登録日:2012/04/18 Wed 09:26:57
更新日:2025/04/10 Thu 21:59:08
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概要
MTGは5色のカードから構成されるカードゲームだが、ドラコが収録されたエキスパンション「プレーンシフト」を含むインベイジョン・ブロックより以前は、単色で構築されたデッキが主流となっていた。
特にインベイジョン・ブロック発売前のスタンダードは【レベル】、【ライジングウォーター】、【マーシナリーズ】、【
スライ】、【ストンピィ】など、強力な単色デッキが環境で活躍していたため、土地事故などの理由で安定性を欠く二色以上のデッキは敬遠されがちであった。
その風潮に新しい流れを作るために打ち出された、インベイジョンブロックのテーマはいにしえのエキスパンション「レジェンド」以来となる「多色化」。
《アルマジロの外套》や《ヤヴィマヤの火》のような壊れた性能を持つ多色呪文が収録。
《砕土》や《肥沃な大地》など優秀なマナサポート呪文も多く再録された。
そして、ドラコもまたそういったカードの一枚である。
カード性能
ドラコ/Draco (16)
アーティファクト・クリーチャー - ドラゴン
版図 ― ドラコを唱えるためのコストは、あなたがコントロールする土地の中の基本土地タイプ1種につき、(2)少なくなる。
飛行
版図 ― あなたのアップキープの開始時に、あなたが(10)を支払わない限りドラコを生け贄に捧げる。このコストは、あなたがコントロールする土地の中の基本土地タイプ1種につき、(2)少なくなる。
9/9
解説
珍しいアーティファクトのドラゴンであり、そのマナコストとサイズも規格外のクリーチャーである。
現在も最高記録を保持している程の莫大なマナコストとアップキープコストのため、単色や二〜三色デッキにはとてもではないが採用できる代物ではない。
逆に言えば、五色デッキならばこれ以上ないアタッカーとして暴れる事ができる。
この頃、《集団監禁》や《世界の荒廃》を使った五色コントロールデッキ、《ドメイン》がブロック構築では台頭を始めており、そのフィニッシャーとしてドラコは採用された。
9/9のドラゴンは二回殴ればほぼプレイヤーを殺せる……トーナメントでドラコが暴れる日は近い。
誰もがそう信じていた。
解体の一撃/Dismantling Blow (2)(白)
インスタント
キッカー(2)(青)(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは追加の(2)(青)を支払ってもよい。)
アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とし、それを破壊する。
解体の一撃がキッカーされていた場合、カードを2枚引く。
秘宝の突然変異/Artifact Mutation (赤)(緑)
インスタント
アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。それは再生できない。緑の1/1の苗木(Saproling)クリーチャー・トークンをX体戦場に出す。Xは、そのアーティファクトの点数で見たマナ・コストに等しい。
ドラコ「え?」
そう。ドラコは「アーティファクト」・クリーチャーなのである。
環境には優秀なアーティファクト破壊呪文が存在していたのだ。前者はキッカーコストまで含めればかなり重いのでまだカウンターなどで守りやすいが、それもプレーンシフトに収録された《嵐景学院の使い魔》によってマナコストを軽減されると難しくなってしまう。
これがブロックからスタンダード環境になると、出しておけばいつでも好きな時に《解呪》が撃てるエンチャント《浄化の印章》が現役であったため、ますますドラコが活躍しづらい状況だった。
またプロテクションなどの自身を守る能力もないため、同エキスパンションに収録された最高峰の除去の一枚である《終止》を始め、クリーチャー除去への耐性がないのはクリーチャー時代へとシフトし始め、除去が充実し始めた当時ではマイナスであった。
更に【ドメイン】は次第に《抹消》で場をリセットするタイプが主流になっていったため、コントロールしている基本地形に依存するドラコは採用されなくなっていった。
だが、ドラコはその規格外のサイズを活かして、【
リアニメイト】や【
ドラコ爆発】などのコンボデッキで活躍し、その存在をアピールし続けた。
ブロック構築でも、《大釜のダンス》を使い、二枚のドラコを一斉に場に出して相手を仕留める【ドラコダンス】が一時期注目された。
現在ではヴィンテージ環境に活躍の場を移し、姿もあまり見かけなくなったが、今もなおイラストも含めて人気の高いカードであり、再録が期待されている。
派生カード
ドラコの末裔/Scion of Draco (12)
アーティファクト・クリーチャー — ドラゴン
版図 ― この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールしている土地の中の基本土地タイプ1種類につき(2)少なくなる。
飛行
あなたがコントロールしている各クリーチャーはそれぞれ、白なら警戒を、青なら呪禁を、黒なら絆魂を、赤なら先制攻撃を、緑ならトランプルを持つ。
4/4
「モダンホライゾン2」で登場した、文字通りの末裔。
サイズはずいぶんと縮んでしまったが、その分コストは4マナ軽くなり、維持コストも必要無くなった。
代わりに自分のクリーチャーの色に応じた能力を付与する常在型能力を得ており、同時に収録された《縄張り持ちのカヴー》と共に
アグロ型のドメインデッキを強化した。
また、「カルロフ邸殺人事件」では
《ギルドパクトの力線》という思わぬ相棒を獲得。
力線共通の
ゲーム開始時に踏み倒せる能力を持ち、土地に全ての基本土地タイプを与えてコストをフル軽減し、土地以外のパーマネントに全ての色を持たせることで、ドラコの末裔自身に呪禁含む5つの能力が付与される、という抜群の相性を誇る。
いくらアーティファクトといっても呪禁を持ってしまっては対処が困難なため、【ドメイン】では定番の組み合わせに。さらにどちらも4マナ以上ということで【カスケード・クラッシュ】に出張セットとして採用されることも……
余談
- マナ総量が16の唯一のクリーチャーのため、モミールで確実に出せる。
ただ、基本土地をバランスよく置いても9/9飛行と勝利に直結する性能ではないため狙う意味は薄い。
そもそも16マナに届くことが相当レアだが…
追記・修正お願いします。
- そうか、彗星怪獣お前ロボット怪獣でもあったのか(違 -- 名無しさん (2021-02-23 23:05:20)
- 未だにモミールベーシックの16マナ確定枠。15マナの永劫エムラくじについ惹かれるが確定9/9飛行のこっちの方が無難……だったけどそれなら13マナ確定の終末エムラの方がもっと強い。 -- 名無しさん (2022-12-09 17:25:07)
最終更新:2025年04月10日 21:59