京王電鉄

登録日:2012/11/14(水) 22:50:44
更新日:2024/10/28 Mon 13:32:46
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京王電鉄とは東京都西部・神奈川県北部に鉄道路線を有する大手私鉄である。
通称は「京王」。1997年までは「京王帝都電鉄」の名称だった。

概要

社名の通り東京と八王子を結ぶ京王線系統と、吉祥寺から渋谷までを結ぶ井の頭線の2系統に大別される。

京王線系統と井の頭線系統はもともと別の鉄道会社が敷設した路線で、京王線系統は新宿~府中間は「京王電気軌道」、府中から東八王子(現在の京王八王子)間「玉南電気鉄道」、井の頭線系統は小田急系列の「帝都電鉄」が敷設した。このため、京王電鉄の前の社名が「京王帝都電鉄」だった。
玉南電気鉄道はもともと京王電気軌道の実質子会社みたいなもので、敷設した後に国から補助金をもらおうとしたが、補助金がもらえなかったので、開通後すぐに京王電気軌道に吸収合併された。

高尾山口で接続する御岳登山鉄道の親会社である。


保有路線

現在の路線

京王線系統の列車は都営地下鉄新宿線と直通運転を行っている。

廃線区間

  • 京王線 調布~仙川間の旧線
 建設費の削減のためか、京王線が開業した頃の調布~仙川間はほぼ直線で並走する甲州街道を二回横断していた。途中の金子駅(現:つつじヶ丘駅)は甲州街道のど真ん中に位置し、駅は路面電車の停留場のタイプだったといわれている。金子駅付近の坂がきつかったためか、開業して14年後に甲州街道の南を沿う形で現在のルートに変更した。廃線跡は一部を除いてほとんど痕跡がない。
  • 御陵線(北野~多摩御陵前)
 このうち北野~山田間は高尾線の一部として活躍中。
  • 代田連絡線(代田二丁目~世田ヶ谷中原)
 井の頭線と小田急小田原線と連絡するための路線であった。代田二丁目駅は現在の新代田駅であり、世田ヶ谷中原駅は現在の世田谷代田駅である。

路線の特徴

車両の詳細については京王線を、井の頭線系統の種別は井の頭線を参照。

○京王線系統
 軌間が特殊で、「馬車軌間」と呼ばれる1372mmゲージを使用している。これは調布~笹塚間が開業した当時、軌道法として敷設したのと、東京市電に乗り入れる計画があったためである。現在は都営地下鉄との乗り入れはしているが、かつて東京都が京王に標準軌に改軌するようお願いしていたが、京王は工事できる状態じゃないという理由で拒否したという逸話がある。
 府中~京王八王子(開業当時は東八王子)間は京王電気軌道の子会社である「玉南電気鉄道」が敷設した。玉南電気鉄道は地方鉄道法により敷設したもので、京王電気軌道区間の軌間は1372mmに対し、玉南電気鉄道の軌間はJR、井の頭線と同じ1067mmであった。京王電気軌道として合併した後もしばらく軌間はそのままであったが、新宿~東八王子間の直通運転を実現させるために1372mmに改軌した。
 仙川~笹塚間の高架化工事を実施中。調布~国領間は地下化になったほか、京王のほとんどの駅で橋上化改築を行っている。

○井の頭線
 駅間が非常に短く、ホームの端から隣の駅が見えることは珍しくない。並行する道路があまり広くなく、住宅地が密集しているので立体化はほぼ無理だといわれている。その代わり、車両の大型化に意欲的で京王線系統にはない裾絞りの車両を導入している(京王線系統は戦前車と初代5000系のみ)。井の頭線は他の路線と接続していないため、新車搬入は車両メーカーから永福町駅の引込線までトレーラーで運び(廃車の搬出もこの引込線を利用)、車体とパンタグラフ以外の機器は若葉台工場までトラックで運んで検査を行っている。

備考

  • 多摩動物公園駅前に「京王れーるランド」という子供向け資料館がある。この資料館になぜか電車でGO!が二台ある。
  • かつては路線を複数の区間に分け、そこを色分けして駅名標や案内表記に使用する「ゾーンカラー」という独自の施策を実施していた。区分けは以下の通り
イメージカラー 該当区間
(臙脂) 京王線新宿~明大前・京王新線・井の頭線渋谷~明大前
(赤) 京王線下高井戸~調布
(黄) 京王線西調布~中河原・競馬場線
(青) 京王線聖蹟桜ヶ丘~京王八王子・動物園線
(黄緑) 相模原線布を除く)
(濃緑) 高尾線(北野を除く)
(橙) 井の頭線明大前~吉祥寺
しかし、2000年代以降はレッドとブルーの京王カラーに変更されて姿を消している。


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最終更新:2024年10月28日 13:32