ガフ・ガフガリオン

登録日:2012/02/23 Thu 23:58:14
更新日:2025/10/10 Fri 07:50:36NEW!
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人間としての誇りはないのかッ!?

そんな役に立たないもンは とっくの昔に捨てたよ!

「ガフ・ガフガリオン」とはFINAL FANTASY TACTICSの登場人物。

プロフィール

年齢:53歳(Chapter2開始時)
誕生日:処女の月4日
守護星座:処女宮《ヴァルゴ》
ジョブ:ダークナイト→アイテム士
CV:高木渉(『イヴァリース クロニクルズ』)

概要

北天騎士団に雇われた傭兵の一人で、ベオルブ家を出奔し傭兵となった主人公ラムザ・ルグリアの先輩兼保護者的存在。
五十年戦争時は東天騎士団の分隊長として活躍したが、手段を選ばない闘い方をしたため戦後追放され、傭兵となった経歴を持つ。
平民出身でリアリストかつシビアな性格で、騎士道を重んじるアグリアスとはそりが合わない。
え?ラッドとの関係?…なんだろう。
しかし全く情を持っていない人間かと言えばそうではなく、作中でもそれはうかがえる(後述)。

その経歴と実力からかかなり有名らしく、劇中で(誰かも知らされずに)襲撃依頼されたそこらへんのごろつきっぽい刺客が一目見て何者なのか判別し、はした金(700ギル)*1に罵倒する一幕がある。
さすがに安すぎたのか、リマスター版「エンハンスド」では7000ギル(合計42000ギル)と後半の店売り装備も買える値段に格上げされるもそれでも安いらしい。
ちなみに7000ギルというのは、このごろつき達を締め上げた後にもらえるクリア報酬と同じくらい。…つくづくリマスター前の700ギル(合計4200ギル)の圧倒的ショボさである。

『〜なンだ』など、『ん』の発音に特徴のある喋り方をする。というか松野泰己の作品では定番。

ちなみに名前は本来は「ガフ・ガリオン」の予定だったが、ミスで「ガフ・ガフガリオン」になってしまったらしい。
なんとなく富野アニメ的ネーミングである。

劇中における活躍(ネタバレ有)

chapter2序盤は王女オヴェリアの護衛としてラムザと共に戦うが、ゼイレキレの滝にて突然裏切る。
実はダイスダーグに密命を受けており、本来の任務は『王女が無事に誘拐されるようにすること』だったが、ディリータが登場して計画が狂った為『王女抹殺』に計画が変更されたのである。
しかしそのやり方に反発したラムザは殺害に反対し、オヴェリアを守ろうとするアグリアスやディリータに加担してしまい、オヴェリアの抹殺には失敗する。
なので、正確にはラムザが裏切ったというのが正しかったりする。ラッド含む仲間達はガフガリオン以外全員ラムザについたというだけで。

その後もラムザの前に何度か敵として立ちはだかるも、ライオネル城前での闘いに敗れ死亡した。


ユニットとしてのガフガリオン

ジョブは彼専用ジョブ『ダークナイト』。
ダークナイトのアビリティ『闇の剣』はHPを吸いとる上に射程もあり序盤では非常に強力。
その時点では装備も中々いいものを装備しており、最初の強いボスがウィーグラフ・フォルズとすると2番目の強いボスと言っていいだろう。

それ以上に彼が敵として登場するマップは高難易度のものが多い。彼とはゼイレキレの滝、ゴルゴラルダ処刑場、ライオネル城門前の3回戦うが、ゼイレキレの滝は何も知らなければ突然裏切るため慌てることうけあい。ジョブチェンジさせたり装備を剥ぐのはやめてあげてください。リマスター版ではジョブチェンジはできなくなったが、装備剥ぎは変わらずできる。
処刑場では敵が彼を入れて8人もいる(自軍はラムザ含めて5人)上に勝利条件が『ガフガリオンを倒せ』ではなく『全ての敵を倒せ』。
当然これまでにない激戦となるが、この時のガフガリオンは貴重品の「ブラッドソード」を装備しているので、余裕があれば盗んでおきたい。
城門前は序盤はマップの構造上、ラムザは彼とのほぼ一騎打ちを強いられる。ラムザがテレポあたりを覚えていたら、悲しいことになるのでやめておこう。
そのため、印象に残っているプレイヤーは少なくないだろう。

考察

シナリオ上ではラムザと袂を分かって敗れた男というポジションなのだが、言動をよく見てみるとかなり味のあるキャラクターであることがわかる。

リアリストではあるが、兄弟で争う愚をダイスダーグに進言したり*2、裏切ったラムザを何とか説得して連れ戻そうとするなど、人情的な言動は存外多い。

粗暴が悪そうに見えるが、決して私利私欲で悪事を働くわけではなく彼本人は良くも悪くも雇い主に忠実なだけである。*3
イヴァリースの現状を知った上で現状を良くするためには汚れ仕事も仕方がないというスタンスであり、むしろ良識的とも思える面もある。
また、項目冒頭のアグリアスとのやり取りに代表されるようにかつては彼も理想や誇りを持っていたことがうかがえる台詞もある*4

理想主義者すぎるラムザやアグリアスと相容れず、彼を仲間にできなかったことを残念に思う声も多い。

何よりChapter1で自分の正義が信じられなくなり迷走していたラムザをダイスダーグの命令とはいえ一人前に育て上げたのは彼ということは無視できない。
実際、戦闘時には理想論を吐くラムザを厳しく叱りつけたり、「腐敗したイヴァリースを変えるためには『悪事』と呼ばれようとも成さねばならないことがある」と説くなど彼なりに信念を持ってラムザと相対している。

ラムザからも慕われていたようであり、彼の屍を前にしてラムザは

「さよなら、ガフガリオン…」

と一人呟く。
やはり自分を育て上げてくれた存在として少なからず恩義を感じていたのだろう。

ちなみに彼を撃破後にクリスタルが出現するが、これを取っても取得できるアビリティに「暗黒剣」は無いためガッカリした人も多いだろう。

能力面では典型的な戦士タイプだが、作中での現実主義者的な言動からすると意外なほどに「Faith(信仰心)」が高い。
彼には彼なりに「信じるモノ」があったということなのかも知れない。
それが神かどうかはガフガリオンのみが知る。

リマスター版では

担当声優の高木渉氏が喋ることを前提にテキストを当て書きしていたことが明かされている。

ブレイブストーリーでは東天騎士団追放はむしろ喜んでいたこと、その後は自分に似た境遇の仲間やならず者を集めて傭兵団を結成し、金さえ払えばなんでもするが仕事の成功率も高いと評判という背景にも触れている。

かなりセリフが追加されており、担当声優の熱演にもあり、粗暴だが理知的な面が強調されている。
ゼレイキレの滝ではあまりにグダグダな北天騎士団*5に呆れつつも依頼通りに裏切り、また「頂点に立たない限り人は利用される」という内容もオヴェリア個人を指す内容になっているなど、依頼の背景を察している。
何度もラムザを説得しようとしていたこともわかりやすくなっており、ジークデン砦の一件についても「忘れろ」という前に一瞬言葉に詰まっている。
ゴルゴラルダ処刑場で実質最後通牒を聞き入れないラムザに対して「このクソ、阿呆、間抜け!この分からず屋めがッ!」と豪快な罵倒をかます一方で、撤退する際には「これほどまでに強いとは───かなわんなぁ!」と自嘲気味に笑ってみせたりと味のあるシーンも増えている。

ゴルゴラルダ処刑場の「罠」を仕掛ける前のドラクロワとの会話では「神のご加護を」と声をかけられると「よせやい、神の国からもっとも遠いんだ、オレは」と神に背きし闇の剣の使い手としてその心意気だけ受け取っている*6
同時に失敗まみれのルードヴィッヒを「無能」と罵倒し、暗に始末することを勧めるなど腹黒い面も。

ライオネル城ではアグリアスを出撃させていると、オークス家に嫡男が生まれなかったため男として育てられたアグリアスを挑発半分憐れむが、「新しい価値観を認められない古い人間の言い分だが、否定はしない」と言い返されてしまう。もっともガフガリオン本人はむしろ感銘を受けていたが。

一番印象的なのはやはりラムザとのやり取り。オリジナル版ではどことなく淡々としてた最後の戦いはラムザからガフガリオンへの育てたもらった感謝と別れへの決意を表す会話が追加されている。

戦闘中会話を最後まで見ない場合は、「オレは──嫌いじゃなかったぜ──」と、どんなに甘ちゃんと断じようと内心ではラムザのことは嫌いではなかったと呟き死亡。
ラムザは静かに、しかしどこか哀しそうに「さよなら、ガフガリオン──」と呟く…。

そして追加戦闘会話では、ラムザは「家を出た後の自分に身分では買えない“経験”を、“成長”をさせてもらった」「あなたのことを嫌いじゃなかった」と命のやり取りの中でも、ガフガリオンのことを慕っていたことを明かす。
ガフガリオンは「オレたちはそんな間柄じゃねえだろ!」「とんだ甘ちゃんだぜ、お前はよ〜!」とむず痒そうな、しかしどこか嬉しそうに答える。
そしてこの会話を最後まで聞いた場合、死亡時のやり取りが少し変化する

自らが育てた現実を知らなかった子供に敗れたガフガリオンは⋯

むぅ、こ、このオレが──敗れるだと──?こんな小僧に──?

ふはははは──やるじゃねぇか、ラムザ

実を言うとな──オレ()も──嫌いじゃなかったぜ──

と明らかに涙ぐんだ声で、しかしどこか満足気に逝ったのだった。
そしてこれを聞いたラムザの「さよなら、ガフガリオン──」も涙を堪えながら、恩師に別れを告げるかのようなものに変化する。

主な台詞


“しかし”って言うンじゃねぇ!
おまえは“現実”から目を背け、逃げているだけの子供なンだよ!
それがイヤなら自分の足で誰にも頼らずに歩けッ! 独りで生きてみせろッ!!
それができないうちはオレにでかい口をきくンじゃねぇッ!


何かを成すためには犠牲が必要だッ!
犠牲を支払わない限り、人は前へ進めない!歴史を作ることはできないッ!
この腐敗したイヴァリースを見ろッ!誰かが変えなきゃいかンのだ!
お前の兄キはそれを成そうとしている!たとえ、それが悪事と呼ばれることでもな!



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最終更新:2025年10月10日 07:50

*1 ポーション14個分。ゴロツキが少なすぎと不満を訴えるのも無理はない。ちなみに「1人につき700ギル」という契約なので、正確にはガフガリオン+ラムザ+アグリアス+出撃可能な汎用ユニット3人の計6人で合計4200ギル。

*2 弟であるはずのラムザへの態度や扱いには内心ガフガリオンも憤慨していたようで、ダイスダーグに「実の兄とは思えン台詞だな。胸くそが悪くなるぜ。」と毒づくシーンもある。

*3 経歴も平民出身故に尾鰭がついている可能性も指摘されている。

*4 「とっくに捨てた」というが、つまりかつては持っていたからこそ「捨てた」のである。

*5 神殿騎士団の横槍の結果だが流石にこの時点ではガフガリオンもダイスダーグも知らない

*6 もっとも、キュクレイン戦でドラクロワの言う「神」とは教会の神ではなくルカヴィのことを指していることが明かされている