赤い部屋

登録日:2011/09/12(月) 05:28:59
更新日:2024/12/11 Wed 01:24:26
所要時間:約 5 分で読めます




『赤い部屋』は2003年頃に公開されたホラー系FLASH。
作者はO-Toro氏。氏のホームページ「THE 冷蔵庫の中身」にて発表された。
90年代終盤~00年代序盤のFLASH全盛期に作られた作品であり、その中でもかなり有名な部類に入る。

金田一少年の事件簿』に登場する赤い部屋についてはこちらを参照→『異人館ホテル殺人事件


■ストーリー

 『あなたは /好きですか?』
とだけ表示されるポップアップ広告が存在するという噂を友人から聞いた主人公「俺」。
そのポップアップ広告は神出鬼没であり、消そうとしたら死ぬらしい。
「俺」は興味本位から、友人と手分けしてそのポップアップ広告を探すことに。
当てもなくネットサーフィンをしていると、遂に『あなたは /好きですか?』が姿を現した……


以下ネタバレ注意!










×ボタンで何度広告を消しても、同じ広告がまた出てくるだけであった。
「消したら死ぬ、というか消せない」というオチだと思い込んだ「俺」はバカバカしくなって何度もポップアップを消してしまう。
しかし何度も消している内に、


┌──────────────□□×┐
├─────────────────┤
 あなたは /好きですか?      
└─────────────────┘

┌──────────────□□×┐
├─────────────────┤
 あなたは /好きですか?      
└─────────────────┘

┌──────────────□□×┐
├─────────────────┤
 あなたは /好きですか?      
└─────────────────┘

┌──────────────□□×┐
├─────────────────┤
 あなたは 赤/好きですか?     
└─────────────────┘

「あなたは」「好きですか?」の間の斜め線から文字が現れていくことに気づく。
やがてポップアップはこちらの操作を無視し、勝手に消えては現れてを繰り返し始めた。

┌──────────────□□×┐
├─────────────────┤
 あなたは 赤い/好きですか?    
└─────────────────┘

┌──────────────□□×┐
├─────────────────┤
 あなたは 赤い部/好きですか?   
└─────────────────┘

┌──────────────□□×┐
├─────────────────┤
 あなたは 赤い部屋/好きですか?  
└─────────────────┘

┌──────────────□□×┐
├─────────────────┤
 あなたは 赤い部屋が/好きですか? 
└─────────────────┘


不意に画面が切り替わり、真っ赤な背景に大量の人名が書いてあるページに飛ばされた。
そのリストをよく見ると最後には友人の名前*1が!
嫌な予感、動かない身体。背後には謎の気配。そして……


翌日、とある学校で生徒たちが噂している。
何でも同じクラスで2人の自殺者が出たらしい。
2人とも自身の頸動脈を切断し、部屋を血で真っ赤に染めていたという・・・

そして例の人名リストには、「俺」の名前*2が追加されていた。


■解説

ストーリー自体の怖さは並だが、ネット黎明期の象徴とも言えるポップアップ広告や妙に中毒性のあるテキストトゥスピーチ(音声読み上げソフト)の声を用いた斬新な設定が人気を集めた。
何より本編終了後の「オチ」が秀逸(詳細は余談を参照)。
動画サイトでも見れないことはないが、臨場感を味わう為にも是非実物を探してみよう。

O-Toro氏が制作した『赤い部屋』は本作のみだが、人気を受けて多数のオマージュ作品が生まれている。
特に有名なのは「赤い部屋 完全版」なるFLASH。
本作のポップアップ広告を疑似体験する内容で、ストーリー性は無いが恐怖度は圧倒的に上である。と言うか心臓に悪い。
いわゆるブラクラの一種なのでビックリ系に耐性がない方は避けた方が無難であることを明記しておく。
鑑賞後の「脱出法」*3もわからないと面倒。


■余談

このFLASHのキモであるポップアップ広告は、ユーザーの許可がなければ表示させない「ポップアップブロック機能」がブラウザに標準搭載されるようになったことや一つの画面にタブで複数のウェブページを表示できる「タブブラウザ機能」を持つブラウザが普及したことでネット広告の手法としては衰退している。
そのため、このタイプの広告を目にする機会は少なくなっており若い世代の人間には通じなくなってきている。

(本編終了後の「オチ」について)
『赤い部屋』は本編の終了後に『あなたは /好きですか?』のポップアップを表示させて驚かせるという仕掛けがしてあるのだが、こちらもポップアップブロック機能をオンにしたままだと表示されず恐怖が半減されてしまう。アプリケーションの進歩で迷惑な広告が防がれるのは嬉しい反面、こういった小ネタが通じなくなってきているのはどこか寂しさを覚える。


■おまけのコピペ


223 2006/02/05(日) 21:49:05.79 ID:m9sp4CHi0
赤い部屋って昔流行ったよねぇ
今あれ見てもポップアップが自動ブロックされる俺のPCではオチが半減以下なんだけど。

小学生のおにゃのこが同級生の首斬った事件でお気に入りに入ってたとかで何やかや言われてたっけね


226 2006/02/05(日) 21:51:15.91 ID:Ke99f3tC0
 >>223
あなたはl好きですか?

あなたは赤l好きですか?

あなたは赤いl好きですか?

あなたは赤いきつねが好きですか?

俺は好きです


228 2006/02/05(日) 21:53:20.45 ID:bHZuzJZB0
 >>226
あなたは赤いひでかずが好きですか?

嫌いです


229 2006/02/05(日) 21:53:39.70 ID:0XxC9JcS0
 >>226
ワロタ



そして時は流れ…
2019年、「THE 冷蔵庫の中身」にサイトスペースを提供していたジオシティーズが閉鎖。
2020年には『赤い部屋』の鑑賞に必要なAdobe Flashもサービスを終了。
かつて一世を風靡した名作も、時代の変化と共に姿を消してゆくのだった…
まぁブラウザの拡張機能とインターネットアーカイブを使えばいつでも見られるのだが





┌──────────────□□×┐
├─────────────────┤
 あなたは 追記修正が/好きですか? 
└─────────────────┘

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最終更新:2024年12月11日 01:24

*1 作中の表記は「暗部弾尾」。人名っぽく読むなら「くらべたまお」だろうか

*2 作中の表記は「山川大祐」

*3 フルスクリーンで恐怖画像が表示されるので、AltとF4を同時押ししてブラウザを強制終了させる