ザ・ワールド・イズ・マイン

登録日:2012/01/03(火) 01:23:31
更新日:2024/08/31 Sat 21:57:32
所要時間:約 4 分で読めます






生き物には生かすも殺すも好きにできる力がある


使え・・・力は絶対だ



~概要~

ザ・ワールド・イズ・マインとは、1997年から週刊ヤングサンデーに連載していた青年漫画である。作者は新井英樹。

その露骨な性描写や凄惨・残酷な暴力表現から人を選び、知名度もあまり高くないものの、圧倒的な画力と人の生死感やどうして人を殺してはいけないかというテーマに真正面から描ききったとして、多数の著名人から絶賛され、今もカルト的な人気を持つ作品である。

~ストーリー~

多数の消火器爆弾を積んだ車に男が二人。彼らの名前はモンちゃんトシ。二人は各地に爆弾を設置していき、道中で邪魔をする人間を次々と殺害していく。そして青森県警察本部の襲撃をきっかけに二人の名前は全国に知れ渡る。

さらに北海道から現れた、8メートルを越す怪物、ヒグマドン。人々を次々と踏み潰し、食い殺して行く。

トシモンとヒグマドン。これらが日本全土を混乱の渦に巻き込んで行く…。

~キャラクター~

  • モンちゃん
正体不明の謎の男。ナイフの様な鋭い目をして、人相は悪い。
たちの悪い純粋無垢さを持ち、人を殴ったり、殺したり、レイプをしても一切の罪悪感を持つことがない。
ダークヒーローとはとても言えない生粋の殺人鬼である。
口数は多い方ではないが、「俺は俺を肯定する」「命は平等に価値がない」など印象的な言葉を口にする。
人を引き付けるのか、彼を信奉する人間は跡を絶たない。
物語の中盤でヒグマドンに(精神的に?)殺され、殺される側の感情を植え付けられたために人を殺せなくなる。

  • トシ
モンちゃんの相棒で本名は三隅敏也。
大阪出身のオタク気質な童貞。爆弾作りの腕を買われ、行動を共にする。モンちゃんの暴力や野獣性に惹かれていたが、序盤は気の弱い一般人。
しかし殺人に手を染めると性格も変わっていき、次々と人を殺していく。

  • 阿倍野マリア
秋田県の女子高生。人間的に大きな器を持ち、人の助けになるようなことを積極的にしていく優しい性格をしている。
しかし序盤にトシモンを実家の旅館に泊めたことから彼女の人生は大きく狂うことになる。

  • ヒグマドン
規格外のサイズを持つ人喰いヒグマ。北海道から本州へと下っていき、秋田県大館市で人々を無慈悲に殺していく。
作者によると神を形にしたもの。天罰と天災の両方の面を持つ。

  • 由利勘平
第75代総理大臣。目立たない政治家と思われてきたが、トシモン事件によって才覚を表す。
何故人を殺してはいけないか、人の生命の価値をいくらなのかなどと言う難問にはっきりと答え、国民を驚かせる。
彼のカリスマ性にトシも脅威を覚え、全国放送のストリップを要求する。

  • 塩見純一
トシモンに襲撃された青森県警の課長。人徳があり、部下からも尊敬されている。
多数の死傷者が出たことから心に大きな傷を受けるも、再度トシモンを捕まえるために奔放する。

  • 飯島猛
ヒグマドンを狙う老猟師。かつて太平洋戦争も生き抜いた猛者。
独特な死生感を持ち、人を引き寄せる凄みを持つ。秋田県でヒグマドンと合い見え、右目を打ち抜く。

  • 星野隆之
ヒグマドンを取材する新聞記者。当初は乗り気ではなかったが、飯島に感化されてたことにより積極的になっていった。落ち着いた性格に見えて、手帳に悪口と性器を書くと言う変態的な面も見える。

~その他~

よゐこの有野晋也はオススメな漫画にこの作品を上げ、ロックバンドのくるりは感銘を受け、同タイトルのアルバムを作成した。
また映画監督の深作欣二も映画化の企画を立てていた。他にも庵野秀明などからも好意的なコメントを出された。

傑作とも言えるこの作品だが、連載中は人気がなく雑誌の方向転換が決まり打ち切りを受けてしまった。
(しかし展開が早まっただけであり、大きく構成が変わったわけではない)

現在は完全版が出ているので、是非機会があれば読んでほしい。ある意味では道徳の教科書とも呼べる作品。損はしないと思う。




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最終更新:2024年08月31日 21:57