袖の下/Bribery(MtG)

登録日:2011/03/29 Tue 20:11:48
更新日:2024/12/14 Sat 18:35:19
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メルカディア市では、忠義はあんたの財布が伸びる範囲内でしか働いてくれないのさ。



《袖の下/Bribery》はマジック:ザ・ギャザリングのメルカディアン・マスクスに収録された青の呪文。レアリティはレア。第八版にも再録された。


性能

袖の下/Bribery (3)(青)(青)
ソーサリー
対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーから、クリーチャー・カードを1枚探し、それをあなたのコントロール下で戦場に出す。その後そのプレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。

解説

古来より伝わるクリーチャーのコントロールを奪う呪文の一つ。

その効果は変則的で、なんと相手のライブラリーから直接クリーチャーを奪う

本来このタイプの呪文は戦場に出たクリーチャーにしか効果を及ぼさないのだが、《袖の下》は問答無用で相手のデッキに眠る最大戦力を、膨大なマナがかかるクリーチャーでも(3)(青)(青)で自分の支配下に置いてしまうのだ。

もし、自分のデッキに《ダークスティールの巨像》や《引き裂かれし永劫、エムラクール》あたりが入ってる時にプレイされたら泣くしかない。


効果だけ見るとインパクトがあるが、実は結構弱点がある。

まず基本的に効果が相手依存、ということ。
相手がノンクリーチャーデッキであった場合に途端に腐るのは言うまでもなく、ライブラリーから直接クリーチャーを引っ張ってくるため、既に戦場に出ている相手クリーチャーの数に影響を与えないのは地味に辛い。
通常のコントロール奪取呪文とは違って使った時点では1:1の交換でしかないため、形勢逆転とはいかない場合も多々あるのだ。

また、相手が大型クリーチャーをフィニッシュに据えたタイブならいいが、数を並べて勝負するウィニーやビートダウン相手にも効果は薄い。白ウィニーから《サルタリーの僧侶》一枚奪った所であまり意味がないのである。

事実、このカードがスタンダードに存在していたマスクス〜インベイジョン期に主流になっていた赤緑ステロイド「Fires」には切札にはなり得なかった。もっとも、《魂売り》や《煽動するものリース》が入る事もあったので、まったく出番がない訳ではない。

登場時には他にも優れた同系の呪文が存在していたのも理由としてある。戦場のクリーチャーしか奪えないがコストをチャラにするフリースペル《不実》の有用性が高すぎて、《袖の下》は軽視されてしまった。

しかし、プレイ時に相手のライブラリーを見ることが出来るのは大きい。相手のデッキ構成がわかればプレイングにも有利に立てる。そう考えると《不実》より劣るとは一概に言えない。

なんにしろ、当時のスタンダード環境でよくお目にかかれたカードである。


ちなみに、戦場に出す能力は強制ではない。見つからなかったことにして相手のデッキからクリーチャーを出さないこともできる。
奪った方がいいのは言うまでも無いのだが、例えば相手のデッキに《触れられざる者フェイジ》(手札以外から戦場に出すとコントローラーが敗北する)しかクリーチャーがいない場合などに活きるプレイングである。

余談

ところでこのカード、2013年にジャッジ褒賞(DCI認定ジャッジに与えられる、まぁ無償でやってくれてるジャッジに公式が渡すお礼のようなもの)に選ばれ配られている。
…公明正大なるが求められるジャッジに「袖の下が渡される」とは、一体いかなる意味なのか…


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最終更新:2024年12月14日 18:35