生ける屍/Living Death(MtG)

登録日:2010/11/20 Sat 21:08:34
更新日:2025/07/29 Tue 22:22:15
所要時間:約 2 分で読めます





《生ける屍/Living Death》とは、TCG『マジック・ザ・ギャザリング』の『テンペスト』に収録された黒のカード。レアリティはレア。


解説

生ける屍/Living Deathㅤ(3)(黒)(黒)
ソーサリー
各プレイヤーは、自分の墓地にあるすべてのクリーチャー・カードを追放する。その後自分がコントロールするすべてのクリーチャーを生け贄に捧げる。その後自分がこれにより追放したすべてのカードを戦場に出す。

戦場と墓地を入れ替える豪快なカード。

一撃で相手のクリーチャーを墓地に葬り、代わりに自分のクリーチャーを揃えるため、一発逆転が可能なカードと言える。ただし、相手の墓地にクリーチャーがわんさかいた場合は逆に涙目になるので、何らかの方法で墓地掃除が出来るようにしておきたい。

このカードが登場した時、その派手な効果に世界中のプレイヤーが注目した。効果が効果なだけに大会で決まった時の会場の盛り上がりも一際激しかったとか。


特に当時は《適者生存》というクリーチャーカードを捨ててライブラリーからクリーチャーをサーチするエンチャントがあったため、それでせっせとクリーチャーを捨てて墓地を肥やし、圧縮したライブラリーから生ける屍を引いたらプレイ、《ボールライトニング》など速攻持ちのクリーチャーを一気に並べて総攻撃!!…という【サバイバル・デス】というデッキが巷で流行した。非常に爽快感のある勝ち方が出来る楽しいデッキである。
このカードがスタンダードを去ってからかなりの年月が経つが、今もなお愛されている人気カードだ。機会があれば一度試してほしい。

初期のデュエル・マスターズの漫画でも、第2話にて黒城凶死郎が使用。
勝舞のスリヴァー達をこのカードの効果で一網打尽にしつつ、自身のクリーチャーを大量にリアニメイト。形勢を完全にひっくり返して見せた。
また、対戦相手に絶望を与える決闘者という彼のキャラクターを強烈に印象付けた。
必殺技感の強いカードということもあり、有志の架空デュエル系作品でもよく必殺技として用いられている。

関連カード

死せる生/Living End 〔黒〕
ソーサリー
待機3 ― (2)(黒)(黒)
各プレイヤーは自分の墓地にあるすべてのクリーチャー・カードを追放する。その後自分がコントロールするすべてのクリーチャーを生け贄に捧げる。その後自分がこれにより追放したすべてのカードを戦場に出す。

『時のらせん』で登場したリメイクで、普通に唱えられなくなった代わりに待機を得た。
待機によってタイムラグが生じるため、相手に利用されやすくなっている……というカードだったのだが、マナ・コストを支払わずに唱える手段である「続唱」が登場すると、
サイクリングでクリーチャーを墓地に落とす→続唱呪文から待機をすっ飛ばして《死せる生》をキャスト→どんでん返しというコンボデッキ【リビングエンド】が成立。
現在はモダンで使用可能。

……と、モダンが始まってからMTGを始めたプレイヤーには解説されるのだが、元々このデッキのギミックは《超起源》というまったく別のカードに用いられていたもの。
《死せる生》はエクステンデッドで猛威を振るっていた《超起源》デッキの返しとして、ギミックを模倣して開発されたメタデッキが大元である。相手が《超起源》を処理させてその返しで《死せる生》を唱えれば、対戦相手は《超起源》で出したクリーチャーをすべて失い、自分だけクリーチャーが勢ぞろいという盤面を築けるというもの。つまり「すべてのクリーチャーを生け贄に捧げる。」という部分が大事だったのだ。
当時スタンダードでは見向きもされなかったカードたちが、エクテンという魔境で大量に採用されているというリストの禍々しさは大いに話題になったものである。
この《超起源》は《引き裂かれし永劫、エムラクール》の登場によってエクステンデッドで禁止になり、後にモダンが制定された際も禁止カードに指定された。そのため現在では《超起源》というカード自体の存在を知らないプレイヤーも非常に多い。
モダンホライゾンで1枚だけ不自然に存在していた待機呪文《衝撃の足音》は、この《超起源》が禁止になっていてバランスが悪いことで開発された、いわば補填である。

一時期は「青単リビエン」という全く新しいアーキタイプが登場して話題になった。
本来のデザインである「待機経由で唱える」ということはほぼ行われず、インスタントである《暴力的な突発》を経由して相手のアップキープに《死せる生》で入れ替えが可能。
本家よりも凶悪度も上がっていたのだが、これが強力過ぎる*1と判断されたために《暴力的な突発》が禁止カード行き。
そのため現在は3マナエンチャントの《献身的な嘆願》経由となり、奇襲性はだいぶ下がってしまった。


Grafdigger's Cage / 墓掘りの檻 (1)
アーティファクト
墓地やライブラリーにあるクリーチャー・カードは戦場に出ることができない。
プレイヤーは墓地やライブラリーから呪文を唱えられない。

モダンで定番の墓地対策。ライブラリーからの踏み倒し対策も可能。意外なカードが引っかかるのだが、《生ける屍》《死せる生》相手には無力。
自分がこれにより追放したすべてのカードを戦場に出す。」と書いてあるため、処理上は追放領域から戦場に出ているため。
モダンを始めたプレイヤーは必ずこれに引っかかる。失敗することによって覚えていくのだ。墓地対策ひとつとっても下環境は難しいのである。



生ける屍 SR 闇文明 (9)
呪文
各プレイヤーは、クリーチャーをすべて、自分の墓地から超次元ゾーンに置く。その後、すべてのクリーチャーを破壊する。
各プレイヤーは、サイキックでもドラグハートでもないクリーチャーをすべて、超次元ゾーンから出す。

デュエル・マスターズに輸入された生ける屍。デュエマでは不可能な追放という挙動を超次元ゾーンによって再現している。

コストが9と大幅に上昇しているが、これは土地が無いため墓地肥やしの効率が相対的に高いこと、打ち消しがシステム上存在しないことといったシステムの違いによる部分が大きい。


彼らは背後の深い闇に穿たれた黒い穴のように見えた。
フロドは毒ある息を吐き出す、ついきしゅうせいをおねがいしますという音を聞いたように思い、身を貫く寒気を感じた。

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最終更新:2025年07月29日 22:22

*1 相手のターンに動くためピッチ打ち消しの《否定の力》(使用者の対戦相手のターンにおいてのみ0マナで撃てるFoWのリメイク)によってバックアップできる。もちろん対戦相手が使用する《否定の力》に怯えなくても良い