登録日:2011/09/28 Wed 02:47:56
更新日:2025/02/20 Thu 13:19:38
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電車でGO!とは、T▲ITO・制作の鉄道運転シミュレーションゲームのシリーズ。
キャッチフレーズは「運転士は君だ!」。
2010年以降はタイトーの家庭用ゲームの権利を
スクウェア・エニックスが引き継いだため、同社から発売されている。
本項では2016年以降のシリーズである「電車でGO!!」についても解説し、以降後者については便宜上「新シリーズ」と表記する。
概要
そのものずばり、プレイヤーが運転士となって実在の鉄道路線の運転を行うもの。
この手の装置は交通博物館など鉄道系文化施設や、Train Simulatorのようなソフトも以前から存在したが、それにゲーム性を加え気軽にプレイできるようにしたのが本作の特徴である。
当時のゲームセンターは格闘用ゲーム全盛期だったが、「一般客がもっと簡単に遊べ、興味をもたれるテーマはないか」と企画された経緯がある。
1997年に鉄道の日のイベントでAC版を試験稼働したところ大人気を博し、その後各地のゲーセンで大ブームを巻き起こした。
タイトーの思惑通り、来客層はそれまでゲームセンターに来ることのなかった中高年層が大半を占めていたことから「おじさんのプリクラ」とも呼ばれていた。
この成功を受け半年後に家庭版として初代PSに移植され、ミリオンセラーを達成。
その後もAC版、家庭用版問わず続編が多数制作されたが、2004年にタイトーは『電車でGO! FINAL』をもって純粋な新作の製作を一時打ち切ることを発表。
以降暫くは各ハードへの過去作の移植でしのぐ状態が続いていた。
そして2016年8月、新シリーズである「電車でGO!!」が発表。
2016年11月5日~11月8日にタイトーステーション池袋西口店と海老名ビナウォーク店で行われた第1回ロケテストがスタート。
その後も全国各所でロケテストが行われ、2017年11月7日から正式稼働となった。
ロケテスト・製品版共にプレイ出来るのは山手線のみだが、高画質化されたグラフィックやタッチパネル操作など今までにない機能が多数搭載されている。
また、今までは別売であったマスコンとブレーキの付いたコントローラーを本体にし、テレビにHDMI接続するだけで楽しめる「電車でGO! PLUG & PLAY」が2018年2月に発売。収録路線は電車でGO!FINALと同じで高解像度化、ワイド化されている。
北海道~九州・四国まで、殆どの地域の路線が登場するが、JR東海の路線は新シリーズまで一切収録されていなかった。JR東海は権利関係に厳しいからという説が有力。
そのため、2の京浜東北線で併走する新幹線はJR西日本所属、名鉄編で並走する東海道線はJR西日本の485系、山陽新幹線編にもJR東海車が一つも出ないという徹底ぶりである。
なお、PS以前の作品では特徴的な建物(ドームやデパート)や、駅・地形以外の風景は流用が多かったが、PS2以降は多くの建物に固有グラフィックが出来た。
ゲームの進捗状況によっては(運行路線における)過去の車両が画面上に登場するなど、CGならではのお遊びが見られるのも特徴。また、雨や踏切事故などのアクシデントも登場する。
システム
マスコン(加速)とブレーキを使い、列車を定刻に駅に停車をさせる事が目的。
まあ、一部のダイヤは難しすぎて、気軽にやれる物じゃないけどね
基本は「持ち時間」というシステムで、遅延・急ブレーキ・信号無視・オーバーランなどをすると「持ち時間」が減る。
逆に、トンネルや鉄橋などで警笛を鳴らす、駅に上手く停車、駅を定刻で通過、などをすると回復できる。
そして、持ち時間が0になってしまうとゲームオーバーとなる。
ただし、FINAL・POCKETとがんばれ運転士は「ライフ」制で、回復はできない。
なお、FINALにおいてはエンジョイモードにて使用できるアイテムの内、救急箱を使用するとライフを回復する事ができる。
山陽新幹線編は各ダイヤに合格点数が定められており、停車駅間を合格点数以上の点数で運転することが出来れば次の区間に進むことが出来るようになっている。
ちなみに、信号を無視したり、停車駅を通過すると、
実際だったら乗客が全滅するほどの強力なブレーキで強制停車する。通称「
ATS-T形」。
筐体は205系、新シリーズはE231系500番台の運転台をモチーフとしている。
種類
家庭用・PC版のみの物を青、アーケードのみの物を赤、両方がある物を緑で記載。
マイナーチェンジ版は省略。
通称初代・無印。運転できる路線が山陰本線旧線(現:嵯峨野観光鉄道線)、
JR京都線、
山手線、
京浜東北線の4路線と少なく、定通ボーナスがない、ボイスが
棒読みなど手探りな部分が多々見える。
バージョンアップ版として「電車でGO!EX」が存在する。
高速編の名に相応しく、通過運転を行う列車・路線が主体。プレステ版のみ各駅停車の大阪環状線が含まれた関係からか「高速編」のサブタイトルが消されている。
バージョンアップ版として「
電車でGO!2高速編3000番台」が存在する。3000番台では運転できるダイヤ、区間、車両が増えている。勿論各駅停車も含まれているが、何故か高速編のサブタイトルは消されていない。
この3000番台をベースにNINTENDO64向けにした「電車でGO!64」もある。64版は音声認識システムに対応し、歓呼を行うとボーナスが入る。ちなみにNINTENDO64の音声認識システムに対応したソフトは本作以外だとピカチュウげんきでちゅうしかない。
ボイスはPS版のみプロの声優を起用しているが、アーケード版とそれを移植した作品群は棒読み感満載ボイスが実装されている。
シリーズ初の家庭用オリジナル作品。初代と高速編のPS版に収録されている路線を完全収録+新規区間の追加を行った作品でPS版電車でGO!の集大成とも言える作品。
最初は48ダイヤしか選択できないが、一定条件を満たしていくことで隠しダイヤが解禁され、最終的には85ダイヤが運転可能になる。
今作から信号や速度制限の位置を予告する「ナビゲーションシステム」が実装され、よりクリアしやすくなった。
一方で鹿児島本線の
食パンをはじめとするシリーズ屈指の難関ダイヤに苦しめられたプレイヤーは多数。
シリーズ初の一つの私鉄にフィーチャリングした作品。アーケード版は存在せず家庭版のみ。
運転できる区間は名古屋から西側のエリアに限られているものの、当時最新鋭だった通勤車3700系、特急型1600系から名車パノラマカーにいも虫こと3400系、
モノレールに路面電車と多彩。
PS版のみ専用コントローラのうちワンハンドルタイプでのみ遊べるミニゲームが収録されている。
キハ8000系北アルプスをクリアすると大井川鐵道のSLのムービーが解禁される。これはゲームが開発された当時キハ8000系は全車解体済みで現存車が1両もなく、映像が撮影できなかったためだとされる。
汽車でGO!
シリーズ唯一の蒸気機関車だけが運転できる作品。プロフェッショナル仕様、名古屋鉄道編同様家庭版オリジナル作品。
磐越西線、信越本線、京浜東北線(!)を蒸気機関車で運転できるが、磐越西線は容量がカツカツというわけでもないのに上戸から磐梯町までの区間が省略されている。
従来の電車でGO!のような「電車操作」と蒸気機関車特有の操作でプレイする「汽車操作」を設定で選べる。
ナンバリング作品としては2以来の作品。本作は家庭用で初めてプレイステーション2(PS2)でのリリースが行われた。
PS2内蔵時計とリンクするリアルタイムモード、駆け込み乗車などで発車が遅れる、難易度が他の作品に比べて高め(特に鉄人モード)などの特徴がある。
シリーズ初、新幹線にフィーチャリングした作品。当初は
東海道新幹線を収録する予定だったが
JR東海の許可が降りず、
山陽新幹線が舞台となった。山陽新幹線だけでなく
博多南線、更には博多総合車両所への出入庫運用もある。
今までは持ち時間が無くなると駅間でも強制的にゲームオーバーとなったが、本作では点数制を採用し停車駅間での運転を点数化。停車駅で評価を行い、合格点に達していれば次の駅間へ進めるという仕組みを取り入れた。
難易度は初級〜超特級の5段階。最難関を超特級と呼ぶのは新幹線編ならではで、このダイヤを金星(100点以上)でクリアするのはかなり難しい。
新幹線編ということもあって長時間(最長で3時間近く)要するダイヤが多いが、中断できないのがネック。ただし、通常のプレイ画面に加えてコクピットビュー/アウタービューが選べる他、運転中のBGMも変えられるので長時間のプレイでも飽きにくくなっている。
後に
Wiiでもマイナーチェンジを行って移植。元々は無かった
700系3000番台(B編成)のダイヤ等も運転可能になっている。
新幹線編の対極に位置する路面電車を運転する作品。伊予鉄道松山市内線・
江ノ島電鉄線・京福電気鉄道嵐山線・函館市電が運転可能。各路線ごとに専属の女性教官と四季のイメージが設定されている。予め決まったダイヤを運転するのではなく、路線・時間帯・車両を自分で選択する。
路面電車という環境を再現した関係からかダイヤ面が非常にゆるく、早着は一切お咎め無し、延着も1分程度であれば問題なしとなっている。
反面、空気式ブレーキの扱いが少々難しい、基本的には扉扱い・アナウンスを自分で操作する必要がある、自動車との接触事故・交通信号に注意、1cmでもオーバーランするとアウトというシビアさも路面電車はならでは?
またのんびり運転とほんもの運転の2つのモードが選べ、前者は運転+アナウンス・扉扱いでOKだが、後者はポイント制御や速度制限が出てくる他、停止位置が狭くなるなど難易度が上がる。
採点方式は各駅ごとに評価を行い、持ち点が0点になるとゲームオーバーという方式を採っている。
湘南新宿ライン、
鶴見線、
京都線・
湖西線・
北陸本線、瀬戸大橋線(
宇野線・
本四備讃線)・
予讃線・
土讃線、
鹿児島本線・
長崎本線・
佐世保線・
大村線が収録されている。1本あたりのプレイ時間が長いのに配慮して途中駅でのセーブ・ロード機能が実装された。
採点方式は電車でGO!3以前と同じ持ち時間方式だが、設定によってかなり難易度が上下するのが特徴。例えばやさしいの難易度1だと停止位置±5m、定通猶予が±10秒以内になる一方、エキスパートの難易度5だと停止位置は±30cm、1秒でもタイヤからズレると5秒減点…という有様である。
ボリュームはシリーズ1、2だが、ファンの間ではクオリティ面であまり良い評価が得られていない。また初期ロットでは到達不可能なダイヤ設定、全てのダイヤを解禁できないという致命的なバグが存在した。
Train Simulator+電車でGO! 東京急行編
名古屋鉄道編以来のひとつの私鉄にフィーチャリングした作品。音楽館の人気作「Train Simulator」とのコラボ作品で、路線がCGではなくTS同様実写映像で再現されている。
電車でGO!FINAL
従来のシリーズの集大成。山手線、大阪環状線がシリーズで初めて全区間運転可能になり、JR京都・神戸線、中央線快速もクオリティアップの上収録されている。
開発段階では中央・総武緩行線も収録予定だったが、山手線・大阪環状線全線へ開発リソースを割り振ったため、クオリティダウンを避けるために製品版ではカットされた。
ライフ制のため、シリーズでは珍しい加点方式での採点であり、合格点などといったものも存在しない。
復活!昭和の山手線編
シリーズ初のニンテンドーDSでのリリース作。この作品から前述の理由でリリース元がスクエニになった。
制作は音楽館で、製作総指揮はミュージシャンで音楽館の社長でもある向谷実。
山手線しか運転できないものの、現代モードと昭和モードが切り替えられるようになっており、それぞれで風景や運転できる車両が異なっている。
電車でGO!!(カードで連結!電車でGO!)
シリーズ生誕20周年作品で、旅情編以来実に17年ぶりに登場したアーケードの正統続編。
今どきのアーケードゲームらしくNesicaや交通系電子マネーに対応している他、筐体もE231系500番台の先頭運転室部分を模した大きいものに変わった。
オンラインで運行できる路線をアップデートするシステムであり、最初は山手線のみの収録だったが、現在は中央・総武緩行線、阪神電車、中央西線、名鉄名古屋本線が追加されている。
システム的にはFINALに近く加点方式だが、ライフはなく、クレジットで決められた区間内運転する形。
同一筐体で初代電GOと高速編の復刻版もプレイできる。
以上の他にも、携帯アプリ版・パチンコ・iPhone版・エレメカ版・LCD版がある。
踏切事故
電車でGO!で有名なのが、踏切事故だろう。
特定の駅に早着すると(3に限って確率により)、けたたましいベルが鳴り、トラックが
踏切に立ち往生している。衝突してしまうと減点、回避できると加点である。
初心者の頃、混乱してブレーキを掛けられず、回避失敗した人も多いだろう…。
衝突すると、乗客からの悲鳴が響き、名鉄編以外ではトラックが吹っ飛ぶ。
3(通勤編)に至っては、
トラックが勢いよく遙か彼方に飛んでいき、何事もなかったかの様に運転再開する。トラックの荷台から落ちて跳ねている謎の物体(恐らく電車でGO!のアーケード媒体)も何処かへ消える。
名鉄編は逆で、どんなに高速で衝突してもトラックが無傷であり、何事も無かったかの様にトラックが後退、その後運転再開となる。
みんなも一度は故意にトラックにぶつかったよね☆
しかし、何故か3より後に作られたソフトにはこのイベントは無い…。苦情が来たのだろうか…。
専用コントローラー
電車でGO!には専用コントローラーがある。
大きく分けて6種類だが、色・ハードを分けるともっと多い。
無印
ワンハンドルタイプ
マメコン
type2
旅情編用
新幹線専用(専用という名前だが、新幹線編以降の作品にも使える)
そのほか、PS2版には「Multi Train Controller」が使える。
この中でもPS2版の新幹線専用コントローラーは連動スピードメーターがついているのが特徴。かなり運転士気分が高まる。
ちなみに、2012年4月現在のコントローラーの価格の相場は、新幹線専用・PS2版旅情編用・type2が中古10000円~20000円程度、
PC版旅情編用に至っては、中古70000円前後である。しかもどんどん上がっていくから恐ろしい事だ。
今は安い物でも、出来るだけ早く入手した方が良いだろう。
タッチパネル
新シリーズにて導入されたシステム。今までは列車の速度などは一部アーケード版を除き媒体に速度計がくっついているが老朽化に伴い全くあてにならない画面上に表示されていたが、これにより実車と同じように手元に速度計などが出るようになった。
また、戸閉灯をタッチしての戸閉確認や速度計付近をスライドしての制限速度確認、ボタンタッチによる前照灯のON/OFFやワイパーのON/OFFを切り替えられるようになり、より本物の運転士に近い手順を踏むことができる。
ただし、これにより今までの電車でGO!に比べて圧倒的に難易度が跳ね上がっている。
また、余談であるが前照灯のON/OFFは対向列車に接近した際にOFFにすると、OFFにしたタイミングにより3段階で得点が入る。しかし、OFF時間が長すぎると減点を食らう…というのはともかく、カーブを抜けた直後に対向列車が来たor対向列車がカーブから出てきた際に距離が近いと視認してからOFFにしても、3段階目の最高点を取ることが不可能であるため単なる覚えゲーと化している。
しかし、本職の運転士はダイヤグラムを知っているため、カーブ手前からOFFにしていてそれを基準にしたんじゃ……と思いたいが、実際はそんなこともなくカーブを抜けたあと対向列車を視認してからOFF(減光)にしている。
追記・修正(をするの)は君だ!
- PRO1は名作 -- 名無しさん (2013-08-01 20:54:06)
- ゲームセンターCXでは意外な人が活躍してびっくりした。 -- 名無しさん (2015-01-13 16:08:07)
- 電波少年的懸賞生活でなすびが当てた際に猿のようにハマってたのが印象的 -- 名無しさん (2017-08-21 17:55:51)
- 今のところ、四国の路線がプロ2と旅情編にしかない。現行アーケード版のアップデートで四国の路線を収録してくれないかな… -- 名無しさん (2018-10-08 08:59:45)
- 九州も日豊線とか九州新幹線を収録してくれ。 -- 名無しさん (2019-02-07 21:56:06)
- 専用コントローラー(≒操作系統)の件、ACについて確認したら最新版が1ハンドルで、それ以前は総じて2ハンドルか……そしてPS4どころか、PS3(Railfan)にもコントローラーがなかったとは。 -- 名無しさん (2020-12-07 23:13:47)
- 「まぁ自分だけのレースゲームみたいなもんだろ」と思って気軽にできるような難易度じゃないゲーム。最低難易度の区間でも完走できればかなりの手練れ。鉄道会社の運転手さんは本当にお疲れです。 -- 名無しさん (2024-08-13 16:13:19)
最終更新:2025年02月20日 13:19