない初プレイ時は次々壊れていくアイテムに頭を悩まされることがほとんどだろう。
よりによって店売りの回復アイテムが劣化速度が爆速な上にある程度劣化すると逆にダメージを受けるようになるというのもとっつきにくさに一役買っている。
なお、回復アイテムについては特性の効果を理解していれば中盤には腐らないものを作れるようになる。
先述の通り効果の説明がないので自力でたどり着くのは大変だが……

なお、厳密には「劣化が早い」というより「時間経過が早い」といったところ。
街中でのマップ切り替え、例えば部屋から外に出ただけでも時間が経過し、ワールドマップでは一マスの移動で一気に時間が経過する。
劣化を最小限に食い止めるためにはアイテムを手に入れたら即帰還。そのまま寄り道せずにアトリエに直行する必要がある。
そして実際にそれを行わないと調合できないクリアに必要なアイテムがある。もちろんノーヒント

量販品店

食品、薬、爆弾とそれぞれのカテゴリのアイテムを登録できる店。
登録した品は特性まで再現した状態で販売され、量産されるようになる。錬金術を使わずにどうやって再現したのかは謎。
ただ、店によっては強力な従属特性を再現できないところもある。そもそも登録できないアイテムもあるので万能というわけではない。
N/A、暗黒水、エリキシル剤を量産できる時点でヤバすぎるんだが。

採取地とダンジョン

今作より採取地を実際に回れるように進化。
同じ採取地でも奥の方が品質や特性が良質なアイテムが落ちていることが多い。そしてその分敵も強力。
所々障害物でふさがれているところがあり、それらは攻撃アイテムで破壊可能。破壊のためにはある程度威力が必要なことも。

中盤以降のメインとなる「ファクトア神殿」では耐久力が設定されている。
これは特技やアイテムに応じて減少していき、ゼロになると神殿が崩壊して強制退出させられることになる。
とりあえず「メテオール」か「三叉音叉」を使うと崩壊すると考えてよい。
そのためお手軽な全体攻撃が使えず、特性で範囲を広くするなど対策が求められる。
なお、敵の中には耐久力を減らす行動をしてくるものもいる。優先的に撃破するのが吉。

戦闘

HPとMPに加えてLPのパラメータが登場。いずれかの値を0にすることで戦闘不能になる。
敵の攻撃以外に特技の使用などでもMPまたはLPを大量に消費するので自滅しないよう注意が必要。
また、中には一部のパラメータが存在しないキャラもいる。例えばシリーズおなじみのぷにぷにはMPがないのでエンゲルスピリットなどが無効。
基本的に通常攻撃ではHPダメージしか与えられないことから、終盤大量に出てくるMPダメージしか効かない敵にどう対処するかが肝。

キャラクター紹介

  • ユーディット・フォルトーネ(CV:神田 理江)
調合失敗のせいで200年後に来てしまった本作の主人公。
おっちょこちょいで、おてんばな性格。
200年後に来てしまった後は元の世界に戻る方法がわからず途方にくれることもあったがあまり悩んだりしない。
歴代主人公の中でも能力はかなり高い。
戦闘ではエンゲルスピリットやレジスト、日常生活では割引でアイテムを購入できる交渉とスキルも良質。
何気に杖以外の物を装備できる初のアトリエ主人公。
というか、素早さと防御を求めるとヘルミーナ共々鞭(+盾)にドレスという凄い恰好になってしまう。
金に困ると相棒のフィンク(オウム)を売ろうとする。

  • フィンク
ユーディーの相棒のオウム。
知能がすこぶる高いのかなんと日本語で会話することができる。
またユーディーが赤ん坊の頃からの付き合いなので昔からユーディットは…とよく小言を言い始める。
ユーディーに冗談で売られようとするたびに子供から「変な鳥」だの「いらない」だの言われるが最終的に貴族に1万コールで売られてしまう…がすぐに戻ってきて「ユーディットとはしばらくしゃべらない」と大変ご立腹のようだ。
採取地ではユーディーの後をついてくる。

  • ラステル・ビハウゼン(CV:高橋 美紀)
メッテルブルクに住んでいる。
貴族にありがちな嫌みが全くない夢見がちなお嬢様。
本人曰く「少し大きい家」とのことだがどこからどう見ても豪邸に住んでおりユーディーにカルチャーショックを与えた。
無料で雇える上戦闘では様々な歌でサポートしてくれるが微妙、盾を持てないのが辛い。
能力も低いので無理矢理連れていってもよく転がっている。
そんな為ユーディーに対しては憧れのようなものを抱いており、特に小説版では明らかに恋愛めいた感情を抱いている。

  • ヴィトス・ロートス(CV:伊藤 浩資)
メッテルブルクの商工ギルドに所属する高利貸し。
普段は愛想はいいが金の取り立てとなると豹変する。
ユーディーにお金を融資して町で暮らせるようにしてくれる。
若い女性に弱いのでユーディーに対する借金の取り立ては甘い。
借金を返さずに竜の砂時計を完成させると…
戦闘では序盤は役に立ってくれるがクリスタを仲間にできるようになると立場を失う。
もっとも盗み2人体制という手もあるので本作の男キャラではまだマシな方。特にデメリットも持ってないし。

  • ヘルミーナ(CV:尼子 真理)
若い頃のヘルミーナさん。
ライバルのイングリドに勝つこととリリー先生を見つけることを目標に武者修行の旅をしている。
様々な錬金術のレシピをくれたり過去へ帰るためのヒントをくれたりする。
この時点で倫理観が結構ズレていたようで、各地で騒動を起こしていたそうな。
身体は強くなったようだが、旅先の宿屋では常に寝ている。
戦闘ではユーディー同様にアイテムが使えるのでW錬金術師で無双もできるが財布には優しくない。
スキルはどれも微妙な性能。とりあえずレジストを上げておこう。
鞭がやたら似合う。

  • アデルベルト・ホッカー(CV:茂木 優)
自他共に認める不幸の星のもとに生まれた男。
外に出れば雨が降り、町に出れば財布をなくし、買ったばかりの武具に限って戦闘で壊してしまう。
いつ命を落とすか内心ではビクビクしているが普段は明るい気さくな男。
戦闘でもその不幸はついてまわり敵に雷を落とす技では【幸運】スキルをあげてないと高確率で自分に落ちて大ダメージを喰らう。
しかし横1列をなぎはらう【レーゲンボーゲン】を覚えるまで育てれば化ける。
その不幸によってワールドマップではエンカウント率が跳ね上がるのが難点。*5

  • エスメラルダ(CV:浜岡 晶子)
愛称はメル。
アーランドにいる怪力お姉さんとは関係ない。
リサの村に住んでおり村人からはたった一人で怪物を追い払った功績から「リサの聖女」と呼ばれているが本人は一番大切な両親を守れなかったのを気にしている。
サブキャラの中では一枚絵が多く妖刀イベントでは大活躍する。
戦闘ではアトリエシリーズ伝統の縦一列攻撃スキル【メルブリッツ】を初期から持っている、LVが高いなど頼りになるが雇用費は200コールと高額。
しかし他の戦士系の仲間がイマイチパッとしない今作では貴重な戦力なので多くの人が雇用したと思われる。
完全にやり込みの域だが、LVカンスト近くでシリーズ伝統の最強技【アインツェルカンプ】を覚えるあたりその実力は剣聖級。
読書が趣味で好きなものは童話など普段からは想像もつかない趣味を持っている。

  • マルティン・クローム(CV:三宅 健太)
リサの村で畑仕事に従事する農夫。
冒険者と農家という二足のわらじをはいているが農業優先なのであまり村から離れると自動的にパーティーから外れる。
ユーディーとの会話から農作物の品種改良の案を思いついたりしたことがきっかけとなり畑を貸してくれるようになる。
産業廃棄物や塩等を畑に埋めるとキレてしばらく畑が利用不可能になるので絶対にしてはいけない。
戦闘では斧を持って戦う戦士系だが斧は両手持ちで盾が持てない、移動に制限がかかるなどの理由から一軍に入るのは難しい。
ボーラーとの協力技の【漢の花道】はカオス。

  • クリスタ・シュルツェ(CV:近藤 光世)
アルテノルトを根城にする盗賊団シュルツェ家の一人娘。
アルテノルトでは英雄だが他の町では「盗賊団の頭領の娘」ということで嫌われている。
本人はアルテノルトで英雄扱いされるのはみんなシュルツェ家の名前を見ているだけで誰も素の自分を見てくれない、他の町では「盗賊団の頭領の娘」という色眼鏡で見られるなどの理由からシュルツェ家を嫌っている。
どっかの英雄の息子とはえらい違いである。
上記の理由から初めはユーディーに対しても少し冷めたい態度だったが自分を色眼鏡で見ないユーディーに対して徐々に心を開いていき明るい性格に戻っていく。
戦闘では攻撃スキルは貧弱だがアイテムを盗む【????】や一定確率で攻撃を回避する【みかわし】、探索で役立つ【トラップ除去】など良質なスキルを持ち、素早さが高いので高確率でマルチヒット(複数回攻撃)になるので攻撃スキルがいらないほど火力も高い。
また、その出自もあって彼女を仲間に入れているとワールドマップで盗賊に出会うことがなくなる。
続編のヴィオラートのアトリエではシュルツェ家の頭首として頑張っているらしい。

  • コンラッド・イオ(CV:久保田 隆)
マッセンという国からファクトア神殿に眠る財宝を求めてやってきたトレジャーハンター。
きまぐれな性格で調合などで長期間町に滞在すると冒険に行ってしまうことがある。
仲間になるのが遅く装備品はなかなか良い物を装備できるがメルのほうが遥かに優秀、探索系のスキルはクリスタで十分とかなり不遇。
しかし彼のイベントをこなさないとポストさんに鑑定してもらうことができず過去へ帰るヒントも得られないのでイベントで存在感をしめす。

  • ボーラー・クヴェレ(CV:三宅 健太)
プロスタークの町で鉱員をしつつ冒険者の護衛などをしている。
寡黙な性格で声も低い。
溶鉱炉の管理をしているので強い武具の作成のためにプレイヤーは彼のもとに何回も足を運ぶことになる。
戦闘では重戦士系だが見た目より素早さも高いのでかなりの戦力になる。
しかし溶鉱炉の管理をしている都合上プロスタークからあまり離れるとパーティーから離脱してしまうため一軍固定は厳しい。

  • パメラ・イービス



こんにちは
あっヴィトス。どうしたの?
どうしたのだって?僕が君の編集した項目を確認してるのを忘れたのかい?
ああっそうだった…
どうやらまだ文章不足のようだね
ああっそれは!
変わりにこいつをもらっていくよ
アニヲタwikiでの項目新規作成権を失いました。
ショックー!追記・修正なんてキラーイ!!


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  • PSP
  • 2002年
最終更新:2025年01月04日 20:53

*1 当時はガストの公式サイトでコミュニティ掲示板が開かれていたのでそちらで情報交換してほしいという考えがあったのかもしれない。

*2 材料の「グラビ石」の属性値で効果が変わる。店売りのグラビ石で「地形を飛び越し」の効果が、採取品で「採取地から帰還」が普通なら発現するので、一応ムリゲーというほどではない。余談だが上記の「街道ひとっとび」はよほど運がよくないと作れないので偶然できることは多分ないと思われる。

*3 調合品の効果でも特性枠が埋まるのでアイテムによって空き枠は異なる。

*4 「基本性能+」と「威力+」は単純に性能アップだが、「潜在能力+」は属性値の上昇、つまり調合時にしか意味のない効果。

*5 正確には「何も起こらない」確率が減る。そのためプラスのイベントが起こる率も上がる。