ザ・バズビー・ストゥープ・チェア

登録日:2012/01/04(水) 09:43:40
更新日:2025/04/08 Tue 22:05:07
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『ザ・バズビー・ストゥープ・チェア』とは、イギリスに実在する座った人を殺す呪いの椅子である。


かつて、イギリスのヨークシャー州サースク村にトーマス・バズビーという男がいた。彼はとある一つの椅子を愛用しており、隙さえあればその椅子に腰掛けうたた寝をする程だったという。

1702年、彼は妻の父親を殺した罪で殺人犯となり、絞首刑に処せられる。

その後妻はその椅子も含む家財道具を売り払ってしまった。


そこから悲劇が始まるとも知らずに──



バズビーの死後、その椅子はとあるパブに買い取られた。

パブの名はバズビー・ストゥープ・イン。何を隠そう死刑囚バズビーからとって名付けられたパブである。


パブに置かれる事になったこの椅子は、殺人犯の持ち物である事、犯人が絞首刑に処せられたなどの話から人々の間で瞬く間に話題となった。

オカルト好きなイギリスらしくやがて話には尾鰭がつき、『座ると呪われて死ぬ』といった噂も流れはじめた。


が、いつしか噂は真実となる。


第二次世界大戦中、酔った勢いでふざけてこの椅子に腰掛けた海軍の兵士達がいた。度胸試しのつもりだったのかはさておき、後に彼らの乗った戦艦は撃沈され、座った全員が戦死したのである。

この噂を聞いた若い空軍の兵士は、「戦争に赴いたのだから死んでもおかしくない。そんなのはただの噂とこじつけだ」と噂を否定。

この椅子に腰掛けたが、数時間後、彼もまたこの世を去る事になる──交通事故によって。


その後も噂が噂を呼び、バズビーの死後約300年間でこの椅子に座った人間は記録に残るだけでも61人。
そして、その61人全員がこの椅子に座ってから短期間の間に死亡した事がわかっている。

中には座った翌日仕事中に屋根から転落し首の骨を折った大工もおり、単純なこじつけとして片付けてはいけないようにも思える。


現在、パブのオーナーに手放されたこの椅子は地元の小さな博物館『サースク博物館』に、『ザ・バズビー・ストゥープ・チェア』の名でひっそりと展示されている。

誰も座る事ができないように、奇しくもかつての持ち主と同じく吊り下げられた状態で──






追記修正はこの椅子に座ってから……









余談

  • 家具史家のアダム・ボウェット博士の研究では、この椅子の形式は「ケスター」と言って、ヴィクトリア朝の時代、1818年から1881年の間ケスターの町で働いていたジョン・シャドフォードという職人が作り始めた形式で、椅子が作られたのは1840年より遡ることはまずなく、1900年頃に作られた可能性もあり得るとのこと。
    • トーマス・バズビーが処刑されたのは前述の通り1702年。
  • 椅子が展示されている部屋は「コテージのキッチン(旧・ヴィクトリア朝のキッチン)コーナー」
  • この椅子はパブにあるもので、犠牲者の死因は座ってすぐの事故が多い。
    …もっと簡単な図式が成り立たないだろうか?





追記修正はこの椅子に座ってから……

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最終更新:2025年04月08日 22:05