ロミオとジュリエット

登録日:2012/01/22(日) 08:33:10
更新日:2023/09/24 Sun 19:40:17
所要時間:約 9 分で読めます




O Romeo,Romeo! Wherefore art thou Romeo?


『ロミオとジュリエット』とは、言わずと知れたウィリアム・シェイクスピアによる戯曲。
その悲劇的な結末から、古今東西、恋愛をテーマにした創作に計り知れない影響を与えた作品である。

アニメとしてはGONZO製作で『ロミオ×ジュリエット』が存在するが、かなり改編されており賛否両論(寧ろ原作よりも感動したと言う声も多いが)。
また、ブロードウェイミュージカルのウエスト・サイド物語(ウエストサイドストーリー)もこの物語から派生した作品の1つである。
その人気から数多くの監督が映画化に挑戦しており、近年では1996年にレオナルド・ディカプリオとクレア・デーンズの主演で映画化されている(舞台が現代の南米に変更され、旧家の争いがギャングの抗争になるなど大胆にアレンジされている)。


【ストーリー】
イタリアにはヴェローナという都市があります。
むかーしむかし、その街にはモンタギュー家とキャピュレット家というセレブな一族が住んでいました。
ですが、二つの家は先祖代々敵同士でとっても仲が悪く、いつもいがみ合いが絶えません。
バッタリ出くわしただけで見るに堪えない罵り合いは日常茶飯事、時には血で血を洗う抗争を町中で繰り広げるものですから、
巻き添えを喰う街の人々だって堪ったもんじゃないでしょう。
では、住人は両家をどう感じているのか街角インタビューしてみます。


「あなたはモンタギュー家とキャピュレット家についてどう思いますか?」

I さん「奴らは裕福な生活を送りながら、くだらない思想をぶつけ合って戦闘に明け暮れている。
     俺達は、そのしわ寄せでこんな生活を……強いられているんだ!」

「どうもありがとうございました」


さて、そんな険悪な空気が街中に漂っていたある日のこと。
キャピュレット家主催の仮面舞踏会が開かれ貴族や名士が続々と集まりましたが、
その会場にはこともあろうにモンタギュー家の跡取り息子ロミオ(16)がいました。
当時、彼はロザラインという絶世の美女にベタ惚れしてメロメロの腑抜け状態。寝ても覚めて彼女のことばかりで食事も喉を通りません。
一方、肝心のロザラインはロミオに冷たい態度を取り続け、養豚場の豚を見るような眼で蔑んでいたそうです。

「味噌汁で顔を洗って、一万と二千年後に出直してらっしゃいな。わたくしが貴方如き年下の童貞坊やを相手にするとでも?
舐めさせても構わないのは靴の裏側だけだわ。勿論、そんな靴すぐに捨てるけどね」

こんなことを言われても未練がましく熱をあげ続けるロミオの姿を見かね、モンタギュー家の若頭ベンヴォーリオは彼を仮面舞踏会へ連れ出しました。
「ロザラインがいるから」という建前でしたが、本当は免疫のなさ過ぎるロミオを他の色々な女性に触れさせ恋の病を治そうとしたのです。
こうして、ロミオの友人マキューシオを加えたトリオはまんまと仮面舞踏会に潜入しました。警備員のチェックもザルですね。

さて、ここで登場するのがキャピュレット家の令嬢ジュリエット(14)です。
魅入られたかのように二人は近づき、お互いに名前も知らずにキスをしました。

「ロザライン? 誰それ?」

もっとも、ロミオは彼女への称賛を聞いたキャピュレット家当主の甥ティボルトに、声で正体を見抜かれてしまいます。
ティボルトは戦る気満々でしたが、舞踏会ではロミオも紳士として振る舞っており非がありません。
それに、さすがに乱闘になって紳士淑女の客に危害を及んでは家の名に泥を塗ると考えたからか、この場は見逃されました。

命拾いしたロミオでしたが、ジュリエットのことが忘れられません。

帰るフリをして庭園に忍び込んだロミオは、バルコニーで独り言をブツブツ言っているジュリエットの姿を発見します。
既に互いの正体を知ってしまっていた二人ですが、恋は障害があればあるほどかえって燃え上がるもの。

「ああ、ロミオ! あなたはどうしてロミオなの!?」
「ああ、ジュリエット! 君は何故にWhy? ジュリエットなんだ!?」

あまりにも有名すぎるやり取りを交わした二人は、ついでに結婚の約束をしました。


浮かれたロミオはその足で、尊敬するロレンス修道士の教会まで赴きます。
相談を受けたロレンスは、ほんの少し前までロザラインロザラインと言っていたロミオの神速の心変わりに呆れ果てました。
しかし、これがキッカケで二つの家が和解すれば万々歳です。
ロレンスの立ち会いによって、ロミオとジュリエットは秘密裏に結婚式を挙げます。
(ロレンスが内心、将来的なロミオの浮気を心配していたのかは定かでありません)

さて、出会って2日という神速のスピード婚を果たし、ホクホク顔で帰路についたロミオでしたが、
その帰り道で因縁のティボルトと出くわしてしまいケンカを売られます。

「ファックユー! ヘイ、チキン! ヘイ、チキン! サノバビッチ!」

どれだけ挑発されても、ロミオは平和的解決を試みました。
まだ誰にも秘密とはいえジュリエットと結婚した今、キャピュレット家とはもう親戚ですし、
なによりDQNなティボルトも従兄妹であるジュリエットとは昔から仲が良かったのです。
しかし、マキューシオは侮辱される親友ロミオの代わりと言わんばかりにティボルトに挑み、あっさり返り討ちにあって死んでしまいました。
友人を殺されてはさすがのロミオも堪忍袋の尾が切れ、怒りに燃えて死闘を繰り広げた結果、ティボルトを刺し殺してしまいます。

真っ昼間の町中で起きた殺人事件は隠しようがありません。
ヴェローナを統治する公爵まで出向く大騒動に発展した挙げ句、極刑こそ免れたもののロミオは永久追放を言い渡されてしまいます。

追放されては二度とジュエリットと会えません。
自暴自棄になったロミオは急速にヘタレて半狂乱になりましたが、ロレンスに励まされてなんとか立ち直ります。さすがロレンスです。
今後の身の振り方として、ロミオは一旦マンチュアという街に身を寄せ、ロレンスが頃合いを見て二人の結婚を公表。
その既成事実で両家は仲直り、ロミオも大手を振ってヴェローナに帰国できる……という結構アバウトな計画を立てました。

この夜、しばしの別れとして人目を忍んで落ち合った二人は夫婦として初めての夜を過ごしました。ムフフ…。


「キャピュとモンタの二つの道が!」
「捩じって交わるロミジュリ道!」
「昨日の敵で運命を砕く!」
「明日の道をこの手で掴む!」

「「新婚合体!!」」


ロミオが去ってしまい、ジュリエットは意気消沈する毎日。
それを見た両親は仲の良かったティボルトが死んだからだと誤解し、悲しみを忘れさせるべくパリスという貴族との縁談を勝手に進めてしまいました。
拒否を許されず、追い詰められたジュリエットは毎度お馴染み困った時のロレンスを訪ねて泣きつきます。
ロレンスは聖なる頭脳をフル回転させ、文字通り「起死回生」の秘策を練ります。

「『ジュリエットは仮死状態になる薬で死んだように見せ葬られ、目覚めたら迎えに来たロミオとヴェローナから逃げる』……条件はクリアしたも同然だ」

当時修道士は薬剤師としての一面もあった為こんな物騒な薬を用意できたわけです。これで準備は整いました。
結婚式の前夜、ジュリエットは薬を飲み干して仮死状態に陥り、予定通り葬られます。


しかし、そこで運命が狂いました。
ロレンスは計画を伝える為に使者を派遣していたのですが、それより前に『ジュリエット死す』というニュースがロミオに伝わってしまったのです。
せめてジュリエットの横で死のうと、貧しい薬屋から毒薬を購入したロミオは密かにヴェローナに帰還。
霊廟に忍び込んだ際、ジュリエットに花を手向けていたパリスに見つかってしまったロミオは、
彼の方が先にジュリエットと結婚していたことを知らないパリスと言い争いになり、ものの弾みで殺してしまいます。
彼はともかく、ジュリエットの死を確認(早とちり)したロミオは彼女に最後のキスをして毒を飲み死んでしまいました。

そして、入れ違いでジュリエットが目を覚ましました。
当然ジュリエットには何が何だか全くわかりません。
目が覚めたらロミオとパリスが死んでいる上、何よりツルハシと提灯を持ったロレンスが目の前にいたのですから。


実は、使者が間に合わなかったことを知った彼は自らジュリエットを救出すべく墓地に乗り込んだのでした。
早い話、完全に後手に回ってしまったのです。

「このロレンス、一生の不覚!」

そこで人の声が聞こえてきたので、ロレンスはジュリエットを置き去りにして一目散に逃げ出しまいます。
残されたジュリエットは、ロミオの握っていた短剣で自分の胸を刺して後を追いました。


一粒種同士の死にショックを受けた両家の当主たちは、ここまで来てさすがに猛省。
今までの確執を水に流して互いを「兄弟」と呼び、ロミオとジュリエットの金の像を建てて二人を偲ぼうと誓い合います。
こうして、若い二人の命と引き替えにヴェローナにようやく平和が訪れたのでした。


なお、ロレンスは墓地から出てきた所を夜警にあっけなく捕まっていました。
ロミオとジュリエットの悲劇の真相が明らかになったのは、彼の供述によるものだそうです。




~Fin~



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最終更新:2023年09月24日 19:40