Galaxy(Samsung)

登録日:2010/11/18 Thu 21:19:29
更新日:2025/10/08 Wed 22:15:54
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2010年代前半、Xperiaがヒットしたものの依然iPhoneが優位である状況は変わらなかった日本のスマートフォン競争。
しかし最大キャリアNTT docomoは意外な場所から隠し玉を調達していた...。



Galaxyとは韓国の大手家電メーカーSamsungの製品ブランド名。
日本や中国語圏などの漢字文化圏では直訳して銀河と呼ぶ人も。

概要

Samsungは1980年代から長く携帯電話開発事業を営んでおり、2000年代以降はWindows Phone等のスマートフォンも手掛けていた。
そして2009年に初のAndroid機として開発されたのが『Samsung i7500 Galaxy』である。
これは商業的にはあまり成功しなかったが翌年発売された改良型『Galaxy S』が爆発的人気を獲得。
Android市場拡大の追い風もあり、フィンランドのNokiaを抜いてSamsungが世界一の携帯電話メーカーへと躍進する原動力となった。

しかしデビュー当時は「iPhoneのパクリ」と指摘されることも少なくなかった。
そうした意見もあってか『Galaxy S3』からはiPhoneとは似ても似つかない5インチ画面の大型ディスプレイと丸みを帯びたボディになり差別化を明確にした。
そして『Galaxy S8』では「Infinity Display」と称した画面占有率80%以上を誇る比率18.5:9*1のディスプレイが話題となり、スマートフォン界の新たな主流となった。

iPhone X以降拡大したノッチディスプレイだが見栄えが悪いと指摘されることも多かった。
Samsungは当初はこれに追従しなかったが、2010年代後半から前面カメラ部分だけ穴を開けるパンチホールディスプレイを推進するように。
他メーカーは水滴式や背面カメラと共有するフリップ方式、飛び出すポップアップカメラなどを推していた時期があったが、可動部がなく信頼性・量産性に優れるパンチホールが最終的にAndroidスマートフォンの主流になった(Samsungがディスプレイメーカーとして他社に営業・販売している事情もあるが)。

Android機としては長年世界一位の売り上げを誇っており、AppleのiPhoneや中華スマートフォンと鎬を削っている。それゆえAndroidの中ではケースなども充実している部類である。

日本では長らくdocomoかau経由でしか販売されておらず、SIMフリー機はほとんど提供されていなかった*2
2020年代からMNPの普及もあってか、SoftBank・楽天モバイルでも取り扱いが開始され、直販・小売店経由でハイエンド機のSIMフリー版の販売を開始。
同時にiPhoneやPixel同様に全てのキャリア版・SIMフリー版でも使える帯域が統一され、どの回線でも快適に使えるようになった。

特徴

OSはAndroidベースのOne UIを使用する。純正Androidと比べるとかなりカスタマイズがされており独自色が強い。
外部ディスプレイに繋ぐとPC風のUIに変えられる「Dex」と呼ばれる機能が最大の特徴。自社のアプリストアである「Galaxy Store」も用意されており、通常のアプリの他Galaxy専用の物が配信されている。
決済サービスもGoogle ウォレットと別に「Samsung Wallet」を提供している。

一部の端末で使用できるスタイラスペン"S Pen"はWacom互換の物を使用しているので書き心地には定評がある。なのでWacom Oneのスタイラスペンを持っていればS Pen対応機で使用することができる。
法人用途も多いのかWindowsとの連携機能も結構充実している。

独自色が強いとは言ったものの世界シェア1位の影響もあってか、Googleも生成AI機能を自社機Pixelとほぼ同時期に提供を開始する等、サードパーティー製のAndroidの中ではかなり優遇されている。

自社で半導体・ディスプレイ・撮像素子(カメラのセンサー)・メモリー部門を有していることからハードウェアも自社製の物で揃えることが多い。
使用しているSoCは他のAndroid機でお馴染みのSnapdragonとDimensityの2種類加え、自社開発のExynosの3種類。
基本的にExynos機が優先して販売されているが、S・折り畳み系列の場合、北米版・香港版・日本版などはSnapdragon機として販売されている。
これらの地域ではSnapdragonの方が主流なのでアプリの安定性なども考慮してSamsungもそれに合わせているのが理由。
そのため性能には若干の差はあるが普通に使う分にはほぼ違いが無いらしい。

タブレット機であるTab系列についても、Androidでは2020年代まで珍しかった高性能機が以前より存在。
こちらも早くからスタイラスペンにも対応するなどiPadSurface等のWindowsタブレットと真っ向から対抗できる唯一のAndroidタブレットとして長らく君臨していた。

現在の種類

S

通常版。上半期に発売される。
基本の無印、(一時期日本でも販売されていた)大型のPlus、かつてのNoteの系譜を継ぎスタイラスペンを内蔵したUltraに分かれている。
廉価版としてFEも発売されている。Tabについても同様の区分けがされている。

Fold

折り畳み式。横開き故に大画面(7インチ級)なのが特徴で下半期に発売される。

Flip

折り畳み式。縦開き・伝統的なフューチャーフォンスタイルが特徴で、こちらも下半期に発売される。

A

価格抑えめの普及機。法人向けにも提供されている。



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最終更新:2025年10月08日 22:15

*1 一般的なスマートフォンの画面比率はワイドテレビと同じ16:9

*2 これはSmasungに限った話ではないが、基本的にキャリア版の方が数が出るのでメーカーとしてはキャリアに卸した方が儲かる。